2018年7月6日金曜日

IPO分析(バンク・オフ・イノベーション)

【事業内容】
(1) スマートフォンゲーム事業について
当社は、Google及びApple等が運営するプラットフォームを通じて、ユーザーにゲームアプリを提供しております。多くのユーザーに楽しんでいただけるよう、ゲームのプレイそのものは無料で行うことができますが、その中でより深くゲームを楽しみたいユーザーに向けて有料アイテムの販売を行っております。また、「幻獣契約クリプトラクト」においては、自社IP  として他社に著作物の利用許諾を行っており、他社から支払われるロイヤルティも当社の売上として計上しております。
当社が提供している主なゲームタイトルは、次のとおりであります。
①「ミトラスフィア」(平成29年8月)オリジナル
 多種多様な武具・アバターに加え、30種以上のボイスによる"なりきり"要素をふんだんに盛り込んだファンタジーRPG です。手軽に他のユーザーとのコミュニケーションとリアルタイムの冒険を楽しむことができます。(累計450万ダウンロード超)
②幻獣契約クリプトラクト(平成27年2月)オリジナル
9 0年代RPGを彷彿とさせるような王道コマンドバトルと派手なエフェクトによる本格的ファンタジーRPGです。豪華声優陣によるボイスがゲームへの没入感をさらに高めます。(累計1,000万ダウンロード超)
③ポケットナイツ(平成25年9月)他社IP
 多彩で可愛いアバターの着せ替え、そして仲間達との大冒険を楽しむきせかえアクションRPGです (IP保有会社:株式会社ジークレスト)。(累計100万ダウンロード超)
④征戦!エクスカリバー(平成24年9月)オリジナル
 全国のプレイヤー達と結成する騎士団で戦うリアルタイム対戦でリーグ制覇を目指す、爽快ギルドバトル RPGです。
RPGの王道である中世ヨーロッパ風の世界観に着せ替え要素を加え、「新しいモノ」を好むゲーマーに受け入れられることを目指して開発したゲームです。(累計100万ダウンロード超)

アプリ別売上高 タイトル名 平成28年9月期 平成29年9月期 平成30年9月期
第2四半期累計期間
売上高(千円)割合(%) 売上高(千円)割合(%) 売上高(千円)割合(%) 
ミトラスフィア― ― 623,429 15.6 1,218,199 45.2
幻獣契約クリプトラクト1,807,978 78.6 3,005,051 75.1 1,349,082 50.0
ポケットナイツ217,960 9.5 137,752 3.4 46,309 1.7
征戦!エクスカリバー273,074 11.9 234,737 5.9 83,722 3.1
その他 974 0.0 291 0.0 127 0.0
合計2,299,987 100.0 4,001,262 100.0 2,697,442 100.0


(2) 当社の特徴及び強みについて
当社の特徴及び強みは以下のとおりであります。
① 開発段階
a.開発体制
 当社のゲームアプリは、高品質の2Dグラフィック に特化しております。ゲームアプリ市場において3Dゲームも広がりを見せる中で、自社の強みである2Dグラフィックをより追求し、他社との差別化を明確にすることで、独自の地位を築くことができると考えており、これまでのスマートフォンゲーム事業の運営において、より高品質なデザインを提供してまいりました。
 当社は高品質2Dグラフィックを効率的に量産するために、デザイナー人員数の増強、社内教育の整備、多段階チェックの導入によって「デザイン主体の開発体制」を構築しております。当該体制では、デザイナー人員数が従業員の4割以上を占めており、内製化率向上による外注コストの抑制、社内全体及び個人の技能向上、品質の担保及び追求が可能となっております。当社は、当社のようなデザインを重視した開発体制を敷いている同業他社は少なく、構築においても組織の再構築から相当の時間とコストが発生するものと捉えており、同業他社による模倣は容易ではないと考えております。
 
b.オリジナル2Dグラフィックによる効果
 当社は本書提出日現在で提供している4本のゲームアプリのうち、「幻獣契約クリプトラクト」と「ミトラスフィア」は、従来のタイトルと比較してダウンロード数が増加するなど、運営段階においても大きな効果が表れております。このことから、当社は高品質デザインによってユーザーの興味関心が引き出されているものと考えており、一度実装したデザインも定期的にブラッシュアップを行うなど、日々品質の向上を図っております。

c.安定したゲームの開発体制
 当社は、グラフィックの制作及びゲームシステムの開発において多段階チェックを導入しております。企画からリリースまでの間において、アートディレクターやプロデューサー主体によるデザインの多段階チェック、またゲームシステムについては経営会議及び必要に応じてリリース前テストを実施可能な外注先企業を交えた品質の多段階チェックを実施しております。段階ごとに多角的な視点から進捗及び品質を確認することによって、高品質のゲームアプリを安定的かつ継続して開発することを目指しております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2016.9 2,299 -368 -375 -364
(単独実績)2017.9 4,001 171 159 199
(単独予想)2018.9 4,789 307 278 193
(単独中間実績)2018.9 2,697 270 262 181
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独予想 )2018.9 53.35 - - 
調達資金使途 採用・人件費、長期借入金の返済
上場時発行済み株数 3,861,500株 (別に潜在株式66,000株)
公開株数 265,000株(公募130,500株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント34,500株) シンジケート 公開株数230,500株(別に34,500株)/
PER:18.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:2.5億
公募時時価:37億
    
【株主構成】
樋口 智裕 代表取締役社長 1,669,000 43.96
田中 大介 取締役 400,000 10.53
(株)サイバーエージェント 特別利害関係者など 350,000 9.22
ニッセイ・キャピタル6号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 339,000 8.93
(株)Cygames 特別利害関係者など 200,000 5.27
MSIVC2012V投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 193,000 5.08
JPE第1号(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 160,000 4.21
りそなキャピタル3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 120,000 3.16
HPEジャパンインキュベーション投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 100,000 2.63
太田 薫正 特別利害関係者など 80,000 2.11
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である田中大介、大株主であり貸株人である樋口 智裕、並びに当社の株主である、株式会社サイバーエージェント、ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合、株式会社Cygames、MSIVC2012V投資事業有限責任組合、JPE第1号株式会社、りそなキャピタル3号投資事業組合、HPEジャパンインキュベーション投資事業有限責任組合、太田薫正、菅原貴弘、澤田賢二、河内三佳、清水啓之は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(平成30年10月21日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
また、当社の第5回新株予約権を保有する河内三佳は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等(ただし、新株予約権行使により取得した当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
【代表者】
代表者生年月日
1983年01月15日生まれ
代表者略歴
2006年01月 当社設立 代表取締役社長 (現任)

【幹事団】
主幹事証券 大和 - -
引受証券 SBI -
【私見】
 人気のゲーム会社なので業種妙味はあり、人気化しそうな銘柄です。業績も急成長とまではいきませんが、成長性はありPERからは上値は充分ありそうです。給面では、吸収金額が非常に少ないことは魅力的ですが、公募の4倍ほどのVCが1.5倍でロックが切れるので初値後の需給面では心配は残ります。初値高騰は確実で、その後はマネーゲームで上下するのではないかと思われます。      

想定価額:870円
仮条件上限:960円
初値予想:3500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

0 件のコメント:

コメントを投稿