【事業内容】
当社は、識学の原理に基づき、抽象度の高い知見から日々の組織運営に適用可能な形に開発したサービスを展開し、さまざまな組織の生産性の向上に寄与すると考えております。当社の事業は以下の特徴を有しております。
(1) さまざまな組織に適用可能であると考えられる識学の汎用性の高さ
識学はヒトが行動する際の意識構造を研究している理論であるため、汎用性が高く、さまざまな組織に適用可能であると考えております。そのため、顧客獲得にあたり、さまざまな組織規模・多業種の企業への適用がサービスの大幅な改変なく可能であると考えております。これまでの実績では、顧客は成長企業を中心に、プロスポーツチームや大学の部活等のスポーツ分野、歯科医院・整骨院などの小規模事業者から大企業におよびますが、内容の大幅な調整・変更を必要とせず展開を行っております。
(2) 顧客ニーズを深耕するサービス展開によるリピート獲得
当社サービスはそれぞれ独立して導入可能な単発のサービスながら、組織の生産性向上をさらに加速するため経営者へのマンツーマントレーニングを入り口として、組織幹部、管理者層、新入社員と、複数回のサービス提供を必要とする顧客が多く、リピート獲得に繋がっております。人事異動のタイミングで定期的なサービス提供を行うケースもあります。また、評価制度構築サービスによる識学の定着・仕組化やウェブによるプラットフォームサービスによる顧客接点の増加で、中長期的な取引関係構築・収益貢献を実現しております。
(3) 識学に基づく自社の効率的な経営及び講師育成
当社は、当社自身も識学に基づく経営を実践し、日々生産性を高める事業運営を行っております。採用された講師候補者が講師認定され、一定の品質のサービス提供ができるまでにかかる期間は平均3か月程度の実績であり、当社の特徴である高い利益率(第3期売上高経常利益率9.18%。中小企業の平成28年度売上高経常利益率3.50%(中小企業庁調べ))の源泉となっております。また、結果にフォーカスする評価体系を構築し、従業員へ成長の場を提供することで、講師の離脱防止を行っております。具体的には、組織メンバーの責任と権限の範囲を明確にし、権限の範囲内で自らの創意工夫により施策を実行することができ、自己決定感、成長感、達成感等の内発的動機(注1)が自己発生する体制を構築しております。さらに、その結果を報酬に反映させることで、内発的動機と外発的動機(注2)が一致する制度を運用しております。
(4) 自社でサービス開発を実施
ヒトの意識構造まで掘り下げているため識学それ自体は抽象度が高く、基礎理論だけでは日常の組織運営に適用することは困難です。当社は自社で識学を日常組織運営に適用可能とするプログラムを開発することで組織の生産性を改善するサービスを提供しております。
(5) 識学の独自性と一貫したロジックによる集客下地の醸成
識学は自社開発の独自の理論であり、従来の個人のやる気を重視する手法とは逆のアプローチ手法です。このため、当社の広告や口コミは潜在顧客に強いインプレッションを与えています。また、識学は抽象度、汎用性が高いため、多くの人が漠然とではあっても、自己に適用した場合のイメージを描きやすいという特徴があります。ウェブ広告、顧客からの紹介及び代理店紹介のすべての販売チャネルで、識学の独自性、事例紹介の提示によって潜在顧客への印象づけを重ねていくことで、集客の下地を醸成しております。
当社ではこのような事業の特徴を活かし、マネジメントコンサルティングサービス及びプラットフォームサービスを提供しており、これらのサービスの関係性を図で示すと以下のとおりです。なお、当社は組織コンサルティング事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、主要なサービス内容について記載しております。
(1) マネジメントコンサルティングサービス
マネジメントコンサルティングサービスとは、マンツーマントレーニングであるマスタートレーニングを始めとした識学に基づく組織運営を導入・浸透させ、組織の生産性を上げるサービスであります。主なマネジメントコンサルティングサービスは以下のとおりであります。
① マスタートレーニング3rd
組織長(経営者)に対して識学を導入し、生産性の高い組織運営を実現するサービスです。マスタートレーニング3rdでは、当社の講師が3か月間(全12回)、1回1時間程度のマンツーマントレーニングを行い、トレーニングの期間中、知識習得及び課題を設定し行動変化を追跡します。当社のマスタートレーニングでは、当社が独自開発した識学のフレームワークを用いて、課題の実践や行動を通じてポイントを習得していきます。組織の生産性を高めるために、ヒトの意識構造を理解し、実際に組織経営を変化させるまで順を追ったカリキュラムになります。
② マスタートレーニング2nd
組織長以下の幹部層に対して識学を導入し、生産性の高い組織運営を実現するサービスです。マスタートレーニング2ndでは、当社の講師が2.5か月間(全10回)、1回1時間程度のマンツーマントレーニングを行い、トレーニングの期間中、知識習得及び課題を設定し行動変化を追跡します。
③ マスタートレーニング継続(アドバンス)
マスタートレーニング修了後の受講者に対して提供するサービスです。マスタートレーニング継続では、当社の講師が毎月1回1~2時間程度のマンツーマントレーニングを行い、時間の経過により行動が元に戻ってしまうことを防ぎ、識学実践の質を維持します。
④ 集合研修
管理職、新入社員等への階層別集合型研修により、識学を組織に浸透し、生産性の高い組織運営を実現するサービスです。集合研修では、講義及びワーク形式での研修を行います。
⑤ 浸透パック
管理職向け動画と集合型トレーニング(全6回)を組み合わせ、識学の理解を促すことで、組織に浸透および定着化を図り、継続的に生産性の高い組織運営を実現するサービスです。
⑥ 評価制度構築
評価制度を構築し、識学を組織に定着・仕組化するサービスです。評価制度構築では、評価の対象を結果にフォーカスし、評価制度で起こりがちな上司と部下との評価の認識違いを無くし、自走する組織への変化を実現します。
⑦ 顧問サービス
マスタートレーニング受講者かつ経営者向けに組織運営に関する課題や相談をお受けし、個別事象を解消するサービスです。個別事象にフォーカスするため、特定の組織課題の解消を行うことに有効なサービスです。
(2) プラットフォームサービス
プラットフォームサービスとは、ウェブ上で顧客の識学実践を支援するクラウドサービスであります。主なプラットフォームサービスは以下のとおりであります。
① 識学クラウド組織診断(組織デューデリジェンスサービス)
組織の状態を診断するサービスであり、識学導入後は、自組織の改善状況の確認を行うことが可能になります。識学クラウド組織診断では、顧客の組織メンバーに対してウェブ上でアンケートを実施します。そのアンケート結果で、組織の一員として生産性高く業務に取り組める状態にあるか、また生産性が阻害されているとすれば、どの意識構造が誘引しているのかを判断し、その総合結果を用いて対象組織の現在の状態を把握します。
② 識学クラウド動画復習
時間の経過により行動が元に戻ってしまうことを防ぎ、識学実践の質を維持するサービスであります。識学クラウド動画復習では、マスタートレーニングでお伝えする理論をウェブ上の動画で復習することができます。理論の理解度を維持すると同時に、自組織に照らし合わせながら、動画閲覧することでさらなる理解を促進します。
③ 識学クラウド評価制度運用支援
主に、評価制度構築サービスの後、制度の実践運用を支援するサービスであります。個人に割り振る目標項目及びその比率や目標の基準点となる尺度を決定し、ウェブ上に登録しておく形式で、構築された評価制度を日常的に実践し、担当者まで漏れなく、遅滞なく、少ない事務負担で実践まで浸透させるクラウドサービスとなっております。
④ 識学クラウド日常業務支援
日常のマネジメントの補助ツール(タスク管理)サービスであります。同時並行で多種多様なタスク管理を行うと、多くの工数を要します。さらに、管理をマンパワーに依存すると、結果的に、抜け漏れが発生し、マネジメントが行き届いていない状況となる可能性があります。識学クラウド日常業務支援機能では、ウェブ上でのタスク管理機能を用いて、上司と部下が共通の認識を持っている状態を当たり前化し、その工数を削減するとともに、抜け漏れのないマネジメントの実現が可能です。
【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2017.2 317 -5 -7 -6
(単独実績)2018.2 755 68 69 42
(単独予想)2019.2 1,194 - 224 146
(単独3Q累計実績)2019.2 906 203 202 126
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(単独予想 )2019.2 66.58 - 0
調達資金使途 広告宣伝費、人件費
上場時発行済み株数 2,440,000株 (別に潜在株式89,000株)
公開株数 379,500株(公募240,000株、売り出し90,000株、オーバーアロットメント49,500株)シンジケート 公開株数330,000株(別に49,500株)
PER:27.0
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:6.8億
公募時時価:44億
【株主構成】
安藤 広大 代表取締役社長 854,000 37.31 180
福冨 謙二 従業員 594,000 25.95 180
(株)ARS 役員らが議決権の過半数を所有する会社 380,000 16.60 180
K&Pパートナーズ2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 240,000 10.48 90・1.5
梶山 啓介 取締役 44,000 1.92 180
(株)ベクトル 特別利害関係者など 28,000 1.22
Team Energy(株) 特別利害関係者など 22,000 0.96 180
(株)五十畑 特別利害関係者など 22,000 0.96 180
REGAIN GROUP(株) 特別利害関係者など 22,000 0.96 180
(株)チェンジ 特別利害関係者など 22,000 0.96 180
池浦 良祐 取締役 22,000 0.96 180
(株)オークファン 特別利害関係者など 14,000 0.61
本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である安藤広大、売出人である福冨謙二、当社株主である株式会社ARS、Team Energy株式会社、株式会社五十畑、REGAIN GROUP株式会社、及び株式会社チェンジ並びに当社役員かつ新株予約権者である梶山啓介及び池浦良祐は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成31年8月20日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。
当社株主であるK&Pパートナーズ2号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の平成31年5月22日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。
【代表者】
代表者生年月日
1979年11月05日生まれ
代表者略歴
2002年04月 (株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(現(株)NTTドコモ)入社
2006年04月 ジェイコム(株)(現ライク(株))入社
2010年06月 ジェイコム(株)(現ライクスタッフィング(株))取締役東京本社営業副本部長
2012年06月 同社営業副本部長兼東京本社営業部長兼事業開発部長
2013年01月 (株)WEIC入社、執行役員社長室室長
2013年01月 (同)KDI設立、代表社員(現任)
2015年03月 当社設立、代表取締役社長(現任)
2017年11月 (株)ARS設立、代表取締役(現任)
【幹事団】
主幹事証券 SMBC日興 - -
引受証券 SBI - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 楽天 - -
引受証券 松井 - -
引受証券 いちよし - -
引受証券 エース - -
【私見】
業種としてはコンサルなので類似業種も多いですが、識学という独自の分野で多少の優位性はあります。業績も伸びており、来期の2月決算のPERに引き直せば割高感はありません。ただし、成長性からはコンサルなので限界はあり、需給が良いので初値段階で2倍程度を付けてしまうと頭打ちの可能性は高いと思います。年明け初のIPOでオーバーシュートする可能性もあり、セカンダリーには魅力は感じません。
想定価額:1640円
仮条件上限:1800円
初値予想:4000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5
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