2022年11月3日木曜日

IPO分析(ベースフード)

 【事業内容】

 「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」というミッションのもと、特に栄養に関する課題を解決するため、“栄養のインフラ”としてのBASE FOODを目指し、完全栄養の主食を中心としたBASE FOODシリーズ(「BASE PASTA」・「BASE BREAD」・「BASE Cookies」)の開発と販売を行なっております。なお、商品製造については、外部業者に委託しております。

 当社が開発するBASE FOODシリーズは、低脂質、低糖質、低塩分で、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど1日に必要な約30種類の栄養素が含まれ、1食で1日に必要な栄養素の1/3がバランスよくとれる完全栄養の主食を中心とした商品であり、栄養バランスの良い食事を通じて健康寿命を延ばすことで日本の社会問題を解決しうると考えております。

 健康でありたいという人間の根源的な欲求を背景に、BASE FOODシリーズは2017年2月の販売開始から累計5,000万袋販売(2022年6月時点)を達成しました。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう現代においては人々の健康への意識は一層高まり、栄養バランスの取れた食生活へのニーズも益々高まっていると考えております。


 また、当社の商品の原材料は小麦のふすま、米糠、大豆、もち米、真昆布、チアシードなど植物性の自然食材を原材料として主に使用しております。小麦のふすまや米糠などは本来多くが廃棄されており、これらを原材料として商品にすることでフードロスの削減に大きく貢献できると考えております。また、当社商品に含まれるたんぱく質は、植物性たんぱく質であり、生産の過程で温室効果ガスを排出等し環境問題に悪影響を及ぼす動物性たんぱく質の代替としてもSDGsやESGへの貢献が期待されております。

 当社は販売開始時より、自社ECにおいては卸などを介さず顧客に直接販売を行うD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマ)モデルでの販売を続けております。また、定期購入者向けのオンラインコミュニティ「BASE FOOD Labo」のアプリをリリースしており、顧客がコミュニティ内でアレンジレシピの共有、商品開発や改善、新商品に関する意見の投稿など、情報交換ができる場を提供しております。なお、2022年8月時点で、「BASE FOOD Labo」のユーザー数は25,000人以上となっております。これにより、顧客からのフィードバックをタイムリーに受け取る事が可能となり、かかるフィードバックや購買情報をもとに商品の開発・改善、マーケティングおよびサービスの改善を行なっており、商品リリース後においても味の改善・バージョンアップを繰り返すことで「かんたん・おいしい・からだにいい」を追求しております。

 

当社が販売する商品は次のとおりであります。

1.取扱い商品

BASE PASTA

 完全栄養のパスタ。小麦の全粒粉やチアシードなどをベースに、1~2分でゆで上がる風味豊かな生パスタ。


BASE BREAD

 完全栄養のパン。合成着色料・合成保存料不使用で約1ヶ月の賞味期限のあるロングライフパン。プレーン、チョコレート、カレー、シナモン、メープル、ミニ食パン・プレーンの6種類を展開(2022年9月時点)


BASE Cookies

 完全栄養のクッキー。安全で栄養バランスの良いお菓子。ココア、アールグレイ、抹茶、ココナッツ、さつまいもの5種のフレーバーを展開(2022年9月時点)

 

2.事業モデル

 顧客に対し、主に自社ECでの直接販売、他社ECを経由してのセット販売、卸販売の3つのチャネルで当社商品を販売しております。それぞれの販売チャネルの特性を活かしながら、当社および当社商品に対する認知および顧客の商品体験の拡大・定着を図っております。

(1)自社EC

 ホームページを経由した自社ECにおいて商品の販売を行なっております。インターネットを通じて直接購入者へ商品を販売します。自社ECにおける販売の多くは4週間に1回の頻度で顧客が定期的に購入し、配送されるサブスクリプションモデル(定期購入)となっております。サブスクリプションモデルを採用することで、精度の高い需要予測が可能になり、生産や売上の安定性を確保することが可能となります。また、顧客には、定期的にBASE FOODが自宅に届くことで、栄養バランスの良い食事を継続的にとることができる、何を食べるか悩む時間を削減できる、買い物の手間が省ける、といった付加価値を提供しております。

 当チャネルにおける主な収益構造は、サブスクリプション会員による定期購入であり、サブスクリプション会員による売上は、サブスクリプション会員数(新規定期購入者数+既存定期購入者数-解約者数)に購入単価を乗じたものであります。サブスクリプション会員数の拡大、顧客継続率増加を目的として、オンライン広告やTVCMなどのプロモーション活動を積極的に実施しております。

 なお、2022年8月時点でのサブスクリプション会員数は137,620人、顧客継続率は93.2%となっております。


(2)他社EC

 Amazon、楽天市場及びYahoo!ショッピングなどのECプラットフォームに商品を出品し、複数の商品をセットにして販売を行なっております。当社ホームページに訪れたことのない顧客もこれらのプラットフォームに訪問した際に、当社商品を発見し購入することが出来るため、当社商品の認知および商品体験の拡大に繋がります。なお、2022年5月より香港での「BASE BREAD」の販売を現地の他社ECプラットフォームであるHKTV Mallを経由して開始しております。


(3)卸販売

 卸業者を経由してコンビニエンスストアやドラッグストア、スポーツジムで「BASE BREAD」および「BASE Cookies」を販売しております。顧客は全国の実店舗で買いたい時に1袋から手軽に購入することができるようになっております。実店舗での販売を行うことで、オンラインでリーチできなかった顧客に対して、オフラインでの当社商品の認知および商品体験の拡大を行なっております。なお、2022年8月時点での展開実店舗数は、17,878店舗となっております。

 

【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/02 単独中間実績 4,584 -378 -376 -382

2023/02 単独会社予想 10,203 -871 -929 -939

2022/02 単独実績 5,545 -454 -460 -463

2021/02 単独実績 1,522 -158 -158 -163


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/02 単独会社予想 -23.69 41.27 0.00


上場時発行済株数 50,869,700株(別に潜在株式4,853,900株)

公開株数 7,368,300株(公募2,723,100株、売り出し3,684,200株、オーバーアロットメント961,000株)

調達資金使途 販売促進・広告宣伝費、人材関連費


引受人の買取引受による売出しに係る売出株式のうちの一部が、引受人の関係会社等を通じて、欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)の海外投資家に対して販売されることがあります。


PER:

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:59億

公募時時価:407億

​   

【株主構成】 

橋本舜 代表取締役 17,700,000 34.27% 180日

グローバル・ブレイン6号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 8,900,000 17.23% 180日

Rakuten Capital S.C.Sp. ベンチャーキャピタル(ファンド) 4,200,000 8.13%  180日

グローバル・ブレイン7号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 3,139,700 6.08% 180日

XTech1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,100,000 4.07% 180日

金子裕 特別利害関係者など 1,810,900 3.51% 180日

島田孝文 従業員 1,200,000 2.32% 180日

斎藤竜太 取締役 1,200,000 2.32% 180日

山本陽介 取締役 1,200,000 2.32% 180日

THE FUND投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,060,100 2.05%


本募集及び引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主及び売出人であるグローバル・ブレイン6号投資事業有限責任組合、Rakuten Capital S.C.Sp.、グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合、XTech1号投資事業有限責任組合、金子裕、Future Food Fund 1号投資事業有限責任組合、CRAFT株式会社、島田孝文、齋藤竜太、山本陽介、髙橋篤哉及び加二谷宗真、当社株主及び売出人ならびに貸株人である橋本舜、当社新株予約権者である里田聡美及び小林紘子は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2023年5月13日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 橋本 舜(上場時34歳5カ月)/1988年生

本店所在地 東京都目黒区中目黒

設立年 2016年

従業員数 87人 (2022/09/30現在)(平均36歳、年収860.5万円)

事業内容 完全栄養食の開発・販売

URL https://basefood.co.jp/

株主数 25人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2022/10/12現在)

代表者生年月日 1988年06月11日生まれ

代表者略歴

2012年04月 ㈱ディー・エヌ・エー入社

2016年04月 当社代表取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 5,766,900 90.01%

引受証券 野村 384,400 6.00%

引受証券 大和 129,400 2.02%

引受証券 楽天 42,200 0.66%

引受証券 SBI 42,200 0.66%

引受証券 マネックス 42,200 0.66%



【参考類似企業】(10/17)

2586 フルッタ - (単独予想)

2930 北の達人 49.6倍 (連結予想)

2931 ユーグレナ - (連結予想)

2934 Jフロンティア - (連結予想)

3172 ティーライフ 9.3倍 (連結予想)

3726 フォーシーズH 162.5倍 (連結見込)

7413 創健社 140.3倍 (連結予想)


【私見】

 完全栄養食の開発・販売ということで、業種妙味はありますが、個人的には知らなかった会社であり、知名度が高いとまでは言えず高い評価はしておりません。売上の伸びは良いですが、今期も赤字予想で評価は下がります。VCが多く、ロックは付いているので問題はありあませんが、公開規模は400憶と大きく、想定価額から下がったことからも人気はなく厳しい初値と予想します。


想定価額:950円

仮条件上限:800円

初値予想:750円

ブック申し込み度・・・やや弱気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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