2018年9月9日日曜日

IPO分析(極東産機)

【事業内容】
(1)事業内容 
 当社は、プロフェッショナル、コンシューマ、インダストリーの3セグメントで事業を推進し、BtoBビジネスの売上高(プロフェッショナルセグメント・インダストリーセグメントの売上高)が約87%(平成29年9月期)を占めております。
①プロフェッショナルセグメント 
 インテリア事業部門と畳事業部門で構成し、売上高の約75%(平成29年9月期)を占めております。
イ.インテリア事業部門は、内装工事業者向けの自動壁紙糊付機等のインテリア内装施工機器や施工工具、内装工事用テープ等の資材を販売するほか、内装工事の近接市場である建機レンタル市場やデジタルプリンティング壁紙市場等に機器、工具を販売しております。
ロ.畳事業部門は、畳店にコンピュータ式畳製造システム等の畳製造装置並びに関連する工具・副資材等の販売をおこなっております。

②コンシューマセグメント 
 BtoCビジネスの位置づけで、コンシューマ事業部門、ソーラー・エネルギー事業部門、三日月サンシャインパーク(売電)で構成し、売上高の約13%(平成29年9月期)を占めております。
イ.コンシューマ事業部門は、特殊機能畳(葬祭用畳・柔道畳・お風呂用畳・リバーシブル畳他)等のインテリア商品の販売、各地のJA等を窓口とした一般家庭向け畳替え・襖替え工事の仲介事業をおこなっております。
ロ.ソーラー・エネルギー事業部門は、産業用・家庭用ソーラー発電システム、蓄電池等の販売や、住宅リフォーム工事をおこなっております。 
ハ.メガソーラー発電所「三日月サンシャインパーク」(出力約1メガワット)を、兵庫県佐用郡佐用町の自社所有地に設置し、売電事業をおこなっております。 

③インダストリーセグメント
 産業機器事業部門、食品機器事業部門で構成し、売上高の約12%(平成29年9月期)を占めております。
イ.産業機器事業部門は顧客の要求仕様に基づくオーダーメイド産業機器の提供事業で、二次電池製造ラインや、液晶・半導体製造ラインの一部機械等を設計、開発、製造しております。
ロ.食品機器事業部門はフードサービスチェーンに、自社開発のみそ汁・だし・スープ用多用
途型のディスペンサー等の厨房用食品機器を販売しております。

(2)事業の特徴
 当社は幅広い事業分野を対象として事業を推進するため、以下のような特徴を有しております。
①職人技術の自動化・省力化のノウハウ
 当社は、畳製造装置や壁紙糊付機等のインテリア内装施工機器といった機械化が困難な職人の世界への挑戦を通して、「裁断」「検尺」「塗布」「縫製」「剥離」「折畳」「測定」の7つの基本要素技術(コア技術)を有しております。「真似はされても、真似するな」の信念の下、畳製造装置やインテリア内装施工機器の更なる機能向上はもとより、二次電池製造装置等のハイテク機器や食品機器の開発等にコア技術を活かし、対応可能なマーケットの拡大に注力しております。また、機器の開発を通して新しく得た技術は積極的に特許を出願、取得しております。

②新商品開発力
 当社では、新商品開発はメーカーの生命線と重視して、営業部門でのマーケットニーズの収集や研究開発本部の人材の充実、強化をはかり、機器のモデルチェンジや新機種開発のスピードアップや、概ね2年ごとに刷新するインテリア総合カタログに掲載商品をはじめとする新商品開発に注力しております。

③クリーン工場 
 床面積565㎡、天井高7m、クリーン度ISOクラス6相当の大型クリーン工場を保有し、大型化する液晶パネルの検査装置を始め、半導体や二次電池関係の高いクリーン度が要求される大型製造装置の組み立てに対応できる体制を有しております。さらにクリーン度ISOクラス8相当のクリーン工場2棟を保有し、大規模な衛生関連装置や検査装置等の組み立てに対応しております。

④生産体制 
 工程手順や作業時間などを標準化しており、部分改良などの突発事項にも柔軟に対応しながら、最新鋭の設備と熟練者の高度な技術との相乗効果により、信頼性の高い製品を製造しております。平成11年5月にはISO9001の認証を取得し、グローバルスタンダードに則った高品質の製品を供給するプロセスを構築しております。 
 また、多種多様な製品の在庫効率向上のため、組立工の多能工化等により小ロット生産の推進と品質・コスト・納期の改善をはかっております。

⑤品質面 
 品質保証部は新製品の開発会議に参加し、設計検証の段階から研究開発本部、生産本部、品質保証部の3部門で、不具合発生要素について根本的な対策を実施しております。また、製造段階ではタブレットパソコンを活用したチェックリストのデータ化でチェック漏れ防止や製品一台ごとに組立着手から完成までの記録を管理しており、品質向上に加えて、万一不具合等が発生した場合の速やかな対応を可能としております。

⑥販売面
 プロフェッショナル、コンシューマ、インダストリーの3セグメントに、各事業部門を設置することで、商品・サービスのマーケットや顧客特性に合わせた営業活動を実施しております。中でも畳店に対する「構造改革提案」は、当社のコンピュータ式畳製造システムの導入による畳店経営の超近代化(家業から企業へ、職人から経営者への変革)を提案し、生産の効率化に止まらず、広告や営業活動によって導入畳店が個人顧客の新規開拓を推進し、業績向上を目指すことを指導することで畳業界全体の活性化までも目指す、他社には真似ができない極めて特徴的な提案営業であります。

⑦メンテナンスサービス面
 機器の品質、機能等のハード面での差別化に加え、販売後のメンテナンスサービスでも他社との差別化をはかっております。そのため、神岡工場(兵庫県たつの市)と北関東事業所(埼玉県加須市)にサービスセンターを設置し、専門担当者による質の高いメンテナンスサービスを提供するとともに、修理完了までの納期短縮に努めております。また、営業担当者にも修理技術を持たせることで、お取引先の現場でも一定の修理を可能としております。


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2016.9 8,687 328 280 174 
(単独実績)2017.9 8,891 431 389 244 
(単独予想)2018.9 9,040 - 380 243 
(単独3Q累計実績)2018.9 6,553 296 271 171 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想 )2018.9 57.35 - 10  
調達資金使途 工場建設・改修費、ソフト開発費、採用費、借入金の返済 

上場時発行済み株数 5,235,000株 
公開株数 1,196,000株(公募1,000,000株、売り出し40,000株、オーバーアロットメント156,000株) シンジケート 公開株数1,040,000株 (別に156,000株) 

PER:7.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:4.7億
公募時時価:21億
    

【株主構成】 
頃安 憲司 代表取締役社長の血族、従業員 813,000 19.20 
三井住友信託銀行(株)信託口(K3M) 代表取締役社長が委託した信託財産 600,000 14.17 
頃安 英毅 代表取締役社長の血族 500,000 11.81 
大阪中小企業投資育成(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 360,000 8.50 
従業員持ち株会 特別利害関係者など 348,200 8.22 
頃安 雅樹 代表取締役社長 272,200 6.43 
安積 美奈子 代表取締役社長の血族 210,000 4.96 
(株)三井住友銀行 特別利害関係者など 210,000 4.96 
(株)三菱UFJ銀行 特別利害関係者など 160,000 3.78 
松井 康明 特別利害関係者など 69,000 1.63 

 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人である頃安憲司、SMBCベンチャーキャピタル株式会社及びみなとエクイティサポート投資事業有限責任組合、当社役員である西川智、曽谷雅俊、前川良一、前川幹人及び水田一久並びに当社株主である頃安英毅、大阪中小企業投資育成株式会社、極東産機従業員持株会、安積美奈子、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、松井康明、頃安由紀子、オリックス株式会社、原田敏行、株式会社みなと銀行、圓尾哲、上谷良平、株式会社りそな銀行、三井住友信託銀行株式会社、住友生命保険相互会社、清瀬勝、井出隆三、戸井本宏行、上森英史、井上洋一、松岡商事株式会社、カイインダストリーズ株式会社、株式会社ピカコーポレイション、オルファ株式会社、永浜クロス株式会社、上野株式会社、株式会社ワタナベ、株式会社ツカサ、株式会社ジー・エス・タカハシ、株式会社シノダ、内山優男、梅内秀浩、横林範明、三井住友ファイナンス&リース株式会社、小峰正平、藤川美智雄、山林芳郎、富山秀俊、柴原恵一、岡本昭則、蒔田憲二、伊藤健志、金治真哉、吉田和弘、山岡亮一、入江真一郎、上杉英二、村田浩一、佐用善彦、瓜本利喜、矢野太、陸井雅雄、久保田秀則、八幡陽介、古谷好啓、久保田佳裕、星上義幸、熊橋武彦、石井雅章、林陽義、田村雄一、千種秀行及び野原康司は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成31年3月25日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式の売却等を行わない旨を約束しております。 


【代表者】
代表者生年月日 1956年05月15日生まれ 

代表者略歴
1980年04月 科学技術庁(現文部科学省)入庁 
1987年12月 同庁科学技術政策局政策課課長補佐 
1988年11月 当社入社 
1988年12月 当社常務取締役 
1991年10月 当社専務取締役 
1991年12月 当社代表取締役専務 
1999年10月 当社代表取締役社長(現任) 
2005年03月 (株)ベルパーク社外取締役 

【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 - - 
引受証券 岩井コスモ - - 
引受証券 エース - - 
引受証券 極東 - - 
引受証券 SBI - - 

【私見】
   業種からは類似業種がないことは良いのですが、市場が小さく評価は得られないように見受けられます。業績はここ数年の売上と利益共に大きくは伸びておらず、成長戦略の面で魅力に欠けます。しかし、PERは低めの設定で小型で需給は良いので地合いさえ良ければ上がる可能性もあります。今の地合いで評価してしまうと初値段階では苦戦が予想されます。


想定価額:395円
仮条件上限:405円
初値予想:460円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3


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