2023年4月7日金曜日

IPO分析(南海化学)

 【事業内容】

​ [化学品事業]

(基礎化学品)

 塩水の電気分解により生成される苛性ソーダを中心に、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造及び販売を行っております。具体的には、当社が長年取扱っている水資源関連・医療・食品等の分野で漂白や殺菌、中和用に利用されるクロール・アルカリ製品(合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなど)、浄化槽やプール水及び魚肉の解体場、食品工場等の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤(高度さらし粉など)、工場排水や下水排水などに利用される水処理凝集剤などのほかに、新たなラインナップとして、重亜硫酸ソーダ、含鉄バンドの取扱拡大を図っており、商社経由あるいはメーカー直販の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。製品の特性上や輸送コストの観点から、遠隔地への供給には適していないものが多く、関西地方を中心に供給を行っております。

 


(機能化学品)

 各種食品の日持ち向上剤として使用される酢酸ナトリウムなどの食品添加物やグルコサミンなどの健康食品の製造・販売と、長年に亘り培われた技術やノウハウを活かし、お客様のニーズに合わせたきめ細やかなオーダーメイド対応が可能な医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造・販売及びスルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務を行っております。富士アミドケミカル㈱では、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造並びに受託製造業務を行っております。

 当社は当該製品の販売業務について、商社経由あるいはメーカー直接の商流にて、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しております。


(アグリ)

 農薬の一種である土壌殺菌剤として使用されているクロルピクリンの製造・販売を行っております。クロルピクリンは液剤と錠剤があり、液剤は高濃度品(濃度99.5%)と低濃度品(濃度80%)、錠剤は液剤を特殊な方法で固型化した新しいタイプの商品となっております。クロルピクリンは液剤タイプが主流ではありますが、農業従事者の皆様により安全に安心してご使用いただくため、錠剤タイプの普及活動に重点を置き、営業活動を行っております。

 クロルピクリンは、畑地をクリーンにする農薬の一つとして、1948年にたばこ向けに実用化されて以降、用途は野菜、花き等に広がっております。一般にクロルピクリンは、気化することにより目や喉の痛みや刺激臭を伴い、その使用には制約がありましたが、クロルピクリン液剤については、安全に使用される技術も確立されているほか、クロルピクリン錠剤については、錠剤化することにより使用時の気化を抑制することが可能となり、簡単に処理しやすい農薬として、農業従事者の皆様から好評をいただいております。


(環境リサイクル)

 石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引取り、硫酸を精製し各種メーカーへ販売しております。

 

[各種塩事業]

 オーストラリアやメキシコから輸入した原塩(天日塩)を、洗滌(せんでき)などの加工工程を経て、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造し、国内有数の梅干しの原産地である和歌山県南部地区の梅干加工業者や全国の食品メーカーをはじめとした各種メーカーに販売しております。また、融雪塩として、道路を維持管理する団体などに販売しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/03 連結3Q累計実績 13,862 452 512 329

2023/03 連結会社予想 19,384 734 784 496

2022/03 連結実績 17,434 739 716 462

2021/03 連結実績 16,463 730 708 155


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/03 連結会社予想 385.86 4,045.46 15.00


上場時発行済株数 2,330,330株(別に潜在株式73,500株)

公開株数 720,200株(公募600,000株、売り出し26,300株、オーバーアロットメント93,900株)

調達資金使途 設備投資


PER:4.3

PBR:

配当利回り:0.9%

公募時吸い上げ資金:11.9億

公募時時価:39億

​   

【株主構成】 以下180日

南海化学従業員持株会 特別利害関係者など 76,000 5.59%

東亜合成(株) 特別利害関係者など 70,000 5.15%

ソーダニッカ(株) 取引先 63,000 4.63%

土居弘子 特別利害関係者など 58,124 4.28%

大中物産(株) 取引先 54,516 4.01%

不動恒産(株) 特別利害関係者など 52,800 3.88%

根岸運送(株) 取引先 50,000 3.68%

尼崎製缶(株) 特別利害関係者など 49,500 3.64%

協和商事(株) 特別利害関係者など 46,992 3.46%

(株)紀陽銀行 取引先 40,000 2.94%

(株)四国銀行 取引先 40,000 2.94%


本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である菅野秀夫、貸株人である土居弘子、岡崎良治、藤井和秋、濵端政次、吉門孝芳、室井真澄、金居成康、上川圭一及び谷﨑彰男、当社株主である南海化学従業員持株会、東亞合成株式会社、ソーダニッカ株式会社、大中物産株式会社、不動恒産株式会社、根岸運送株式会社、尼崎製罐株式会社、協和商事株式会社、株式会社紀陽銀行、株式会社四国銀行、ニッタイ株式会社、株式会社山本工作所、株式会社サワライズ、セイブ化成株式会社、株式会社関西トラスト、株式会社キワ、株式会社タニノプラント産業、株式会社高知物流、株式会社日吉、フジオックス株式会社、三和油化工業株式会社、田中石灰工業株式会社、川信産業株式会社、小畑産業株式会社、株式会社淺川組、浅川組運輸株式会社、新関東ネギシ株式会社、岡畑繊化株式会社、貴和化学薬品株式会社、株式会社サンヨーメディカル、株式会社ソルト関西、株式会社ダックテック、株式会社辰巳商会、丸善薬品産業株式会社、荒木典子、今村偉仁、池田和夫、赤木助春、幸﨑義一、根来雅昭、日比忠株式会社、三洋マリン建設株式会社及びその他12名並びに当社新株予約権者である7名は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2023年10月16日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(単元未満株式を除き、潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、貸付け、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。


【代表者】

代表者名 菅野 秀夫(上場時65歳5カ月)/1957年生

本店所在地 大阪府大阪市西区南堀江

設立年 1951年

従業員数 199人 (2023/02/28現在)(平均47.4歳、年収675.6万円)、連結304人

事業内容 化学工業薬品、農薬、医薬部外品および食品添加物の製造・販売、産業廃棄物の収集、運搬および中間処理に関する事業、ならびに、塩の製造、加工、販売に関する事業

URL https://www.nankai-chem.co.jp

株主数 125人 (目論見書より)

資本金 454,139,000円 (2023/03/16現在)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 あかつき - -


【参考類似企業】今期予想PER(3/29)

2812 焼津水 49.2倍 (連結予想)

4041 日曹達 8.3倍 (連結予想)

4042 東ソー 8.6倍 (連結予想)

4045 東亜合成 13.3倍 (連結予想)

4046 大阪ソーダ 8.1倍 (連結予想)

4125 三和油化 11.3倍 (連結予想)

8158 ソーダニッカ 12.5倍 (連結予想)


【私見】

 業種としては地味で、IPOとしては業種妙味に欠けスタンダード上場で注目度は低そうな銘柄です。利益はここ3年横ばいから微増程度で、成長には欠けますが、PERは非常に低いので下値不安はない銘柄です。VCなしで完全ロックなので売り要素はなく、規模も大きくないので安く寄ればノバシステムなど上がったようにスタンダード銘柄でも需給面から上がる可能性はあります。


想定価額:1660円

仮条件上限:1740円

初値予想:2000円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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