2018年9月17日月曜日

IPO分析(ブリッジインターナショナル)

【事業内容】
 平成14年の設立以来、一貫して、BtoB企業(法人を対象に商品、サービスを提供する企業)に対して「インサイドセールス」(顧客には訪問せず電話やメールを活用して営業活動を行う手法)の導入による法人営業改革の支援を実施しております。日本企業の法人営業活動は、見込客の発掘、育成から案件醸成(提案書の作成、プレゼンテーション)、成約(クロージング)活動を一人の営業担当者が属人的に全て行っている場合が多いのが実状です。そのような手法では、どこかのプロセスでボトルネックを起こし、継続的な受注獲得が困難になります。当社は、この問題点に着目し、営業プロセス毎に従来の訪問型営業担当者と顧客には訪問せずに電話やメールなどで営業活動をするインサイドセールス担当者とで分業を行い、Field Salesが案件醸成、クロージングプロセスに専念できる効率的で機動的な営業活動を提案し、営業改革を実現するサービスを展開しています。顧客企業は、インサイドセールスを導入することにより営業活動の生産性を向上させ、働き方改革の実現に取り組むことが可能となります。  

(当社のサービス領域) 
 主要なサービスの一覧は、以下のとおりであります。 
(1)「しくみの提供」インサイドセールスコンサルティングサービス 
 「しくみの提供」であるコンサルティングサービスは、顧客企業の営業生産性を最大化するための営業戦略立案、インサイドセールス導入モデルのデザインから業務設計を行っております。 
1.インサイドセールス・コンサルティング 
 顧客毎にカスタマイズしたインサイドセールス導入モデルのデザイン~業務設計を行います。インサイドセールス活用の目的と成果目標、営業体制などの社内要因、そして対象市場と商材のポジションなど複数の観点からセールスモデルを構築するサービスです。 

2.インサイドセールス・アセスメント/研修 
 既存のインサイドセールス部門のアセスメント(評価)を実施し、改善が必要な事項を整理します。またインサイドセールスの初歩的研修からアセスメント結果による改善研修、インサイドセールスを運用管理する立場の方に向けた研修に至るまで、レベルと役割に応じた研修を実施するサービスです。 

3.MAコンサルティング 
 MAを運営するために必要な事前準備と、全体計画の設計、業務手順策定などを行います。マーケティング部門がリード(見込客)を育成するプロセスを効率化させるだけでなく、営業部門がフォローし、成約に結びつけられる仕組みづくりを考慮した、MAの最適な全体設計を支援するコンサルティングサービスです。 

(2)「リソースの提供」インサイドセールスアウトソーシングサービス 
1.インサイドセールスアウトソーシングサービス 
 インサイドセールスの期待成果を実現するために、当社の正社員が顧客企業のインサイドセールスとして、営業活動を実施するサービスです。電話やメールなどの非対面チャネルを通じてお客様とコミュニケーションを行うインサイドセールスは、相手の反応を非視覚的情報のみで理解する必要があり、訪問営業とは違った能力が要求されます。当社のインサイドセールスアウトソーシングサービスは、主に傾聴や共感など特有のスキル教育を受けた正社員でサービス実行するため、短期間で質の高いインサイドセールス活動を実現することができます。 

 同アウトソーシングサービスの役割は次の2つに区分されます。 
・スーパーバイザー(SV) 
 活動計画に基づき、インサイドセールス活動の管理、個別の活動や案件に対するアクションの指示、目標達成に向けた改善指導・スキルアップ指示など、インサイドセールスのパフォーマンスを最大限に引き出し、伸ばしていくための管理改善を行います。 
・インサイドセールス(ISR) 
 定められたKPI(注2)に応じて、電話やメールを通じて顧客と接触します。SVと相談しながら、日々の活動計画を立て、日次レベルでKPI達成を目指した活動を行います。 

2.MAアウトソーシングサービス 
 MAを導入したくても人手が足りない、あるいは、導入したが人手が足りなくなった、という企業に対し、当該運用業務をアウトソーシングサービスで提供しています。 
・MA伴走支援コンサルティング 
 システムを導入して終わりではなく、改善をつづけていくMAの運用をお客様とともに伴走型でより効果的な運用を支援するサービスです。効果的なリード創出に向けて、リードのライフサイクルステージの状況を把握し、課題を整理し、解決策立案を行います。 

・MA運用支援サポート(リモートサポート) 
 定期的な業務や、簡易な設定などについて、業務範囲、頻度、作業量の相談に応じるサービスです。 

(3)「道具の提供」システムソリューションサービス 
 主に企業の営業・マーケティング部門で活用される、SFA(注3)、CRM(注4)、MA分野のクラウドシステム構築サービスを提供しています。また、インサイドセールス領域のプロセスと従来の訪問型の営業プロセス、マーケティング領域プロセスをつなげる「道具」として特化した自社製品、クラウドシステムとクラウドツールやSalesforceCRMに適用する業務テンプレートを提供しています。当社は株式会社セールスフォース・ドットコムとの販売委託契約により、クラウド型プラットフォームの基盤「Force.com」を中心とした「Salesforce」ライセンスを再販することができます。また、当社が提供しているクラウドシステムである「Funnel Navigator」は株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約のもとで提供を行っております。 

1.MA実装支援サービス 
 MAの実装支援を行います。当社では顧客企業の要望にそって最適なMAツール実装の支援を行っております。

2.CRM/SFA実装支援サービス 
 小さい初期投資と短い構築期間を実現するクラウドプラットフォーム上のシステム構築サービスを提供しています。構築時にはプロトタイプを提示しながら組上げるため、無駄な修正作業を回避できることも特徴の一つです。また構築後も、既存システムに行動を制限されることなく、状況に応じてシステムを柔軟に修正する保守サービスを提供しています。 

3.営業活動支援ツール 
 これまでのインサイドセールス事業の実績を活かして開発した、営業現場で有効活用できるクラウドサービスを提供しています。 
・インサイドセールスのトータル業務支援システム「Funnel Navigator(ファネルナビゲーター)」 
 Funnel Navigatorは、インサイドセールス業務を支援するクラウドシステムです。Funnel Navigatorには、インサイドセールス実行に必要な機能が予め実装されているため、容易にインサイドセールスに取り組むことが可能となります。 

・インサイドセールス営業支援AI「SAIN」 
 マーケティングと営業に関わるビジネス・コミュニケーションの自動化・効率化を支援するAIを活用したクラウドサービスです。インサイドセールスと顧客の会話の音声データをテキスト化し、その後自然言語処理などを実施、AIエンジンに読み込ませ、案件発掘・醸成に有効な会話をAIが学習することで、顧客の状況に応じてどのような会話を展開するべきかをナビゲートする機能が搭載されています。このナビゲート情報はインサイドセールス担当者を指導していくための情報提供にも活用することが可能であり、インサイドセールスの有効な会話(コール)の実現を支援します。また案件発掘・醸成成功事例について、当該顧客の属性情報や使用システム環境などのプロファイル情報をAIに学習させることで、どのような顧客層をターゲティングすれば商談成立の可能性が高いかのナビゲートを行うことも可能となります。 

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.12 2,522 228 228 138 
(単独実績)2017.12 2,785 294 297 196 
(単独予想)2018.12 2,910 333 308 200 
(単独中間実績)2018.12 1,437 168 167 111 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2018.12 120.45 - 0  

上場時発行済み株数 1,660,500株 (別に潜在株式181,600株) 
公開株数 351,600株(公募205,800株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント45,800株) シンジケート 公開株数305,800株(別に45,800株)

 調達資金使途 システム開発費、広告宣伝費、人件費・人材採用教育費 

参考類似企業 今期予想PER(9/10) 
4290  PI 24.6倍(連結予想 ) 
4708  りらいあ 25.0倍(連結予想 ) 
6070  キャリアリンク 17.1倍(連結予想 ) 
6183  ベル24HD 20.7倍(連結予想 ) 
6188  富士ソフSB 14.9倍(単独予想 ) 
6193  バーチャレクス 239.4倍(連結予想 ) 
7169  ニュートンFC 12.6倍(連結予想 ) 
9715  トランスコスモ 97.0倍(連結予想 ) 

PER:17.4
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:7.3億
公募時時価:35億
    

【株主構成】 
吉田 融正 代表取締役社長 736,200 44.99 
(株)ミロク情報サービス 特別利害関係者など 180,000 11.00 
オリックス(株) 特別利害関係者など 80,000 4.89 
(株)愛媛銀行 特別利害関係者など 67,500 4.13 
荒川 恵介 取締役専務執行役員 62,700 3.83 
パーソルキャリア(株) 特別利害関係者など 40,000 2.44 
宮腰 渉 特別利害関係者など 38,200 2.33 
塩沢 正枝 取締役常務執行役員 29,600 1.81 
従業員持ち株会 特別利害関係者など 27,200 1.66 
大平 善彦 監査役 24,000 1.47 
佐古田 雅士 特別利害関係者など 24,000 1.47 
熊坂 憲二 特別利害関係者など 23,200 1.42 

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人である吉田融正、売出人である株式会社ミロク情報サービス、当社株主であるオリックス株式会社、株式会社愛媛銀行、荒川恵介、パーソルキャリア株式会社、宮腰渉、塩澤正枝、ブリッジグループ従業員持株会、大平善彦、佐古田雅士、熊坂憲二、金澤史英、中山晶子、山本志真、日本アイ・ビー・エム株式会社、小川浄香、堀内大輔、秋谷亮、八木敏英、桒田能志、武田航、児玉泉、横井秀彦、平田智英、今野恵子、小林香菜、中村江利子、渡部毅、猪ノ原諭、当社新株予約権者である小笹郁子、藤縄由香里、小俣左智代、山川和美、榛澤暁子、樋口朋子、齊藤由紀子、野﨑治美、澤田洋子、村山美和子は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成31年3月31日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。
 また、当社は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利あるいは義務を有する有価証券の発行又は売却(本第三者割当増資に係る新株式発行並びに株式分割による新株式発行等及びストック・オプションに係る新株予約権の発行を除く。)を行わないことに合意しております。なお、上記の場合において、主幹事会社は、その裁量で当該合意内容の一部もしくは全部につき解除し、又はその制限期間を短縮する権限を有しております。

【代表者】
代表者生年月日
1958年01月26日生まれ 

代表者略歴
1983年04月 日本アイ・ビー・エム(株)入社 
1993年01月 副社長補佐就任 
1994年01月 米国IBM出向 日本シーベル(株) 設立に参画(現 日本オラクルインフォメーションシステムズ(同)) 
1997年02月 取締役営業本部長就任 
2002年01月 当社設立 代表取締役社長就任 現在に至る 

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 275,400 90.06 
引受証券 SBI 12,200 3.99 
引受証券 マネックス 9,100 2.98 
引受証券 エース 9,100 2.98 

【私見】
 業種的にはやや分かりずらく、ニッチな分野で株式市場で評価されるかの判断が難しいですか、個人的には大きな成長がある分野かとも言い難いと思います。業績は大きく伸びてはいないものの、PERからはやや割安感は感じます。需給は問題なく、小規模なので初値段階ではそこそこの人気となる可能性は高いと思います。

想定価額:2090円
仮条件上限:2090円
初値予想:3500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5


0 件のコメント:

コメントを投稿