【事業内容】
当社は、独立系ソフトウエア開発会社でありますが、多くのソフトウエア開発の協力会社を活用し、ソフトウエア受託開発 及びソフトウエア開発に係る役務 の提供を主たる事業としております。当社はソフトウエア開発事業の単一セグメントであるため、当社事業戦略上、組込み関連事業、製造・流通及び業務システム関連事業、金融・公共関連事業の3つの事業に区分して、以下に記載いたします。
(1)組込み関連事業
組込み関連事業は、自動車をはじめ船舶・工事及び農業用特殊車両等に搭載されるECU(注)5 のソフトウエア開発に係る車載関連開発及びデジタル家電から自動販売機やATM(現金自動預け払い機)等の制御ソフトウエア (注)6 の開発に係る民生・産業機器 関連開発を主たる事業としております。
① 車載関連開発
車載関連開発では、自動車をはじめ船舶・工事及び農業用特殊車両等に搭載される動力系を制御するECUから、車体関連機器を制御するECUや情報・セキュリティ系ECUのソフトウエア開発(プログラムの設計・開発・テスト等)を受託又は派遣の形態で行っており、これまでに、エアバッグ制御、電源制御、ドア・照明制御、ステアリング制御、変速機制御関連、ナビゲーション関連、キーリモコン制御のECU開発実績があります。事業の特徴としましては、一般的に開発規模が大きく開発期間・開発要員も多く必要とされるため、本開発に係る事業においては、機動的な開発要員の確保・投入とプロジェクトマネジメント ノウハウ、また開発プロセス と呼ばれる開発手法の理解と適用が事業の重要な成功要因となりますが、当社は、継続的に取引のある車載ECUメーカーとの開発協力を通じて顧客の品質管理手法を身に着け、開発要員の技術力向上と開発手法や開発体制の整備を進め、定常的・安定的に開発案件を受注・開発できる状況にあると考えております。
また、平成27年11月からは欧州発車載ECU開発の標準プラットフォーム とされるAUTOSAR の国産開発を行うAPTJ株式会社 に資本参加し当該プラットフォームの量産開発を受託するなど、次期車載関連ソフトウエア開発技術の習得に努めており、今後の普及に合わせて事業の拡大を目指しております。
② 民生・産業機器関連開発
民生・産業機器関連開発では、デジタル家電から自動販売機やATM(現金自動預け払い機)まで様々な民生・産業機器の制御ソフトウエア開発を行っております。事業の特徴としましては、複数年にわたる顧客の製品に関するソフトウエア開発の安定的かつ継続的な取引を通じて、当社が顧客製品や当該製品の顧客事業についての知見を深め、開発ノウハウを蓄積してきたことを強みとしております。この結果、前記のように安定的・継続的な取引関係にある定常顧客が売上の多くを占めております。その他顧客につきましては、開発規模・期間が様々であり、定常的な顧客となりにくいという問題がある反面、定常顧客からは得られない様々な新技術や制御技術のノウハウを得る機会と捉え可能な限り対応すると共に、定常顧客のための開発の空き工数(開発案件の狭間にできる仕事の空白期間)を埋め事業全体の売上の平準化に寄与する事業であると位置づけております。
(2)製造・流通及び業務システム関連事業
製造・流通及び業務システム関連事業は、工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御 するソフトウエア開発を中心とした製造・流通システム関連開発及び製造業向けの生産管理、在庫管理、品質管理等を中心とした業務システム関連開発を主たる事業としております。
① 製造・流通システム関連開発
製造・流通システム関連開発では、長年培った通信や様々なメーカーの制御機器との接続技術を活かし、工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御するソフトウエアを中心に、近年、開発が活発化しているIoTや産業向けのAI 利用を支える開発も手掛けております。また、過去のIoT関連開発の成果を基に工場設備のIoT化を簡単に実現するソフトウエアパッケージ「FlexSignal」を開発・製品化しております。事業の特徴としまして、製造・流通システム関連開発は適用するノウハウ及び基礎的技術は同様なものが多いものの、ほとんどが新規顧客あるいは数年以上の間隔を経たリピート顧客で、年間を通じて取引企業や案件数が多く、年度毎の顧客の入れ替わりが多いことから、顧客毎の特性を捉えた柔軟な対応が求められます。また、顧客の業務システムを一括して受託する開発案件が多く、開発プロジェクトのマネジメントの成否により、高い利益率を稼ぐことが可能な反面、顧客との仕様や工程の調整等に係るプロジェクトマネジメントの問題により、想定外の開発工数が掛かり、開発案件が不採算化する可能性もあり、当社品質保証部が主導してPMBOKの手法を取り入れ品質改善とプロジェクト管理を強化しております。
② 業務システム関連開発
業務システム関連開発では、当社の主たる顧客である製造業の生産管理、在庫管理、工程管理を中心に、物販・サービス業における顧客向けの販売管理、在庫管理に加え、Eコマースに関連するソフトウエアの開発等も行っております。事業の特徴としましては、製造・流通システム関連開発同様、ノウハウ及び基礎的技術は同様なものが多いものの、年間を通じて取引企業及び案件数が多く、ほとんどが新規顧客あるいは数年以上の間隔を経たリピート顧客で、年度毎の顧客の入れ替わりが多いことが挙げられます。また、顧客の業務システムを一括して受託する開発案件が多く、開発プロジェクトのマネジメントの成否により、高い利益率を稼ぐことが可能な反面、顧客との仕様や工程の調整等に係るプロジェクトマネジメントの問題により、想定外の開発工数が掛かり、開発案件が不採算化する可能性もあり、当社品質保証部が主導してPMBOKの手法を取り入れ品質改善とプロジェクト管理を強化しております。
(3)金融・公共関連事業
金融・公共関連事業は、大手SIerの協力会社として、主に大手金融機関向けのソフトウエア開発及び各種省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を主たる事業としております。
① 金融関連開発
金融関連開発では、大手SIerのパートナー企業の一員として、主に大手金融機関向けソフトウエア開発を受託しており、長年に渡り総合振込業務を中心に銀行業務に関するノウハウを蓄えております。
② 公共関連開発
公共関連開発では、大手SIerのパートナー企業の一員として、継続して様々な省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を受託しており、これら官公庁の特定業務についてノウハウを蓄えております。
これら事業の特徴としましては、開発が大規模かつ長期間で複数の企業が参加するプロジェクト型の事業が大半であり、受託開発会社には、まとまった規模の開発人員とプロジェクトマネジメント能力とSIer固有の開発手法や品質管理手法のノウハウ及びプラットフォーム活用のノウハウの蓄積が要求されます。当社は、金融・公共関連事業における長年の開発実績を評価され、発注先であるSIerからこれらの要求を満たす開発会社として、安定的、継続的な受注・売上が可能な状況にあり、これら事業は当社業績に安定的に貢献しております。当社は、これら大型プロジェクトに要求される、品質管理・セキュリティマネジメント、個人情報保護などの要件に対し、QMS、ISMS、Pマークなどを取得し、一層の受注拡大に向け開発体制を整えております。日立社会情報サービスや富士電機が主な取引先である。
【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2017.5 5,450 218 219 156
(単独実績)2018.5 5,790 309 312 221
(単独予想)2019.5 6,000 383 350 231
(単独中間実績)2019.5 2,902 207 202 132
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独予想)2019.5 127.68 1,112.78 20
調達資金使途 長期借入金の返済、エレベーター改修費、システム改修費、サーバーなどのIT投資、人材採用費、広告宣伝費、研究開発費
上場時発行済み株数 2,246,800株
公開株数 690,000株(公募580,000株、売り出し20,000株、オーバーアロットメント90,000株) シンジケート 公開株数600,000株(別に90,000株)
PER:11.7
PBR:
配当利回り1.3%
公募時吸い上げ資金:10.4億
公募時時価:34億
【株主構成】
社員持ち株会 特別利害関係者など 434,580 26.07 180
水谷 慎介 取締役 432,000 25.92 90
水谷 多嘉士 取締役の血族 197,000 11.82 90
伊藤 秀和 代表取締役社長 163,250 9.79 90
大川 稔 常務取締役 72,000 4.32 90
長尾 正己 取締役会長 67,000 4.02 90
(株)りそな銀行 取引先 60,000 3.60 90
(株)ネクスティエレクトロニクス 取引先 51,750 3.10
(株)大垣共立銀行 取引先 30,000 1.80 90
(株)OKBキャピタル 取引先 30,000 1.80 90
(株)三菱UFJ銀行 特別利害関係者など 30,000 1.80 90
三井住友信託銀行(株) 取引先 30,000 1.80 90
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である水谷多嘉士及び貸株人である水谷慎介並びに当社株主である伊藤秀和、大川稔、長尾正己、株式会社りそな銀行、株式会社大垣共立銀行、株式会社三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行株式会社、仲原龍、水谷茂斗子及び山下一浩は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成31年5月27日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。
当社株主である株式会社OKBキャピタルは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成31年5月27日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く。)を行わない旨合意しております。
また、当社の株主である東海ソフト社員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成31年8月25日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
【参考類似企業】
今期予想PER(1/29)
2186 ソーバル 17.7倍(連結予想 )
3816 大和コン 13.3倍(連結予想 )
3916 DIT 30.4倍(連結予想 )
3988 SYSHD 16.1倍(連結予想 )
【代表者】
代表者生年月日 1959年08月18日生まれ
代表者略歴
1982年04月 当社入社
2001年06月 当社第2技術部部長
2002年06月 当社本社技術統括部長
2004年08月 当社取締役(本社営業・技術担当)
2007年08月 当社常務取締役(西日本担当)
2010年08月 当社代表取締役社長(現任)
【幹事団】
主幹事証券 野村 510,000 85.00
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 24,000 4.00
引受証券 むさし 24,000 4.00
引受証券 みずほ 12,000 2.00
引受証券 SMBC日興 6,000 1.00
引受証券 SBI 6,000 1.00
引受証券 東海東京 6,000 1.00
引受証券 岡三 6,000 1.00
引受証券 エース 6,000 1.00
【私見】
ソフト開発で業種としては悪くはありませんが、東2でややインパクトに欠けます。業績も緩やかに伸びていて、PERからは割安で13~16くらいが妥当な水準だと思います。需給はVCがなく、吸収金額・時価総額も小さく、公募やや上(1600円~2000円)の水準はクリアできると思います。
想定価額:1290円
仮条件上限:1500円
初値予想:1800円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3
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