2018年9月29日土曜日

IPO分析(プリントネット)

【事業内容】
 当社の主力事業であるネット印刷通信販売では、印刷物の仕様や料金が掲載されたwebサイト上で、顧客からの受注を受け、また同時に印刷用データを受取り、国内工場にて印刷・加工を行い、工場より顧客に向けて発送いたします。

①当社事業の特徴としてはBtoB(印刷業者、デザイン業者からの業務受託)の占める割合が多く、平成27年10月期、平成28年10月期及び平成29年10月期の発送代行サービス※の売上高に対する利用割合は62.3%、66.5%及び71.0%と上昇しております。
 また、受注は全て当社Webサイト(システム連携による受注を含む)を通して行われ、一般の印刷会社が行うような、営業職員による受発注作業及び営業活動は行っておりません。当社Webサイト上において、パンフレット、フリーペーパー、チラシ、新聞折込チラシ、社名入り封筒、うちわ、選挙ポスター、カレンダー等の、幅広い商品ラインナップを提供し、顧客の囲い込みを図っております。

②顧客のニーズに応えるため、東京都23区内では最短で当日お届け可能な体制を構築しております。また、業界でいち早く「Japan color標準印刷認証」を取得(平成24年7月)し、安定した品質で印刷物を提供しております。

③当社は広範な顧客ニーズに対応する目的で、以下のとおり複数のWebサイトで顧客の注文を受けております。
「プリントネット」(https://odahara.jp/)は自社コールセンターでの電話サポート等の充実したサービスを特長としており、ビジネスユースでのご利用が増えております。「プリントプロ」(https://printpro.jp/ 平成30年4月サービス開始)は、印刷品質を維持したままサービスを簡素化することで低価格を実現し、より低価格志向のお客様をカバーすることで、顧客のすそ野を広げるアプローチをとっております。

 実際の印刷工程につきましては、従来の印刷業者は顧客から注文依頼があり、依頼内容に基づき企画提案を行い、顧客と打ち合わせを行い、内容を固めていきます。印刷業者は打ち合わせの内容を踏まえ制作を行い、校正・修正を数回に渡り行い、データを完成(校了)させます。その後、実質的に印刷工程に入っていきます。それに対し、当社の場合、顧客から完全データをいただいてから業務がスタートする形となります。
 顧客・パートナーからネット上で注文を受け、当社にて注文内容を確認し、発注処理を行います。それと並行して入稿データが印刷に適しているかチェックを行います。チェックが終了したデータは、他の案件のデータと付け合わせて版のデータを作成します。作成された版のデータは各拠点に送られ、印刷用のアルミ版(PS版)に転写されます。絵柄を転写された版はオフセット印刷機にセットされ、印刷が行われます。商品は最終的なサイズに断裁され、必要があれば折り・綴じ等の後加工を施します。完成した商品は梱包され、配送業者により集荷、発送されます。
 注文受付から梱包・発送までの工程につきましては、従来の印刷業者と大きな差はございませんが、当社の特長として「ギャンギング」処理がございます。これは、1つの印刷用版に複数の異なるデータを効率よく配置する処理を指し、これにより使用版数を減らし、コスト削減につなげております。 

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.10 5,858 556 523 386 
(単独実績)2017.10 6,848 649 657 408 
(単独予想)2018.10 7,372 - 725 480 
(単独3Q累計実績)2018.10 5,495 655 658 429 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2018.10 106.66 - 0  

調達資金使途 関東工場の設備投資資金 
連結会社 0社 

上場時発行済み株数 5,220,400株 (別に潜在株式67,500株) 
公開株数 1,846,100株(公募750,000株、売り出し856,100株、オーバーアロットメント240,000株)シンジケート 公開株数1,606,100株 (別に240,000株)

PER:13.1
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:25.8億
公募時時価:73億
    

【株主構成】 
PNコーポレーション(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 2,000,000 44.07 
小田原 洋一 代表取締役社長 1,498,200 33.02 
森田 樹里 代表取締役社長の血族 200,000 4.41 
大日本商事(株) 取引先 80,000 1.76 
ラクスル(株) 資本業務提携先、取引先 40,000 0.88 
日本アグフア・ゲバルト(株) 取引先 40,000 0.88 
富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ(株) 取引先 40,000 0.88 
(株)アイカ 取引先 40,000 0.88 
(株)桂紙業 取引先 40,000 0.88 
(株)紙藤原 取引先 40,000 0.88 
日商岩井紙パルプ(株) 取引先 40,000 0.88 
(株)T&KTOKA 取引先 40,000 0.88 

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である小田原洋一、当社株主であるPNコーポレーション株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の平成31年4月15日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。 
 また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成30年9月11日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。

【代表者】
代表者生年月日
1965年09月23日生まれ 

代表者略歴
1984年04月 (有)秀英社入社 
1985年09月 当社入社 
1987年07月 取締役就任 
2005年11月 代表取締役社長就任 
2008年02月 プリントネット(株)へ社名変更 代表取締役社長就任(現任) 

【幹事団】
主幹事証券 みずほ - - 
引受証券 岡三 - - 
引受証券 いちよし - - 
引受証券 東洋 - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 マネックス - - 

【私見】
 業種としては地味ですが、直近の同業種ラクスルが堅調であったことから、ネット印刷ということで評価はされるでしょう。業種から高PERが容認される業種ではありませんが、業績は好調でPERからも割安感はあります。吸収金額がやや大きめなので、初値で2倍以上は厳しいと思いますが、初値で上がらなかった場合でも、業績からそれなりの評価は受けるでしょう。地合いが好転したこともプラス材料です。

想定価額:1360円
仮条件上限:1400円
初値予想:2100円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5


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