2023年10月25日水曜日

IPO分析(DAIWA CYCLE)

 【事業内容】

​ 「自転車の〔新しいアタリマエ〕を創る」という経営理念のもと、自転車でより良い人々の暮らしに貢献するため、主に店舗において自転車及び自転車パーツ・アクセサリー等の商品販売、自転車の整備及び修理サービスの提供を行っております。

 自転車は100年超にわたり利用されている歴史のある乗り物ですが、近年、地球温暖化が進む中において環境負荷の低い乗り物として再評価されるとともに、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、感染症予防のための密を避ける手段としての利用、運動不足に起因する生活習慣病等の予防に向けた健康志向の高まりによるサイクリング利用等、自転車の価値が高まっております。また、2017年5月に自転車活用促進法が施行され、今後、自転車専用道路の整備等が進んでいくことから、今後も自転車市場が拡大していくと考えております。

 一方、自転車販売店はこれまで個人経営店が多数を占めていたところ、これら事業主の高齢化等の理由により事業者数が減少し続けており、顧客が自転車を所有していても修理・メンテナンスの依頼先に困るという状況が発生しております。また、安価にインターネットで購入しても顧客へのアフターサービス力が弱い事業者も少なくはありません。これら顧客の不便を解消し、さらに利便性を高めるべく出店を拡大しております。

 「自転車関連販売事業」を単一のセグメントとしており、自転車及び自転車パーツ・アクセサリー等の商品販売、自転車の整備及び修理サービスの提供を行っております。2023年8月末時点において、国内実店舗120店舗(直営店舗114店舗、FC(フランチャイズ)店舗6店舗)に加え、ECサイト(ダイワサイクルオンラインストア)を運営しております。ECサイトでは、直接顧客に商品を配送するサービスに加え、購入した自転車等を店舗で受取りができるサービスも提供しております。


(1)取扱品目について

 商品については、国内外自転車メーカー等のNB(ナショナルブランド)商品(これらメーカーとの共同開発による当社オリジナル品を含む)に加え、当社が企画・開発した商品を主に中国メーカーへ生産委託したPB(プライベートブランド)商品も取り扱っております。

(2)販売経路について

 主な販売経路は、直営店に加え、FC店及びECサイトを通じた顧客(最終消費者)への直接販売であります。

直営店は当社が直接運営を行う店舗であり、FC店は当社とフランチャイズ契約を締結する法人が、商品を当社から仕入れ、販売を担う店舗であり、当社は当該フランチャイズ契約先である法人からロイヤリティ収入を得ております。ECサイトは当社が運営するオンライン販売サイトに加え、他社ECプラットフォームを通じて顧客へ販売を行うチャネルとなります。


(3)サービスの特徴について

 関西・関東・中部の郊外ロードサイドを中心に大型の自転車専門店を展開しております。出店に際しては顧客が来店しやすい店舗立地となるよう、ドミナント戦略を意識しております。また、来店した顧客に対しては、研修を通じて接客スキルや商品知識、技術を身に着けた従業員が丁寧な商品提案等のサービス提供を行っていることに加え、NB商品だけでなく、顧客ニーズを取り込んだ自社開発のPB商品も加えた豊富なラインアップで顧客の快適な自転車生活に合致する商品を提案できるような店舗運営を行っております。


上記に記載した当社のサービスの主な特徴は、次のとおりであります。

①自転車の「困った」を1秒でも、短く! 「出張修理」サービス

 パンクやカギの紛失など、思いがけないトラブルに見舞われた顧客を1秒でも早く助けるために、当社では「出張修理」サービスを行っております。自転車トラブルの際、自転車を店舗に持参いただき預かるのではなく「バイクで迅速に駆けつけてその場で修理」というスピード対応が当社の特徴です。自転車は生活に欠かせないものであるからこそ、「お客様に、いつでも安心して自転車に乗っていただきたい」との想いから生まれたサービスであります。


②対面での丁寧な接客

 インターネット上で何でも買える時代ですが、当社では対面での接客を重視しております。自転車は様々な種類があり、顧客ごとに利用頻度や利用目的も多様です。さらに「坂道が多い」「駐輪場所が少ない」等、地域の特性もあります。したがって、顧客一人一人の利用環境やニーズ等を詳しくヒアリングしたうえで、最適な自転車と快適な自転車生活を提案することで顧客満足度を高め、継続した関係構築に努めております。


③購入いただいてからの付き合いを大事に

 自転車は購入後も定期的なメンテナンスや修理が必要な商品です。また、当社には、購入後の「自転車生活」をより良いものとしていただきたいという想いがあります。そのため、定期点検や盗難補償等が付いた「ダイワサポートパック」や「出張修理サービス」の提供を行っております。また、修理スペースを店舗の入り口付近という通行人の目に入る場所に置くことで、気軽に修理に来ていただける体制を整えております。


新規出店予定は

11(2023/1)→13(2024/1)→20(2025/1)→25(2026/1)


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2024/01 単独中間実績 7,927 496 510 333

2024/01 単独会社予想 14,862 749 756 493

2023/01 単独実績 13,090 561 610 413

2022/01 単独実績 11,459 221 277 139


決算期 種別 EPS BPS 配当

2024/01 単独会社予想 230.67 1,746.45 49.00


上場時発行済株数 2,600,000株(別に潜在株式129,500株)

公開株数 920,000株(公募600,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント120,000株)

調達資金使途 新規店舗出店のための設備投資


PER:7.0

PBR:0.92

配当利回り:3.0%

公募時吸い上げ資金:14.8億

公募時時価:42億

【株主構成】 

涌本宜央 代表取締役社長 2,000,000 93.92%

斎藤勇治 取締役 10,000 0.47%

金子陽一 取締役 10,000 0.47%

伊藤亮太 従業員 5,500 0.26%

原田敬士 従業員 5,000 0.23%

田中英明 従業員 5,000 0.23%

佐々木尚子 従業員 5,000 0.23%

金本崇英 従業員 3,500 0.16%

椿野拓哉 従業員 3,500 0.16%

上原章嗣 従業員 1,500 0.07%

河合純哉 従業員 1,500 0.07%

郷信平 従業員 1,500 0.07%

福田潤平 従業員 1,500 0.07%

名倉達也 従業員 1,500 0.07%

家永浩明 従業員 1,500 0.07%

藤井秋一郎 従業員 1,500 0.07%

遊佐貴正 従業員 1,500 0.07%


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主及び売出人並びに貸株人である涌本宜央、当社株主である株式会社WAKUMOTO、当社新株予約権者である齋藤勇治及び金子陽一は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2024年5月5日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 涌本 宜央(上場時49歳0カ月)/1974年生

本店所在地 大阪府吹田市江坂町

設立年 1990年

従業員数 645人 (2023/08/31現在)(平均28.5歳、年収391.7万円)

事業内容 自転車および自転車パーツ・アクセサリーなどの商品販売、自転車の整備および修理サービスの提供

URL https://www.daiwa-cycle.co.jp/

株主数 1人 (目論見書より)

資本金 10,000,000円 (2023/10/05現在)

代表者生年月日 1974年10月31日生まれ

代表者略歴

1994年06月 株式会社ナニワ(現 株式会社サイクルランドナニワ)入社

1997年10月 当社入社

1998年10月 当社取締役

2006年02月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 680,000 85.00%

引受証券 SBI 120,000 15.00%


【参考類似企業】 今期予想PER

3333 あさひ 9.7倍 (単独予想) 時価320億 PBR 0.87 配3.6% 売800億 経常54億 500店舗


【私見】

 自転車関連としてあさひとの業績比較になるでしょう。現状では店舗数では1/4ほど売上・利益で1/5~1/6ほど、PERではやや低め、PBRで共に1倍割れ、配当利回りは共に3%台となっています。新規出店は20店舗ほどを予定しているので、トータルで考えると時価総額で1/5~1/6ほどの50億から60億ほどで評価をしても良いかと思っています。


想定価額:1610円

仮条件上限:1610円

初値予想:1800円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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