2022年9月20日火曜日

IPO分析(プログリット)

 【事業内容】

​ 「世界で自由に活躍できる人を増やす」というミッションを掲げ、お客様一人ひとりを専任のコンサルタントが担当し、12週間プランを中心とした短期間で英語力を伸ばす英語コーチングサービスを主に提供しております。従来の英会話サービスにおいてはコンテンツやレッスンの提供に重きが置かれていましたが、英語コーチングサービスにおいては、コンテンツの提供に加え、学習者一人ひとりにとって最適な学習方法の選択と学習継続支援までをパッケージとすることで学習効率と学習時間の最大化を図っております。

っていくと当社は考えております。時代の変化と共に増す英語学習に対する自己投資の需要に対し、当社のサービスが最適な解を提供し続けられる存在であることを目指しております。

 英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」の受講生は、2022年7月末時点で累計13,000名を超えております。当社の提供する「プログリット(PROGRIT)」のサービス内容は以下の通りです。

(1)お客様ごとにカウンセリングが行われ、現在の英語力、目指す英語力、解決すべき課題、学習可能時間、等を確認の上、目指す英語力の獲得に向けたオーダーメイドカリキュラムの提案が受けられます。


(2)作成されたカリキュラムを基に、お客様ごとの専任コンサルタントから、受講期間中の学習効果最大化のためのサポートが受けられます。サポートの内容は大きく以下の3つに分けられます。

(ア)英語学習を習慣化し、学習時間を最大化するためのスケジュール管理のサポートが受けられます。お客様それぞれにおいて異なる生活習慣がある中で、いつ、どこで、何をすべきなのかを週の始めに計画し、実際の学習実績と共に当社独自開発した学習管理アプリを利用して記録・管理することが出来ます。

(イ)毎週1回の面談を通じて、効果的な学習を進めるために必要な問題解決セッションを受けられます。具体的には、一週間の学習成果の振り返りによる学習内容及びタイムマネジメントの改善点の洗い出し、一週間の学習範囲の確認テストの実施、学習に限らず不安や懸念の解消を通じたモチベーションの維持・向上、速読やチャンクリーディング等の新たなトレーニングに取り組む際のトレーニング方法の説明、等のサービスが受けられます。面談は、専任コンサルタントが所属する校舎での対面による実施と、オンラインでの実施を選択することが出来ます。

(ウ)毎日チャットを通じて学習相談による疑問、不安解消や、コンサルタントからの声掛けによるモチベーションマネジメントに加え、シャドーイング音声添削を通じたフィードバック等が受けられます。


(3)日々の学習は13,000名を超えるお客様の学習をサポートしてきた経験を基に開発した当社の学習アプリを活用し、英語力の課題解決に必要なコンテンツで学習を進めることが出来ます。当社の学習アプリ以外に市販の教材がより適していると専任コンサルタントが判断した場合には、当該教材を当社から受け取り学習カリキュラムに取り入れることが出来ます。


(4)受講期間の前後において、スピーキング力を測るVERSANT®(注5)やTOEIC®(注6)等、目的に合わせた試験を受験し、定量的に英語力の伸びを測定することが出来ます。


(5)「プログリット(PROGRIT)」修了後も継続的に同様のサービスを受講希望の場合は継続コース「NEXT」を、シャドーイングの添削のみを受講希望の場合は「シャドーイング添削コース」を選択出来ます。「シャドーイング添削コース」は、「プログリット(PROGRIT)」のサービスの中でも特に英語力の向上に有効なシャドーイング添削サービスであり、お客様からの継続利用ニーズも強く、2018年5月より卒業されたお客様向けに提供を開始しております。2022年8月期第3四半期において、初めて「プログリット(PROGRIT)」を修了されたお客様の約60%が、「NEXT」又は「シャドーイング添削コース」による学習継続をされております。


 上記の「プログリット(PROGRIT)」を支える仕組みについては、以下のような特徴があります。

(1)自学自習の成果を高める仕組み

 英語力の向上は、授業やレッスンの時間内ではなく、それ以外の自学自習の質と量をどれだけ高められるかに依存していると考えております。従って、従来の英語教室のように「英語を教える」ことに重点を置くのではなく、お客様の英語力を科学的な理論に基づき分析し一人ひとりの目標を最短で達成するために必要なオーダーメイドカリキュラムを提案すると同時に、毎日のコーチングを通じて学習継続が達成されることに重点を置いております。また、「継続する力」、「やり遂げる力」を身に付けるための生活習慣の見直しを含めたサポートを行うため、修了後もお客様自身の力で成長し続けることが出来ます。


(2)サービスの質を継続的に向上させる仕組み

 コーチングサービスである「プログリット(PROGRIT)」の品質向上のためには、個々のお客様の学習データの蓄積・分析を基にした断続的なトレーニング方法やカリキュラム設計の見直し、そして直接お客様と接するコンサルタントの質の向上が重要であると考えております。前者においては、学習アプリ及び学習管理アプリを自社開発することで学習データ、学習時間データの蓄積が可能な体制を構築しております。後者においては、コンサルタントを全員正社員採用しエンゲージメントを高めることに注力しております。結果、当社は組織エンゲージメントについて複数の第三者から継続的に高い評価を受けており、採用市場におけるブランド力からコンサルタント職への応募が継続的にあり、その中から厳選した優秀なコンサルタントを獲得しております。また、綿密な研修プログラムを受け、当社の基準を満たした者のみがコンサルタントとしてデビューし、その後もお客様やコンサルタント同士のフィードバックを基に継続的な質の向上に努めております。

 当社サービスの中心は個人のお客様ですが、継続的な需要の見込める法人研修市場にも参入し、法人顧客の拡大に取り組んでおります。法人顧客の従業員様向けに提供される英語コーチングサービスの内容は、基本的に個人向けと同様です。一方で法人向けには、英語での会議音声・資料等を基にAIを用いて対象領域で利用頻度の高い単語や表現を解析し、専門的な事業領域に特化したオリジナル教材を作成する等、個々のニーズに合わせたサービスも提供しております。2022年7月末時点で、合計190社を超える法人に「プログリット(PROGRIT)」を提供しております。

 英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」は、現在「ビジネス英会話コース」「TOEIC® L&R TESTコース」「初級者コース」「TOEFL iBT®TEST/IELTSコース」の4つのコースを提供しております。「初級者コース」においては、その後の目的別の英語力向上に必要な単語・文法を始めとした基礎力の構築を中心に取り組みます。それぞれのプラン(期間)別の税込み料金は下図の通りです。

 また、英語コーチングサービスの他に、サブスクリプション型英語学習サービスである「シャドテン」を提供しております。シャドテンは「プログリット(PROGRIT)」を卒業されたお客様向けに当初提供していた継続コース「シャドーイング添削コース」を2020年6月より一般向けに提供を始めたサービスであり、月額プラン(月21,780円(税込))を提供しております。シャドテンのサービス内容は以下の通りです。


(1)最初に英語リスニング力を測定するテストを受け、レベルと目的に合わせた学習課題の選択をします。課題は、モチベーション理論、政治、マーケティング等ビジネスパーソンにとって学びのあるコンテンツが2022年7月末時点で589課題用意されており、豊富なコンテンツから選択が出来ます。

(2)トレーニング説明動画でトレーニングのやり方を理解した上で、専用アプリを用いて30秒から1分程度の英語の会話やスピーチを1日30分程度シャドーイングします。

(3)学習の最後に、シャドーイングした音声をアプリ上で提出すると、当社と契約しているシャドーイングアドバイザーから24時間以内に詳細なフィードバックが受けられます。トレーニング動画閲覧、課題の音声やスクリプト確認、シャドーイング音声録音、課題提出、添削結果確認まで全てをシャドテン専用アプリ上で行うことが出来ます。

 「プログリット(PROGRIT)」の受講を修了されたお客様向けのシャドーイング添削コース同様、一般公開したシャドーイング添削サービス「シャドテン」も急成長しており、2022年7月末時点でシャドーイング添削コースと合わせて有料課金ユーザーは2,800名を超え、2022年7月の月間売上高)は約4,800万円となりました。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/08 単独3Q累計実績 1,646 237 236 161

2022/08 単独会社予想 2,239 290 283 186

2021/08 単独実績 1,981 -45 -46 -76

2020/08 単独実績 2,183 138 128 78


決算期 種別 EPS BPS 配当

2022/08 単独会社予想 54.18 - -


上場時発行済株数 3,838,927株(別に潜在株式484,423株)

公開株数 1,030,100株(公募394,300株、売り出し501,500株、オーバーアロットメント134,300株)

調達資金使途 人材関連費用、アプリ開発費、広告宣伝費


PER:13.4

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:7.5億

公募時時価:28億

​   

【株主構成】 (株)シグマクシス・インベストメント以外は180日

岡田祥吾 代表取締役社長 1,058,000 26.93% 18

(株)SO 役員らが議決権の過半数を所有する会社 878,213 22.35%

(株)HOHETO 役員らが議決権の過半数を所有する会社 479,371 12.20%

山碕峻太郎 取締役副社長 465,000 11.83%

畑芳広 新株予約権信託の受託者 350,000 8.91%

瀧本哲功 特別利害関係者など 135,000 3.44%

菊嶋宏 従業員 87,173 2.22%

KSK Angel Fund LLC ベンチャーキャピタル(ファンド) 63,000 1.60%

島田亨 特別利害関係者など 47,250 1.20%

(株)シグマクシス・インベストメント ベンチャーキャピタル(ファンド) 33,289 0.85%

MTパートナーズ(株) ベンチャーキャピタル(ファンド) 31,500 0.80%

谷家衛 特別利害関係者など 31,500 0.80%

野田豊加 特別利害関係者など 31,500 0.80%

平野正雄 特別利害関係者など 31,500 0.80%

溝口勇児 特別利害関係者など 31,500 0.80%


本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ当社株主である岡田 祥吾、株式会社SO、山碕 峻太郎、及び株式会社HOHETO、当社の株主である瀧本 哲功、菊嶋 宏、KSK Angel Fund LLC、島田 亨、野田 豊加、平野 正雄、溝口 勇児、株式会社ベクトル、相木 孝仁、長谷川 晋、立野 公一、谷内 亮太、中村 貞裕、及び株式会社TGOホールディングス、並びに当社の新株予約権者である畑 芳広は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2023年3月27日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 また、当社の株主である谷家 衛は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2022年12月27日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

【代表者】

代表者名 岡田 祥吾(上場時31歳7カ月)/1991年生

本店所在地 東京都千代田区有楽町

設立年 2016年

従業員数 141人 (2022/07/31現在)(平均30.3歳、年収470.9万円)

事業内容 英語コーチングサービス、サブスクリプション型英語学習サービスの提供

URL https://www.progrit.co.jp/

株主数 30人 (目論見書より)

資本金 118,454,000円 (2022/08/24現在)

代表者生年月日 1991年02月06日生まれ

代表者略歴

2014年04月 マッキンゼー・アンド・カンパニー入社

2016年09月 当社設立代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 岩井コスモ - -

引受証券 極東 - -


【参考類似企業】 今期予想PER(8/30)

2928 RIZAPG 31.8倍 (連結予想)

4267 ライトワークス 31.9倍 (連結予想)

4427 EduLab - (連結予想)

4714 リソー教育 19.1倍 (連結予想)

4735 京進 9.7倍 (連結予想)

6096 レアジョブ - (連結予想)

7043 アルー 17.0倍 (連結予想)

7074 247 42.7倍 (単独予想)


【私見】

 業種としては英会話関連で、大きな優位性はなさそうなので妙味はありません。株主にサッカーの本田圭佑のファンドがいることから話題性はあります。業績は今期黒字で伸びてはいますが、成長性は高くはなさそうで、PERは低くめに設定されています。吸収金額・時価総額共に小さく、株主にはロックがかかっているので、低単価であることからもマネーゲーム的な買いは入り初値は高くなると予想します。


想定価額:730円

仮条件上限:730円

初値予想:1400円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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