2018年9月8日土曜日

IPO分析(SBIインシュアランス)

【事業内容】
 SBIグループの保険事業の司令塔機能を担う企業として平成29年3月に営業を開始いたしました。SBIグループは、「金融サービス事業」、「アセットマネジメント事業」、「バイオ関連事業」を主要3事業と位置づけており、「金融サービス事業」においては、証券関連事業、銀行業、保険事業を中核とした多様な金融関連事業を行っています。

(損害保険事業) 
「損害保険事業」は損害保険業を行っており、SBI損害保険株式会社1社で構成されております。 
SBI損害保険株式会社は、自動車保険、火災保険、がん保険を提供する損害保険事業を行っております。 

 SBI損害保険株式会社は、自動車保険においては、同業他社を上回る価格競争力を梃子にSBIグループとのシナジーを発揮し、96万件を超える契約を有するに至っております。インターネットを通じた直販を主要販路にすることで業界水準を下回る事業費率を実現し、その成果を顧客に還元することで低廉な保険料を提供しております。こうした取り組みの結果、株式会社カカクコムが発表する「価格.com 自動車保険満足度ランキング2018(総合・保険料)」の総合満足度及び保険料満足度で第1位を獲得するなど、お客様より高い支持を得ております。加えて平成30年6月にはロードサービスを改定し、事故・故障時のサービス内容を業界最高水準へ引き上げるなど、商品競争力に磨きをかけ続けております。また、契約者が自ら補償内容をカスタマイズできる自由度の高い火災保険や損害保険会社ならではの実額補償型の商品性及び価格競争力を有したがん保険を提供しております。 
 こうした高い商品競争力を武器に、一般消費者を対象とするBtoC型の営業戦略とBtoCビジネスを行う企業を対象とするBtoBtoC型の営業戦略を同時並行的に推進し、高い成長を維持しています。BtoC型の営業戦略においては、ネット金融サービスを手掛けるSBIグループの顧客基盤、すなわちネットリテラシーが高い個人顧客層へプロモーションを行うことで、他のダイレクト型損保には見られない高効率営業のビジネスモデルを構築し、順調に業容拡大を続けております。一方、BtoBtoC型の営業戦略においては、住信SBIネット銀行株式会社と連携し、同行の住宅ローン顧客に向けて火災保険の提供を行っております。更に販路を拡大すべく、SBIグループを挙げて推進している「地方創生プロジェクト」に歩調をあわせ、全国の地域金融機関へ各保険商品の取り扱いを働きかけております。またSBIグループの取引先事業者にも積極的に働きかけており、こうした結果、既に8企業(平成30年7月末現在)でSBI損害保険株式会社の商品の取り扱いが採用されております。 

(生命保険事業) 
「生命保険事業」は生命保険業を行っており、SBI生命保険株式会社1社で構成されております。 
SBI生命保険株式会社はインターネット、代理店などを通じて、団体信用生命保険及び団体信用就業不能保障保険、医療保険、定期保険、などを提供する生命保険事業を行っております。 

 SBI生命保険株式会社においては、SBIグループの顧客を中心にプロモーションを重ね、低廉な保険料を実現したネット専用定期保険や在宅医療も保障する終身医療保険を提供し、順調に業容を拡大しております。近年の情報技術の進展により、生命保険の競争環境に大きな変化の兆しが見られることから、SBI生命保険株式会社においては、IoTやAIを活用した新たな取り組みを開始しております。具体的には、個々のライフスタイルや生活習慣を反映し、契約者ごとに最適化された保険商品の提供を目指し、そのロードマップを策定しております。この過程でまず、契約者のバイタルデータを基に、契約者の健康管理・アドバイスの提供を行うスマートフォンアプリの提供を開始いたしました。また、近畿大学と共同でAIを活用したがん遺伝子パネル検査の実施可能性に関する臨床研究を開始し、同検査の費用負担軽減に繋がる新たな保険商品の開発可能性を検討するなど、先端技術を保険商品・サービスの向上に活かす取組みを進めております。 
 営業戦略面においては、損害保険事業と同様、BtoC型の営業戦略とBtoBtoC型の営業戦略を同時並行的に推進しております。とりわけBtoBtoC型の営業戦略においては、住信SBIネット銀行株式会社と連携し、同行の住宅ローン顧客に向けて団体信用生命保険の提供を行っております。SBI生命保険株式会社は、通常の団信より保障範囲の広い団信(既往症のある方でも加入が可能等)及び就業不能保障保険を提供しており、高い商品競争力を有しております。こうしたことから、同行の住宅ローンの魅力度向上に貢献しつつ、団信の契約獲得も順調に進んでおり、平成29年6月の提供開始以来、16千件(平成30年6月末現在)の被保険者数を有するに至っています。加えて全国の地域金融機関へ当団信の取扱いを働きかけております。各地域金融機関とも希少かつ安定的な資金需要対象として住宅ローンの顧客獲得に注力しておりますが、一方で住宅ローンは商品差別化が難しく、一層の価格競争を招く厳しい状況となっています。特に地域金融機関が主に採用している団信は、業界画一的な商品が一般的であり、地域や個別行のニーズに応えられない現状があります。こうしたことからSBI生命保険株式会社においては、前述の広範な保障を低廉な保険料で提供しつつ、更に個別行のニーズにきめ細かく対応することで、地域金融機関の収益面への貢献と、住宅ローンの商品差別化に貢献し、地域金融機関より評価を受けております。こうした商品競争力を武器に、SBIグループの地域金融機関とのリレーションを梃子に団信及び就業不能保障保険の採用を地域金融機関に対して積極的に働きかけており、平成30年7月末現在、3行で採用され、うち1行は取り扱いを開始しております。 
  
(少額短期保険事業) 
「少額短期保険事業」は少額短期保険業を行っており、SBIいきいき少額短期保険株式会社、日本少額短期保険株式会社、SBIリスタ少額短期保険株式会社、及びこれら少額短期保険会社3社の持株会社であるSBI少短保険ホールディングス株式会社の4社で構成されております。 

なお少額短期保険業は、損害・生命保険業と比較して法令上の参入規制が緩やかであることから、異業種による参入が多く見受けられます。また損害保険・生命保険に比べると、その市場規模は相対的に小規模ではあるものの、毎年順調な市場拡大を続けており、現在では年間の収入保険料が900億円を超える規模へと成長しています。こうした中、当社グループでは少額短期保険業者を3社擁し、それぞれを通じて特色ある商品の提供を行っています。 
SBIいきいき少額短期保険株式会社は、主に通信販売を通じて定期保険、医療保険、それぞれの引受基準緩和型商品及びペット保険を中心に少額短期保険事業を行っております。主たる顧客をシニア層としており、少子高齢化の進展や終活ブームも相まって、順調に業容を拡大しております。また近年のペットの家族化といったトレンドから、ペット保険への注目も一層高まっていくものと考えております。 
 日本少額短期保険株式会社は、代理店を通じて賃貸住宅総合保険、車両保険を中心に少額短期保険事業を行っております。特にその代理店網は全国2,830店(平成30年7月末現在)に及び、安定した営業基盤を有しております。 
 SBIリスタ少額短期保険株式会社は、インターネット、代理店などを通じて地震補償保険を中心に少額短期保険事業を行っております。地震保険に上乗せができる単独加入型の地震特化型保険は、国内でも珍しい商品となっております。 


【業績等】
業績動向(百万円) 経常収益 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2017.3 0 - -31 -8 
(連結実績)2018.3 62,186 - 1,059 724 
(連結予想)2019.3 66,000 - 1,750 770 
(連結1Q実績)2019.3 16,492 - 695 436 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結予想 )2019.3 36.90 -  -  
調達資金使途 自己資本の充実、保険金の支払い、運用資産の取得 

上場時発行済み株数 22,820,530株 (別に潜在株式1,460,700株) 
公開株数 6,566,500株(公募4,000,000株、売り出し1,710,000株、オーバーアロットメント856,500株) シンジケート 公開株数5,710,000株(別に856,500株) 

PER:58.5
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:141億
公募時時価:492億
    

【株主構成】 
SBIホールディングス(株) 親会社 18,028,620 88.89 
SBIファイナンシャルサポート(株) 特別利害関係者など 701,910 3.46 
ソフトバンクグループ(株) 特別利害関係者など 90,000 0.44 
島津 勇一 取締役執行役員、子会社の代表取締役 72,000 0.36 
飯沼 邦彦 子会社の代表取締役 72,000 0.36 
大和田 徹 取締役執行役員、子会社の取締役 66,000 0.33 
乙部 辰良 代表取締役執行役員会長兼社長 60,000 0.30 
城戸 博雅 取締役執行役員副会長、子会社の取締役 45,000 0.22 
鈴木 真也 子会社の取締役 45,000 0.22 
五十嵐 正明 子会社の代表取締役、子会社の取締役 45,000 0.22 

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人であるSBIホールディングス株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成31年3月25日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことを除く。)等は行わない旨合意しております。 
 また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成30年8月21日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。 

【代表者】
代表者生年月日 1958年04月21日生まれ
代表者略歴 年月
1981年04月 大蔵省(現財務省)入省
1998年10月 国税庁東京国税局課税第一部長
2002年07月 金融庁総務企画局市場課長
2015年07月 財務省関東財務局長
2017年02月 弁護士登録(東京弁護士会)
2017年03月 当社取締役会長
2017年06月 SBIホールディングス(株)取締役執行役員常務
2018年02月 当社代表取締役執行役員会長兼社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 みずほ - - 
引受証券 SBI - - 

【私見】
  SBI系の生損保で、業績妙味は特段なく、業績は良いものの規模が非常に大きいので初値段階では苦戦が予想されます。上がることがあるにしても、アルヒのようにしばらく後になってからでしょう。

想定価額:2160円
仮条件上限:2160円
初値予想:2160円
ブック申し込み度・・・やや弱気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価2.5


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