2018年9月11日火曜日

IPO分析(ワールド)

【事業内容】
 ブランド事業では、国内アパレルブランドとして、ミドルアッパー業態とミドルロワー業態を中核にルームウェア、肌着等のインティメイトなども手掛けており、また、株式会社ワールドアンバーは卸業態を運営しております。各ブランド事業を営む子会社は、婦人、紳士及び子供衣料品の商品企画を行い、その商品企画に基づいて、当社のプラットフォームを活用して調達した商品を直営店舗、EC販路及び専門店を通じて、主に国内市場で販売しております。また、株式会社ワールドフランチャイズシステムズは、主に株式会社アルカスインターナショナルのフランチャイズ事業を展開しております。 
 この他、国内ライフスタイルブランドとして、服飾雑貨や生活雑貨、ジュエリーや革小物に至る雑貨業態も擁しています。中間持株会社である株式会社ワールドライフスタイルクリエーションの統括の下、例えば、株式会社ファッションクロス及び株式会社ワンズテラスが、独自で服飾雑貨や生活雑貨等の企画、調達及び販売を行っております。 
 海外においては、アジアを中心に独資若しくは合弁で一国一法人を原則に展開しており、日本のブランド事業会社から輸入、若しくは、現地で独立して企画、調達した衣料品並びに服飾雑貨、生活雑貨等を現地で独立して販売しております。 
 “多業態・多ブランド戦略”により、アパレル、雑貨を問わず多様なチャネル、多様な価格帯でブランドを展開しており、2018年3月期末において2,488店、ブランドは56ブランドを有しております。 

■投資事業 
投資事業では、ポートフォリオマネジメントとして、当社が子会社の株式を直接・間接に所有して経営指導等を行っているほか、当社子会社で中間持株会社である株式会社ワールドインベストメントネットワークと連携して当社グループの事業ポートフォリオの最適化を行っております。具体的には、中間持株会社である株式会社ワールドインベストメントネットワーク及びその傘下にある孫会社群を通じて、バリューアップ事業とM&A事業の2つを事業の柱としております。 

バリューアップ事業では、当社グループにある開発象限の事業や改革が必要な事業(開発・改革事業)の収益モデル構築や、“選択と集中”の徹底のために株式会社ワールドインベストメントネットワーク又はその傘下の孫会社の下に移して管理支援を行っております。 

M&A事業では、当社及び株式会社ワールドインベストメントネットワークによる従来型のアパレル以外の領域の事業ポートフォリオの最適化を目的とした「プリンシパル」投資(バイアウト)と、株式会社W&Dインベストメントデザインによるアパレル領域での事業の再生や成長の支援、事業承継を目的とした「ファンド」投資(共同投資)に取り組んでおります。また、近時は、デジタルプラットフォームの強化や新規サービスの開発に必要な技術の獲得等を目的として、ファッションとテクノロジーが融合したファッションテックといった新たな分野に、マイノリティ出資も活用して、先端技術や特筆すべき特長を有するベンチャー系企業との協業による新たなビジネス・シーズ(ネオエコノミー事業)の開発・育成のための投資(コーポレートベンチャーキャピタル)を行っております。これらの様々な投資手法を活用することを通じて、ファッション産業を対象に多様で幅広い投資に取り組んでおります。また、これらのM&Aを通じて連結加入した会社・事業のPMI(M&A後統合プロセス)を1年間で実現できるよう集中的に取り組んでおります。 

なお、投資事業セグメントにおいては、バリューアップ事業において、ブランド事業を始めとした各事業セグメントとの間で、ポートフォリオの最適化を目的とした事業の入れ替えがあり、また、M&A事業において、当社グループに参加した会社・事業が約1年のPMIプロセスを経て、他の事業セグメントへ移管される可能性もあるため、投資事業セグメントに属するグループ会社は変わりうる状況にあります。 



■デジタル事業 
 プラットフォーム事業においては、当社グループが長年に渡って培ってきた様々なノウハウと仕組みが凝縮された、多業態・多ブランドを支えてきたプラットフォームについて、これまでの当社グループ企業による利用に留まることなく、新たに外部企業にも開放する形で各種サービスの提供へ取り組んでおります。 

アパレルプラットフォームのうち生産プラットフォームでは、その中核である株式会社ワールドプロダクションパートナーズが、株式会社ワールドインダストリーファブリックや株式会社ワールドインダストリーニット等の国内製造子会社、協力縫製メーカー及びOEMメーカーにおいて製造された商品、さらには主に中国で生産されて世界時興(上海)貿易有限公司が調達した商品について、その大部分を当社のブランド事業子会社に供給しているほか、他社に向けたOEM受託事業も展開しております。 

また、アパレルプラットフォームのうち販売プラットフォームを担う株式会社ワールドストアパートナーズにおいては、ブランド事業子会社のショッピングセンターを中心とした直営店において販売代行業務を行うほか、店舗開発や店舗営繕に加えて、催事の企画・運営及びアウトレットを通じた在庫消化などを行っております。 

この他、ファッションビジネスに係る様々な事務処理・手続等の各種事務サービスなどを提供するシェアードサービスプラットフォームを担う株式会社ワールドビジネスサポートは、当社グループを含めた企業の各種事務処理の代行を行っております。また、ライフスタイルプラットフォームを担う株式会社ワールドスペースソリューションズは、リーシングプランから、什器の製造・販売及びインテリア設計等の空間創造事業を行っております。 

4【関係会社の状況】

【業績等】
業績動向(百万円) 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益 
(連結実績)2017.3 249,983 12,066 10,558 8,150 
(連結実績)2018.3 245,829 13,225 11,144 6,743 
(連結予想)2019.3 249,066 14,234 12,791 8,238 
(連結1Q実績)2019.3 60,978 6,648 6,205 3,976 
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想 )2019.3 317.68 - 47  
調達資金使途 優先株式の取得、システム投資、戦略事業投資、借入金の返済 

上場時発行済み株数 36,199,965株 (別に潜在株式1,018,750株) 
公開株数 18,492,000株(公募14,850,000株、売り出し1,833,000株、オーバーアロットメント1,809,000株) シンジケート 公開株数12,060,000株(別に1,809,000株)

PER:11.4
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:671億
公募時時価:1314億
    

【株主構成】 
UDSコーポレート・メザニン2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)、議決権のない優先株主 8,119,600 29.46 
寺井 秀蔵 代表取締役会長 2,712,254 9.84 
小泉 敬三 特別利害関係者など 2,386,674 8.66 
畑崎 重雄 特別利害関係者など 2,046,747 7.43 
(同)ケイ・エム興産 役員らが議決権の過半数を所有する会社 1,000,000 3.63 
(同)エイ・ティ興産 役員らが議決権の過半数を所有する会社 1,000,000 3.63 
(同)ワイ・アール興産 役員らが議決権の過半数を所有する会社 1,000,000 3.63 
(同)イー・エイチ興産 役員らが議決権の過半数を所有する会社 840,000 3.05 
従業員持ち株会 特別利害関係者など 800,000 2.90 
上山 健二 代表取締役社長執行役員 644,505 2.34 
中田 雄一 グループ常務執行役員、子会社社長 602,213 2.19 

 グローバル・オファリングに関連して、売出人である寺井秀藏、小泉敬三、畑崎重雄及び栗山文宏、貸株人である合同会社ワイ・アール興産及び合同会社イー・エイチ興産並びに当社株主である合同会社ケイ・エム興産、合同会社エイ・ティ興産、ワールドグループ従業員持株会、上山健二、中田雄一、谷村耕一、浦野隆司、田口敬二郎、福井淳、高月禎一、伊賀裕恭、飯田恭一、鈴木信輝、中林恵一、坂根義男、畑崎充義、八木恵美子、阪本敏之、松沢直輝、藤原義彦、松原正幸、西川信一、中嶋築人、小堺利幸、内山誠一、丸山紀之、大峯伊索、田所裕一、長元明、黒田正徳、渡邊智則、水口清貴、永島竜郎、山根克彦、林知彦、中尾拓也、岩切徳人、池上貴尉、丹生博之、宮崎広臣、福岡孝和及び大野陽一郎は、グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2019年3月26日(当日を含む。)までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の譲渡又は処分等(ただし、引受人の買取引受けによる国内売出し及び貸株人がオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)を行わない旨を約束する書面を2018年9月18日付で差し入れる予定であります。 
 また、当社はグローバル・コーディネーターに対し、ロックアップ期間中、グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換されうる有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を表章する有価証券の発行等(ただし、国内募集、海外募集、本件第三者割当及び株式分割等を除く。)を行わない旨を約束する書面を2018年9月18日付で差し入れる予定であります。 
 なお、上記のいずれの場合においても、グローバル・コーディネーターはロックアップ期間中であってもその裁量で当該誓約の内容を一部又は全部につき解除できる権限を有しております。 


【代表者】
代表者生年月日 1965年05月19日生まれ 

代表者略歴
1988年04月 (株)住友銀行(現(株)三井住友銀行)入行 
2001年06月 (株)ジャック(現(株)カーチスホールディングス)代表取締役社長 
2003年03月 (株)長崎屋 代表取締役社長 
2009年03月 (株)GABA 代表取締役社長 
2012年12月 (株)ぐるなび 取締役副社長執行役員 
2013年12月 当社入社 当社常務執行役員COO補佐 
2014年06月 当社常務執行役員COO(最高執行責任者) 
2015年04月 当社代表取締役 社長執行役員(現任) 

【幹事団】
主幹事証券 野村 - - 
引受証券 SMBC日興 - - 
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
引受証券 みずほ - - 
引受証券 SBI - - 

【私見】
 再上場案件で、業種の真新しさはなく、成長性からも未知数な部分は多く厳しいスタートが予想されます。仮条件を大幅に下げたことにより、PERからは割高感はないものの、成長性を考えると買い材料は乏しいです。さらに、公開規模の大きさでは買い手不在で吸収するのにも一苦労ではないかと思われます。

想定価額:3630円
仮条件上限:3200円
初値予想:3050円
ブック申し込み度・・・弱気
セカンダリー期待度・・・やや弱気
総合評価2.5


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