2025年9月11日木曜日

IPO分析(UNICONホールディングス)

 【事業内容】

 子会社5社(山和建設㈱、㈱小野中村、㈱南会西部建設コーポレーション、南総建㈱及び大和生コン㈱白川工場)、関連会社2社(みどり生コン㈱及び㈱KS産業)で構成されております。

 当社は「つながり、超えて、未来をつくる。」というビジョンのもと、各地域の有力ゼネコンを資本的に結び付け、自治体を超えた事業連携体制を構築し、地方建設業界の課題解決を目的とした地域連合型のゼネコンの純粋持株会社として、当社グループの経営戦略立案及び子会社の経営全般における指導/管理を行い、連結子会社各社は事業会社として各地域において、建設関連事業を主な事業として展開しております。

 山和建設㈱は、山形県西置賜郡小国町で1967年に発生した羽越豪雨の災害復旧に集まったボランティアが中心となり、1970年に小山建材として創業し、1977年に山和建設㈱へと組織変更いたしました。そのため、災害復旧活動に積極的に取り組むとともに、主に官公庁案件を中心に、河川工事や道路工事など主に社会インフラの整備の公共工事の施工を行っております。

 ㈱小野中村は、福島県相馬市で福島県や相馬市といった地方自治体が発注する海岸工事や河川工事、市民会館や学校の建築といった公共事業を主に行っております。前身となる小野組の設立は1904年であり、長年地元で実績を積み重ねた結果、地場有数の規模を誇る総合建設会社として活動しております。

 ㈱南会西部建設コーポレーションは、1976年に福島県会津地方で会社設立しました。公共建築物、トンネルや道路、河川の砂防等を手がけておりますが、特に除雪や浚渫工事等険しい場所での工事に強みがあり、地域の生活インフラを支える活動を行っております。

 南総建㈱は、1952年に福島県南会津町において前身となる㈱星組として設立され、2014年に㈱星組、大富土建工業㈱、福南建設㈱の3社が合併して現在の南総建㈱となりました。道路、河川、建築等の公共工事や民間工事、冬季間の道路の除雪、ドローンによる測量や空撮等、幅広い分野で事業を行っております。中でも、日本最大の山岳湿地である「尾瀬国立公園」内の登山道の整備や施設の管理等は、40年以上の実績を有しており、多様な動植物が生息する尾瀬の環境を守っております。


 建設関連事業は、大きく「インフラメンテナンス」と「非インフラメンテナンス」の2つの事業領域に分かれ、「インフラメンテナンス」は「インフラ整備」、「災害対応」、「環境保護」の3つの分野に、「非インフラメンテナンス」は「民間工事」、「兼業事業」の2つの分野に区分しております。

 山和建設㈱、㈱小野中村、㈱南会西部建設コーポレーション及び南総建㈱は建設関連事業の全ての分野において事業を行っており、大和生コン㈱白川工場は兼業事業を行っております。

 その他の事業として、山和建設㈱がガソリンスタンド事業、㈱小野中村が美容室事業、不動産賃貸事業、太陽光発電事業、南総建㈱が不動産賃貸事業を行っております。


 建設関連事業における当社グループの役割は、土木工事及び建築工事(以下「建設工事」という。)における施工管理全般となり、具体的には、品質管理、工程管理、資材の調達、専門工事業者への発注、さらには施工中の安全管理等となります。

 また、建設工事は、多くの技術やノウハウを駆使し、様々な建造物を造り上げることから、多様な職種の専門工事業者が多数関わり、その工事期間が長期に及ぶこともあります。そのため、工事の全体像を把握し、多種多様な工種に使われる技術を理解し、安全かつ決められた期間内に高品質な成果物を造り上げるには、これらを統括する施工管理の役割が非常に重要となります。

 建設業法では、工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるものとして、主任技術者又は監理技術者(以下「監理技術者等」という。)を設置し、建設工事の適正な施工を確保することとされており、また、監理技術者等は、それぞれが所属する建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係を有することが必要とされておりますが、「企業集団」として認定されている場合には、特例として、「親会社およびその連結子会社の間」または「連結子会社間」の出向社員を、出向先会社が監理技術者等として置く場合、一定の要件を満たすことを前提に、当該出向社員と当該出向先の会社との間に、直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うこととされております。

 当社グループは、この「企業集団」に認定されており、「企業集団制度」を有効活用することで、稼働率の向上(繁閑の平準化)や機会損失の極小化を図っております。


 グループ各社とも地域に根差したインフラの守り手として、公共工事等を中心に多くの工事実績を積み上げてきました。一方、公共工事の元請を軸としている点は共通しているものの、各社とも地域性に加えて、取り組んでいる工事内容が異なり、それぞれが独自の強みや専門性を有しています。

 それぞれが有している強みや専門性を、「企業集団」という枠組みの中で共有し、受注機会を多く得ることができることが、当社グループの建設関連事業の大きな特徴となります。

 今後も継続して、「企業集団」というメリットを最大限に活かし、グループ一体として、各社単独ではチャレンジできなかったような大規模・高難易度案件に対しても積極的に取り組んでいく方針です。

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。


【業績等】

決算期 種別 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益

2026/06 連結会社予想 19,485 1,685 1,657 1,100

2025/06 連結実績 17,620 1,710 1,676 1,117

2024/06 連結実績 15,611 1,147 1,131 725

2023/06 連結実績 16,129 1,361 1,346 986


決算期 種別 EPS BPS 配当

2026/06 連結会社予想 111.25 492.06 45.00


上場時発行済株数 9,894,900株

公開株数 5,433,800株(売り出し4,725,100株、オーバーアロットメント708,700株)

調達資金使途 -


親受け

UNICONホールディングスグループ従業員持株会 取得金額32,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社きらやか銀行 取得金額300,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社七十七銀行 取得金額300,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社東邦銀行 取得金額300,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社シーティーエス 取得金額100,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社しもごう環境サービス 取得金額100,000千円を上限として要請を行う予定であります。

式会社仙台銘板 取得金額100,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社髙助 取得金額100,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社アクティオ 取得金額80,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社亜喜建設 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

加藤建材工業株式会社 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

金沢興業株式会社 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

東北電機鉄工株式会社 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

東北レミコン株式会社 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社ナカムラ 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

山形酸素株式会社 取得金額50,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社鈴木総業 取得金額40,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社太陽警備保障 取得金額30,000千円を上限として要請を行う予定であります。

東栄コンクリート工業株式会社 取得金額30,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社北陽 取得金額30,000千円を上限として要請を行う予定であります。

理研興業株式会社 取得金額30,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社エコー設備工業 取得金額20,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社置賜総合保険 取得金額20,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社四釜サッシセンター 取得金額20,000千円を上限として要請を行う予定であります。

田村建材株式会社 取得金額20,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社マルニ建工 取得金額20,000千円を上限として要請を行う予定であります。

新和商事株式会社 取得金額15,000千円を上限として要請を行う予定であります。

有限会社ヒロテック 取得金額10,000千円を上限として要請を行う予定であります。

株式会社ヤマコン 取得金額10,000千円を上限として要請を行う予定であります。

合計8.87億


PER:9.5

PBR:2.1

配当利回り:4.2%

公募時吸い上げ資金:57.5億

公募時時価:105億

​   

 【株主構成】 

エンデバー・ユナイテッド2号投組 投資業(ファンド) 9,391,700 94.91% 180日

小山和夫 代表取締役の血族 307,700 3.11% 180日

小山剛 代表取締役社長など 160,000 1.62% 継続保有

小野貞人 子会社の代表取締役 10,000 0.10% 継続保有

植村賢二 取締役など 8,000 0.08% 継続保有

井上孝 取締役など 3,000 0.03% 継続保有

黒沼理 子会社の取締役 2,400 0.02% 継続保有

植村卓馬 子会社の取締役、取締役の血族 2,400 0.02% 継続保有

飯塚信 子会社の取締役 2,000 0.02% 継続保有

大浦和久 取締役など 1,100 0.01% 継続保有


 引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人であるエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合並びに当社株主である小山和夫は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2026年3月24日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨合意しております。

 また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、株式分割及びストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)を行わない旨合意しております。

 上記のほか、当社は、取引所の定める有価証券上場規程施行規則の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、割当を受けた者(小山剛、小野貞人、植村賢二、井上孝、黒沼理、植村卓馬、飯塚信、大浦和久、湯田高弘、三須三男、阿部猛、元木義人、大瀧浩之、平澤慎一郎及び目黒良樹)との間に継続所有等の確約を行っております。


【代表者】

代表者名 小山 剛(上場時52歳5カ月)/1973年生

本店所在地 宮城県仙台市宮城野区榴岡

設立年 2019年

従業員数 8人 (2025/07/31現在)(平均48.3歳、年収732.2万円)、連結357人

事業内容 建設事業(土木事業・建築事業)およびそれに関連する事業を営むグループ会社の経営管理およびこれに付帯する一切の業務

URL https://unicon-holdings.co.jp/

株主数 17人 (目論見書より)

資本金 172,248,000円 (2025/08/20現在)

代表者生年月日 1973年04月26日生まれ

代表者略歴

1996年04月 山形建設㈱入社

2003年03月 山和建設㈱入社

2007年04月 同社取締役社長室長

2009年04月 同社専務取締役

2010年09月 大和生コン㈱白川工場取締役

2013年06月 山和建設㈱取締役副社長

2015年04月 同社代表取締役副社長

2020年04月 同社代表取締役社長


【幹事団】

主幹事証券 野村 - -

引受証券 大和 - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 静銀ティーエム - -

引受証券 ちばぎん - -


【参考類似企業】

1762 高松G 15.1倍 (連結予想)

1822 大豊建 18.9倍 (連結予想)

1826 佐田建 23.8倍 (連結予想)

1852 浅沼組 14.5倍 (連結予想)

1887 日本国土 19.6倍 (連結予想)

1897 金下建 39.4倍 (連結予想)

1899 福田組 11.2倍 (連結予想)

5079 ノバック 16.1倍 (連結予想)


【私見】

 日本初の地域連合型ゼネコンという初物という意味では優位性はありそうな銘柄です。業績は大きな伸びはないものの、M&Aにより事業拡大は見込めるのではないかと思います。PERは大手ゼネコンと比較すると割安感はあり、時価総額からもワンサイズ大きくても良いと思います。ファンドの売出案件で吸収金額もそこそこ大きいことから初値は期待出来ませんが、配当利回りも良く、中期で保有しても面白いかもしれません。


想定価額:1060円

仮条件上限:1060円

初値予想:1100円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・やや強気(中期)

総合評価:3.5

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