2020年2月22日土曜日

IPO分析(ビザスク)

【事業内容】
 (1)サービス概要
 スタートアップから大企業まで、その規模にかかわらず企業活動においては、新規事業や業務改革、投資等のための業界動向調査、ユーザーインタビュー、ベスト・プラクティス調査等の情報収集ニーズが常時発生しております。その際に従来は、書籍や調査会社の発行するレポートを購入する、自社内の知見者にヒアリングする、或いは知人経由で知見者にアプローチする等の手法が一般的でした。特に知見者へのヒアリングは情報収集において効果的であることは認識されつつも、自社の保有するネットワークには限界があるため、必要とされるスピードで適切な知見者にアプローチすることは容易ではないという課題が存在しておりました。
 当社では顧客のニーズに応じて、ビジネス知見を有するアドバイザーと顧客をマッチングし、1時間単位の電話や対面でのインタビューを設営するサービスを提供しております。スポットコンサルは様々なシーンで活用されておりますが、具体例としては以下の通りです。
・コンサルティング会社が業界全体に対する理解を深め、市場動向を確認するための調査
・投資ファンド・機関投資家などの金融機関が投資を検討する際の業界調査やデュー・デリジェンス
・事業法人が商品開発の過程で新技術などについて理解を深めるための情報収集
 当社のメインサービスである、フルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」は、専任の担当者が顧客からの依頼事項を確認、当社サービスの登録者や外部ネットワークを含めた適任者をリサーチし、顧客の要望にマッチするかを必要に応じてアドバイザーにも直接確認したうえで、顧客に対してアドバイザーを提案し、インタビュー実施のアレンジまで全面的にサポートします。当社では、2019年12月末現在で累計4.4万件を超える知見のマッチング実績があり、これらの実績により蓄積されたデータやノウハウを活用することで、精度が高く、より顧客満足度の高いサービスの提供に努めております。
 また、当社ではフルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」の他にも、様々な知見を有する登録者のデータベースを活用するべく、オンライン・アンケート形式で多数のアドバイザーの知見を一度に収集することをサポートする「ビザスクexpert survey」や、1時間単位ではなく柔軟な時間設定でアドバイザーが支援する「ビザスク業務委託」、当社のwebプラットフォーム上で利用者がアドバイザー選定等のマッチングを自ら行い、スポットコンサルを実施するセルフマッチング形式の「ビザスクlite」等、様々な形態で知見が共有・提供されるサービスを展開しております。
 顧客は、ビジネス領域の知見を求める情報収集の際に当社サービスを活用することで、求めている情報にスピーディかつ効率的にアクセスし、当社サービスを活用しない場合と比べ、より多くの経験者の知見に基づく情報を得た上で判断をすることが可能となります。一方、マッチングされたアドバイザーは、スポットコンサルやオンライン・アンケート等の様々な形態を通じて知見を提供し、顧客の問題解決やイノベーションの創出に貢献すると共に、アドバイザー自身が持つ知見を再確認し、人生百年時代と言われる現在におけるキャリア・プランの一助として当社サービスを活用することができ、従って、当社サービスは顧客とアドバイザー双方にとって意義のある情報サービスとなっていると考えております。
 当社がスポットコンサルの設営を中心とした知見プラットフォーム事業のサービス提供を開始して以来、当社サービスへの登録者数は順調に増加しており、2020年1月末現在、国内登録者数は約9万人、更に海外登録者数約1.1万人(世界109か国)を加えると登録者数は10万人超となっております。
  登録者の属性は、約500の業種を網羅しており、製造業をはじめ、小売・飲食・生活、医療・ヘルスケア、業務支援、金融、教育、メディア、建設・不動産、エネルギー・インフラ、農林水産など、職域別では、営業・マーケティング、経営・管理部門、IT・システム、新規事業・R&D、海外ビジネス、専門職、生産・調達などと多岐にわたっており、幅広い業界・職域をカバーしております。
 当社ではこれらの各業界や各業務において実務経験を有しているアドバイザーの幅広い領域のビジネス知見や経歴を取りまとめると共に、アドバイザーがマッチングする際の顧客や当社との様々なやり取りを蓄積することで、更新頻度が高く情報が深化するデータベースを構築しております。そして、このデータベースを活用することで、人脈や取引関係を超えて、ピンポイントのキーワードで知見を特定し、最短で当日にマッチングすることが可能となっております。
1.「国内登録者数」は、当社日本語webサイトにて登録をした人数の合計であります。国内登録者は、知見を提供する個人と、これを求める個人(「ビザスクlite」における依頼者。また、「ビザスクlite」を活用するための契約を締結した法人に所属し、当該契約に基づき登録された個人を含む。)に分かれております。いずれの登録者もアドバイザーとしてフルサポート形式「ビザスク」及びセルフマッチング形式「ビザスクlite」で活動することができ、また、依頼者として「ビザスクlite」を利用することができます。
2.「海外登録者数」は、主に海外在住のアドバイザーとして当社英語webサイトにて登録をした人数の合計で、フルサポート形式「ビザスク」におけるアドバイザーとしての立場でのみサービスを活用することが可能となっております。
 登録者の増加に伴い、当社データベースに保持される知見のデータも増加し、顧客からのピンポイントなニーズにもより応えやすくなりますが、一方で、少しでも多くの登録者がアドバイザーとして活動するために、顧客基盤を拡大し、多くのニーズを取り込んでいくことが必要となります。当社では、登録者数の拡大とともに、日本を中心として法人の顧客基盤を拡大し続け、2020年2月期の第3四半期末時点には、コンサルティングファームや金融機関、大手事業法人などを中心とした法人クライアント口座数は423口座となっております。
1.「法人クライアント」とは、法人契約を締結し、フルサポート形式「ビザスク」を活用する法人顧客をいい、「ビザスクlite」のみを活用する法人顧客は含まれません。
2.「法人クライアント口座数」とは、法人クライアントの中で、法人契約に基づき各集計時点から起算した過去1年間において「ビザスクinterview」を活用した法人クライアントの合計であります。同一法人において複数の部署が別途契約を締結した場合には、複数カウントとなっております。
 このような、登録者及び法人クライアント基盤双方の順調な拡大に加え、継続的な自社開発システムの改善およびオペレーションの効率化、並びにデータベースの情報深化によりマッチングの効率改善が進んだ結果、取扱高は2016年2月期から2019年2月期にかけて年平均成長率195.8%で増加しており、国内登録者数や法人クライアント口座数の増加(国内登録者数は2016年2月末から2019年2月末までの3期間において年平均成長率81.7%で増加、法人クライアント口座数は2016年2月末から2019年2月末までの3期間において年平均成長率63.7%で増加を上回るペースで成長しております。

【業績等】
業績動向(百万円)
(単独実績)2018.2 264 -57 -58 -58
(単独実績)2019.2 614 25 24 27
(単独予想)2020.2 960 - 45 53
(単独3Q累計実績)2020.2 697 61 57 54

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(単独予想)2020.2 6.90  -  0

調達資金使途 借入金の返済、広告宣伝費、採用費および人件費
上場時発行済み株数 8,185,000株 (別に潜在株式1,157,600株)
公開株数 2,554,200株(公募500,000株、売り出し1,721,200株、オーバーアロットメント333,000株)

PER:304→217
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:68.7億→38.3憶
公募時時価:172億→123憶
    
【株主構成】
端羽英子 代表取締役社長CEO 4,559,600 51.56 90日
A-Fund Ⅱ, L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,025,000 11.59 90日・1.5
DACベンチャーユナイテッド・ファンド1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)855,000 9.67 90日・1.5
花村創史 取締役CTO 437,500 4.95
CA Startups Internet Fund1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)375,000 4.24 90日・1.5
DBJキャピタル投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)217,500 2.46
みずほ成長支援投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 217,500 2.46
CA Startups Internet Fund2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド)180,000 2.04
平林芳彦 新株予約権信託の受託者 125,800 1.42
瓜生英敏 取締役COO 108,050 1.22 90日

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である端羽英子、売出人である瓜生英敏、安岡徹、並びに当社株主である青柳直樹は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の2020年6月7日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)等を行わない旨合意しております。
 また、売出人であるA-Fund Ⅱ, L.P.、DACベンチャーユナイテッド・ファンド1号投資事業有限責任組合、A-Fund Ⅱ Affiliates Fund, L.P.及びCA Startups Internet Fund2号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の2020年6月7日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等を行わない旨合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1978年07月11日生まれ
代表者略歴 年月
2001年04月 ゴールドマン・サックス証券会社 (現ゴールドマン・サックス証券(株))入社
2003年03月 日本ロレアル(株) 入社
2007年07月 ユニゾン・キャピタル(株) 入社
2012年03月 当社設立 代表取締役社長CEO 就任(現任)

【幹事団】 株数は変更前の数字
主幹事証券 みずほ 1,354,100(61.0)
引受証券 大和 334,900(15.1)
引受証券 SMBC日興 231,000(10.4)
引受証券 野村 113,000(5.1)
引受証券 東海東京 113,000(5.1)
引受証券 SBI 37,500(1.7)
引受証券 マネックス 37,500(1.7)

【参考類似企業】今期予想PER 2/13
6560  LTS 37.1倍(連結予想 )
6563  みらいWK 129.1倍(単独予想 )
7060  ギークス 43.8倍(連結予想 )

【私見】
 業種的にはコンサルで多少の優位性はありそうですが、急拡大するようなビシネスモデルではなさそうで、高学歴の女性社長という話題性が一番の優位性だと思ます。規模と価額を大幅に下げたのは救いですが、PERからはまだ割高な水準で成長性を加味しても追いつくのは簡単ではなさそうです。時価総額からは現状が妥当で、VCの売り意欲も強そうで、MAXで200憶のロック切れの1.5倍までもっていくのか焦点になりそうです。

想定価額:2100円
仮条件上限:1500円
初値予想:2000円
ブック申し込み度・・・やや強気
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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