2018年8月27日月曜日

IPO分析(マリオン)

【事業内容】
 首都圏を中心に全国の主要都市において、居住者向け、中でも単身世帯向けを中心とした賃貸不動産を所有しております。
(1)不動産賃貸サービス
 快適な居住空間は全ての生活者に必要とされる基本ニーズであるとの認識に立ち、当社は居住者向け物件を中心に、特に大都市圏において賃貸不動産を保有し、賃貸サービスを提供しております。
 サービスの提供にあたっては、交通利便性が高く品質に優れた物件を厳選することに加え、事業の採算性の向上と安定性の確保のため、物件の管理業務を自社で行うこと等により入居者のニーズに合致した建物設備の導入を図るなど、入居率の向上と安定化のための施策を実施しています。
 また、平成29年9月現在、首都圏における当社保有・管理に係る物件(住居、店舗・事務所、駐車場)の戸数591戸のうち29.1%に相当する172戸を安定性、信用度に優れた地方公共団体東京事務所等(県庁や政令指定都市等の地方公共団体が、中央省庁との連絡調整や情報収集、東京における情報発信等を行うために設置する事務所等を指します)に賃貸しており、かかる地方公共団体顧客の基盤を当社賃貸業務の安定性の優位性の源泉と認識し、地方公共団体顧客の通勤利便に合致する所在地の物件選定、生活家電の無償貸与、職場への送迎サービスの提供など、顧客ニーズにきめ細かく対応した付加価値を提供することにより、サービス基盤の安定につとめております。
 不動産賃貸サービスには、大別して、当社所有物件を当社自らが賃貸人として賃借人に提供する長期保有物件賃貸サービス、第三者所有の不動産を当社が賃借人として一括して借り上げこれを最終賃借人に転貸するサブリースサービス、及び第三者所有の賃貸不動産に管理サービスを提供する受託物件サービスの3種類があります。
①長期保有物件賃貸サービス
 首都圏を中心に、札幌、盛岡、名古屋、京都、岡山、倉敷、博多等の主要都市において、居住者向け、中でも単身者向けの賃貸不動産を所有・運営しております。
 平成29年9月末現在、当社所有の長期保有物件(当社所有物件のうち次項記載の不動産証券化サービス対象物件を除いたもの)は512戸、当事業年度(平成29年9月期)の物件売却を除く売上高に占める比率は50.4%であります。また、物件種別内訳は、住居407戸(長期保有物件の79.5%)、店舗・事務所28戸(同5.5%)、駐車場77台(同15.0%)となっております。
②サブリースサービス及び受託物件サービス
 サブリースサービスは、当社からの賃貸物件購入者または第三者が所有する賃貸不動産を当社が賃借人として一括して借り上げこれを最終賃借人に転貸するものであります。
 受託物件サービスは、第三者保有不動産に、賃借人募集、賃料の収受、建物管理等の賃貸関連管理サービスを提供するものであります。
 平成29年9月末現在、当該物件数は224戸、当事業年度(平成29年9月期)の物件売却を除く売上高に占める比率は13.5%であります。また、物件種類別内訳は、住居202戸(サブリース及び受託物件の90.2%)、店舗・事務所6戸(同2.7%)、駐車場・駐輪場16台(同7.1%)となっております。
(2)不動産証券化サービス
 経営理念に「年金・医療・介護・環境のサプリメント」の提供を掲げ、不動産証券化商品への投資を通じて、公的年金等を補完する運用収入を投資家に提供する投資家サービスを提供しております。平成16年に不特法に基づく許可を取得し、マリオンボンドの名称のもと、不動産賃貸料を原資とする証券化商品を組成し投資家に提供してまいりました。また、平成27年以降、サラリーマンボンドの名称のもと、インターネットでの申込が可能なクラウドファンディング型不動産証券化商品を提供しております。
 当社が組成する不動産証券化商品は、当社保有又は新規仕入れ賃貸不動産を原資産に、投資家との間で匿名組合契約を締結することにより不動産賃貸業務を当社と投資家の共同事業とし、営業者としての当社が不動産の所有にかかるリスク及び賃貸業務運営の責任を負担した上で、投資家と賃料のシェアを行うことにより賃料収入を投資リターンとして分配するものであります。
 一方、匿名組合契約形態であることから対象不動産の所有権は当社に帰属し、投資資金は預り金として当社にとっての資金調達となります。不動産市況の低迷時等、金融機関からの資金調達の難易度が増大する金融経済環境での不動産仕入れを可能とするほか、匿名組合契約の期間の長期化、満期到来時の匿名組合契約の更新などの手段により、不動産市況の回復までの待機を可能とするなど、不動産保有に係わる市況リスク対応の選択肢の多様化も可能としています。
 平成16年以降の証券化商品への一般投資家の累計出資額は、マリオンボンド、サラリーマンボンド合計で11,930百万円、平成29年9月末現在の匿名組合預り金残高は6,126百万円であり、当社総負債金額の42.3%を不動産証券化商品により調達しております。
 平成29年9月30日現在、証券化サービス対象の賃貸物件は538戸、当事業年度(平成29年9月期)の物件売却を除く売上高に占める比率は35.7%であります。また、物件種類別内訳は、住居389戸(証券化サービス対象物件の72.3%)、店舗・事務所15戸(同2.8%)、駐車場134台(同24.9%)となっております。
(3)不動産売買
 不動産賃貸サービス対象不動産、不動産証券化サービス対象不動産の別を問わず、当社所有不動産の出口戦略の一環として、物件の売却を行います。不動産賃貸サービス対象不動産においては、含み益の実現益への転換による投資収益の確定に向けて、適時売却を実施いたします。一方、不動産証券化サービス対象不動産については、証券化商品の償還時点に向けての市況の見通し等を踏まえて、償還対応の一環としての売却を行います。更に、賃貸不動産ポートフォリオの増強、新規証券化商品の組成、償還見合いの投資家向け代替商品の提供のための仕入れ等の目的で、不動産売買市場からの購入も行います。
 これら不動産売買については、不動産賃貸サービス、不動産証券化サービスのいずれについても、一連のライフサイクルの一環として実施しており、適時適切な売買を組み合わせることにより保有不動産の保有期間を通じての投資収益の確定を図り、当社の不動産賃貸関連サービス総体としての収益の増強を目的とするものであります。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2016.9 2,399 666 299 -18
(単独実績)2017.9 2,511 763 275 152
(単独予想)2018.9 2,709 727 335 223
(単独3Q累計実績)2018.9 2,365 697 419 295
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独予想 )2018.9 180.62 2,092.67 30 
調達資金使途 賃貸不動産の取得、借入金の返済
PER:13.1
PBR:
配当利回り:1.3%
公募時吸い上げ資金:6.6億
公募時時価:37億
上場時発行済み株数 1,565,800株 (別に潜在株式36,600株)
公開株数 279,600株(公募243,200株、オーバーアロットメント36,400株)
シンジケート 公開株数243,200株 (別に36,400株)
   
【株主構成】
福田 敬司 代表取締役社長 572,600 36.65
(一社)ホンジン・ホールディングス その他の関係会社 300,000 19.20
(株)マリオン 自己株式 239,800 15.35
SBIホールディングス(株) 金融商品取引業者の人的・資本的関係会社 192,000 12.29
西川 勝子 特別利害関係者など 92,200 5.90
(株)ベルーナ 特別利害関係者など 90,000 5.76
(株)フレンドステージ 特別利害関係者など 40,000 2.56
飛田 明彦 取締役 3,400 0.22
肥田 理 取締役 3,200 0.20
宮沢 深志 常務取締役 2,900 0.19
 本募集に関連して、当社取締役であり貸株人である福田敬司及び株主である一般社団法人ホンジン・ホールディングスは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成31年3月11日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。
 また、当社株主である西川勝子、株式会社ベルーナ及び株式会社フレンドステージは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年12月11日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所における売却等は除く。)は行わない旨合意しております。
 加えて、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成31年3月11日までの期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割及びストック・オプションとしての新株予約権の発行等を除く。)等を行わない旨合意しております。

【代表者】
代表者生年月日
1947年02月01日生まれ
代表者略歴
1979年04月 福田産業資材(株)入社
1986年11月 (株)マリオン管財(現当社)設立 代表取締役社長
2010年06月 (有)HONJIN取締役
2010年07月 (一社)ホンジン・ホールディングス代表理事(現任)
2013年06月 当社代表取締役社長兼上場準備室長
2015年09月 当社代表取締役社長兼経営企画室長兼売買業務部長
2016年06月 当社代表取締役社長(売買業務部担当)
2017年01月 当社代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 SBI - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 エース - -
引受証券 極東 - -
引受証券 東海東京 - -
引受証券 むさし - -
引受証券 藍沢 - -
引受証券 岩井コスモ - -
【私見】 
 首都圏の不動産かつ、クラウドファンディング型不動産の証券化という特色があるので人気化しそうな要素はあります。ただし、JQで業績が思ったほど伸びていないので、初値段階で上がってしまえば成長性から値を伸ばすのは簡単ではないと思います。吸収金額が非常に小さいので初値段階で上がる可能性は高く、ロックなしの株主もいるので1.5倍からは警戒感が多少はあるでしょう。

想定価額:2170円
仮条件上限:2380円
初値予想:4500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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