2019年11月24日日曜日

IPO分析(ALiNK インターネット)

【事業内容】
 主な事業として、日本気象協会との共同事業である天気予報専門メディアtenki.jp」、「tenki.jp 登山天気」の運営を行っております。
(1)運営メディアについて
 tenki.jpは、生活にかかせない天気予報と気象予報士が日替わりで季節の話題を提供する等のコンテンツに加え、観測データ、地震・津波等の防災情報の提供を行い、気象情報を多種多様な形態で提供しております。PCのWebページ、スマートフォンアプリ、スマートフォンサイトを合わせて年間約40億PV、Twitterのフォロワー数が約280万人に達する天気予報専門メディアです。
 tenki.jp及びtenki.jp 登山天気は週末のレジャー計画をする人、出張先の服装を選びたい人、花粉で困っている人、有感地震で不安を感じている人等、多種多様なシーンの方が未来の行動の判断材料を探すために利用していると考えております。情報社会の進化の恩恵で、必要な情報を簡単に手に入れられる世の中になり、私たちのライフスタイルは多様化しました。
① 運営メディアの提供情報
ⅰ.tenki.jp
 10日間天気や1時間ごとの天気、今いる場所の雨の様子(豪雨レーダー)等、ユーザーの志向やユーザーが必要な場所・時間に合わせた天気予報を無料で提供しております。天気予報だけでなく、一般的な気象情報として、観測データや天気図、防災情報もリアルタイムで提供しております。
 また、ユーザーの未来の行動の判断材料を提供するために、気象予報士による天気解説記事(日直予報士)や洗濯指数、お出かけ指数等の指数情報、天候と関係のある主要レジャーの天気情報を提供するレジャー天気、花粉飛散情報、紅葉見ごろ情報等の季節に応じた季節情報等の各ユーザーの志向に応じた多種多様な情報を提供しております。
ⅱ.tenki.jp 登山天気
 登山準備に使用できる指数情報や山々の山頂・登山口・ふもと別の天気、雨雲の動き・雷危険度・台風情報等のリアルタイム情報をチェックできます。なお、日本の三百名山全てを網羅しております。
(2)当社の特徴
① システム構築・運用
 当社は少人数(2019年9月末現在、従業員9名)であるものの、年間で40億PVを超える規模のサービスを運用できる体制を構築しております。
 過年度に発生している大災害時のユーザーの行動傾向等を蓄積しており、過去の異常気象時や災害時等の突発的なユーザー増加状況を踏まえ、さくらインターネット株式会社と連携を取り、緊急時の対応に備えております。tenki.jpに係るプログラム・システムは社内でマニュアル化されており、また、オープンソースのプログラム言語で運用しているため、どのエンジニアが入社してもすぐに対応できるよう社内体制を整えることで、少人数で対応できる組織となっております。
② Growth Hack
 当社はtenki.jpのユーザーの行動等を分析し、世の中のトレンドに合わせて改善活動を行っております。上述の「(1)運営メディアについて ① 運営メディアの提供情報」に記載のとおり、気象情報のみならず、周辺情報も提供しておりますが、各ページへの改善活動・施策を毎回、効果測定し、日々PDCAを回すことで当社内にナレッジを蓄積しております。
 また、気象情報を提供している他の大手メディアは「Yahoo!天気・災害」「ウェザーニュース」等がありますが、tenki.jpのPV数は年間で約40億PVあることから、当社はインターネットプラットフォーマーと日頃から直接、コミュニケーションを取ることができており、当該プラットフォーマーの動きにフレキシブルに対応しております。
 上記から、気象情報はもとより、気象情報が関わらないと思われる周辺のキーワードでもtenki.jpへアクセスされるような取組みを担うことでアクセス数の増加を企図しております。
③ トレーディングデスク
 当社は国内のみならず、海外でも最新のアドテクノロジーを導入すべく、アドネットワーク業者と情報交換を行っております。当社は自社で年間40億を超えるPVのメディアを運営しているため、アドネットワーク業者を選ぶ立場として最適な価格設定や配信比率を実現するよう日々の業務を行っております。また、tenki.jpの運営を開始してから、天候によるPVの上下と価格の連動・相関関係を把握しているため、独自のツール等を利用して、天候連動によった広告配信を一部行うことにより、広告主の細かな配信条件に対応できることで単価の向上に努めております。

(3)日本気象協会との共同運営について
 当社は設立以来、気象情報等をメディア上で提供し、メディア運営ノウハウ及びメディアマネタイズノウハウを蓄積しながら、気象業界に関連したインターネット事業を営んでまいりました。一方で、気象予報士を抱え、予報業務をリアルタイムで行うだけのリソースは保有しておりませんでしたので、気象予報士を200名以上抱え、予報業務や気象に係るコンテンツの制作・設計に長けている日本気象協会と互いのリソースを活かした共同事業を行うことで、現在の当社の経営理念を達成することを意図しております。
2019年2月期の売上高構成比は、tenki.jp 99.3%、その他0.7%。主な販売先はレベニューシェア先の日本気象協会99.3%。tenki.jpの主な販売先はグーグル57.3%、GMOアドマーケティング9.8%。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2018.2 445 199 199 131
(単独実績)2019.2 694 349 344 232
(単独予想)2020.2 694 - 292 183
(単独中間実績)2020.2 377 190 184 121

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独予想)2020.2 92.49 574.80  - 
調達資金使途 採用活動・人件費、広告宣伝
上場時発行済み株数 2,102,400株 (別に潜在株式102,300株)
公開株数 580,900株(公募150,000株、売り出し355,200株、オーバーアロットメント75,700株)

PER:18.3
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:9.9億
公募時時価:36億
    
【株主構成】
池田洋人 代表取締役CEO 1,050,000 51.10 90
松本修士 取締役CTO 882,000 42.93 90
富田知尚 取締役CSO 66,000 3.21 90
池田直紀 取締役CFO 30,000 1.46 90
(一財)日本気象協会 特別利害関係者など 20,400 0.99
藤倉昭幸 従業員 2,400 0.12
塚本真由子 従業員 1,800 0.09
高安伸 従業員 1,800 0.09
松田茜 従業員 300 0.01

【代表者】
代表者生年月日
1974年10月06日生まれ
代表者略歴
1997年04月 (株)ハレックス入社
1999年10月 気象予報士取得
2002年05月 (株)ウェザーライン入社
2003年06月 ヤフー(株)入社 Yahoo!天気情報プロデューサー
2005年06月 (株)ありんく入社 取締役COO就任
2013年03月 当社設立 代表取締役CEO就任(現任)

【幹事団】
主幹事証券 野村 - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -
引受証券 SBI - -
引受証券 岡三 - -
引受証券 エース - -

【参考類似企業】今期予想PER 11/7
4825  WNIウェザー 25.3倍(連結予想 )

【私見】
 業種としてはウェザーニュースと同業で、社員9名ということからの一人当たりの利益では素晴らしいと思います。しかし、利益ではウェザーの1/7ほどなので時価総額も1/7ほどになっておりサイズとしては妥当だと思います。PERでは若干低めですが、今期は減益で、売上も横ばいなので成長性を考えると大きく伸ばすことは簡単ではないと思います。吸収金額は小さく、VCも存在せずロックもしっかりしているのでIPOラッシュ前哨戦として初値で人気になりそうですが、高騰してしまえばセカンダリーは需給戦以外は妙味はないかと思います。

想定価額:1470円
仮条件上限:1700円
初値予想:3800円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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