【事業内容】
(1)コンディショニングブランド事業について
当社が運営するコンディショニングブランド「TENTIAL」は、「コンディショニングを日常生活に簡単に取り入れること」を目的としたブランドです。2019年のインソール販売からブランドを立ち上げ、2024年12月末現在では、100点以上の商品を展開しております。
特に、遠赤外線の輻射効果を持つ特殊繊維を使用することで、着用時の睡眠の質を向上させることを目的としたナイトウェア「BAKUNE RECOVERY WEAR」シリーズは、当社の主力商品として成長しております。また、「BAKUNE RECOVERY WEAR」シリーズと同様の特殊繊維を使用した、普段着ラインの「MIGARU」シリーズや、着用時の歩きやすさを追求した「リカバリーサンダル」等、日々の活動を支えるアイテムを幅広く展開しております。
当社は、健康維持とコンディショニングにおいて重要な「休養(睡眠)」「運動」「食事」の三大要素の中でも、特に「休養(睡眠)」に焦点を当て、商品開発とブランド認知の拡大を推進しております。当社で企画・開発する商品は、誰もが日常生活の中で取り入れられるよう設計されており、心身の健康を総合的にサポートすることを目指しております。加えて、科学的根拠に基づいたデザイン設計と開発を行い、使用者に確かな効果を提供することに注力しております。
当社ではこれらの商品を、当社が運営するECサイト「tential.jp」やAmazon、楽天市場及びYahoo!ショッピング等のECモール、当社が運営する「TENTIAL」店舗並びに服飾店、雑貨店及び家電量販店等において販売しております。また、2024年5月より、当社商品を当社運営のECサイト若しくは直営店舗で購入した際にポイント(TENTIALマイル)が貯まる「TENTIAL Club」という会員制のポイントプログラムの提供を開始いたしました。
当社のサプライチェーンにおいて、製造・物流は外部委託することでファブレス化しておりますが、その他の工程は全て内製化しております。そのため、当社の取扱商品はすべて、独自の企画・開発が行われており、更にはマーケティングやCS(カスタマーサービス)も当社内で行うことで、顧客の声が蓄積され、商品開発にも直接反映されるバリューチェーンを構築できていると考えております。
① 商品の企画・開発及び特徴
取扱商品はすべて、当社で企画・開発を行った当社独自の商品であります。また、当社は取り扱う商品の科学的根拠を重視した企画・開発を行うことで、類似商品との差別化を図っております。
例えば、当社の主力商品である「BAKUNE RECOVERY WEAR」シリーズは、効果効能に関する実験を行い、遠赤外線特性及び血行を改善する性能についてエビデンスを取得したうえで、一般医療機器の届出を行っております。そのため、届出を行うことにより使用が認められる「疲労軽減、血行促進、筋肉のハリ・コリの軽減、血行促進による血流改善、筋疲労症状の改善、疲労回復、肩こり・腰痛の緩和」等の表現を用いて、商品使用時の効果効能を訴求して販売することが可能であります。また、2024年8月に第二種医療機器製造販売業許可を取得したことにより、一般医療機器(クラスⅠ)届出のみならず、管理医療機器(クラスⅡ)の医療機器認証登録を自社で行うことが可能となりました。これにより、リカバリーウェアに加えて、幅広い種類の医療機器を提供する体制となりました。
また、「コンフォーター」(機能性掛け布団)や「リカバリーサンダル」等、一般医療機器として届け出ていない商品についても効果効能に関する実験を行い、エビデンスを取得しております。
② 販売方法について
当社の商品は、オンライン(自社ECサイト、他社ECモール)及びオフライン(直営店舗、卸売)の両方で販売しており、それぞれの特徴は以下のとおりです。
(オンライン)
a.自社ECサイト「tential.jp」
当社が運営するECサイト「tential.jp」に商品を掲載し、直接販売しております。「tential.jp」では自社開発サイトの強みを活かした自由なUI/UX設計によって、顧客にとっても使い勝手の良いECサイトの構築が可能になることに加え、柔軟なクーポン設計や会員向けプログラムの開発、商品選択のハードルを下げるサイズ提案コンテンツ等の実装が可能です。
また、「tential.jp」においては、商品販売のほか顧客に対してブランドの世界観を伝えることに注力しております。例えば、スポーツ・芸術・料理(食事)等様々な分野で活躍するプロフェッショナルのコンディショニングに関する取組みを紹介する「Conditioning Magazine」を同ECサイト内で運営しております。その他にも、ブランドコンセプトを深く伝える「STORY」ページを設ける等、ブランドの哲学や価値観を共有することで、顧客とのつながりを強化しております。
b.他社ECモール
Amazon、楽天市場及びYahoo!ショッピング等のECモールに商品を出品し、販売しております。利用者が多いECモールに出店することで、自社ECとは異なるターゲット層にアプローチすることができ、幅広い顧客にリーチしております。
(オフライン)
c.直営店舗
大都市圏の百貨店、ショッピングモール等の商業施設内に当社の直営店舗を出店し、商品を販売しております。オンラインのみならず実店舗を出店することで、商業施設に流入する潜在顧客に対して当社商品を訴求することが可能なほか、商品を直接見たい・試したいといった顧客のニーズを満たすことが可能になっております。なお、2024年12月末時点において常設している直営店舗数は10店舗となっております。
d.卸売
服飾店、雑貨店及び家電量販店等を通じて当社商品を販売しております。ロードサイド等に立地する服飾店や家電量販店等において当社商品を販売することで、直営店舗とは異なる商圏の潜在顧客に対しても当社商品を訴求することが可能となっており、ブランド認知度の拡大に貢献しております。なお、2024年12月末時点における展開店舗(Shop In Shop)数は、134店舗となっており、全国的に展開しております。
なお、2024年1月期における売上高の65.9%は、利益率の高い自社チャネル由の売上となっており、結果として粗利率69.9%を実現しております。また、当社は収益性を捉える受注件数・受注単価といった指標を伸ばすことで、着実な成長を目指してまいります。
③ 顧客から選ばれる理由
当社の競争優位性は「ブランド」「チャネル」「データ」「研究開発」にあると考えております。これらの競争優位性が、顧客から選ばれる理由を形成していると考えております。
a.「ブランド」価値の向上
コンディショニング領域の中で、科学的根拠に基づいた商品を展開していることから、競技種目を問わず、第一線で活躍するプロアスリート選手に日々愛用いただいております。その中でも当社は、卓球の平野美宇選手(所属:木下グループ)、メジャーリーガーとして活躍している今永昇太選手及びプロゴルファーである池村寛世選手に対して当社商品の提供及び睡眠指導(コンディショニングサポート)を行っております。
昨今の健康志向の高まりや、当社のテレビコマーシャルをはじめとした各種ブランディング施策やPR施策により、日常生活におけるコンディショニングの重要性が一般層にまで浸透しつつあるなか、コンディショニングを重視するアスリートの中で認知・利用者が広がったことによる「TENTIAL」ブランドへの信頼感が高まることで、コンディショニングブランドとしてのブランド価値の向上を図り、マーケットリーダーとしての地位の確立を目指しております。
b.「オムニチャネル」での展開
オンライン(自社ECサイト、他社ECモール)及びオフライン(直営店舗、卸売)の多様なチャネルで商品を販売しております。オンラインの自社ECサイトや他社ECモールを通じて商品を販売することで、顧客に対してどこでも簡単に商品を購入できる利便性を提供しております。また、当社では機能性や着用感に特徴のある商品を展開していることから、実際の商品を試着し、着用感等を確認できる実店舗の展開により、商品を見て購入したい顧客のニーズを汲み取る等、オンライン・オフライン両方のチャネルを活用することで顧客満足度の向上を図っております。
c.「データ」収集及び活用
当社が運営するECサイト「tential.jp」の開発及び運営、データ基盤の構築等を当社のエンジニアが行うことで内製化を実現しております。そのため、「当社ウェブサイト経由の問い合わせや会員登録で収集した見込み・既存顧客情報」「アンケート結果や当該分析データ」「顧客の購買・行動履歴」等のデータを、第三者を経由せず取得することが可能です。取得した購買データや行動データ、属性データは、当社に所属するエンジニアやデータアナリストが統合し、分析を行っております。これらのデータを活用することで、商品開発からマーケティング、物流の効率化及び最適化を図っております。
また、ECサイトの購買データや行動データに基づく精緻な顧客分析によって、継続的なUI/UXの改善やスムーズな顧客対応を行うことで、顧客満足度の向上・維持に努めております。
d.「研究開発」による効果効能の検証
大学や病院等と連携し、商品の効果効能を裏付けるデータを取得しております。これらの研究開発活動により取得したデータを以て一般医療機器の届出を行う等、当社商品の信頼性を高め、他社との差別化を図っております。また、新素材や技術の探索にも取り組んでおり、積極的に商品に採用することで、効果効能のある商品を提供しております。例えば、2023年3月に発表した、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規氏(早稲田大学スポーツ科学学術院准教授)監修のもとで行った、「リカバリースリープウェアが睡眠構造に与える影響についての生理学的研究」では、当社の「BAKUNE RECOVERY WEAR」が睡眠時の深部体温の低下を促すことで、快適な睡眠をサポートすることを示唆する科学的エビデンスの取得に成功しました。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2026/01 単独会社予想 16,973 1,619 1,602 1,111
2025/01 単独会社予想 11,955 1,321 1,300 855
2024/01 単独実績 5,409 473 477 506
2023/01 単独実績 2,033 39 38 -12
決算期 種別 EPS BPS 配当
2026/01 単独会社予想 158.22 546.11 0.00
上場時発行済株数 7,055,600株(別に潜在株式715,400株)
公開株数 3,202,400株(公募400,000株、売り出し2,384,700株、オーバーアロットメント417,700株)
調達資金使途 ブランド投資における広告宣伝費
PER:12.6
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:64.0億
公募時時価:141億
【株主構成】
中西裕太郎 代表取締役社長 2,228,200 30.23% 180日 売出222,800株
(株)アカツキ 特別利害関係者など 1,016,200 13.79% 180日 売出711,300株
(株)Anchor 役員らが議決権の過半数所有 600,000 8.14% 180日 売出15,000株
HIRACFUND1号投組 投資業(ファンド) 452,400 6.14% 180日 売出316,700株
ニッセイ・キャピタル12号投組 投資業(ファンド) 392,400 5.32% 180日 売出196,200株
ファッション&テクノロジー2号投組 投資業(ファンド) 353,800 4.80% 売出353,800株
Apricot Venture Fund1号投組 投資業(ファンド) 346,200 4.70% 180日 売出173,100株
ナントCVC2号投組 投資業(ファンド) 197,000 2.67% 180日 売出49,200株
MTGV投組 投資業(ファンド) 165,600 2.25% 180日 売出82,800株
匿名 従業員 164,600 2.23%
Rakuten Capital S.C.Sp. 投資業(ファンド) 156,800 2.13% 180日 売出78,400株
PARAMOUNT BED-SBI Healthcare Fund1号投組 投資業(ファンド) 156,800 2.13%
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人及び売出人である株式会社Anchor、売出人である中西裕太郎、株式会社アカツキ、HIRACFUND1号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル12号投資事業有限責任組合、Apricot Venture Fund1号投資事業有限責任組合、ナントCVC2号投資事業有限責任組合、MTGV投資事業有限責任組合、酒井亮輔、Rakuten Capital S.C.Sp.、株式会社セゾン・ベンチャーズ、TBSイノベーション・パートナーズ2号投資事業組合、西岡良仁及びGive Backers株式会社、当社株主である市來晟弥、石川朝貴、舟山健太、横田康平、鵜沢敬太、猿渡歩、重田康光、津川友介、伊佐山元、西條晋一及び野田幸司並びに当社新株予約権者である南日政俊、播戸竜二、石田和也、降幡武亮及び当社従業員である45名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2025年8月26日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く。)を行わない旨合意しております。
当社株主である赤浦徹、本間真彦、和田圭祐及び村田祐介は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後360日目の2026年2月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者生年月日 1994年06月16日生まれ
2014年01月 株式会社インフラトップ 入社
2016年11月 株式会社リクルートキャリア 入社
2018年02月 当社設立 代表取締役社長就任(現任)
【幹事団】
主幹事証券 野村 - -
引受証券 SBI - -
引受証券 大和 - -
引受証券 楽天 - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 岩井コスモ - -
引受証券 松井 - -
【参考類似企業】今期予想PER(2/10)
2668 タビオ 16.7倍 (連結予想)
3002 グンゼ 11.4倍 (連結予想)
3202 ダイトウボウ 27.5倍 (連結予想)
3504 丸八HD 6.2倍 (連結予想)
3529 アツギ 10.2倍 (連結予想)
7791 ドリームベ 12.8倍 (単独予想)
7792 コラントッテ 9.2倍 (単独予想)
7806 MTG 23.0倍 (連結予想)
7817 パラベッド 18.2倍 (連結予想)
7840 フラベッドH 14.9倍 (連結予想)
7936 アシックス 37.0倍 (連結予想)
8013 ナイガイ 18.2倍 (連結予想)
8022 ミズノ 15.4倍 (連結予想)
8111 Gウイン 16.8倍 (連結予想)
【私見】
個人的には知らなかったブランドですが、CMもあり一般的には知名度のあるブランドの上場です。売上の伸びは素晴らしく、利益率も高く良い成長曲線を描いています。特殊性もあるので、PERからも割高感はありません。VCの売り出し規模は多いものの、残ったVCのロックもしっかりしているので需給の心配はないかと思います。吸収金額は大きいので初値高騰ということにはならないと思いますが、ネット主幹事でもないので期待値は大きいと思います。次のIPOまで2週間ほど空くことも追い風でしょう。
想定価額:1850円
仮条件上限:2000円
初値予想:2500円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3.5
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