2023年7月6日木曜日

IPO分析(ナレルグループ)

 【事業内容】

(1)建設ソリューション

 建設・プラント業界向けに、施工管理業務、CADオペレーター等の技術者派遣を行うとともに、施工図作成の請負業務も行っております。主に、建築(オフィスビル、高層マンション、商業施設、ショッピングセンター、工場、医療福祉施設、耐震工事等)、土木(道路、河川、下水道、橋、ダム、トンネル、鉄道等)、空調衛生(高層ビル、マンション、工場等)、電気設備(高層マンション、商業施設、ショッピングセンター、工場、医療福祉施設等)を受注領域としております。東京のほか、北海道、東北、中部、関西、九州に事業拠点を事業拠点を有しており、全国的にサービス提供を行っております。営業活動においては、現場への直接営業に注力しており、決定権の大きい現場所長に対して直接的な受注・価格交渉を行っております。さらに、施工計画時から竣工時まで、タイミングごとの現場ニーズに合った提案を行うことも可能となっております。具体的な派遣現場事例としては、TSMCの熊本工場建設工事、東京オリンピック関連施設建設工事、大都市における再開発案件、リニア中央新幹線や各種風力発電所の建設工事などが挙げられます。また、採用においては、大手求人メディアを活用した未経験者採用を中心としており、自社メディア(施工管理に特化した転職・求人情報サイト「セコカンNEXT」)等による経験者採用も行っております。人材育成においては、当社グループがこれまで蓄積してきたノウハウを用いた若手人材の育成メソッドを確立し、未経験者を中心に建設業界の基礎知識や専門用語の研修を行うなど、経験年次に応じた育成体制を構築しております。

 株式会社コントラフトにおいて、「職人(技能労働者)を探している企業」(求人企業)と「職人(技能労働者)として働きたい方」(求職者)のプラットフォームである「ジョブケンワーク」を運営し、建設業務有料職業紹介事業許可を有する一般社団法人全国建設請負業協会に求職者情報の提供を行っております。一般社団法人全国建設請負業協会では、職人(技能労働者)求職者の職業紹介を行っております。建設業就業者は、①ゼネコンや技術者派遣会社に雇用される施工管理技術者等の技術者、②専門工事会社等に雇用され、建設工事の直接的な作業を行う、技能を有する職人(技能労働者)、③個人事業主として建設業に従事する一人親方に大別され、株式会社コントラフト及び一般社団法人全国建設請負業協会は、主に職人(技能労働者)を対象として事業を展開しております。職人(技能労働者)の有料職業紹介を行うことができる認定団体は全国に3団体のみであります。このため、職人(技能労働者)の有料職業紹介は、殆ど実績が見られない全く新しい市場と捉えており、求職者・求人企業の獲得による事業基盤構築を進め、先行者としての優位なポジションの確立を目指してまいります。一方で、新市場での事業展開であるため、職人(技能労働者)の有料職業紹介事業が想定通りに拡大しない可能性もあります。


(2)ITソリューション

 SIer等の開発案件・インフラ管理業務に対して、IT技術者等の人材派遣やSES(システムエンジニアリングサービス)契約による受託を行っております。主なエンドユーザーとしては、通信業、金融業向けの開発案件が挙げられます。また、採用においては、未経験者採用を中心としております。


 【業績等】

業績動向(単位:百万円)

決算期 種別 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益

2023/10 連結中間実績 8,299 1,050 1,024 722

2023/10 連結会社予想 17,482 2,162 2,111 1,485

2022/10 連結実績 14,540 2,039 1,852 1,242

2021/10 連結実績 12,125 1,758 1,594 1,043


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/10 連結会社予想 179.05 1,408.38 90.00


上場時発行済株数 8,402,630株(別に潜在株式426,280株)

公開株数 4,004,000株(公募150,000株、売り出し3,331,800株、オーバーアロットメント522,200株)

調達資金使途 派遣技術者の採用強化費


売出しを行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:15.0

PBR:

配当利回り:3.3%

公募時吸い上げ資金:108億

公募時時価:226億

​   

【株主構成】 180日

投組アドバンテッジパートナーズV号 投資業(ファンド) 3,430,255 39.52%  売2,183,800 180日 

(株)村松屋商店 役員らが議決権の過半数所有 2,952,630 34.02% 180日

AP Cayman Partners III, L.P. 投資業(ファンド) 1,173,076 13.52% 売746,800 180日

Japan Fund V, L.P. 投資業(ファンド) 302,874 3.49% 売192,800 180日

沓沢広道 特別利害関係者など 200,000 2.30% 売85,000 180日

アドバンテッジパートナーズ投組80号 投資業(ファンド) 193,795 2.23% 売123,400 180日

柴田直樹 取締役 119,139 1.37% 180日・1.5倍

野尻悠太 取締役 15,001 0.17% 180日・1.5倍

土谷宣夫 子会社の従業員 15,000 0.17% 180日・1.5倍

石原正己 従業員 15,000 0.17% 180日・1.5倍

金杉きよ美 従業員 15,000 0.17% 180日・1.5倍


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号、AP Cayman Partners III, L.P.、Japan Fund V, L.P.及びアドバンテッジパートナーズ投資組合80号、売出人である沓澤広道、並びに当社の株主である株式会社村松屋商店は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目(2024年1月16日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を大和証券株式会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 また、当社の新株予約権を保有する柴田直樹、野尻悠太及びその他48名については、共同主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等(ただし、売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、大和証券株式会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等は除く。)を行わない旨を合意しております。

 

​【代表者】

代表者名 小林 良(上場時50歳10カ月)/1972年生

本店所在地 東京都千代田区二番町

設立年 2019年

従業員数 21人 (2023/05/31現在)(平均42.9歳、年収1115.3万円)、連結3138人

事業内容 建設技術者派遣、IT(情報技術)エンジニア派遣・システムエンジニアリングサービスなど

URL https://nareru-group.co.jp/

株主数 6人 (目論見書より)

資本金 50,000,000円 (2023/06/19現在)

代表者略歴

1990年03月 株式会社タケフジ入社

2003年04月 株式会社東京アソシエイツ入社

2008年11月 株式会社ワールドコーポレーション設立 代表取締役(現任)

2019年11月 株式会社AP64(現 当社)代表取締役(現任)

2020年12月 株式会社ATJC 取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 - -

主幹事証券 みずほ - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -


【参考類似企業】今期予想PER(6/27)

2154 オープンUP 21.0倍 (連結予想)

6199 セラク 20.9倍 (連結予想)

7059 コプロHD 17.3倍 (連結予想)

7087 ウイルテック 8.8倍 (連結予想)

7361 HCH 14.1倍 (連結予想)

9558 ジャパニアス 19.9倍 (単独予想)

9799 旭情報 10.0倍 (単独予想)


【私見】

 建設業の派遣業務ということで、類似業種もあり業種妙味はあまりなく、ファンドの売出し案件なので人気化する可能性は低いです。業績は、売上の伸びは非常に良く、利益もまずまずで、PERからはコプロと比較するとやや割安だと思います。ファンドの売出し案件で、ロックはある程度かかっていますが、売出し規模も大きく、大きくは上がらないでしょうが、仮条件が想定価額を上回ったことからも公募価額を若干上回る程度を予想します。


想定価額:2560円

仮条件上限:2690円

初値予想:2800円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

0 件のコメント:

コメントを投稿