2022年9月8日木曜日

IPO分析(キットアライブ)

 【事業内容】

​ Salesforce, Inc.が提供するクラウドサービスであるSalesforceを基盤としたシステム開発を通して、お客様と共にDXを実現していくクラウドソリューションを提供しております。

 当社は、クラウドソリューション事業の単一セグメントとして、Salesforceの開発及び運用保守を行う「Salesforce導入支援」、Salesforce上で優れたビジネスアプリケーションを提供することができるマーケットプレイスである「AppExchange」で販売されるSaaS型アプリケーション構築を支援する「Salesforce製品開発支援」、これら2つのサービスを中核とし事業展開を行っております。また、Salesforce等のライセンス販売も行っております。


<サービスの特徴>

(1)クラウドソリューション

① Salesforce導入支援

 顧客企業へのSalesforce導入支援や、Salesforceを基盤としたシステム開発サービスを提供しております。顧客と共に業務改革を進めていくことをゴールとし、ITコンサルティング・要件定義・設計・開発・システムテスト・運用保守といったシステム開発の全工程を、ITエンジニアがワンストップに提供することで、プロジェクトのスタート段階からアフターフォローまで一貫した支援を行うことが当社事業の特徴であります。対象業務は顧客管理や営業支援を目的とすることが多いですが、顧客の業種や企業規模によりプロジェクト内容は多種多様であるため、対応するITエンジニアにも異なるスキルが必要になります。当社では、社内でのコミュニケーションを円滑にすることによってノウハウを拡散・共有することで、多様な顧客要望への対応を行っております。


② Salesforce製品開発支援

 Salesforce上で新たなSaaS型製品の構築・販売を考えている企業向けの製品開発支援サービスを提供しております。当社がその製品の技術検証・開発・公開・運用を行うことでSalesforceの技術ノウハウがない企業であってもサービスを展開することが可能となります。Salesforce上で開発されたアプリケーションはSalesforce, Inc.が運営する「AppExchange」というマーケットプレイスで販売・マーケティング活動を行うことができます。当社は創業当時よりSalesforce上での製品開発やAppExchangeでの公開を手がけており、設計や開発・公開作業におけるノウハウを保有しているため、開発のスタート時点だけでなく追加機能構築や仕様変更等に対して継続的な支援を行っております。

 また、製品開発委託元企業からユーザー企業の紹介を受け、ユーザー企業に対しSalesforce導入支援サービスを実施する等、新たな顧客の創出にもつながっております。


(2)ライセンス販売

 セールスフォース・ジャパンの販売代理店であるテラスカイの二次代理店として登録されており、顧客企業にSalesforceのライセンス販売を行っております。Salesforceライセンス販売における二次代理店は、顧客へのライセンス販売のみを行っております。なお、Salesforceライセンス利用に関する問い合わせについては、一次代理店である株式会社テラスカイの役割となります。その他、AppExchangeで公開されているアプリケーションや、Salesforce製品開発支援において当社が開発を行った製品等についても販売代理店として顧客企業へライセンス販売を行っております。


 <当社事業の特徴>

 業務改革を顧客と共に行っていくことで、Salesforceに関する専門知識を提供するだけでなく、顧客が主体的にITを活用し、DXを実現することを支援しております。また、ITの専門部門が存在しない中小企業や、新規ビジネス立ち上げ時の企業等、予算規模が小さい顧客を対象とした少人数・短納期のプロジェクトを得意としております。大規模投資を前提としたウォーターフォール開発ではなく、アジャイル開発を主な開発手法とすることにより、様々な業種・業態の顧客へのSalesforce導入実績があります。当社はスタートアップや中小企業といった小規模のSalesforce導入支援に強みを持っていることもあり、2020年12月期から2021年12月期の2年間におけるクラウドソリューションサービスにおける443件の案件契約のうち、受注金額1,000万円未満のものが426件(96.2%)となっております。小規模プロジェクトであるため、プロジェクトメンバーは少人数での構成となり、大規模プロジェクトで見られるような各工程の完全分業体制ではなく、一人のプロジェクトメンバーが複合的な役割を担うこととなります。さらに、顧客との会議もリモートで実施することが多いため、リーダーのみが顧客と接するのではなく、プロジェクトメンバー全員が会議に参加し、顧客と直接コミュニケーションを重ねております。こうしたプロジェクト運営により、当社のITエンジニアは顧客から直接フィードバックや業務内容の説明を受ける機会を得ることができ、業務理解度の向上につながっております。

 さらに、当社は即戦力となる中途採用のみではなく、新卒・第二新卒採用を積極的に行っており、従業員の平均年齢は2022年7月31日現在で32.4歳と若く、北海道で働きたい希望を持つ若年層を雇用し、社内で育成する体制を整えております。特に従業員数全体の9割を占めるITエンジニアについては、顧客と接する機会を増やし、下流工程だけではなく上流工程の業務を担当する能力を早期に身に付けることで、経験年数が短くとも顧客提供価値と生産性を上げており、売上総利益率は、2020年12月期40.7%、2021年12月期42.5%、2022年12月期第2四半期48.4%を実現しております。

 また当社は、ビジネススキルと技術力の両面を評価する公平・明瞭な人事評価制度や、従業員自身の意思に基づく学習を支援する、自己啓発支援制度を運用しております。自己啓発支援制度は、Salesforce認定資格取得支援制度と、「もっとアライブ」という当社独自の制度から成り立っております。「もっとアライブ」とは1人あたり年間最大60時間まで残業時間を利用して自習することができる制度であり、この「もっとアライブ」と、Salesforce認定資格の取得を奨励するSalesforce認定資格取得支援制度により、当社にはSalesforce認定資格を有する従業員が多数在籍しております。さらに、SDGsへの取り組みとして、全社員が参加するSDGs研修や、子どもの健全育成を目的として地方自治体等への寄付も実施しており、ビジネスパーソンとして視野を広げ、地域社会へ貢献する意識の醸成にも取り組んでおります。こうした社内制度と、ITエンジニアが直接顧客とコミュニケーションを取り、すべての工程を一貫して担当する業務経験の蓄積により、ITを活用したビジネスの企画・立案・推進等を担い、DXを推進する人材であるビジネスデザイナーへの育成を積極的に推し進めております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2022/12 単独中間実績 313 78 77 50

2022/12 単独会社予想 690 124 114 75

2021/12 単独実績 577 113 116 77

2020/12 単独実績 478 91 92 61


2022/12 単独会社予想 61.59 - -


上場時発行済株数 1,253,000株(別に潜在株式249,000株)

公開株数 313,000株(公募50,000株、売り出し263,000株)

調達資金使途 従業員募集費、本社改装費


PER:22.9

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:4.4億

公募時時価:18億

​   

【株主構成】 

(株)テラスカイ 親会社 700,000 48.21% 180日

嘉屋雄大 代表取締役社長 400,000 27.55% 180日

Salesforce Ventures LLC. ベンチャーキャピタル(ファンド) 170,000 11.71% 180日

(株)ウイン・コンサル 事業譲り受け元 100,000 6.89% 180日

北洋SDGs推進投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 33,000 2.27%

関崇匡 取締役 25,000 1.72%

内田みさと 取締役 10,000 0.69%

菅野大輔 従業員 2,000 0.14%

中島菜緒子 従業員 2,000 0.14%

藤谷修平 従業員 2,000 0.14%

岸上睦月 従業員 2,000 0.14%

松田崇 従業員 2,000 0.14%


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社の売出人かつ当社株主である株式会社テラスカイ、Salesforce Ventures LLC. 株式会社ウイン・コンサル及び当社株主である嘉屋雄大は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2023年3月26日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。

 ​

【代表者】

代表者名 嘉屋 雄大(上場時46歳1カ月)/1976年生

本店所在地 北海道札幌市北区

設立年 2016年

従業員数 47人 (2022/07/31現在)(平均32.4歳、年収544.5万円)

事業内容 企業のクラウドシステム導入時における設計・開発・保守のワンストップサービス、SaaS(Software as a Service)型製品販売企業向けの技術検証・開発・公開・運用支援サービス

URL https://www.kitalive.co.jp/

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 93,390,000円 (2022/08/23現在)

代表者生年月日 1976年08月24日生まれ

代表者略歴

2000年12月 株式会社ウイン・コンサル入社

2016年08月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 アイザワ 265,900 84.95%

引受証券 SBI 11,000 3.51%

引受証券 岡三 11,000 3.51%

引受証券 北洋 9,400 3.00%

引受証券 東洋 9,400 3.00%

引受証券 マネックス 6,300 2.01%


【参考類似企業】今期予想PER(8/25)

3844 コムチュア 25.0倍 (連結予想)

3915 テラスカイ - (連結予想)

4178 Sイノベション 24.6倍 (連結予想)

4270 BeeX 23.1倍 (単独予想)

4396 システムサポ 14.8倍 (連結予想)

4434 サーバーワクス 60.1倍 (連結予想)

5036 日ビジシス 19.8倍 (単独予想)


【私見】

 テラスカイの子会社でSalesforce導入支援ということで真新しさはなく、業種妙味は今となってはさほどありません。業績も小粒で、PERからも妥当な水準で大きな上値はなさそうです。ロックも付されており、売り要素は少ないのですが、アンビシャスということが一番の懸念で、買いが入りずらく妙味は少ないと予想します。


想定価額:1410円

仮条件上限:1410円

初値予想:1600円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・やや弱気

総合評価:3

0 件のコメント:

コメントを投稿