2022年11月30日水曜日

IPO分析(スカイマーク)

 【事業内容】

​ 1996年11月の設立後、定期航空運送事業に係る路線免許(当時)取得の活動を経て1998年9月19日、航空機1機(ボーイング767-300型機)により羽田=福岡線(3往復/日)に就航いたしました。航空運送事業における規制緩和政策を受け、大手航空会社(当時3社)に対し半額運賃を武器に、適正な航空輸送サービスの提供を理念に新規航空会社として参入いたしました。当社の参入によって新たに航空運送事業での競争状態の創出に貢献し、効率的な航空機への転換、運航路線の拡充に努め、世界有数の市場規模を誇り、寡占的な構造を持つ日本の国内航空市場において、国内航空会社の第三極として航空運送事業での足場を固めました。現在は、北は北海道から南は沖縄県・宮古(下地島)まで、12空港・23路線・1日当たり150便の運航(2022年冬ダイヤ、2022年10月時点)をボーイング737-800型機にて行っております。

 当社は、世界的にも利用旅客数の多い空港の一つであり、首都圏からのアクセスもよい東京国際空港(羽田空港)を主要拠点としております。羽田空港を拠点とする路線は、旅客単価が高く、収益性に優れているため、当社は、これらの路線に戦略的に集中して運航することとしており、新型コロナウイルス感染拡大前である2018年度の当社の旅客収入、旅客数及び運航便数における羽田空港国内路線の占める割合は、それぞれ、約64%、約57%及び約54%となっております。

 また、当社は、保有・運用コストが比較的低廉な小型機(ボーイング737-800型機)のみの単一機材で運航しています。これにより、整備士や部品が統一され、整備コストが抑制されるほか、パイロットに必要なライセンスも1種類となり、乗務員養成もシンプルとなるため、整備コスト以外のコストの抑制にも繋がっています。

 「リーズナブルな価格」「シンプル・わかりやすい商品」をコンセプトに、大手航空会社、LCC(格安航空会社)各社との運賃競争での価格優位性を確保し、継続的に利用者に対し、利用し易い価格帯を訴求し続けることを行っております。また、運航品質の向上(定時運航率№1、低い欠航率)、顧客満足度の向上(無料でのコーヒー、チョコレートの提供)、地域共生の強化(多様なコラボレーションラッピング機の運航)は、営業活動を行う上での認知度向上に役立っており、低運賃に加え、一定重量までの手荷物無料受託、変更・取消に係る制限(手数料等)の緩和等、付加価値を提供することで旅客の支払総額における優位性を確保しております。

 当社については、伝統的にレジャーやVFR(知人・家族訪問)等の非ビジネスの旅客の割合が高く、非ビジネスの旅客需要は、ビジネスの旅客需要と比較すると、新型コロナウイルス感染拡大による需要減少から、より早期の回復が期待できると考えております。また、当社は、大手航空会社、LCC各社と異なり、国内線のみを運航しておりますが、国内線需要は、国際線需要に比べて、安定して推移するほか、新型コロナウイルス感染拡大による需要減少からの回復も早いと考えております。

 2015年の民事再生手続以降、ガバナンスの強化、機材の統一、運用コスト削減、路線の選別等の改革を実施し、コロナ禍においても、柔軟な運航便数調整による変動費抑制や、機材コストや委託費を中心とした固定費削減の施策を実施するなど、コスト削減に取り組んで参りました。今後とも当社は適正な運賃水準を確保しながら、安定した高い運航品質の維持及びお客様へ温かく誠実なサービスを提供することで顧客満足度を高め、高い座席利用率を安定的に維持することで収益の安定確保を図って参ります。


【業績等】

決算期 種別 事業収益 営業利益 経常利益 純利益

2023/03 単独中間実績 40,568 1,643 4,096 2,704

2023/03 単独会社予想 84,808 3,141 4,446 9,013

2022/03 単独実績 47,147 -16,694 -15,079 -6,729

2021/03 単独実績 34,064 -31,675 -29,602 -16,342


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/03 単独会社予想 176.11 - 0.00


上場時発行済株数 60,329,400株

公開株数 31,957,800株(公募13,043,400株、売り出し14,746,000株、オーバーアロットメント4,168,400株)

調達資金使途 新機材導入関連投資、借入金返済


国内募集、引受人の買取引受による国内売出し及びオーバーアロットメントによる売出しと同時に、米国及び欧州を中心とする海外市場(但し、米国においては1933年米国証券法に基づくルール144Aに従った適格機関投資家に対する販売のみとする。)における募集及び売出し(海外募集及び海外売出し)が、Morgan Stanley & Co. International plc、Daiwa Capital Markets Europe Limited及びMerrill Lynch Internationalを共同主幹事会社兼ジョイント・ブックランナーとする海外引受会社の総額個別買取引受により行われる予定であります。

 本件募集による新株式発行の募集株式総数は13,043,400株の予定であり、国内募集株式数7,173,900株及び海外募集株式数5,869,500株を目処に募集を行う予定ですが、その最終的な株式数の内訳は、需要状況等を勘案した上で発行価格等決定日に決定されます。また、本件売出しの売出株式総数は14,746,000株の予定であり、国内売出株式数6,234,500株及び海外売出株式数8,511,500株を目処に売出しを行う予定ですが、その最終的な株式数の内訳は、需要状況等を勘案した上で売出価格等決定日に決定されます。


PER:6.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:374億

公募時時価:705億

​   

【株主構成】 

インテグラル2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 20,300,700 42.93% 180日

UDSエアライン投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 15,793,524 33.40% 180日

ANAホールディングス(株) 特別利害関係者など 7,802,190 16.50% 180日

Integral Fund II (A) L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,244,300 4.75% 180日

インテグラル2号SS投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,145,286 2.42%


​グローバル・オファリングに関連して、引受人の買取引受による国内売出し及び海外売出しに係る売出人かつ貸株人であるUDSエアライン投資事業有限責任組合、インテグラル2号投資事業有限責任組合及びIntegral Fund Ⅱ(A)L.P.、当社の株主であるANAホールディングス株式会社は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む。)後180日目(2023年6月11日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(但し、引受人の買取引受による国内売出し、海外売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために大和証券株式会社に対して当社普通株式の貸付けを行うこと及びグリーンシューオプションが行使されたことに基づいて当社普通株式を売却すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 また、当社はジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、ロックアップ期間中はジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしに、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(但し、本件募集及び株式分割等を除く。)を行わない旨を合意しております。

ロックアップ期間終了後には上記取引が可能となりますが、当該取引が行われた場合には、当社普通株式の市場価格に影響が及ぶ可能性があります。


【代表者】

代表者名 洞 駿(上場時75歳1カ月)/1947年生

本店所在地 東京都大田区羽田空港

設立年 1996年

従業員数 2365人 (2022/09/30現在)(平均37.14歳、年収544.7万円)

事業内容 定期航空運送事業など

URL https://www.skymark.co.jp

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2022/11/10現在)

代表者生年月日 1947年11月01日生まれ

代表者略歴

1971年07月 運輸省 入省

2001年01月 国土交通省 政策統括官

2007年10月 全日本空輸株式会社 常勤顧問

2011年06月 同 代表取締役副社長執行役員

2014年04月 ANAホールディングス株式会社 常勤顧問

2017年06月 一般財団法人空港振興・環境整備支援機構  評議員(現任)

2018年07月 当社 顧問、12月 パラカ株式会社 社外監査役(現任)

2020年02月 当社 代表取締役社長執行役員(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 - -

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

主幹事証券 BofA - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 みずほ - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 松井 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 丸三 - -

引受証券 水戸 - -

引受証券 あかつき - -


【参考類似企業】今期予想PER(11/15)

9201 JAL 25.5倍 (連結予想)

9202 ANA 32.9倍 (連結予想)

9206 SFJ 7.5倍 (連結予想)


【私見】

 知名度はありますが、経営破綻後の再上場案件で印象は悪く、赤字なのでグロース案件とネガティブな材料は多いです。業績は今期黒字予想で、繰延資金資産分を除外してもANAやJALに比べて大きく割安とポジティブな材料もありますが、コロナ禍で不透感も多いと感じます。割安感から大きく下がるとは思いませんが、ネガティブ材料が多く見送り案件とします。


想定価額:1150円

仮条件上限:1170円

初値予想:1170円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

2 件のコメント:

  1. こちらはブックも見送りでしょうか?

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  2. 大丈夫そうな気もしますが、見送りました。

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