2023年7月7日金曜日

IPO分析(ホロスホールディングス)

【事業内容】

​ 主要な事業として、保険代理店事業を担う株式会社ホロスプランニングにおいて200名を超える将来設計士が全国規模で日々、保険募集活動を行っております。また同社と同様、京都に本拠を置き近畿地方を中心に土地の有効活用の提案を行う株式会社ジェー・ピー・ディー清水を擁しています。

 なお、当社グループが属する保険代理店業界では、保険の営業員の一般的な呼称として「保険募集人」を使用しております。当社グループにおいては株式会社ホロスプランニングの社員で歩合給の保険募集人を「将来設計士」と呼び、株式会社ホロスプランニングの社員で歩合給ではなく固定給与の保険募集人を「固定給型保険募集人」と呼んでおります。

 保険募集活動を通じて保険顧客と良好な信頼関係を構築している将来設計士が、保険提案はもちろんのこと、株式会社ジェー・ピー・ディー清水と連携することにより、不動産を主体とした資産の有効活用を検討する顧客に対してはその橋渡しを行い、事業用土地を求める法人顧客に対してはそのニーズに応じた土地提案ができる体制を構築できるよう努めています。

  将来設計士を核に、グループが保有するあらゆる顧客層に対して資産活用の提案、相続問題の解決に向けた糸口を提供するなど総合生活支援を行うことが可能となるよう努めております。

 上記に加え、保険募集活動を通じて修得したコミュニケーションスキルを活用した営業研修や、保険契約管理システムの他保険代理店への提供を通じて、保険業界で一定の認知度と存在感があるものと認識しています。

 今後は株式会社ホロスプランニングにおいてIFA事業(Independent Financial Advisor事業:金融商品仲介業)への参入を目指すことで、顧客への提案ツールの更なる拡充を図ってまいります。


当社グループの事業内容は各事業別に以下の通りであります。

(1) 保険代理店事業について

 保険代理店として全国主要都市にオフィスを展開し、訪問販売を中心に広域型の生損保乗合保険代理店として事業を行っております。同社に所属する将来設計士は、各々得意とする保険分野(生命保険、損害保険)を中心に保険募集活動をしております。

 同社は、保険募集人を「将来設計士」とブランド化し、顧客ひとりひとりの「ありたい未来」に応えるため、複数の保険会社にある多種多様な保険商品を比較検討し、顧客に合った商品をご提案しております。また、2017年1月より株式会社平和堂との共同プロジェクトである「平和堂ほけん あるプラス」を株式会社平和堂のショッピングセンターに出店し、来店型ショップの運営をしております。


(2) 土地バンクリース事業について

 主としてサブリースを行っております。

 近畿地方を中心に農地などの土地保有者から遊休土地を借り受け、土地活用価値を高めたうえで運送事業者等の大口土地ユーザーに転貸等を行う土地バンクリース事業を展開しており、事業用土地として長期契約がベースとなるため安定的かつ収益性の高い事業となっております。また、当社グループの主力事業である保険代理店事業は、全国に200名を超える将来設計士を配置して幅広い層に保険募集活動を行っておりますが、保険顧客のなかには不動産活用を希望される顧客もおられます。こうしたニーズに対応するべく全国の将来設計士が保険募集活動で培った営業力をベースに同社の事業と連携することで、土地バンクリース事業の全国展開や同社の契約地主様の相続対策など保険商品を利用したご提案を行うなど相互にシナジー効果を発揮することが可能と考えております。

 なお、将来設計士から入手する顧客のニーズはサブリースだけでなく、不動産仲介で対応するものもあります。ニーズに応え、当社グループのシナジーを効果的に発揮するために不動産仲介にも積極的に取り組んでいきます。


(3) 教育研修・マーケティング事業について

 保険業界周辺の事業として、将来設計士が持つ顧客に対するコミュニケーションスキルを教育研修サービスとして提供する活動を行っております。

保険業界は、保険募集人の報酬制度に歩合制を導入する企業が多く、その保険募集人には高度な営業スキルが求められます。そのような業界において営業実績を残している保険募集人は、顧客に対するコミュニケーション能力を有していると考えております。

 教育研修事業は、保険営業においてこのような営業実績を誇る将来設計士のコミュニケーションスキルを可視化して、金融機関の富裕層に特化した営業部門やハウスメーカーなど高額商品を取り扱う営業部門等に対して教育研修サービスを提供しております。教育研修を行うことで当社グループの将来設計士の認知度を高める一方、他社の保険募集人に対してのアピールとなり将来設計士のリクルーティングに寄与しております。当社グループの将来設計士にとっては収入機会の獲得とともに営業スキルのさらなる向上、営業機会の多様化を果たしております。

 また、これまで当社グループが培ってまいりましたノウハウを、保険代理店とその先の顧客に向けたサービスとして、保険契約管理システム(CSB)、保険事業者向け支援コンテンツ、L-Agentの企画、販売を主軸にマーケティング活動を展開しております。

 CSBでは、生損保乗合保険代理店向けに、顧客の契約情報、保険募集人の営業活動情報、社内情報等の統合管理ができるシステムをASPで提供しております。顧客のために取扱う保険商品が増えると、顧客ニーズに合った保険提案が可能となる一方で事務作業が煩雑化する問題をCSBにより解消することが可能となります。CSBは、2016年5月施行の改正保険業法の要求事項にも対応することで態勢整備ツールとしても活用いただいております。

 L-Agentでは、保険代理店、保険募集人とその顧客を契約後もつなぎつづけ、顧客に対する価値を向上頂くことをコンセプトに、生損保乗合保険代理店向けにアフターフォロー支援システムをASPで提供し、今後の事業領域の拡大としての位置づけも担っております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/07 連結3Q累計実績 4,846 458 452 321

2023/07 連結会社予想 6,695 669 624 382

2022/07 連結実績 5,372 365 358 235

2021/07 連結実績 7,185 582 575 344


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/07 連結会社予想 114.05 492.22 45.62


上場時発行済株数 3,349,600株(別に潜在株式58,200株)

公開株数 1,780,600株(売り出し1,548,400株、オーバーアロットメント232,200株)

調達資金使途 -

連結会社 3社


売出しを行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:16.1

PBR:

配当利回り:2.4%

公募時吸い上げ資金:32.7億

公募時時価:61億

​   

【株主構成】 

TKTH投組 投資業(ファンド) 1,640,600 48.14% 売1,408,400 180日・1.5倍

堀井計 代表取締役社長 508,800 14.93% 売140,000 180日

第一生命保険(株) 資本業務提携先 312,400 9.17% 180日

ソニー生命保険(株) 資本提携先 237,600 6.97% 180日

清水三雄 特別利害関係者など 154,000 4.52% 180日

(株)MIO 役員らが議決権の過半数所有 76,800 2.25% 180日

アイザワ・インベストメンツ(株) 投資業(ファンド) 60,000 1.76% 180日・1.5倍

東京海上日動あんしん生命保険(株) 取引先 30,000 0.88% 180日

浦野陽介 専務取締役 28,000 0.82% 180日

サイコム・ブレインズ(株) 特別利害関係者など 24,000 0.70% 180日


 引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人であるTKTH投資事業有限責任組合並びに当社株主であるアイザワ・インベストメンツ株式会社及び中信ベンチャー・投資ファンド3号投資事業有限責任組合は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2024年1月16日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。

 売出人である堀井計並びに当社株主である第一生命保険株式会社、ソニー生命保険株式会社、清水三雄、株式会社MIO、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、浦野陽介、サイコム・ブレインズ株式会社、FWD生命保険株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、株式会社NSアセットマネジメント、エフピーサポート株式会社、上山知子、立石仁裕、亀井章、株式会社ジャパン・リンク、造田洋典、中川安英、川端雅彦、株式会社ジーアール、善方隆、上畑忠之、清水功、澤本茂郁、堀井元紀、菅拓摩、内藤忍、株式会社Y.Fマネジメント、笠原慎也及びその他1名は、主幹事会社に対して、引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2024年1月16日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 当社株主である岸野公昭、熊谷久志、須賀一夫、ホロスホールディングス従業員持株会、大蔵篤、大坪勇二、青木誠、渡邉和隆、鹿内孝政、宇野文聡、村田正一、小川照美、山室和彦、平古場祥介、福島富雄、佐藤政信、藤本真之、佐藤雅俊、岩本悟、渡邊浩人、山本卓、松口潜、新井進之介、奥村長芳、木村唯一、木村虎太郎、木村豪、木村任、髙橋幸彦、山﨑智司、三宅一宏、小倉敦及びその他1名並びに当社新株予約権者である安達将範、高橋賢二郎、松尾宏司及びその他21名は、主幹事会社に対して、引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2023年10月18日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

【代表者】

代表者名 堀井 計(上場時64歳11カ月)/1958年生

本店所在地 京都府京都市中京区手洗水町

設立年 2014年

従業員数 10人 (2023/04/30現在)(平均46.5歳、年収450.8万円)、連結358人

事業内容 保険代理店事業を中心とする企業グループの持ち株会社

URL https://www.holos-hd.jp/

株主数 67人 (目論見書より)

資本金 489,895,000円 (2023/06/16現在)

代表者略歴

1981年04月 パシフィックスポーツ㈱入社

1990年02月 ソニープルコ生命保険㈱(現 ソニー生命 保険㈱) 入社

2010年10月 一般社団法人保険代理店協議会 (現 一般社団法人保険乗合代理店協会) 理事長

2011年11月 ㈱エルティヴィー代表取締役会長

2014年02月 当社代表取締役社長(現任) ㈱ホロスプランニング代表取締役会長 (現任)

2017年10月 ㈱エルティヴィー代表取締役会長兼社長 (現任)

2021年10月 ㈱ジェー・ピー・ディー清水代表取締役 会長(現任)

2022年05月 一般社団法人保険乗合代理店協会 理事 (現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

引受証券 みずほ - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 アイザワ - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

引受証券 SBI - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 楽天 - -


【参考類似企業】今期予想PER(6/22)

5836 エーインシュ 18.0倍 (連結予想)

7325 アイリック 37.9倍 (連結予想)

7343 ブロドマイン 12.6倍 (連結予想)

7388 FPパートナー 39.2倍 (単独予想)

8798 アドバンスク 15.5倍 (連結予想)


【私見】

 保険代理店ということで、直近のFPパートナーは大相場となりましたが、京都の代理店で規模感かつファンド売出し案件で人気化する可能性は低そうです。業績も前々期に戻ったほどで、PERからは高くはありませんが、成長性を加味しても上値余地は大きくはなさそうです。生損保会社が株主で、ファンドの売出し以外は需給からは問題ないので、長期では悪くないと思いますが、短期的には妙味は少ないと予想します。


想定価額:1710円

仮条件上限:1840円

初値予想:1950円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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