2019年6月10日月曜日

IPO分析(ヤシマキザイ)

【事業内容】
鉄道事業
 鉄道車両製品を主な市場として鉄道事業者及び鉄道車両メーカーや鉄道車両用電気品メーカーなどを販売先とし、鉄道車両用電気品、同車体用品、同車載品、コネクタ・電子部品を主な商材として取り扱っており、商材ストック機能を有し安定供給を図っています。また販売先のニーズに応え、仕入先の要望に基づく拡販も行い、リレーションシップを構築しています。
当社は、創業以来、旧日本国有鉄道(現JR各社)と取引を行っており、初期の段階は旧日本国有鉄道の保有するディーゼル機関車用の内燃機関部品を主な商材に、日本各地の旧日本国有鉄道の管理局と取引を深めると同時に、北海道から九州まで全国に拠点展開を図ってまいりました。
現在においては、内燃機関部品のみならず鉄道車両用電気品や同車体用品、同車載品、さらにコネクタ・電子部品などの販売も手がけております。また、主要な仕入先との連携を一層深め、発変電設備や鉄道用システムの取り扱いも行い、鉄道事業者との取引のみならず、鉄道車両メーカー、鉄道車両用電気品メーカー、信号メーカー、機械メーカー、工事会社などに対し、鉄道に関わる様々な商材の販売を展開しております。
さらに、国外においては、中国の高速鉄道網の拡充にともない、上海市に亜西瑪(上海)貿易有限公司を設立し、鉄道車両メーカーで売上高が世界で最大の「中国中車股份有限公司(中国中車)」への販売を中心として展開しております。また、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド等においても、それぞれ拠点を置き、鉄道に関する商材の販売もしくは販路を開拓しております。
当社グループは、JR各社をはじめとする鉄道事業者や鉄道用製品メーカー等の販売先に対し、現場に密接した営業対応を行う中で販売先の商材需要情報を取得し、その需要に対して安定的供給を図っています。そのために常時4千点以上の商材を在庫保有するストック機能を有し、電機メーカー等の販売代理店として主要仕入先とは緊密な連携を維持しております。また、販売先・仕入先双方の中心に立って、グループ内で情報共有し、納期調整やトラブル対応を行っております。なお、在庫の保管及び入出荷はヤシマ物流株式会社の生田事業所で行っております。
日々の営業活動の中で、販売先から既存の商材では実現できないような要望を頂いた場合、既存の仕入先メーカーに顧客ニーズを展開して仕様設計交渉を行うこと、または新たな仕入先の発掘をすることで新商材を開発し、ニーズに確実に応えます。
他方、仕入先からの要望に基づく拡販を行う場合、その情報をグループ内で水平展開し、既存・新規を問わず様々な販売先にその商材の紹介を行っています。その中で発生する規格対応等の様々な要求について仕入先とともに対応しながら、業界の水先案内人として新しい商流を構築しています。
現在では、電機メーカー、電子部品メーカー、機械メーカー、部品メーカー、化学品メーカー等を仕入先とし、様々な商流を構築しております。
こうした経験と実績から、当社グループが永続的な発展を続けるには、顧客の本当のニーズをくみ取り、ソリューションを組み立て、取引先との強固なリレーションシップを構築することが重要ととらえ、「現場・現物・現実」をキーワードとする3現主義を掲げております。「現場」とは、全国展開の拠点サービス網を活用し、現場の声を営業活動に反映すること、「現物」とは、商社として流通機能の向上を図ることでモノづくりに貢献すること、「現実」とは、市場調査・分析に立脚した戦略を重視して顧客のビジネス環境に対応したニーズを掘り起こすことをそれぞれ意味しております。この3現主義の実践によって取扱商材や取引規模を拡大しております。

 一般事業
当社グループは、根幹となる鉄道事業を発展強化させながら、一般事業へとビジネスフィールドを進展させてきました。本事業においては、鉄道事業における販売先以外の販売先を対象としており、産業機器メーカー、自動車関連メーカー、業務用機器通販事業者などを販売先としており、コネクタ・電子部品を主な商材として取り扱っております。
その他にも、海外の火力発電所用の補修・改造用品や、各種ハーネス加工品、電源ユニットなどのパワーデバイス、微小な気泡を含む水発生装置なども取り扱っております。
 また、医療業界への拡販や道路交通インフラ業界への進出をテーマに仕入先と連携して新たな商材の拡販に努めております。


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2017.3 32,517 956 1,038 696 
(連結実績)2018.3 33,499 408 533 329 
(連結実績)2019.3 37,014 640 756 479 
(連結予想)2020.3 37,342 514 600 400 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想)2020.3 144.31 3,214.65 25 
調達資金使途 システム構築、海外人件費など 

上場時発行済み株数 2,880,000株 
公開株数 921,000株(公募250,000株、売り出し551,000株、オーバーアロットメント120,000株) 

PER:8.9
PBR:0.40
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:11.8億
公募時時価:37億
    

【株主構成】
佐藤泰子 代表取締役会長の配偶者 468,400 18.15  90
神鋼造機(株) 特別利害関係者など 428,000 16.58 
関年子 取締役の血族 280,400 10.86  90
東京中小企業投資育成(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 200,000 7.75 90
従業員持ち株会 特別利害関係者など 191,200 7.41  180
関正一郎 取締役 191,152 7.41  90
佐藤厚 代表取締役会長 190,761 7.3 90 
(株)みなと銀行 特別利害関係者など 123,000 4.77  90
コクサイエアロマリン(株) 特別利害関係者など 120,000 4.65  90
日本生命保険(相) 特別利害関係者など 100,000 3.87  90

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人及び売出人である佐藤泰子及び関年子並びに売出人である株式会社みなと銀行並びに当社株主である東京中小企業投資育成株式会社、関正一郎、佐藤厚、コクサイエアロマリン株式会社、日本生命保険相互会社、関正幸、一般社団法人アカデミア・ヤシマ、株式会社陽栄、株式会社バンザイ、レシップホールディングス株式会社、佐藤商事株式会社、種部和夫、髙田一昭、小野崎正顕、中村修、矢島秀生、髙橋謙二及び倉田二三夫は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の令和元年9月23日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)は行わない旨合意しております。
また、当社株主であるヤシマキザイ従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の令和元年12月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
加えて、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の令和元年12月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、株式分割及びストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)を行わない旨合意しております。


【代表者】
代表者生年月日 1950年12月22日生まれ

代表者略歴 年月 概要
1977年04月 当社入社
2004年04月 亜西瑪(上海)貿易有限公司董事就任(現任)
2011年04月 海外営業本部長
2011年06月 取締役海外営業本部長就任
2012年06月 常務取締役海外営業本部長(兼)ソリューション本部長就任
2013年04月 取締役副社長海外営業本部長就任
2014年04月 代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】
主幹事証券 野村 - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
引受証券 エース - - 
引受証券 SBI - - 

【参考類似企業】今期予想PER(5/24)
3153  八洲電機10.4倍(連結予想 )
7420  佐鳥電機22.0倍(連結予想 )
8068  菱洋エレク34.8倍(連結予想 )
8140  リョーサン32.1倍(連結予想 )
8141  新光商35.4倍(連結予想 )

【私見】
   業種としては地味ですが、JRをおもな取引先とし安定感はあります。大きな成長性を感じないのでPERは妥当な水準ですが、海外の鉄道事業次第ではもう一段上の水準でも良いかと思います。東2なので派手さはありませんが、需給も問題ないので長期で考えれば一度は上昇する場面もあるかもしれません。

想定価額:1280円
仮条件上限:1280円
初値予想:1600円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3

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