2018年9月5日水曜日

IPO分析(ブロードバンドセキュリティ)

【事業内容】
(1)セキュリティ監査・コンサルティングサービス 
① セキュリティ監査 
 当社はクレジットカード業界におけるグローバルセキュリティ基準であるPCI DSSの監査資格を法人として保有しており、クレジットカードデータを取り扱っている企業に対して、セキュリティ監査を実施しています。
 また、企業がPCI DSS準拠監査を通過するために、実際の姿とあるべき姿に違いがある場合には、それが何であり(GAP分析)、どう対処するべきかといったコンサルティングサービスを提供しています。 

② コンサルティングサービス
 現状の情報セキュリティの分析から対策すべきポイントの抽出、社内体制や情報システムの改善施策とその実現まで、お客様のなすべき目標を明確にかかげ、企業の情報セキュリティ強化に向けた体制作りを、社内ルールおよび情報システム両方の視点から支援するコンサルティングサービスを提供しています。 

(2)脆弱性診断サービス
 企業のWebサイト(いわゆるホームページやEC(電子商取引)サイトなどインターネット上に公開されているすべてのWebページ)に対し、当社のエンジニアが、外部からの侵入や、内容の書き換えが可能かどうか、擬似攻撃をかける事で、Webサイトの安全性を診断するサービスを提供しています。
 この診断サービスは、健康診断と同じように幾つかのサービスメニューを用意し、複合的なアプローチによりWebサイトを診断した上で、脆弱性の抽出とその解決策を提案しています。
 企業にとって、その脆弱性を排除することは運営上、欠かせないことです。本サービスを利用することで、悪意ある攻撃を受ける前に、自社を防御する上での問題点を特定することが可能です。

(3)情報漏洩IT対策サービス 
 当社のサーバ群や独自に開発したソフトウエアなどを使用し、企業の情報漏洩対策(予防、監視、発見、遮断等)のためのサービスを提供しています。具体的には、以下の8つのサービスとなります。 
① セキュリティ機器マネージドサービス 
 24時間365日体制でお客様の代わりに様々なセキュリティ機器を運用・監視するサービスであり、それらを総称して「マネージドサービス」と呼んでいます。その中心になるのがSOCであり、SOCは地震やその他災害が発生した場合においても業務を継続できるインターネットデータセンターの中に設置されています。 

② セキュアメールサービス 
 企業が安全かつ安心してメールをご利用いただけるように設計された様々な機能を搭載したクラウド型のサービスです。例えば、添付資料の自動暗号化、不正なメールを防止するフィルターの設置、悪性添付ファイルの自動停止など、企業ユースに特化したサービスを提供しております。クラウド型のため、利用者は大きな初期投資なくメールシステムを利用する事ができます。 

③ マルウエア検知サービス 
 クラウド型のウイルス検知サービスです。マルウエアと呼ばれる悪性ウイルスのうち、未知のウイルスに対しては一般的なアンチウイルスソフトでは予防することができません。そのため当社では、未知のウイルスへの感染の可能性のあるファイルを一度仮想領域に展開し、コード自体を読みこんでウイルスに感染しているかどうかを判定するクラウド型のウイルス検知サービスを提供しています。このタイプの対策は、判定の専門性などの面で一般事業会社での内製化は困難であり、専門家でないと判定できない場合が多々あります。ここにクラウド型でのサービス提供のメリットがあり、当社のサービスは分析・報告までがセットになっている点が大きな特徴です。 

④ 標的型メール攻撃訓練サービス(開封率調査) 
 顧客企業が「標的型メール攻撃」にどの程度耐性を持つのかを調査するサービスであります。具体的には当社が攻撃者になりすまし、悪性ウイルスを添付した偽のメールを送り、その会社で何人(何%)の社員が開封してしまうかを調べるサービスです。 

⑤ ウイルス感染チェックサービス 
 マルウエア感染の有無を確認するサービスです。過去のプロキシサーバのログ(通信結果が保存されたデータ)を解析することによりチェックする方法、ハッシュ解析と呼ばれる方法、上記で述べたマルウエア検知サービスを一定期間だけ提供する事で外部通信を調査し、感染をチェックする方法等、顧客の状況に合わせてチェックするサービスを提供しています。 

⑥ SIEM構築及び運用支援サービス 
 ウイルスに感染した際、外部に送信される前にその動きを検知して漏洩を防ぐためのサービスです。これはファイアウォールやIPSなどのネットワーク機器や、ソフトウエアやアプリケーションが出力するイベントログを一元的に保管して管理し、相関分析することにより、リアルタイムで不審なトラフィックを検知、感染端末を特定し、漏洩する前に遮断するというセキュリティポリシー監視とコンプライアンス支援を行うサービスです。 

⑦ フォレンジックサービス(緊急駆けつけサービス) 
 万一企業が情報漏洩を起こしてしまった場合に、速やかにネットワークから該当端末やサーバを切り離して、それ以上情報が漏洩しないようにし、感染経路の特定(原因調査)および漏洩した情報の特定、影響範囲の特定等、企業が行うべき様々な漏洩対応に関するサポートを行うサービスです。 

⑧インターネット分離クラウドサービス 
 マルウエア対策の一環として、業務用システムとインターネットを利用するWeb閲覧やメール送受信を異なる環境に置き、業務用システムを悪意あるプログラムから守る「インターネット分離」をクラウド型で提供するサービスです。 


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.6 2,690 119 87 86 
(単独実績)2017.6 3,067 178 152 145 
(単独見込)2018.6 3,346 181 154 172 
(単独予想)2019.6 3,700 185 155 134 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2019.6 35.72 -  -  

調達資金使途 採用・教育費、人件費、システム開発費 
連結会社 0社 

上場時発行済み株数 3,855,730株 (別に潜在株式144,000株) 
公開株数 805,000株(公募400,000株、売り出し300,000株、オーバーアロットメント105,000株)シンジケート 公開株数700,000株(別に105,000株)

PER:22.3
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:6.4億
公募時時価:31億
    

【株主構成】 
SBIインキュベーション(株) ベンチャーキャピタル(ファンド)、その他の関係会社 1,741,000 48.36 
SBI FinTech Solutions(株) その他の関係会社 964,000 26.78 
持塚 朗 代表取締役社長 406,154 11.28 
三井物産セキュアディレクション(株) 特別利害関係者など 100,000 2.78 
高久 勉 特別利害関係者など 80,000 2.22 
システムプラザ(株) 特別利害関係者など 50,000 1.39 
(株)Eストアー 特別利害関係者など 25,000 0.69 
エヌエスティ・グローバリスト(株) 特別利害関係者など 25,000 0.69 
(株)セゾン情報システムズ 特別利害関係者など 25,000 0.69 
(株)テリロジー 特別利害関係者など 25,000 0.69 


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である持塚朗並びに当社株主である安藤一憲、滝澤貴志、田仲克己及び雲野康成は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始日)日(当日を含む。)後90日目の平成30年12月24日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。 
 また、売出人であるSBIインキュベーション株式会社並びに当社株主であるSBI FinTech Solutions株式会社は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。 


【代表者】
代表者生年月日 1961年04月15日生まれ

代表者略歴
1985年04月 コンピューターサービス(株)(現SCSK(株))入社
1995年06月 CSKネットワークシステムズ(株)(現SCSK(株))取締役流通サービス営業部長
1997年04月 同社 取締役NS営業部長
1999年06月 同社 代表取締役社長
2002年04月 (株)CSK(現SCSK(株))顧問
2002年07月 (株)インターネット総合研究所入社 顧問 9月:同社 代表取締役最高執行責任者
2003年12月 (株)インターネットシーアンドオー(現当社)代表取締役社長
2004年06月 (株)ブロードバンド・エクスチェンジ(現当社)取締役 10月:当社 代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 みずほ - - 
引受証券 SBI - - 

【私見】
 セキュリティ関連で一見人気になりそうな印象もありますが、仮条件上限が想定価額を下回ったことは理由は分かりませんが評価を下げざるを得ません。SBIの子会社で、業績も大きく伸びていないので成長性にはやや欠ける印象もあります。さらに、1.5倍で筆頭VCがロックで外れることから、方針は分かりませんが需給面での不安はあります。


想定価額:800円
仮条件上限:750円
初値予想:1500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5


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