2024年3月6日水曜日

IPO分析(STG)

  【事業内容】

 軽量化金属部品の製造加工事業を行っております。実用金属で最も軽いマグネシウムを中心とした製造加工を得意とし、金型の設計・製造、金属部品の鋳造、機械加工、ショットブラスト、仕上げ、化成処理、塗装、組立までを行う事業を展開しております。また、2021年3月にアルミニウム成型品の製造販売を行うSTX PRECISION (JB) SDN. BHD.(マレーシア)を買収し、2023年3月期においてはアルミニウムダイカスト48%、マグネシウムダイカスト43%の売上比率となっております。

 アルミニウムダイカストについては、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.を中心に、品質を維持しつつ、軽量化とコストダウンを図ることを目的としたグローバル企業に製品を供給しています。

 マグネシウムダイカストについては、特に、電気自動車やハイブリッド車など、燃費効率を上げるために徹底した軽量化を追求する自動車業界での需要が強く、さらに当社がこれまで培った「精密成型」技術力をもとに様々な製品への活用が見られています。このような背景のなか、生産の軸足をより生産規模の大きい自動車部品中心にし、グローバル展開を一層進めてまいります。


(金属部品鋳造及び加工事業)

 主力製品は、高付加価値カメラ、自動車、監視カメラ、プロジェクター、プリンター、医療機器等における軽量化金属部品であります。具体的には、マグネシウム合金・アルミニウム合金等による部品を製造しております。


・製品の特長

 マグネシウム合金による部品は、実用金属部品としては最軽量であり、より薄く高強度な製品を製造できます。

また、マグネウシウム合金による部品は、放熱性が良く、かつ電磁シールド性も良い等の特長をもち、持ち運びを目的とする製品や、軽量化により燃費効率向上・環境負荷低減等を図りたい輸送機等のマーケットで需要の拡大が見込まれています。

 アルミニウム合金による部品は、軽量であり、かつ加工が容易であることから、軽量化とコストダウンを求める製品の需要拡大を見込んでいます。


・当社グループの強み

 強みは、マグネシウム合金による部品の生産において、様々なバリエーションの最終製品への部品提供が出来る技術力にあります。また、日本のみでなく、中国・タイ・マレーシアに工場があることから、グローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることも競争力に繋がっております。さらに、アルミニウム合金による部品も生産していることから、お客様が求める様々なニーズに対応出来る体制となっております。


・当社グループの技術力

 長年培った技術力により、製品の性能・機能を維持または向上させつつ、コストダウンをはかること、またVE(バリューエンジニアリング)提案を行うことで顧客ニーズの実現を図っております。この技術力を活かしさらなる成長を遂げたいと考えています。


具体的には、以下のような技術力に強みをもつと考えています。

①金型設計力:製品の性能・機能をより発揮出来る設計をおこない、かつ生産工程全般のコストダウンをはかることを目的とした金型を設計しています。

②鋳造技術力:マグネシウムダイカストの鋳造工程においては、液体が固体となる際に起きる体積収縮(凝固収縮)をコントロールする必要等、特有の技術が必要になります。凝固収縮は、一定方向ではなく製品の厚み・形状、又は周囲の形状、製造する際の条件等々の要素が複雑に絡み合い、一定方向の収縮とはなりません。当社では、長年培った金型及び鋳造技術力で収縮方向をコントロールする等の対応をおこなっています。

③顧客対応力:エンドユーザーが、「どのような製品を求めていて、どのような使い方をするのか?」を追求することにより、顧客から依頼を受けた形状の部品を単に製造するだけではなく、当社側から製品の性能・機能を維持または向上させつつ、コストダウンをはかることを提案させていただいています。

④安心安全な生産体制:マグネシウムは、取り扱いが難しく作業中の爆発事故等が多く発生し、大手メーカーがマグネシウム事業から撤退する要因となりましたが、当社グループでは、マグネシウムの取り扱いについてのノウハウを蓄積しております。また、安心安全な生産体制を維持するために、各工場において定期的にチェックをおこなう体制としています。


(製造工程)

金属部品鋳造及び加工事業の製造工程は次のとおりであります。

なお、製造工程のうち、金型製造や塗装などの工程の一部は採算性等を踏まえ、製品品質等に十分配慮のうえ、外注を行っています。

金型製造・塗装・組立は、連結子会社であるSTX PRECISION (JB) SDN.BHD.のマレーシア工場のみで行っております。


【業績等】

決算期   種別       売上高   営業利益             経常利益             純利益

2024/03 連結3Q累計実績             3,729     116        108        50

2024/03 連結会社予想      5,220     278        290        195

2023/03 連結実績             4,684     196        285        191

2022/03 連結実績             3,501     87          156        88


決算期   種別       EPS       BPS       配当

2024/03 連結会社予想      234.46   -            25.00


上場時発行済株数            988,400株(別に潜在株式92,000株)

公開株数             356,500株(公募150,000株、売り出し160,500株、オーバーアロットメント46,000株)

調達資金使途      生産能力向上のための設備投資、運転資金


PER:8.2

PBR:

配当利回り:1.3%

公募時吸い上げ資金:6.8億

公募時時価:19億


【株主構成】

佐藤輝明             代表取締役社長  264,000 31.91% 180日 売出14,000

TNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投組  投資業(ファンド)    119,300 14.42% 90日・1.5倍 売出20,000

佐藤武幸             代表取締役の血族            77,800   9.40% 180日  売出10,000

三菱UFJキャピタル(株)        投資業(ファンド)    70,000   8.46% 90日・1.5倍

兼光喜彦             従業員   40,000   4.83% 180日  売出10,000

ごうぎんキャピタル3号投組 投資業(ファンド)    40,000   4.83%  全株売出

森田泰成             専務取締役         34,000   4.11% 180日  売出10,000

KSP3号B投組  投資業(ファンド)    26,100   3.15%  全株売出

KSP4号投組       投資業(ファンド)    20,000   2.41%  全株売出

(株)エコリング          特別利害関係者など        15,400   1.86%


(1) TOKYO PRO Marketにおける当社普通株式の取引(気配表示を含む。)がブックビルディング方式による発行価格及び売出価格の決定に影響を及ぼすおそれを可及的に排除する観点から、本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関し、売出人かつ貸株人である佐藤輝明、売出人であるごうぎんキャピタル3号投資事業有限責任組合、KSP3号B投資事業組合、TNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投資事業有限責任組合、KSP4号投資事業有限責任組合、佐藤武幸、兼光喜彦、森田泰成、島根産業活性化投資事業有限責任組合及び林忠德並びに当社株主である中島一志、ブリッジ4号B投資事業有限責任組合、株式会社紀陽銀行、株式会社アムセット、株式会社石村組、株式会社エコリング、株式会社エム・カンパニー、オリックス株式会社、株式会社きっちんカンパニー、京滋ユアサ電機株式会社、株式会社ケイエスピー、株式会社五健堂、甲信工業株式会社、CBC株式会社、株式会社関根エンタープライズ、株式会社ダイコー製作所、株式会社デイケア憩、株式会社フジデン、有限会社ホウユウ、有限会社ホテルテトラ、株式会社マルブン、有限会社三友商会、三菱UFJキャピタル株式会社、株式会社ムラカワ及びZHENG PINGは、当社に対して、本書提出日から当社普通株式に係るTOKYO PRO Marketからの上場廃止予定日である2024年3月20日までの期間中は、本書提出日現在に自己の計算で保有する当社普通株式の売却等又はこれらにかかる注文を行わない旨を約束しております。これら株主の所有するロックアップの対象となる当社普通株式は、発行済株式838,400株(本書提出日現在)のうち826,000株であります。


(2) 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である佐藤輝明、売出人である佐藤武幸、兼光喜彦、森田泰成及び林忠德、当社株主である中島一志、株式会社紀陽銀行、株式会社アムセット、株式会社石村組、株式会社エコリング、株式会社エム・カンパニー、株式会社きっちんカンパニー、京滋ユアサ電機株式会社、株式会社ケイエスピー、株式会社五健堂、甲信工業株式会社、CBC株式会社、株式会社関根エンタープライズ、株式会社ダイコー製作所、株式会社デイケア憩、株式会社フジデン、有限会社ホウユウ、有限会社ホテルテトラ、株式会社マルブン、有限会社三友商会、株式会社ムラカワ及びZHENG PING並びに新株予約権者である白井芳弘、中山達三、鈴木亮、稲田充弘、鈴木章浩、原幸也、堀井沙耶香、横家和昭、田中聖二、杉山慎也、グェン タイ フォン、林勇、藤井智彦、鈴木昌好、田村俊幸、鈴木崇伸、中山さつき、中西将太朗、真野高文、石川恵美及び藤井美由紀は、主幹事会社に対し、当社普通株式に係るTOKYO PRO Marketからの上場廃止予定日の翌日である2024年3月21日に始まり、グロース市場上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2024年9月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式(潜在株式を含む)の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)等を行わない旨合意しております。

 また、売出人であるTNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投資事業有限責任組合並びに当社株主である三菱UFJキャピタル株式会社は、主幹事会社に対し、当社普通株式に係るTOKYO PRO Marketからの上場廃止予定日の翌日である2024年3月21日に始まり、グロース市場上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の2024年6月18日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後みずほ証券株式会社を通して行う東京証券取引所での売却等を除く。)等を行わない旨合意しております。

 加えて、当社は主幹事会社に対し、当社普通株式に係るTOKYO PRO Marketからの上場廃止予定日の翌日である2024年3月21日に始まり、グロース市場上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2024年9月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、2024年2月20日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名             佐藤 輝明(上場時52歳8カ月)/1966年生

本店所在地         大阪府八尾市山賀町

設立年   1982年

従業員数             61人 (2023/12/31現在)(平均45.4歳、年収430.1万円)、連結728人

事業内容             マグネシウムおよびアルミニウムダイカスト製品の製造・販売

URL       https://www.stgroup.jp/

株主数   39人 (目論見書より)

資本金   195,062,000円 (2024/02/20現在)

代表者生年月日 1966年10月24日生まれ

代表者略歴

1989年04月     株式会社日通商事入社

1994年04月     有限会社三輝ブラスト(現当社)入社

1999年06月     株式会社三輝ブラスト(現当社)取締役

2006年05月     三輝特殊技研(香港)有限公司設立に伴い同社董事長(現任)

2007年04月     株式会社三輝ブラスト(現当社)取締役専務

2009年04月     当社 代表取締役社長(現任)

2011年09月     SANKI EASTERN(THAILAND)COMPANY LIMITED 代表取締役(現任)

2021年04月     STX PRECISION (JB) SDN. BHD. 取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 279,500 90.02%

引受証券 SBI 15,500 4.99%

引受証券 楽天 3,100 1.00%

引受証券 マネックス 3,100 1.00%

引受証券 松井 3,100 1.00%

引受証券 岡三 3,100 1.00%

引受証券 リーディング 3,100 1.00%


【参考類似企業】 予想PER

3437 特殊電極 10.4倍 (連結予想)

5702 大紀アルミ 17.4倍 (連結予想)

5781 東邦金 436.4倍 (単独予想)

5851 リョービ 9.0倍 (連結予想)

5852 アーレスティ 14.2倍 (連結予想)

6470 大豊工業 14.2倍 (連結予想)

6998 日タングス 13.4倍 (連結予想)

7245 大同メタ 21.8倍 (連結予想)

 

【私見】

 マグネシウウムということで類似業種が少なく業種妙味はあります。車などに使われ需要はありそうですが、電気自動車まで発展するかが現状何とも言い難いです。PERは低めで、材料があれば飛ぶこともあるのですが、PRO市場からの鞍替えで大きな材料は目先ないでしょうか。規模は非常に小さいのですが、ロックが外れるVCもおり積極的には参戦しずらく時間はかかるのかと思います。

 

想定価額:1870円

仮条件上限:1920円

初値予想:2800円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5


 

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