2019年2月26日火曜日

IPO分析(ウイングアーク1st)

【事業内容】
(1)事業の内容 
・独自のテクノロジー 
 超高速集計、データの仮想統合、IoTデータのリアルタイム処理は特徴的技術であり、当社グループの競争力の源泉となっています。それぞれ技術は高度で難解なものですが、「誰でも簡単」に利用することができ、素早く効果をあげられるようにシンプルで直観的に使用できるユーザーインターフェイスを備えたソフトウェア及びサービスとして提供しております。なお、研究開発活動及びソフトウェア開発のコア部分は、すべて自社グループ内で行っております。 

・強力なビジネスチャネル 
 当社グループの販売モデルは、パートナーを介した間接販売が主となっております。大都市圏で大企業や官公庁の大型案件を得意とするSIerや地方を拠点とするSIer、特定領域に特化したコンサルティングファームやクラウドシステムの構築を専業とするクラウドSIer等多くのパートナー企業と契約しており、日本全国のシステム開発案件をカバーする販売網を構築しております。これにより、継続的な案件創出と営業コストの抑制が可能となり、効率的な販売活動が可能となっております。 

・厚いリカーリングレベニュー 
 当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引だけではなく、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。これは導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、リカーリングビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。また、当社グループは契約継続率をリカーリングビジネスの最も重要なKPIの一つとしております。高い契約継続率を維持することによって、既存の契約は最大限維持しつつ、新規契約を積み上げ、持続的な成長を実現してまいります。 

2.保守、サブスクリプション(ソフトウェアの購入ではなく、利用期間に応じて料金を収受する契約形態)、クラウドといった継続契約を前提とした取引に係る売上の合計。 

3.2017年2月期につきましては、当社の設立は2016年3月7日でありますが、2016年4月14日付で全株式を取得した旧ウイングアーク1st株式会社の事業年度開始の日は2016年3月1日であるため、旧ウイングアーク1st株式会社の2016年3月1日から同年4月13日までの期間の実績及び2016年4月14日から2017年2月28日までの期間の当社の実績を合算し、概算値を記載しております。なお、当該概算値は、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。 

2.2017年2月期につきましては、当社の設立は2016年3月7日でありますが、2016年4月14日付で全株式を取得した旧ウイングアーク1st株式会社の事業年度開始の日は2016年3月1日であるため、旧ウイングアーク1st株式会社の2016年3月1日から同年4月13日までの期間の実績及び2016年4月14日から2017年2月28日までの期間の当社の実績を合算し、概算値を記載しております。なお、当該概算値は、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。 
 また、当社グループは、日本国外に拠点を置く多くの外資系ソフトウェアベンダーと異なり、自社内に営業、開発、サポートすべての機能を有しております。これにより、営業部門やサポート部門が収集した様々な顧客ニーズを開発部門が素早く製品化するといったことが可能となり、当社グループの強みの一つとなっております。 

(2)製・商品及びサービスの特徴
 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「ソフトウェア基盤ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しており、データエンパワーメントソリューションを戦略の中核に位置付けております。

[ソフトウェア基盤ソリューション] 
 ソフトウェア基盤ソリューションでは、エンドユーザーに対して、ソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っております。これらは、請求書、納品書、発送伝票といった業務帳票や市役所で発行される各種証明書のようなものまで、社会の様々な場所で帳票に関する業務基盤として利用されているソリューションです。当社グループは帳票ソフトウェアの先駆者として、多くの顧客にご利用頂いており、当社グループの主力製品である「SVF」の帳票市場(帳票運用製品)における市場シェアは、69%となっております。


[データエンパワーメントソリューション]
 データエンパワーメントソリューションでは、エンドユーザーに対して、ソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っております。これらは様々な種類のデータを組み合わせ、分析することにより、気づきや今までにない価値を生み出し、生産性の向上や効率化を実現することをコンセプトとしたソリューションです。経営者から現場の業務担当者まで多くの方々にご利用頂いております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上収益 営業利益 税引き前利益 純利益 
(連結実績)2017.2 11,655 2,746 1,712 1,575 
(連結実績)2018.2 15,566 4,223 4,046 2,924 
(連結見込)2019.2 16,784 - 4,453 3,206 
(連結3Q累計実績)2019.2 13,158 4,154 4,029 2,808 

1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当 
(連結見込)2019.2 112.07 -  -  
調達資金使途 - 

上場時発行済み株数 31,198,000株 (別に潜在株式4,229,000株) 
公開株数 22,896,200株(売り出し20,955,000株、オーバーアロットメント1,941,200株) 
シンジケート 公開株数12,941,400株(別に1,941,200株)

PER:17.5
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:451億
公募時時価:614億
    

【株主構成】 
CJP WA Holdings, L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 27,575,900 77.84  180
モノリス有限責任事業組合 役員らが議決権の過半数を所有する組合 1,400,000 3.95  180
伊藤忠商事(株) 特別利害関係者など 935,900 2.64  180
(株)インテージホールディングス 特別利害関係者など 500,000 1.41 180 
(同)PKSHATechnologyCapital ベンチャーキャピタル(ファンド) 360,000 1.02  180
鈴与(株) 特別利害関係者など 358,800 1.01  180
内野 弘幸 取締役会長、子会社取締役 280,000 0.79  180 
田中 潤 代表取締役社長、子会社取締役 200,000 0.56  180
藤本 泰輔 執行役員CFO、子会社監査役 140,000 0.40  180
島沢 甲 執行役員CTO、子会社取締役 140,000 0.40  180
奥田 哲史 執行役員 140,000 0.40  180
小島 薫 従業員 140,000 0.40  180

 グローバル・オファリングに関連して、売出人及び貸株人であるCJP WA Holdings, L.P.、当社の株主であるモノリス有限責任事業組合、伊藤忠商事株式会社、株式会社インテージホールディングス、合同会社PKSHA Technology Capital及び鈴与株式会社並びに当社の新株予約権者である内野弘幸、田中潤、藤本泰輔、島澤甲、奥田哲史、吉田善幸、森下将憲、渡會公士及び森脇匡紀は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2019年9月8日(当日を含む。)までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受けによる国内売出し、海外売出し、オーバーアロットメントによる売出しのための当社普通株式の貸渡し、グリーンシューオプションの行使に基づく当社普通株式の売却等を除く。)を行わない旨を約束する書面を2019年3月4日付で差し入れる予定であります。 
 また、グローバル・オファリングに関連して、当社は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、ロックアップ期間中、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換されうる有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を表章する有価証券の発行等(ただし、株式分割による新株式発行等を除く。)を行わない旨を約束する書面を2019年3月4日付で差し入れる予定であります。 


【代表者】
代表者生年月日
1976年11月22日生まれ 

代表者略歴
1999年04月 (株)エリスネット 入社 
2004年09月 当社 入社 
2011年01月 当社 執行役員 11月 文雅科信息技術(大連)有限公司 董事長 
2012年03月 1stネクスパイア(株) 代表取締役 5月 当社取締役 
2016年03月 文雅科信息技術(上海)有限公司 董事(現任) 
2017年05月 当社 取締役副社長・SPACE-TIME RESEARCH PTY. LTD. (現 WINGARC AUSTRALIA PTY LTD) Director(現任) 
2018年01月 (株)Everforth 取締役(現任) 3月 文雅科信息技術(大連)有限公司 董事(現任) 
2018年05月 当社 代表取締役社長(現任) 9月 SFインベストメント(株) 代表取締役(現任) (株)Optimus Capital 代表取締役(現任) 


【幹事団】
主幹事証券 野村 - - 
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - - 
副幹事証券 大和 - - 
副幹事証券 みずほ - - 
副幹事証券 SMBC日興 - - 
引受証券 SBI - - 
引受証券 マネックス - - 

【私見】
 業種としてそこまで悪くなく、業績も適度に延びていてPERからは割安感はありませんが妥当な水準だと思います。
1部とはいえども吸収金額が大きく、更にファンドの再上場案件で買い要素がほとんどないIPOとも思えます。野村といえども苦戦が予想される案件で、OAラインの攻防でしょうか。


想定価額:1970円
仮条件上限:1970円
初値予想:1800円
ブック申し込み度・・・弱気
セカンダリー期待度・・・弱気

総合評価2

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