【事業内容】
1)事業の概要
店舗向けのCX向上ソリューション事業を主要な事業として展開しております。「すべてのお店の「マーケティングプラットフォーム」に」を目指し、主に小売、飲食、アパレル、エンターテインメント業界の中小規模から大手チェーン店に至るまで、15,370店舗(2024年12月末時点で当社サービスを月額固定費で提供している店舗数)の顧客基盤を有しております。
① 顧客ニーズに適応する柔軟なプラットフォーム
デジタルマーケティングの実績とノウハウを活かし、顧客のニーズにあわせて最適なプロダクトを選定し、カスタマイズして提供することでトレンドにあったマーケティングによる売上拡大を支援します。
② DX推進ニーズがあるターゲットと顧客ポートフォリオ
データを活用した販促を効率的に実施する人材が不足していると思われる店舗事業者をターゲットとし、小売・飲食・エンタメなど特定の業種に偏らないポートフォリオにより有事や市況に影響されにくい顧客基盤を構築しています。
③ 幅広いソリューションとコンサルティング体制
顧客企業の課題やニーズに合わせて、「GMOマーケティングDX」や「GMOマーケティングコネクト」をはじめとした各種プロダクトと、専門知識を持ったコンサルタントによる導入・運用支援から効果レポートおよび施策改善等のコンサルティングサービスを組み合わせて提供しています。これにより、顧客企業は自社の状況に最適なソリューションを導入し、効果的なマーケティング施策を実行することが可能となります。また、導入後の運用支援や効果測定、改善提案なども行い、顧客企業のマーケティング活動を長期的にサポートします。
(2)売上高の区分
当社の売上高は、以下の3つの区分で構成されております。
これらの区分は、当社が提供する店舗販促プロダクト、店舗販促コンサルティング、店舗販促システムの各サービスにおける課金方式や収益の性質を反映しています。
・ストック収益・・・当社サービスを提供し店舗から得られる月額の固定料金
・トランザクション収益・・・店舗の利用や配信数に応じて得られる従量課金
・その他収益・・・広告運用手数料、臨時的なコンサルティング費用 等
① ストック収益
月額固定の利用料による収益で、2024年度実績で全体の約70%(1,358百万円)を占めております。この収益は主に、GMOマーケティングDX LINE公式アカウント、GMOマーケティングDX LINE公式アカウントのセグメント配信オプション、GMOマーケティングDX Instagram、GMOマーケティングDX Instagram ダイレクトメッセージなどのSNS等活用サービス、GMOマーケティングコネクトなどのCRM(顧客管理システム)ツール及びマーケティングオートメーションツールの月額利用料から構成されており、1年契約の自動更新で提供しております。顧客との長期的な関係性を構築し、安定的な収益基盤を形成する当社のビジネスモデルの中核を成しています。
② トランザクション収益
当社のサービスを通じた店舗の顧客ターゲットへのメッセージやメール等の配信数に応じた従量課金による収益で、2024年度実績で全体の約10%(175百万円)を占めております。この収益は主に、GMOマーケティングDX LINE公式アカウント セグメント配信オプション、GMOマーケティングDX Instagram ダイレクトメッセージ及びGMOマーケティングコネクトなどの配信数に応じた従量課金から構成されています。顧客の利用状況に応じて収益金額や全体売上に占める割合が変動し、事業成長を促進します。
③ その他収益
サービス契約時や運用支援のカスタマイズサービス提供時に都度発生する運用手数料などの収益です。2024年度実績で全体の約20%(449百万円)を占めております。この収益は主に、GMOおまかせ広告などの広告配信サービスの運用手数料、臨時的なコンサルティング費用、特別なキャンペーン実施時の追加料金などが含まれます。また、店舗販促システムにおけるカスタマイズ対応や追加分析レポートの作成など、顧客の個別ニーズに応じたサービス提供による収益もこれに該当します。この収益は、顧客のニーズに柔軟に対応し、付加価値の高いサービスを提供する際に発生する収益区分です。
なお、当社の事業はCX向上ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。「GMOマーケティングDX」GMOマーケティングコネクト」が当社事業を構成する主要サービスとなるため、以下その内容を記載します。
(3)サービスの概要
店舗向けCX向上ソリューション事業の主要サービスとして、以下の6つを提供しております。
① GMOマーケティングDX LINE公式アカウント
GMOマーケティングDX LINE公式アカウントはLINE公式アカウントの導入から運用まで総合的にサポートするサービスで、当社事業の基礎となる顧客基盤の構築に至った主要プロダクトです。スマートフォンの普及やSNSの利用拡大によるマーケティングの多様化を見据えて早期に販売に注力し、デジタル化が遅れている店舗事業者に向けて導入から運用支援まで手厚いサポートを行うことで顧客店舗数を拡大してまいりました。
主な特徴は以下の通りです。
a 運用サポート
LINE公式アカウントの審査代行・リッチメニュー制作・メッセージの制作と配信・友だち獲得施策まで、幅広くサポートします。特に、当社は2022年から3年連続でLINEヤフー Partner Programにおいて唯一2部門(「Sales Partner」「Store Promotion Partner」)で上位を獲得しており、LINE公式アカウント支援企業の中でトップクラスの実績を有しています。
b 86%の継続率
LINE公式アカウントサポートは86%の継続率(2024年1月~2024年12月平均)です。これは、きめ細やかなサポートと効果的な運用戦略の提供による顧客満足度の高さを示しています。
c データ分析と改善提案
友だち数、メッセージ開封率、クーポン使用率などの詳細なデータを分析し、月次レポートとともに改善提案を行います。これにより、継続的な運用改善とROI(投資利益率)の向上を実現します。
② GMOマーケティングDX LINE公式アカウント セグメント配信オプション
LINE公式アカウントの導入が拡大・浸透する中で、顧客属性やアンケート結果などデータに基づいた、より高度なマーケティング施策へのニーズの高まりを背景に、LINE APIとの連携(注4)によるセグメント配信やクーポンの出し分けが可能となるサービスを開発しLINE公式アカウントサービス契約者に向けた追加サービスとして提供しております。
主な特徴は以下の通りです。
a 最適化された情報配信
顧客属性に合わせたOne to Oneマーケティングアンケート機能や顧客のリアクションデータ分析を活用し、顧客属性や興味関心に基づいたセグメント配信を実現。顧客一人ひとりに最適化された情報配信により、エンゲージメント向上や来店・購買促進を支援します。
b 配信コストを抑えて効果をあげる販促
リッチメニューを活用したクーポン配信や、属性に応じたメッセージの送り分けなど、顧客のニーズに合わせた効果的な販促施策を提案。配信コストを抑えつつ、広告効果をあげることが可能になります。
c 充実した効果測定と改善提案
友だち数、メッセージ開封率、クーポン使用率など、LINE公式アカウントで集計可能な数値をカテゴリごとに集計し、レポートを提供。さらに、A/Bテスト機能を活用することで、効果的なメッセージ内容の検証を支援し、継続的な改善を促します。
③ GMOマーケティングDX Instagram
Instagram運用を包括的にサポートするサービスです。LINE公式アカウントと同様の販促活動が可能で、より購買意欲の高いユーザーが利用するInstagramでの販促も併せて行うことで効果の最大化が可能となります。
主な特徴は以下の通りです。
a 高度な運用サポート
Instagramアカウントの設定、投稿企画、コンテンツ制作からフォロワー獲得施策まで、幅広くサポートします。店頭POPやオリジナルテンプレートの制作により運用効率化を加速させ、潜在顧客への効率的なアプローチが可能です。
b データ分析と改善提案
フォロワー数、投稿エンゲージメント率、DM開封率などの詳細なデータを分析し、月次レポートとともに改善提案を行います。
④ GMOマーケティングDX Instagram ダイレクトメッセージ
Instagramでのマーケティング施策が浸透する中で、より特性を活かした販促活動を望む店舗事業者に向けてLINE公式アカウントと同様にInstagram DMを通じた一斉配信による集客が可能となるサービスを開発し提供しております。
主な特徴は以下の通りです。
a Instagramユーザーへの直接アプローチ
Meta社の公式APIを活用した配信システムにより、InstagramのDM機能を活用した一斉配信が可能。Instagramのメインユーザー層である若年層へのアプローチや、新たな顧客層の獲得を支援します。
b アカウント露出拡大と顧客獲得促進
コメントやメンションへの自動返信機能、DM承諾者を増やすためのツール連携など、Instagramアカウントの露出拡大と顧客獲得を促進する機能を提供。アルゴリズム評価を高め、リーチ拡大による集客効果向上を目指します。
c 効果測定とデータ活用
DM配信結果レポート機能により、配信数、開封数、クリック数などを計測し、効果測定が可能。蓄積されたデータは、今後の販促活動の改善や、LINE、アプリ、メールなど他のチャネルとの連携にも活用できます。
d 業務効率化
LINE管理画面と同等の操作性で、Instagram DMの一斉配信や自動返信設定などを簡単に行うことが可能。配信予約機能やテンプレート機能なども搭載し、業務効率化を支援します。
⑤ GMOマーケティングコネクト
これまでのサービス提供の実績とノウハウを結集しGMOマーケティングDX LINE公式アカウントやInstagramと連携して店舗のマーケティングCX向上を実現する、当社の中核となる統合型デジタルマーケティングプラットフォームです。
主な特徴は以下の通りです。
a 統合データプラットフォーム(CDP)
ゼロパーティデータとファーストパーティデータ(注7)を統合的に収集・分析し、ユーザーデータを活用した高度なパーソナライズマーケティングの実現を可能とします。さらに、人流データやソーシャルリスニングデータも統合することでより精緻な顧客理解を可能にすることを目標としています。
7.ファーストパーティデータとは、企業が自社のデジタル資産(ウェブサイト、アプリ等)を通じて直接取得する顧客データを指します。ウェブサイトの閲覧履歴、購買履歴、アプリの使用状況、顧客サポートとのやりとりなどが含まれます。このデータは企業独自のものであり、第三者を介さないため信頼性が高く、個人情報保護規制の下でも比較的自由に活用できます。顧客行動の詳細な分析や、効果的なマーケティング戦略の立案、商品・サービスの改善などに利用され、企業の競争力強化と顧客生涯価値(LTV)の向上に寄与します。
b 最少のデータでマーケティングを最適化
AIが収集データを解析し、興味・関心や行動などターゲットと似た特性を持ち、商品やサービスに魅力を感じる可能性の高いユーザーを特定。少ないデータでもマーケティングの最適化が可能となります。
c マルチチャネル対応
4つの主要チャネル(LINE、Instagram、メール、アプリ)を通じたコミュニケーションを一元管理し、実店舗やオンラインなど、あらゆる販売チャネルを統合しシームレスな顧客体験を提供するオムニチャネルマーケティングの実現を可能とします。これにより、顧客企業は統一的なブランドメッセージを複数のチャネルで展開できます。
d 分析・可視化機能
データを収集・分析し、意思決定を支援するためのソフトウェアであるビジネスインテリジェンス(BI)ツールを活用し、マーケティング活動の効果測定や競合分析を可能にします。直感的なダッシュボードにより、複雑なデータを容易に理解し、迅速な意思決定を支援します。
e CX向上
高度なデータおよびAI技術の活用により、あらゆる規模の店舗が来店客ごとの嗜好や行動に合わせ最適なタイミングと内容による販促メッセージを自動配信できるなど高度なデジタルマーケティングを実施可能になります。これにより、最終消費者の顧客体験向上を実現し、顧客企業の集客および売上強化に貢献します。
f データ循環モデル
GMOマーケティングコネクトの利用を通じて蓄積されるデータを分析・活用することで、サービスの継続的な精度向上と顧客ロイヤリティの向上を実現します。このデータ循環モデルにより、精度向上を続けることで顧客企業との長期的な関係構築と当社の持続的成長を図ります。
⑥ GMOおまかせ広告
Yahoo!プロモーション広告正規代理店およびGoogle AdWords認定パートナーとしての専門知識と実績を活かした広告運用代行サービスです。日々のチューニングや予算配分の最適化を当社が完全代行することで、広告運用の効率化と費用対効果の向上を実現します。ECモールでのコンバージョン拡大と自社サイトでの認知拡大の両面から、クライアント企業の売上アップに貢献しています。
主な特徴は以下の通りです。
a 適切なタイミングで広告を出せる
CVR(コンバージョン率)の高いタイミングに予算を集中配分します。商品トレンドとモールイベントの相関分析により予算チューニングを行い、掲載開始直後から効果を発揮します。
b 無駄なクリックの除外
広告クリックの10~30%を占める無駄なクリック(競合調査、クリック代行業者などによる顧客の売上につながらないもの)を除外します。グーグル広告、ヤフー広告とAPI連携し、IPアドレス単位、配信先単位、端末単位での無駄なクリック排除を実現することで、ROAS(広告費用対効果)の向上が実現可能となります。
c 最新データを使った広告出稿
店舗の商品データを1日1回自動取得し、最新情報に基づいた広告出稿を行います。商品データを使った自動ターゲティング、ニーズの高い検索結果への掲載、クリエイティブの自動生成により、ユーザーの購入意欲が高いタイミングで効果的な広告配信を実現します。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2025/12 単独中間実績 1,153 258 258 172
2025/12 単独会社予想 2,422 507 507 342
2024/12 単独実績 1,983 348 351 218
2023/12 単独実績 1,766 219 220 143
2025/12 単独会社予想 85.07 - 43.05
上場時発行済株数 5,164,800株(別に潜在株式327,006株)
公開株数 1,803,600株(公募1,568,400株、オーバーアロットメント235,200株)
調達資金使途 人件費・人材採用費、業務委託費、販売促進費
PER:13.9
PBR:
配当利回り:3.6%
公募時吸い上げ資金:21億
公募時時価:61億
【株主構成】
GMOインターネットグループ(株) 親会社 3,596,400 91.67% 180日
山名正人 代表取締役社長 159,840 4.07%
伊勢主税 常務取締役 59,940 1.53%
匿名1 従業員 13,320 0.34%
匿名2 従業員 9,990 0.25%
匿名3 従業員 9,990 0.25%
匿名4 従業員 9,990 0.25%
匿名5 従業員 7,992 0.20%
匿名6 従業員 6,660 0.17%
匿名7 従業員 5,328 0.14%
匿名8 従業員 5,328 0.14%
匿名9 従業員 5,328 0.14%
本募集に関連して、当社の株主かつ貸株人であるGMOインターネットグループ株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目の日(2026年3月23日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。
【代表者】
代表者名 山名 正人(上場時54歳1カ月)/1971年生
本店所在地 東京都渋谷区道玄坂
設立年 2012年
従業員数 104人 (2025/07/31現在)(平均38.3歳、年収565.7万円)
事業内容 店舗のCX(顧客体験)向上およびDX(デジタル変革)推進を支援するマーケティングプラットフォームなどの開発、提供
URL https://www.gmo-c.jp/
株主数 1人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2025/08/21現在)
代表者生年月日 1962年07月19日生まれ
代表者略歴
1985年04月 ソニー株式会社 入社海外営業本部
1991年04月 同社 ユーゴスラビア駐在員事務所代表
1992年04月 ソニーヨーロッパ フランクフルト セールス&マーケティングマネジャー
1994年04月 ソニーハンガリー マネージングディレクター
1998年03月 ソニーサウジアラビア駐在員事務所代表 兼 モダン エレクトロニクス エスタブリッシュメントゼネラルマネジャー
2001年08月 ソニー株式会社 本社グローバルマーケティングシニアマーケティングストラテジスト
2003年02月 ソニーメキシコ 社長
2007年10月 ソニー株式会社 リテール&マーケティングコミュニケーション部 部長
【幹事団】
主幹事証券 大和 1,333,300 85.01%
引受証券 SMBC日興 62,700 4.00%
引受証券 野村 62,700 4.00%
引受証券 みずほ 62,700 4.00%
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 47,000 3.00%
【参考類似企業】今期予想PER(8/26)
195A MUSCATG 20.7倍 (連結予想)
3680 ホットリンク 189.0倍 (連結予想)
3917 アイリッジ 5.4倍 (連結予想)
4180 Appier 42.6倍 (連結予想)
6069 トレンダーズ 9.2倍 (連結予想)
9254 ラバブルマケ 22.4倍 (連結予想)
9258 CS-C 1,002.2倍 (単独予想)
【私見】
GMOグループで、店舗のDX推進ということで業種は悪くなく、グループの力から安定的な成長は見込めそうです。業績も右肩上がりで、PERからも割高感はなく、上値余地は充分ありそうです。規模も大きくなく、需給からも問題はないので初値段階で人気になりそうです。上値をどこで見るかが難しいのですが、時価総額100億のラインでしょうか。
想定価額:1160円
仮条件上限:1180円
初値予想:2000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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