2018年9月10日月曜日

IPO分析(フロンティア・マネジメント)

【事業内容】
(1)経営コンサルティング事業
 顧客企業の経営戦略(全社戦略・事業戦略・機能別戦略(マーケティング、オペレーション等の企業の個別機能に対する戦略))の立案、中期経営計画の策定から実行支援、常駐型で実行支援を行う経営執行支援、M&Aに関連して実施される事業デュー・ディリジェンス(事業等に関する調査・分析)等のサービスを提供しております。
 当社グループのコンサルティング事業における特長の一つとして、経験豊富なアナリストを擁していることなどを背景に幅広い業界(小売・流通、運輸、飲食、サービス、情報通信、テクノロジー、製造業(機械、素材、消費財)、商社及び医薬・ヘルスケア等)に対して、各産業の特性に応じた各種ソリューション(経営戦略の立案、中期経営計画の策定・実行支援、事業デュー・ディリジェンスのほか、マーケティング(営業)強化、オペレーション(業務)改革及び組織・人事等に関するコンサルティング)を顧客企業に提供している点が挙げられます。
 また、近年経営の高度化、さらには事業承継の増加などを背景に、経営執行の機会が多様化しており、この経営執行の多様化に対応するため、CEOやCFOを含むマネジメントチームを派遣し、常駐型の経営執行支援を行うサービスの業務が拡大しております。
当社グループは、創業以来、様々な業界に知見を有する産業アナリストやコンサルタント、特定の業務分野に精通した専門家人材を順次採用し、各専門家人材のナレッジ・ノウハウの共有化を進めることで、組織全体として顧客企業が属する業界に対する知見の深化を図るとともに、提供可能なソリューション幅の拡大を行いサービスの質の向上に努めております。

(2)ファイナンシャル・アドバイザリー事業
顧客企業が行うM&Aや組織再編に関して、M&A戦略の立案、対象企業の選定・アプローチ、各種デュー・ディリジェンス(調査・分析)、企業価値算定、取引条件・契約書交渉、クロージング(資金決済等)手続きといった業務全般に関する助言・補佐業務を行っております。
この事業においては、Bloomberg 日本M&Aマーケットレビュー アドバイザー・ランキングの過去7年間(2011年~2017年)においてM&A件数で概ね10位以内にランキングされ、大手金融機関と並ぶ実績を残してまいりました。
なお、当社グループは、日本企業のグローバル化の進展に伴い増加するクロスボーダーM&Aの顧客ニーズに対応するため、クロスボーダーM&Aに関する豊富な実績を有する人材を積極的に採用するとともに、中国子会社の設立、シンガポール支店の開設、ニューヨーク支店の開設及び欧米、インドの海外提携先の開拓等を通じて、クロスボーダーM&Aの業務遂行体制の強化及び海外ネットワークの拡大を行っております。
また、近年ではオーナー企業の後継者問題を背景とした事業承継を目的とするM&Aが増加しており、そのニーズを取り込むための体制強化を行っております。
さらに、PMI(Post Merger Integration:M&A成立後の統合プロセス)支援業務に対するニーズに対応するため、PMI支援業務の体制強化を行っております。

(3)再生支援事業
再生支援を必要とする企業に対し、事業再生計画策定から実行支援、金融機関との利害調整、経営改革(ターンアラウンド)のための経営参画、各種再生手続き上の支援までトータルサポートを行っております。
当社グループの再生支援事業における特徴として、ハンズオン型経営改革支援(常駐型による経営改革の実行支援)を行っている点が挙げられます。ハンズオン型経営改革支援とは、経営改革(ターンアラウンド)業務に精通したコンサルタントを、顧客企業の経営陣等として派遣し、顧客企業に対して直接的に再生計画・経営改革の実行を支援するというものです。事業再生が必要とされる局面は、対象企業にとって「平時」ではなく「危機時」であり、「危機時」における経営改革(ターンアラウンド)の失敗は、そのまま「企業の死」(事業の断絶)に繋がりかねません。そのため、当社グループは、顧客企業とともに、再生計画の策定とその後の経営改革に直接コミットして、その実現をサポートしております。

(4)その他事業
再生支援事業やファイナンシャル・アドバイザリー事業に関連し、弁護士、会計士及び税理士等の各種制度関連の専門家による調査業務(法務、財務及び税務面のデュー・ディリジェンス)を行う他、事業再生計画、M&A及び組織再編の実行局面において、当該制度関連の助言業務を行っております。
 また、事業会社及び金融機関の役職員を対象とした教育研修事業として「フロンティア・ビジネススクール」を行っております。
さらに、関連会社であるFCDパートナーズ株式会社を通じて、ファンドによる資金支援業務(投資業務)を行っております。

 当社グループは、顧客の企業価値向上を実現することを、創業時より強く意識してまいりました。顧客の持つ多様なニーズに対応するための多様なソリューションを展開、及び当該ソリューションを支える多様な専門家の確保に注力してまいりました。
 これらへの注力の結果、当社グループは下記に挙げるような特長を有しております。

(1)多様な専門家
 当社グループのプロフェッショナル(顧客企業に様々な経営支援サービス提供を行う専門家)は、弁護士・会計士・税理士などの士業の専門家や、経営コンサルタント・産業アナリスト、そして投資銀行出身者や、事業会社出身者、その他出身者などで構成されております。創業以来現在まで意識的に多様なバックグラウンドを持つ専門家をバランスよく採用しております。このような人材ポートフォリオの構築により、下記に掲げる多様なソリューションを実現することが可能となっております。

(2)多様なソリューション
 当社グループでは、経営コンサルティング事業、ファイナンシャル・アドバイザリー事業、再生支援事業及びその他事業を営んでおり、これらを単独で又は組み合わせて顧客にサービスを提供しております。このように多様なソリューションを持つことにより、顧客に対し、全体最適解の導出や、一気通貫のサポートの実現が可能となっております。
 例えば、M&A専業会社であれば、顧客の企業価値を高めるための提案は、基本的にはM&Aに限られ、また、経営コンサルティング専業会社であれば、顧客の企業価値を高めるための提案は、基本的には自主独立による成長に限られますが、当社グループでは包括的にサービス提供を行っているため、広範な顧客のニーズに合った提案を行うことが可能です。
 また、企業を取り巻く経営環境は、資本市場・製品市場のグローバル化、労働力の低下、法律・会計制度の変更や規制緩和・強化等により、劇的に変化しています。各企業においては、これら複雑化・高度化した多分野にわたる知識・情報を総合的に使いこなす能力が求められています。
 しかしながら、複数の専門分野にまたがる複雑化・高度化した経営課題を解決するために各専門分野の専門家に個別に相談しても、各分野における個別最適解は得られるものの、それらを統合して全体最適解を導くことは容易ではありません。
 当社グループは、各専門分野に精通した専門家を社内に擁し、案件ごとに適切なメンバーでチームを組成し、専門家が互いに緊密に連携することで、各分野にまたがる専門的知見を総合的に動員して全体最適解を導出し、高品質かつスピーディな経営課題の解決をワンストップで強力にサポートしております。
 また、豊富な経験に基づく利害調整力やハンズオンでの実行支援により、導出した全体最適解の実現のために必要な施策の立案から実行まで、一気通貫にサポートを行うことが可能です。

(3)コミットメントの強さ
 当社グループは案件を執行する際に、顧客の企業価値の向上にコミットをしております。当社グループは創業時より事業再生を強みとしておりましたが、事業再生を行う局面ではコミットメントが弱い場合は、事業再生の失敗、つまり当該顧客の事業の断絶に直結することもあるため、コミットメントの強さを特に意識してきました。この意識は、再生支援サービスのみならず、当社グループの提供するサービス全てに通底しております。

(4)豊富な業界知見
 当社グループでは、10年から20年に渡り一つのセクターをウォッチしてきた業界スペシャリストからなる産業調査部を擁しており、彼らの業界知見をフル活用することによって、経営コンサルティングやファイナンシャル・アドバイザリーのサービス品質を向上させております。

(5)全国をカバーする金融法人ネットワーク
 当社グループでは、メガバンク、地方銀行などの金融法人との関係構築や維持を専任する事業開発部を擁しており、長年かけてその関係を構築・深化させていった結果、日本全国に渡る緊密な金融法人ネットワークを有しております。これにより、全国の金融法人のみならず、その金融法人と取引のある取引先までのアクセスを可能としております。

(6)独立系ファームであることによる中立性
 当社グループは、特定の金融機関、監査法人又は事業法人等の資本系列に属さない独立系のコンサルティングファームであります。
 例えば、特定の事業法人の資本に属している場合、その事業法人のライバル企業に利するようなM&Aの実施は難しく、顧客にとって最適と思われる提案を必ずしも出来るとは限りません。当社グループは他の資本系列から独立しているため、利益相反のない中立的な立場で、顧客の企業価値を向上させることを第一の目的として、サービスを提供することが可能です。
 
【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2016.12 3,337 10 6 -21
(連結実績)2017.12 3,880 251 254 144
(連結予想)2018.12 4,320 462 461 277
(連結中間実績)2018.12 2,495 445 451 278
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想 )2018.12 107.67 530.75 - 
調達資金使途 採用費、本社移転費、ファンドへの出資金
上場時発行済み株数 2,853,000株 (別に潜在株式83,800株)
公開株数 598,000株(公募270,000株、売り出し250,000株、オーバーアロットメント78,000株) シンジケート 公開株数520,000株(別に78,000株)
PER:21.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:13.5億
公募時時価:65億

参考類似企業 今期予想PER(8/30)
2127  M&A 55.0倍(連結予想 )
2170  LINK&M 53.6倍(連結予想 )
2174  GCA 72.1倍(連結予想 )
4310  DI 21.7倍(連結予想 )
4792  山田コンサル 23.7倍(連結予想 )
6080  M&Aキャピ 41.5倍(連結予想 )
6196  ストライク 80.4倍(単独予想 )
6555  MSコンサル 14.6倍(連結予想 )
7034  プロレド 41.6倍(単独予想 )
9644  タナベ経 22.7倍(単独予想 )
9757  船総研HD 35.7倍(連結予想 )
   
【株主構成】
大西 正一郎 代表取締役 877,210 29.87
松岡 真宏 代表取締役 877,210 29.87
フロンティア・マネジメント(株) 自己株式 350,000 11.92
矢島 政也 従業員、執行役員 187,970 6.40
村田 朋博 従業員、執行役員 65,970 2.25
合田 泰政 特別利害関係者など 60,000 2.04
西田 明徳 従業員、常務執行役員 37,050 1.26
光沢 利幸 従業員、常務執行役員 36,000 1.23
大谷 聡伺 特別利害関係者など 27,000 0.92
矢野 勝治 特別利害関係者など 22,000 0.75
彦工 伸治 従業員、執行役員 18,970 0.65

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である大西正一郎及び松岡真宏並びに当社株主である矢島政也、村田朋博、西田明徳、光澤利幸、彦工伸治、西澤純男、佐伯俊介、森口輝来、長森洋志、栗山史、梅本武、工藤友紀、竹下薫、中村暁高、近藤俊明、梅村崇貴、加藤浩司、山川寛之、中村哲、中村達、西山千晶、栗田弓子及び山崎拓は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の平成30年12月26日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。
 また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成30年8月24日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当による自己株式の処分等を除く。)等を行わない旨合意しております。 

【代表者】
代表者生年月日
1963年09月25日生まれ
代表者略歴
1992年04月 奥野総合法律事務所入所
1997年04月 同事務所パートナー弁護士
2003年06月 (株)産業再生機構入社 11月:同社マネージングディレクター
2004年01月 三井鉱山(株)(現日本コークス工業(株))社外監査役 6月:カネボウ(株)社外取締役
2005年03月 (株)ダイエー社外取締役
2007年01月 奥野総合法律事務所カウンセル弁護士(現任)、当社設立 代表取締役(現任)
2016年07月 同社 代表取締役会長
2017年11月 FCDパートナーズ(株) 代表取締役(現任)
【幹事団】
主幹事証券 みずほ 452,400 87.00
引受証券 SMBC日興 26,000 5.00
引受証券 SBI 15,600 3.00
引受証券 岡三 10,400 2.00
引受証券 岩井コスモ 5,200 1.00
引受証券 いちよし 5,200 1.00
引受証券 丸三 5,200 1.00
【私見】
先月多かったコンサルタント系の上場で、プロレド同様にM&Aなど特化していることもあり業績は好調で好感が持てます。他社と比較してもPER40~55のレンジで、下限の40くらいまでは普通に評価して問題なさそうです。規模は適度にあるものの売り要素は少なく、時価総額からも初値から2倍前後の評価はできるのではないかと思います。

想定価額:2260円
仮条件上限:2260円
初値予想:4000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立~やや強気
総合評価3.5

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