2022年3月4日金曜日

IPO分析(守谷輸送機工業)

 【事業内容】

(1) 事業の特徴

 1950年3月に設立され、専業メーカーとしてエレベーター等の製造から据付、保守・修理までの一貫した事業を展開してまいりました。

 国内では、主に荷物用及び船舶用エレベーターに係る事業活動を営んでおりますが、当社が2つの工場とテクニカルセンター、8つの支店・事務所及び保守・修理業務の委託先として48のサービス拠点を有して国内の全地域をカバーしているほか、本社内に「守谷サービス情報センター」を設置し、保守契約先からのエレベーター等の異常/故障の発生連絡に対して24時間365日の受付対応を行うなど、経営資源をエレベーター事業に集中して投下することで顧客の様々なニーズに応えております。

 海外では、上海守谷電梯有限公司が中国における資材調達窓口として当社の購買代理業務を担っており、当社グループの仕入コストの低減に重要な役割を果たしているほか、中国における船舶用エレベーターの据付、保守業務等を展開しております。


(2) 主な製品・サービス

① エレベーター

a.荷物用エレベーター

エレベーターは、人や荷物を載せて垂直又は斜めに移動させる昇降装置であり、かごの水平投影面積が1㎡超、又は天井の高さが1.2m超の大きさのものをいいますが、用途に応じて乗用、寝台用、荷物用、自動車用などに分類されます。

 当社は主として荷物用エレベーターを取り扱っておりますが、荷物用エレベーターは、かご床がフォークリフト等で長期間使用しても剥がれ・たわみが少ない等の堅牢性、冷凍・冷蔵倉庫向けでの結露対策といった使用環境に応じた性能・機能の確保、誰でも安全で使い易い操作性等が求められます。

 当社では、積載荷重が2t以上の中大型エレベーターや荷物を連続して搬送できる垂直自動搬送機「マックリフター」、冷凍・冷蔵倉庫向けエレベーター、自動車用エレベーターなど、顧客の様々なニーズに対応した製品を展開しております。

 

b.船舶用エレベーター

 船舶用エレベーターは造船各社を受注先とし、大型の外航船やフェリーなどに設置される乗用エレベーターですが、建物用と異なり、船の振動(揺れ)や衝撃にも耐えうる構造や防錆・防沫性能が求められます。

 当社では、シンドラーエレベータ株式会社から船舶用エレベーターの技術等を譲り受けて2003年8月に販売を開始し、現在では国内及びアジア市場において事業展開しております。

② 保守・修理

当社では、顧客との間でエレベーターに関する保守契約・点検契約を締結し、委託されたメンテナンス、修理及び建築基準法や労働安全衛生法で義務付けられた定期検査・定期点検業務を行っておりますが、契約形態としては、フルメンテナンス契約(保守契約)とPOG契約(点検契約)に分かれます。

 エレベーター業界各社のビジネスモデルは、エレベーター販売時の利幅を薄くする一方で、その後の定期的な保守点検作業を受注して長期的に利益を確保するものであります。当社においても、新規保守契約・点検契約率の維持向上、解約率の引き下げに取組み、収益性の向上を図っております。


【業績等】

業績動向(単位:百万円)

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/03 単独予想 14,082 1,974 1,969 1,247

2022/03 単独3Q累計実績 9,896 1,227 1,257 795

2021/03 単独実績 13,517 1,686 1,713 1,084

2020/03 単独実績 12,110 1,350 1,395 860


決算期 種別 EPS BPS  配当

2022/03 単独予想 81.57 418.62 -


上場時発行済株数 17,333,000株(別に潜在株式385,000株)

公開株数 4,899,000株(公募2,130,000株、売り出し2,130,000株、オーバーアロットメント639,000株)

調達資金使途 工場生産設備投資、システム投資、本社部門の一部移転、人件費、借入金返済


PER:9.9

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:39.6億

公募時時価:140億

​   

【株主構成】 

(株)M2W 役員らが議決権の過半数を所有する会社 5,500,000 35.28% 180日

守谷貞夫 代表取締役社長 2,970,000 19.05% 180日

守谷順子 代表取締役社長の配偶者 2,330,000 14.95% 180日

浜芽久実 代表取締役社長の血族 1,200,000 7.70% 180日

戸塚昌代 代表取締役社長の血族 1,150,000 7.38% 180日

守谷和香子 代表取締役社長の血族 1,150,000 7.38% 180日

(株)横浜銀行 取引先 290,000 1.86%

日本生命保険(相) 特別利害関係者など 217,500 1.40%

MTE従業員持株会 特別利害関係者など 204,115 1.31% 180日

朝日生命保険(相) 特別利害関係者など 145,000 0.93%

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である神農雅嗣並びに当社株主かつ貸株人である株式会社ジェイコーポレーション、当社株主である株式会社マキテック、セレコーポレーション社員持株会、阪和興業株式会社、貝本千世子、貝本富哉、貝本貴哉、山口貴載、西本昌善、奥田誠、東京共同会計事務所、鈴木謙一、渡瀬年巳、土屋雅美及び大嶋正史は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2022年9月6日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)等を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 守谷 貞夫(上場時81歳3カ月)/1940年生

本店所在地 神奈川県横浜市金沢区福浦

設立年 1950年

従業員数 296人 (2022/01/31現在)(平均39.8歳、年収653.7万円)

事業内容 荷物用エレベーターなどの製造、据え付け工事、販売および保守・修理事業

URL https://moriya-elevator.co.jp/

株主数 20人 (目論見書より)

資本金 264,895,000円 (2022/02/14現在)

代表者生年月日 1940年12月16日生まれ

代表者略歴

1964年04月 (株)神戸製鋼所入社

1969年12月 当社入社 社長室長

1970年04月 当社常務取締役

1974年09月 当社専務取締役

1983年06月 当社代表取締役社長(現任)

2003年05月 (一社)神奈川経済同友会 幹事(現任)

2012年05月 東京エレベータ工業協同組合 理事長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 3,791,400 89.00%

引受証券 東海東京 127,800 3.00%

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 127,800 3.00%

引受証券 みずほ 127,800 3.00%

引受証券 マネックス 42,600 1.00%

引受証券 SBI 42,600 1.00%


【参考類似企業】参考類似企業 銘柄 今期予想PER(2/17)

6357 三精テクノ 13.1倍 (連結予想)

6406 フジテック 19.9倍 (連結予想)

6501 日立 10.8倍 (連結予想)

6502 東芝 13.2倍 (連結予想)

6503 三菱電 14.7倍 (連結予想)

6544 JESHD 52.5倍 (連結予想)


【私見】

 業種妙味はなく、東証2部で業績はやや伸びている程度で人気になる可能性は非常に低い銘柄です。PERは他社に比べてもやや割安感はあるので、下値不安は少なく大きく下がることは考えにくいです。しかし、買い材料も乏しく、公募近辺が妥当でしょう。


想定価額:770円

仮条件上限:810円

初値予想:810円

ブック申し込み度・・・やや弱気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:2.5

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