2019年9月24日火曜日

IPO分析(アンビスホールディングス)

【事業内容】
 当社の中核事業は、アンビスに対する、住宅型有料老人ホーム等の運営及び経営に係るコンサルティング、住宅型有料老人ホーム等の用に供するための土地及び建物の賃借の実施であり、アンビスが当社の主たる収益源となっております。
 つぎに、アンビスの中核事業は、医療施設型ホスピス事業であります。アンビスでは、住宅型有料老人ホーム等「医心館」施設内における訪問看護、訪問介護、居宅介護支援及び障害者を対象とした居宅介護といった各種サービスの提供と施設運営により、医療施設型ホスピス事業を行うことを「医心館事業」と称し、現在のところ当社グループの主軸事業となっております。
 グループ会社として連携することで、医療依存度が高い方、例えばがん末期状態にある方、人工呼吸器を装着されている方、神経変性疾患等を患っている方ほかを積極的に受入れ、特化して慢性期や終末期における看護ケアを提供いたします。具体的には、アンビスがそれを行い、当社が「医心館」の出店戦略の企画から協力医療機関の獲得、顧客営業先の開拓、集客・サービス提供状況の分析及び改善、適正運営の確保、診療/介護報酬請求、債権管理、物品調達までのサポートを行うことで、当社グループは一気通貫型の地域医療/看護の強化再生ビジネスモデル(以下、これらの総称を「医心館事業」と言います。)を構築しております。

・医心館事業
 主にはアンビスが運営する医心館事業では、訪問系サービスである「訪問看護」、「訪問介護」及び「居宅介護支援」等と施設系サービスである「住宅型有料老人ホーム」等とを有機複合的に組み合わせることにより、退院後の行き先に不安や心配がある医療依存度が高い方やその家族といった顧客の幅広いニーズに応える「医心館」を1都9県、19施設を事業所として展開しております(本書提出日現在)。また、医心館では障害者の受入れにも取り組んでおり、障害者総合支援法によるサービス提供を行っております。特に看護師の人員体制を強固にすることで、医療依存度が高い方の慢性期や終末期の療養において充実した看護ケアを提供していることを特徴としております。また、原則として医師、薬剤師や介護支援専門員(以下、「ケアマネジャー」と言います。)を外部化(業務委託ではなく、医療・介護従事者の共感に基づく連携と協力関係のこと。当社では“医師、薬剤師やケアマネジャーのアウトソーシング”と表現しております。)することで、事業の透明性と公正性を担保し、在宅療養を含めた地域包括ケアシステムや「地域医療」のプラットフォームの一翼を担う存在として地域から認められることを目指しています。
 医心館側の視点からは、慢性期や終末期の療養生活の場では、医師が施設に常駐して医療を提供する必要性は小さく、連携と協力関係を礎に非常駐化と外部化が可能であるため、看護や介護への人材投入の余力が発生します。一方、地域の開業医等病床をもたない医院(無床診療所)側の視点からは、病床を必要とする患者を診る必要が生じた際には、医心館のベッドを利用することで対応が可能となり、実質的に病床を有するような状態となることで患者対応力の向上につながると考えております。かつ診療時間外に患者の容態や病床を管理する負担が軽減されます(当社では“シェアリング病床”と表現しております。)。また、病床を有する市中病院においても病床回転率が向上し、経営の安定につながると考えております。これらのことを事由のひとつとして、医心館(当社グループ)と医療機関等との間では強固な信頼関係が築かれていると考えております。


① 訪問看護/介護予防訪問看護
・利用者に対する訪問看護サービスを提供し、このことに対して、国保連等の審査支払機関から得た報酬(医療保険制度による場合は診療報酬、介護保険制度による場合は介護報酬)を主に売上として計上いたします(一部、利用者の自己負担(1~3割)あり。


② 訪問介護/介護予防・日常生活支援総合事業
・利用者に対する訪問介護サービス等を提供し、①同様、国保連等の審査支払機関から得た報酬を主に計上いたします。
・ホームヘルパー(訪問介護員)や介護福祉士が要介護者の自宅を訪問し、入浴や排泄、食事、着替えなどの介護(身体介護)や、調理、洗濯、掃除などの家事や生活等に関する相談、助言(生活援助)を受けることができるものであります。

③ 居宅介護支援
・サービスの利用者から依頼を受けて、その心身の状況やおかれている環境、本人や家族の希望などを考慮したうえで、利用するサービスの種類や内容などの居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成するサービスのことであります。

・アンビスでは、「医心館 あま」「医心館 盛岡」「医心館 浦和美園」「医心館 横浜都筑」「医心館 宇都宮」「医心館 横浜立場」「医心館 東戸塚」「医心館 新潟」(本書提出日時点)に居宅介護支援事業所を併設しておりますが、医心館の入居者は外部の居宅介護支援事業所のサービスを受けることが可能であり、その選択は自由であります。
・アンビスでは、同社のケアマネジャーがケアプランを作成するなど、要介護認定者の介護保険サービス利用を支援した場合、介護保険での報酬を請求し、これを売上として計上いたします。
報酬額はサービス利用者の要介護度に応じて設定されており、居宅介護支援サービスについては、利用者の負担はなく全額が介護保険から給付されます。

④ 居宅介護/重度訪問介護
・障害者総合支援法に基づき、障害のある方が住み慣れた地域で生活するため、日常生活や社会生活の総合的な支援を目的とした居宅介護サービス及び重度訪問介護サービスの提供を行うものです。
・居宅介護とは、自宅で、入浴、排泄、食事の介護等を行うものであります。
・重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者で常に介護を必要とする方(2014年4月より対象者が重度の知的障害者・精神障害者に拡大)に、自宅で、入浴、排泄、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行うものであります。
・これらのサービスは、個々の方の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に報酬の支給決定が行われます。アンビスでは、これらサービスの提供に基づく報酬を売上として計上いたします。



【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益 
(連結実績)2017.9 1,862 217 199 126 
(連結実績)2018.9 3,104 427 411 287 
(連結見込)2019.9 5,240 795 754 547 
(連結3Q累計実績)2019.9 3,710 600 575 411 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結見込)2019.9 54.74 101.46 0 
調達資金使途 新規施設開設、採用費、システム費、借入金の返済 


上場時発行済み株数 11,000,000株 (別に潜在株式464,800株) 
公開株数 1,265,000株(公募1,000,000株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント165,000株) 

PER:51.1
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:35.4億
公募時時価:308億
    

【株主構成】 
(株)IDEA,Inc 代表取締役が議決権の過半数を所有する会社 7,000,000 66.89 90
柴原慶一 代表取締役 3,000,000 28.67  90
三橋秀一 取締役 40,000 0.38 
前田早知子 取締役 30,000 0.29 90 
鈴木しのぶ 取締役 30,000 0.29 90
西久保千賀 取締役 24,000 0.23 90
荒井亮二 監査役 20,000 0.19 
吉村政二郎 従業員 20,000 0.19 
瀧上真悟 従業員 20,000 0.19 
渡辺裕之 従業員 20,000 0.19 
山口真吾 従業員 20,000 0.19 
八島美奈子 従業員 20,000 0.19 

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である株式会社IDEA,Inc、売出人である柴原慶一及び当社新株予約権者である前田早知子、鈴木しのぶ及び西久保千賀は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年1月6日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨合意しております。


【代表者】
代表者生年月日 1964年10月09日生まれ 

代表者略歴
1990年04月 JR東海総合病院(現名古屋セントラル病院)勤務 
1994年04月 京都大学医学部勤務 助手就任 
2001年04月 京都大学ウイルス研究所(現京都大学ウイルス・再生医科学研究所) 客員助教授 
2002年11月 国立遺伝学研究所入所 准教授 
2010年05月 イーハトーブ病院 名誉院長 7月 岩手県立中央病院 臨時医務嘱託 社会福祉法人大迫 評議員 
2013年09月 (株)光ライフサポート 取締役 医療法人福慈会 理事長 (株)アンビス設立 代表取締役(現任) 
2015年06月 (株)医心設立 代表取締役 
2016年09月 社会福祉法人光塩会 理事 10月 当社設立 代表取締役(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 野村 990,000 90,0 
引受証券 SBI 110,000 10.0


【参考類似企業】今期予想PER9/10
7061  日ホスピス 57.1倍(連結予想 )


【私見】
 業種としてはセカンダリー人気となった日本ホスピスと同業で悪くはないですが、前回の初物人気のようなパターンにはならないでしょう。業績に関しては売上・利益の伸びは非常に良いのですが、既に日本ホスピス同様に高PERとなっており、上値は大きくないと思います。需給としてはロック状況は良いのですが、時価総額で300憶を超えており、これ以上は簡単ではないと思います。アニコムの後のアイペット、Nフィールドの後のウェルビーなどのパターンのように、二番煎じとしては短期でのセカンダリーは難しく、数ヶ月後に業績に連動してもう一段上に行くパターンが考えられます。


想定価額:2610円
仮条件上限:2800円
初値予想:3400円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5

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