2021年11月15日月曜日

IPO分析(ボードルア)

 【事業内容】

 当社はITインフラストラクチャにおける、ITコンサルティング、設計構築を行うマルチベンダー構築支援、運用保守を行うマネージドサービス、オンプレミスだけでなくクラウド上でITインフラストラクチャを稼働されるクラウド基盤導入支援をおこなっております。当社が行う事業の契約形態には、請負契約、準委任契約、派遣契約等があります。

 DX時代の到来によりIoT活用、サーバー仮想化技術及びオンプレミスに代わるクラウド利用の増加、無線LANインフラの拡大、ローカル5Gの導入などに伴い、大容量のデータ通信やセキュリティ問題への対応など、幅広い領域で専門性が高まっております。

 これらの分野は、ITシステム全体をターゲットにしているシステム開発会社も行っております。しかし、上記の通り時代背景もあり、より専門性のあるIT会社が注目を浴びるようになってきており、当社はその中でITインフラストラクチャに特化した事業を展開しております。

 DX時代の中、当社では、基本的なネットワーク・サーバーに加え、SDNやセキュリティ、ワイヤレス接続、ロードバランサー、クラウド、サーバー仮想基盤、など特に専門性の高い領域にも注力することで、当該領域における2021年2月期の全体に占める売上比率は、それぞれSDN(10%)、セキュリティ(12%)、ワイヤレス接続(11%)、ロードバランサー(16%)、クラウド(24%)、サーバー仮想基盤(7%)となりました(売上比率には2つ以上の分野の重複売上も含んでおります)。専門領域に特化した各種情報処理技術に取り組み、競争力を高めることによる収益性の向上、ITインフラストラクチャはIT全体の基盤のため、コロナの時代背景のなかでも堅調に成長し、2021年2月期の営業利益成長率は24.5%、営業利益率は16.5%となりました。


・業務内容

 当社はITインフラストラクチャにおける、コンサルティングから保守運用まで、高度な顧客ニーズに応えるサービスと技術を提供しております。

 ITインフラストラクチャの新規導入やシステム更改における現状の課題や要望をヒアリング、要件定義を行い、設計いたします。得意分野である基本的なネットワーク・サーバーの構築の他、近年需要が高い仮想化、ロードバランサー、セキュリティ、ワイヤレスなど、オンプレミス・クラウドどちらの環境上でも設計・検証・構築を支援。構築後は、導入、運用(監視、保守、障害分析、改善業務など)もサービス提供しております。


(1)売上分類

当社のサービス提供に関する売上分類としましては、主に次の3種類に分類されます。

① サービス内容に基づく時間別売上

 保守運用業務に至るまでに、インフラの構築に関するコンサル業務、要件定義、システムの構築など多岐にわたる依頼を受けておりますが、これらの業務につきましては、受注時には成果物の特定が容易ではないことが多く、業務の遂行に要した時間に対して、事前に取り決めたサービス提供者の時間単価を乗じた報酬を受領しております。また、この業務を遂行した結果、保守運用フェーズに移行するため③ストック型売上へと発展していくことがあります。


② プロジェクト別売上

 プロジェクト別に単発での作業となります。依頼を受けた成果物提供についての見積りを提示し、成果物が完成後、納品検収ベースで報酬を受領しております。


③ ストック型売上

 システムの保守運用維持費用として月額報酬を受領しており、本収入は、継続性が高く安定収益の基盤となっております。当該サービスの継続性が高い理由としては、対応しているシステムが存在している限り保守・運用は必要となるものであり、また、当社の高い技術レベルが評価されたものと考えております。

 当社では、1年以上継続してサービス提供を行う契約が年々増えており、ストック型売上も毎年増加しております。今後も継続性の高い案件は安定した収益の柱となると見込んでおります。ストック型売上の継続状況につきましては、下記プロジェクト開始時期別のストック型売上推移をご参照ください。

 なお、本業務遂行の結果、日常でのコミュニケーション及び相談を受ける機会が増加するため、①サービス内容に基づく時間別売上や②プロジェクト別売上へと発展していくことも多々あります。


 (2)顧客属性

 当社の顧客を大別すると、事業会社(IT通信業、金融業、流通業、医療、官公庁等)、事業会社の情報システム関連子会社、通信事業者、又当社と同業となる事業者であり、これらの幅広い業種の顧客に対応したネットワーク、サーバーの設計構築業務、運用保守業務を提供しております。当社は幅広い業種の顧客に専門技術を要するサービスを提供することで収益性を向上させております。

 今後IT技術が益々進化していき、それに伴い分野別の専門性が高まり、システムへの投資が拡大すると当社としては考えておりますが、当社は、顧客セグメントをエンタープライズ企業、SMB企業の2セグメントに分類し、それぞれのニーズに即したソリューションを提供しております。

 特にエンタープライズ企業において、1社あたり平均売上が大きくなる傾向が見られることもあり、今後はこれまで蓄積してきた技術ナレッジをエンタープライズ企業へ重点的に展開することにより、更なる売上の向上につなげていきたいと考えております。


(3)人材教育及び育成

 ITインフラストラクチャ分野のサービスでは、高度な専門性を持った技術力が求められておりますが、この技術力を維持、強化するためには継続的な従業員教育が極めて重要となります。当社では、効率的な人材の育成と継続的な教育を重要な経営戦略と位置づけ、新卒採用を開始した2014年以降、人材教育のナレッジを蓄積してきました。全社員を対象とした教育プログラムは年々充実してきており、技術職の採用実績は2020年2月期121名、2021年2月期156名と増加してきております。

 また、当社がITインフラ関連の案件向けサービスを重点的に提供しているため、当初の数年間はネットワーク・サーバーに関する基礎的なフェーズ(構築補佐、保守、運用監視等)や技術領域(ルーター、スイッチ、サーバー基礎)の業務を経験し、その後より難易度の高いフェーズ(コンサル、要件定義、設計、構築)や技術領域(SDN、クラウド、セキュリティ、ロードバランサー、仮想等)に能力、技術力を高めていくことができる体制を整えております。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2020.2 2,648 409 395 278

(単独実績)2021.2 3,084 509 542 415

(単独予想)2022.2 3,920 635 641 479

(単独中間実績)2022.2 1,859 261 258 199


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2022.2 65.23 - 0

調達資金使途 採用費、教育費、人件費


上場時発行済み株数 7,790,000株 (別に潜在株式222,400株)

公開株数 1,610,200株(公募590,000株、売り出し810,200株、オーバーアロットメント210,000株)

 

PER:30.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:32.2億

公募時時価:155億

    

【株主構成】 以下180日

冨永重寛 代表取締役社長 4,391,590 59.17

藤井和也 代表取締役 1,696,750 22.86

程島義明 取締役 439,160 5.92

小林剛士 特別利害関係者など 400,000 5.39

三幣尚史 従業員 100,000 1.35

森谷岳史 従業員 80,000 1.08

汐留パートナーズ(株) 協力会社 25,200 0.34

森元嗣 従業員 25,200 0.34

松沢一応 特別利害関係者など 20,000 0.27

藤ヶ崎剛 特別利害関係者など 20,000 0.27

(株)エクソンホールディングス 特別利害関係者など 20,000 0.27


本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である冨永重寛、藤井和也、売出人である程島義明、小林剛士、三幣尚史、森谷岳史、森元嗣、松澤一応、当社株主である藤ヶ崎剛、株式会社エクソンホールディングス、榎村裕及び当社新株予約権者である汐留パートナーズ株式会社、斉藤悠平、浜田友洋、岡啓志、川村知史、福田慎太郎、梶雄一郎、三橋出、阿部岳晃、増田寛己、松本旭史、稲葉駿、太田大輔、鈴木詩織、竹内靖浩、岡本俊夫、尾中直也、岡野翔、小林康太、上野一成、渡邊修一朗、丹波奏良、笠間達郎、中尾将大、斉藤一仁、吉田一平、会田健一郎、大堀哲也、荒木隆夫、坂本悠季、堀田幸平、松下英樹、井上佳美、芦澤祐哉、横町亮太、島尻涼馬、五斗祐作、村上海磯、湯田幸一郎、中野裕貴、大木重和、渡邊一也、柿沼涼、松本茂人、山田将平、門倉淳夫、五十嵐広祐、照井貴也、栗原亮介、市橋貴行、豊田進矢、高出勇人、玉置拓也、渋谷祐介、二部智彰、佐藤紀之、藤重篤啓、山田雄介、徳富貴洋、三田村邦央、高槻大輝、川口慎司、吉田匡志、荒木翔太、田端真樹、佐藤駿、古賀鷹一郎、柳恵太、福嶋実佳、相田智也、宮負貴、染谷弘祐、中村良平、酒井励、渡部雄哉、竹田泰紀、宮﨑宣征、外山沙愛、平林拓、植田悠貴、久保篤史、本多智識、内宮迪彦は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2022年5月28日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 

【代表者】

代表者名 冨永 重寛(上場時40歳3カ月)/1981年生

本店所在地 東京都港区赤坂 ミッドタウン・タワー37階

設立年 2007年

従業員数 639人 (9/30現在)(平均27.4歳、年収365万円)

株主数 11人 (目論見書より)

資本金 50,000,000円 (10/27現在)

代表者生年月日 1981年08月05日生まれ

代表者略歴

年月 概要

2006年09月 (株)ニキティス 代表取締役就任

2007年03月 慶應義塾大学経済学部 卒業

2007年04月 当社入社

2007年11月 代表取締役社長就任(現)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 1,260,200 90.00

引受証券 みずほ 42,000 3.00

引受証券 SBI 28,000 2.00

引受証券 野村 28,000 2.00

引受証券 いちよし 14,000 1.00

引受証券 松井 14,000 1.00

引受証券 楽天 14,000 1.00


【参考類似企業】今期予想PER(11/11)

1973  NESIC 17.6倍(連結予想 )

3844  コムチュア 45.0倍(連結予想 )

4434  サーバーワクス 102.4倍(連結予想 )

4498  サイバトラスト 36.7倍(連結予想 )

4743  ITFOR 13.4倍(連結予想 )

6199  セラク 22.6倍(連結予想 )

7518  ネットワン 21.8倍(連結予想 )

8096  兼松エレク 12.8倍(連結予想 )

9799  旭情報 11.1倍(単独予想 )


【私見】 

 業種としてはITインフラで5G関連でもあるので妙味はあります。売上・利益の伸びも良く、VCなしの完全ロックなので評価はできます。今出ているIPOの中では、セカンダリーの観点から上位ランクに位置する銘柄と思いますが、吸収金額・時価総額もスタート時点でやや大きめなので、今の地合いですと初値で200憶規模になってしまうとそこから上がるのは簡単ではないかもしれません。


想定価額:1850円

仮条件上限:2000円

初値予想:2800円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価3.5

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