2019年6月8日土曜日

IPO分析(インフォネット)

【事業内容】
 当社は福井県にて創業し、『すぐれたWEB・IT技術やプロダクトをお客様の成果に寄り添い提供することで、人々の生活を豊かにする』ことを企業理念とし、主に企業のWEBサイト(ホームページやその他商業目的として利用されるウェブページ等の総称)構築及びWEBサイトの運用保守の代行業務を請け負っております。また、高い安全性と高い機能性を備えながらも、直感的な操作によって自社サイトを管理できるシステムを開発しようという考えから、自社製品としてのコンテンツ・マネジメント・システム(WEBサイトを構成する文書や画像等の素材を統合し体系的な管理を可能とするプログラム(以下、CMS))である「infoCMS」を開発し、今日に至っております。
 この間、WEBサイト構築及びWEBサイトにかかるサーバ環境の構築整備・システム運用保守にとどまらず、WEBサイト運用を補助する目的としても利用できる周辺商品である、顧客管理システム「infoCRM」や人工知能搭載型チャットボットシステム(文章や音声で自動的に返答や会話を行うプログラム)「Q&Ai」等を開発し、WEBサイトに紐づく様々な課題解決の幅を広げております。
また事業体制としましては東京本社を営業拠点、福井支社・佐賀支社を開発拠点とし展開する体制を整備しております。 
 その他、CMSの周辺製品として、出版社向けWEB・誌面データの一元管理編集システムである「infoPUBLISHING」やメールに添付できない大容量ファイルを当社のサーバを通してやり取り可能な「infoファイル便」、ASPサービス(アプリケーションサービスプロバイダーサービス/インターネットなどを通じて遠隔からソフトウエアを利用できるサービス)により提供する、インターネット宿泊予約受付管理システムである「宿ソリューション」といったサービスも展開しております。 
 
(1) infoCMS
 CMSは、2005年頃より広く普及してきております。WEBサイトの更新をCMSのない環境において行う場合、FTPでのサーバアクセスを行った上で、専門的な知識が必要となるマークアップ言語等を駆使しての更新作業が必要となるため、専門知識を有するエンジニア、あるいは外部専門業者への依頼が一般的でした。そのため従来のWEBサイトの更新には人的なコスト、金銭的なコスト、時間的なコストが多く発生し、更新頻度も限られてしまう事が一般的でした。CMSでは、上記のFTP、HTML、CSSといった専門知識が必要となる処理については全てシステム側で行われるようプログラムが組み込まれており、更新目的となる文章、画像等の情報のみを準備すれば専門知識がなくともワードやエクセル等の一般的なPCの操作経験を有していれば、誰もが容易に更新作業を行うことが可能となります。
 当社が提供するinfoCMSにおいては、表示される画面そのままに編集を行うことが可能となるよう、編集画面の操作性についても更なる工夫がなされた設計となっております。
  またその他の特徴としては、TDnetやEDINET連携など90種類以上の標準機能がオールインワンパッケージとなっており、あわせてPC・スマートデバイスへの対応も一元管理が可能なため、企業が保有する多種多様なWEBサイトに導入可能です。
  今日におけるCMSには無償で公開されているオープンソースと、有償で提供されるクローズドソースのCMSが流通しており、当社製品は後者に該当致します。オープンソースのCMSにおいては安価であり誰でもソースコードを改定できることから拡張機能における自由度は高い反面、ホームページの改ざん、任意のスクリプトが勝手に実行される、偽の画面が表示される、拡張機能自体について安全面での脆弱性がある等の負の側面がありますが、安価のため、ブログ等の個人利用に適しているものとされております。一方で当社が提供しているクローズドソースのCMSについては、企業が独自開発しそれ自体を製品化している事が一般的であり、拡張機能等の実装については開発企業が作業することが前提となることから、機能面における自由度はある意味で限られる面はあるものの、安全面での充実度に優れ、当社が市場とみなす企業におけるオウンドメディア(自社で有するインターネットを通じたメディア、例:ホームページ、ブログ、フェイスブックアカウント等)のための商用システムとしては適しているものと考えられております。
 当社は、WEBサイト構築及びその後の運用保守において必要とされる全ての業務を、当社のみで完結できるよう、営業人員・プログラマー人員・デザイナー人員・デバッガー人員・WEBディレクター人員・サポート人員等のあらゆる業種の人員が所属しております。そのため、WEBサイトに必要となる全てのサービスを、当社のみで一気通貫して提供することが可能となっており、業界における当社の特徴的な優位性であるものと認識しております。また自社営業部門による直接契約により顧客及び市場の課題・需要を常に捉え、当社の開発技術により、解決方法となり得る拡張機能等を開発・提案し、顧客のWEBサイトひいては顧客のオウンドメディアの拡張・展開・成長につなげております。
CMS事業においては新規導入に際して、WEBサイトの構築代金を受領し、当社CMS上に顧客の要望に沿ったWEBサイトを設計・デザイン・構築いたします。WEBサイトの納品後におきましてはCMSの利用期間中、CMSプログラム及びサーバネットワークの運用保守・維持管理にかかる月額利用料を受領し、CMSの運用サポート、不具合対応及び顧客依頼に基づく軽微な修正等を行っております。
 このように当社は、高機能な自社開発CMS、顧客需要にあわせた周辺製品の開発をも併せた課題解決力を強みに、これまで制作したWEBサイトは1,300サイトを超えております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2017.3 709 147 145 43 
(単独実績)2018.3 752 163 163 110 
(単独実績)2019.3 844 164 171 109 
(単独予想)2020.3 968 190 193 133 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想)2020.3 72.11 471.04  -  
調達資金使途 人件費、オフィス増床費用、広告宣伝費、研究開発費 

上場時発行済み株数 1,927,500株 (別に潜在株式183,925株) 
公開株数 575,000株(公募300,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント75,000株) 

PER:20.9
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:7.8億
公募時時価:26億
    

【株主構成】 
(株)フォーカス 役員らが議決権の過半数を所有する会社 1,146,250 63.28  180
(株)アライアンスパートナー 特別利害関係者など 262,500 14.49  180・1.5
(株)ベクトル 特別利害関係者など 87,500 4.83 
(株)パスファインダー 役員らが議決権の過半数を所有する会社 77,000 4.25  180
岸本誠 代表取締役社長 45,500 2.51  180
SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ 特別利害関係者など 35,000 1.93  180・1.5
Link Asia Capital(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 17,500 0.97 180
日下部拓也 取締役 10,500 0.58 
南嶋将人 取締役 10,500 0.58 
東間大 取締役 10,500 0.58 
江村真人 取締役 10,500 0.58 
伊藤彰弘 従業員 10,500 0.58 

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である株式会社フォーカス、当社株主である株式会社パスファインダー、Link Asia Capital株式会社及び岸本誠は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年12月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。
また、当社株主である株式会社アライアンスパートナー及びSEホールディングス・アンド・インキュベーションズ株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年12月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)は行わない旨合意しております。
加えて、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年12月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、株式分割及びストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)を行わない旨合意しております。
なお、上記のいずれの場合においても、主幹事証券はロックアップ期間中であってもその裁量で当該合意の内容を一部若しくは全部につき解除できる権限を有しております。


【代表者】
代表者生年月日 1981年08月14日生まれ
代表者略歴
2005年04月 (株)インテリジェンスオフィス入社
2006年09月 (株)スタッフサービス入社
2006年12月 (有)キャストコミュニケーションズ入社
2009年05月 プルデンシャル生命保険(株)入社
2011年06月 当社入社
2013年10月 当社営業部長 
2014年03月 当社取締役
2017年06月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】
主幹事証券 SBI 440,000 88.00
引受証券 SMBC日興 15,000 3.00
引受証券 藍沢 5,000 1.00
引受証券 極東 5,000 1.00
引受証券 岩井コスモ 5,000 1.00
引受証券 東洋 5,000 1.00
引受証券 むさし 5,000 1.00
引受証券 エイチ・エス 5,000 1.00
引受証券 岡三 5,000 1.00
引受証券 丸三 5,000 1.00
引受証券 東海東京 2,500 0.50
引受証券 エース 2,500 0.50

【参考類似企業】今期予想PER(5/24)
2130  メンバーズ 29.3倍(連結予想 )
3622  ネットイヤー 84.5倍(連結予想 )
6081  アライドアーキ 52.4倍(連結予想 )
8508  Jトラスト -倍(連結予想 )



【私見】
  IT関連で業種としては人気になりそうな業種ではありますが、他と比べてもそこまで大きな優位性があるようには思えません。業績も伸びではいるものの、やや物足りなさは感じ、高PERが容認されるには何か足りないような気はします。需給は小規模で良いのですが、1.5倍でロックが外れるVCやかかってないベクトルもいるのでセカンダリーではやや心配点はあります。

想定価額:1350円
仮条件上限:1490円
初値予想:4000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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