2019年9月23日月曜日

IPO分析(AI CROSS)

【事業内容】
 当社は 「Smart Work, Smart Life」の理念のもと、 AIなど先進のテクノロジーや第5世代(5G)移動通信システムを活用して、企業のさらなる業務効率向上と、働く従業員の多様な働き方の革新を支援するテクノロジーカンパニーです。 
 当社は、当該理念を達成するために顧客企業における生産性向上に資するサービスを展開しており、企業向けに、コミュニケーションを通じてEngagementを高めるためのビジネスコミュニケーションプラットフォーム事業を行っております。 
 当社サービスはEngagementを高めるために、①顧客企業とエンドユーザーの保有するモバイル端末とのコミュニケーションを高めるための「メッセージングサービス」、②顧客企業内のコミュニケーションにフォーカスする「ビジネスチャットサービス」及び③その他のサービスとして当該コミュニケーションの品質向上のためのAIによる分析等を行う「AI Analyticsサービス」等を提供しております。 

(1)メッセージングサービス 
 メッセージングサービスは、主にB2Cビジネスを営む国内外の事業者に対して、エンドユーザーの保有するモバイル端末にSMSの配信を行うための配信プラットフォームサービスであります。 
 SMSは、電話、メール、DM(郵便)などの従来のコミュニケーション手段に比べて、比較的安価な費用で一般消費者とのコミュニケーションが行えることから、様々な用途で利用されており、主な利用用途は以下の通りです。 

 顧客企業のニーズに合わせて柔軟な提案を可能にするプランを取り揃えており、双方向のSMS配信が可能な機能や、配信者情報を表記する機能、決済機能、自動応答機能などがあります。 
 当社と契約した顧客企業は、当社の配信管理画面を操作またはAPIにより携帯電話事業者の回線を介して一般消費者の持つ携帯端末にSMSを配信することができます。APIにおいては、SMS専用プロトコルであるSMPP接続も可能となります。 
 当該サービスのビジネスモデルは、顧客企業、販売会社(以下、販社という)、アグリゲーターと契約締結し、初期等のカスタマイズ料と配信通数等に応じた月額の利用料の収益を計上し、携帯電話事業者に対するSMS配信に係る利用料とサーバー利用料等を費用に計上します。 
 携帯電話事業者が認める正規配信ルートによりSMS配信サービスを提供するにはすべての携帯電話事業者と直接契約締結する必要があり、当社は直接契約を締結しております。 
 また、SMSの次世代規格ともいわれるRCSについて、法人向け+メッセージ配信サービス「AIX Message RCS」の無料トライアル受付を2019年5月に開始し、本サービス提供開始時期は未定であります。 

(2)ビジネスチャットサービス 
 ビジネスチャットは、企業における業務連絡やビジネス上のコミュニケーションを行うための利用を想定したサービスであります。 
 当社は、自社及び外注先を活用して、ビジネスチャットサービスである「InCircle」を提供しております。当該サービスを顧客に直接販売、または販社を介して顧客に間接的に販売しております。 
 「InCircle」は、シンプルな操作性に加えて、端末、通信経路、サーバーと三段階にわたって暗号化されており、セキュアなビジネスチャットになります。 
 サービスの提供形態としましては、SaaS版によるサービスの提供の他、顧客企業の保有するサーバーにインストールして利用するオンプレミス型、OEM提供があります。 
 また、「InCircle」はチャットボット機能を活用し、文書管理アプリや名刺管理アプリ等、外部のさまざまな業務ツールと連携しており、これらの機能を活用することによって、日々の業務を効率化することができます。 
 ビジネスチャットサービスのビジネスモデルは、顧客企業または販社と契約締結し、初期設定やカスタマイズによる収入と利用者ID数に応じた月額利用料を収益計上しており、サーバー利用料等を費用として計上しております。 

(3)AI Analyticsサービス 
 当社は、AI技術を活用したEngagementを高めるための研究を行っております。 
この研究をもとに、ビジネスチャット上に蓄積されたメッセージデータやHR関連データの分析を行い、離職率の低下・ハイパフォーマーの発掘・効率的なチーム構成支援等、業界固有の課題に特化したAI Analyticsの開発・提供を構想しており、その第一弾として、2019年3月より某人材派遣大手に対して離職防止ソリューションサービス「People Engagement Cloud」を提供開始しました。 
 当該サービスは、顧客企業にあるビジネスチャットのメッセージデータを当社AIエンジンによって分析し、スコアを算出してファイルを提供することで、顧客企業の課題解決につながる提案をしております。 
 当該ビジネスモデルは、導入・カスタマイズによる収入とライセンス数などに応じた月額利用料を収益計上しており、サーバー利用料等を費用として計上しております。 

(4)その他 
 上記3つのサービスに該当しないサービスについては、その他サービスにしており、2018年12月期においてはシステム開発を行いました。 


【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(単独実績)2017.12 574 4 0 3 
(単独実績)2018.12 1,120 100 95 87 
(単独予想)2019.12 1,329 - 140 95 
(単独中間実績)2019.12 636 99 97 65 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(単独予想)2019.12 27.77 222.42  -  
調達資金使途 外注費、新規採用費、人件費、借入金の返済、広告宣伝費 

上場時発行済み株数 3,850,000株 (別に潜在株式288,500株) 
公開株数 699,700株(公募450,000株、売り出し158,500株、オーバーアロットメント91,200株) 

PER:39.2
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:7.6億
公募時時価:42億
    

【株主構成】 
(株)IBIサーチ 特別利害関係者など 580,000 15.94 180
(株)ベクトル 特別利害関係者など 340,000 9.34 90・1.5
SBI AI&Blockchain投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 239,000 6.57 90・1.5
イノベーション・エンジン産業創出投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 235,000 6.46  90・1.5
原田典子 代表取締役社長 206,250 5.67  180
東京電力フロンティアパートナーズ(同) ベンチャーキャピタル(ファンド) 150,000 4.12 90・1.5
(株)AIB 特別利害関係者など 127,750 3.51  180
OS投資事業組合 ベンチャーキャピタル(ファンド) 125,000 3.44  90・1.5
鈴木さなえ 取締役 118,000 3.24  180
アイビス新成長投資事業組合第5号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 115,000 3.16 90・1.5 

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である株式会社IBIサーチ、当社株主かつ代表取締役である原田典子(戸籍上の氏名 岡部典子)、当社株主かつ取締役である鈴木さなえ、田中正則及び菅野智也、当社株主である株式会社AIB及び株式会社チェンジ、並びに当社執行役員である鈴木聡は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2020年4月4日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得することは除く。)等は行わない旨合意しております。 

 また、当社株主かつ売出人である株式会社ベクトル、SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合、イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合、東京電力フロンティアパートナーズ合同会社、セガサミーホールディングス株式会社、FENOX VENTURE COMPANY XI, L.P.、PAYMENT VENTURES LLC.、三菱UFJキャピタル6号投資事業有限責任組合、INTAGE Open Innovation投資事業有限責任組合、株式会社VOYAGE VENTURES及び株式会社エボラブルアジア、並びに当社株主であるアコード・ベンチャーズ1号投資事業有限責任組合、株式会社エコ革、米川洋子、山本英也及び株式会社ガールズアワードは主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年1月5日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く。)を行わない旨合意しております。 
 加えて、当社株主であるOS投資事業組合及びアイビス新成長投資事業組合第5号(以下「組合等」という。)は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年1月5日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、当社株式の市場価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上となった場合であって、かつ、組合等に出資をした者に対して譲渡を行う場合等は除く。)を行わない旨合意しております。なお、主幹事会社と当該組合等に出資をした者の間では、このような当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しておりません。 


【代表者】
代表者生年月日 1974年04月02日生まれ 

代表者略歴
1998年04月 SAPジャパン(株)入社 
2000年12月 AOSテクノロジーズ(株)入社 
2002年04月 AOS Technologies America, Inc.転籍 
2011年11月 AOSテクノロジーズ(株)転籍 
2015年03月 当社代表取締役社長就任(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 SBI 517,300 85.01
引受証券 SMBC日興 36,500 6.00
引受証券 みずほ 33,500 5.51
引受証券 岩井コスモ 6,100 1.00
引受証券 香川 6,100 1.00
引受証券 あかつき 3,000 0.49
引受証券 エイチ・エス 3,000 0.49
引受証券 東洋 3,000 0.49


【参考類似企業】今期予想PER9/4
2323  fonfun 112.2倍(連結予想 )
3938  LINE -倍(連結予想 )
4395  アクリート 22.2倍(単独予想 )
4448  チャトワーク -倍(連結予想 )


【私見】
 法人向けSNS・ビジネスチャットということで業種人気はあり、働き方改革の銘柄として注目も高いかです。成長性は高そうで、100程度の高PERも容認されそうではありますが、規模も小さく未知数なところはあります。
需給は規模が小さいことは良いのですが、1.5倍でロックがきれるVCは多く初値段階で一気に需給は崩れることが予想されます。女性社長ということで話題性はありそうで注目はしたいのですが、セカンダリーは初値後にVCが売り切った後が良いのかと思っています。


想定価額:1010円
仮条件上限:1090円
初値予想:2500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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