2022年11月14日月曜日

IPO分析(ウェルプレイド・ライゼスト)

 【事業内容】

 eスポーツ専業の会社として「eスポーツの力を信じ、価値を創造し、世界を変えていく。」をミッションに掲げ、eスポーツの文化・価値を創造することを目的として、事業活動を行っております。当社のサービスは、(1)eスポーツイベントを企画・運営すること等によりクライアントに様々な価値を提供する「クライアントワークサービス」、(2)eスポーツ選手・実況者・解説者・インフルエンサー(注2)等の「人」のサポートを軸とした「パートナーソリューションサービス」、(3)eスポーツの新たな価値を創造していくための新規事業をつくりあげる「ビジネスデザインサービス」の提供の3つに大別されております。


(1) クライアントワークサービス

 設立当時からのサービスであり、ゲームメーカーをはじめとしたクライアントに対し、eスポーツイベントの企画・運営を行っております。eスポーツ専業の会社として対象となるゲームを愛をもってやりこみ、ゲームメーカー、参加者(eスポーツ選手等)、視聴者の三者の視点から喜ばれるeスポーツイベントをつくることを得意としております。特に、各ゲームタイトルにおけるユーザーのコミュニティの特性を理解し、彼らが共感するストーリー作りを心がけており、コミュニティとの信頼関係を大切にしてきました。そのような中、日本一の高校生チームを決める"eスポーツの甲子園"「STAGE:0(ステージゼロ)」、㈱NTTドコモが主催するeスポーツリーグ「X-MOMENT」の「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE」等の日本最大級の案件を担当する中で、eスポーツ領域の最先端の技術・ノウハウが蓄積され、結果として新たなeスポーツイベントの受注につながるという好循環が生まれております。

 また、eスポーツイベント領域にとどまらず、eスポーツ施設の運営・設計・機材調達等も行っております。2020年3月に大阪にオープンした国内最大級のデジタル教育施設「REDEE」の立ち上げに参画し、「子供たちがゲームを通してデジタル技術を学ぶための施設」というコンセプトの立案から、機材選定、施設設計及びオープン後のeスポーツエリアの管理運営までを担当いたしました。

 収益構造としては、eスポーツイベントの制作およびeスポーツ施設の運営・設計・機材調達等を、クライアントから直接、もしくは広告代理店を介して、受託し、イベント制作費や施設設計・運営費を収受しております。


 (2) パートナーソリューションサービス

 eスポーツ選手・実況者・解説者・インフルエンサー等のeスポーツに関わる「人」に対して様々な収益機会を創出、提供するサービスです。メニューとしては、現在主力であるスポンサー仲介(エージェント業)をはじめ、インフルエンサーマーケティング、キャスティングの他、将来の収益上の期待が大きいクリエイターサポートがございます。具体的には、スポンサー仲介(エージェント業)は、eスポーツに関心を持つ企業や、eスポーツで活躍する「人」とのつながりを持つ当社の強みを活かし、ニーズのヒアリングから企画作成、提案、契約締結までをワンストップで提供し、最適なマッチングを実現するものです。インフルエンサーマーケティングは、クライアントが新作ゲーム等を発表する際に、その魅力をユーザーに届けるためのインフルエンサーを起用した施策の提案を行っております。キャスティングは、ゲームイベントや大会において最適な実況者・解説者・インフルエンサー等を選定しアサインするメニューです。クリエイターサポートは、㈱クリーク・アンド・リバー社と協業し、ゲーム実況者・eスポーツ選手等、ゲームというジャンルに特化した形で、YouTube向けのMCN)を軸としたクリエイターサポートサービスである「OC GAMES」を提供しております。具体的には、ゲームコンテンツの許諾取得や、切り抜き動画やスポンサー獲得による収益の多角化、YouTubeにおけるトラブル対応など、チャンネルの成長をサポートしております。その中で当社は、ゲーム実況者やeスポーツ選手等のクリエイターに対してサービス説明や契約締結を行うと共に、サービス契約後はスポンサー営業、切り抜きチャンネルの管理、クリエイターからの問い合わせ窓口などの役割を担っております。このようにパートナーソリューションサービスでは、eスポーツに関わる人が活躍できる環境を整える中で、サポートを行う人数を増加させるとともにそこから生み出される価値を向上させることで収益の拡大を目指します。収益構造としては、スポンサー仲介業務、インフルエンサーマーケティング業務、キャスティング業務については、クライアントから委託料を収受しております。「OC GAMES」についてはクリエイターがつくる動画の広告収入の一部を手数料として得ております。

 

(3) ビジネスデザインサービス

 スポーツの新たな価値を創造するサービスやコンテンツを企画・開発することを目的として、2022年10月期よりサービスを開始しております。eスポーツを他分野の領域とかけあわせたイベントを企画・運営、他業種のパートナーと組んで新規プロジェクトを立ち上げるなど新規市場の開拓を目指しております。具体的な取り組み例として、「No Border, Try Limitz」をスローガンに掲げ、これまでのeスポーツイベントの常識、概念、垣根を越え、多くの人を魅了するエンターテインメントの提供を目標として、有名プロゲーミングチームとeスポーツイベント「LIMITZ」の共同運営を行っております。その他、プロゲーミングチームへのスポンサー仲介も行っております。また、「eスポーツ×地域」を新領域と捉え、南海電気鉄道株式会社と協業し、泉佐野市をeスポーツ先進都市とすることを目的としたeスポーツMICEコンテンツ実証事業を行っております。収益構造としては、大部分がeスポーツイベントに対するスポンサー料と、スポンサー仲介の委託料となっており、各収益をクトもしくはスポンサーから収受しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/10 単独3Q累計実績 1,361 78 93 55

2022/10 単独会社予想 2,001 157 155 103

2021/10 単独実績 1,671 128 131 82

2020/10 単独実績 831 4 8 -8


決算期 種別 EPS BPS 配当

2022/10 単独会社予想 41.31 92.96 -


上場時発行済株数 2,700,000株(別に潜在株式148,200株)

公開株数 496,200株(公募200,000株、売り出し231,500株、オーバーアロットメント64,700株)

調達資金使途 採用費・人件費、借入金返済、新規サービスへの投資資金


PER:28.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:5.8億

公募時時価:32億

​   


【株主構成】 

(株)カヤック 親会社 1,560,000 58.91% 180日・1.5倍

谷田優也 代表取締役 240,000 9.06% 180日

高尾恭平 代表取締役 240,000 9.06% 180日

副島雄一 特別利害関係者など 240,000 9.06% 180日・1.5倍

古沢明仁 代表取締役 75,000 2.83% 180日

原田清士 取締役 60,000 2.27% 180日

浅野洋将 取締役 50,000 1.89% 180日

鈴木文雄 吸収会社の元取締役 37,500 1.42%

若山史郎 特別利害関係者など 35,000 1.32%

坂田潤 従業員 25,000 0.94%


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主である株式会社カヤックは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2023年5月28日までの期間(以下「ロックアップ期間①」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、株式会社カヤックが保有する当社普通株式数が、1,368,000株を下回らない範囲で、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所での売却等を除く。)等は行わない旨合意しております。

 また 、売出人かつ貸株人かつ当社役員である髙尾恭平、売出人かつ当社役員である谷田優也、古澤明仁、原田清士及び浅野洋将並びに当社新株予約権者かつ当社役員である村田光至朗は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間①中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式(当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式を含む)の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 加えて、当社株主である副島雄一は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2023年2月27日までの期間(以下「ロックアップ期間②」といい、ロックアップ期間①とあわせて以下、「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所での売却等を除く。)等は行わない旨合意しております。

【代表者】

代表者名 谷田 優也(上場時40歳1カ月)/1982年生

本店所在地 東京都新宿区大京町

設立年 2015年

従業員数 62人 (2022/09/30現在)(平均30歳、年収449.6万円)

事業内容 eスポーツ事業

URL https://wellplayed-rizest.jp/

株主数 10人 (目論見書より)

資本金 38,500,000円 (2022/10/25現在)

社員数 62人(2022年09月30日現在)

代表者生年月日 1982年10月08日生まれ

代表者略歴

2004年04月 ㈱マリノ 入社

2008年01月 ㈱ファーストビット 入社

2010年09月 ㈱角川コンテンツゲート 入社

2012年07月 ㈱エンターブレイン 転籍

2013年06月 ㈱マーベラスAQL(現 ㈱マーベラス)入社

2015年11月 当社設立 代表取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI - -

引受証券 大和 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 Jトラストグローバル - -

引受証券 極東 - -

引受証券 東洋 - -


【参考類似企業】今期予想PER

3904 カヤック 13.5倍 (連結予想)

4284 ソルクシーズ 10.7倍 (連結予想)

6552 GameWith 41.7倍 (連結予想)

6570 共和コーポ 30.6倍 (連結予想)

9697 カプコン 23.6倍 (連結予想)

9743 丹青社 21.3倍 (連結予想)

9766 コナミG 15.7倍 (連結予想)


【私見】

 eスポーツとしては初物銘柄で業種妙味は非常にあります。業績としては伸びてはいますが、どこまで収益に貢献するかが微妙で、来期予測が気になるところです。吸収金額・時価総額共に小さいのですが、親会社カヤックが185憶から考えて、どこまで許容されるかが焦点となりそうです。また、カヤック他1.5倍でロックが外れる株主もいるので注意は必要でしょう。


想定価額:1070円

仮条件上限:1170円

初値予想:3500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価:4

2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    M&A総合研究所、ソシオ共にセカンダリーの狙いばっちりでしたね。
    11月から12月のIPOでここはセカンダリーいけそうでしょうかね。
    初値は高いんでしょうがプラスゼロみたいなのもありますしね。
    他狙えそうなといころありますか?
    こたさんの見解は精度が高いので参考にさせていただいてます。

    返信削除
  2. 12月銘柄は全く興味のある銘柄がありません。今のところはここが一番興味ありますが、スタートが高いのでどうかなとも思います。

    返信削除