2020年2月19日水曜日

IPO分析(きずなホールディングス)

【事業内容】
 葬儀売上を構成する葬儀施行業、仲介手数料収入を構成するネット集客業、及びその他のサービスを行っており、2019年12月31日時点において全国33都道府県で当社グループのサービスを提供しております。
(1)葬儀売上(株式会社家族葬のファミーユ、株式会社花駒)
葬儀売上は葬儀施行業の収益で構成されており、葬儀施行業は、「直営モデル」と「委託モデル」の2つの形態で行っております。主な事業内容としましては、葬儀施行及び葬儀付帯業務の提供であります。
 ホール建設等に係る初期投資の投資効率を踏まえたうえで、「直営モデル」で展開するか「委託モデル」で展開するかを判断しており、資本効率を十分に考慮した展開地域の拡大を図っております。
 葬儀施行業は、2019年12月31日時点において9都道府県(北海道・千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・宮崎県・熊本県)で展開しております。
 葬儀施行業で提供されるプランは大きく2種類であります。
「セットプラン」は葬儀に必要なものを一式揃えたプランで、ご予算や参列規模に合わせて複数のセット内容をご用意しております。
「オリジナルプラン」は、お客様のお気持ちに耳を傾け、ご家族の故人に対する弔いの心情を理解し、お客様ごとに異なる想いを表現しており、「ご家族の意向を汲んだ、ご家族のためのご葬儀」を提供する当社グループ独自のプランです。生前の故人を偲ぶ写真や映像、また趣味の品々などを囲み、故人の思い出を語り合うことで、忘れられないお別れとなる、そのような場をご提供しております。

①直営モデル
 企業理念をよりよく反映できる直営ホールでの葬儀施行を主としており、2019年12月31日時点において全体の葬儀件数の約8割を占めております。地域集中出店によってドミナントを構成し、人材配置の効率化と広告宣伝の相乗効果等によって収益性の高いモデルとなっております。ドミナント化による効率化・相乗効果等により「家族葬のファミーユ」ブランド1号店の「家族葬のファミーユ大塚ホール」(宮崎県宮崎市)出店以来、現在まで撤退はなく、自社出店とM&Aの両面から着実に直営ホール数を増やしております。
 「家族葬のファミーユ」ブランドを中心に、「弔家の灯(とむりえのひ)」、「イマージュ」ブランドなど、地域特性や顧客認知度を考慮した複数のブランドを7道府県で展開しております。
2019年12月31日時点におけるブランド別出店状況及び都道府県別の出店状況は以下のとおりであります。
ブランド別出店状況
 ・家族葬のファミーユ
北海道札幌市南区(真駒内ホール)、
宮崎県宮崎市(希望ヶ丘ホール)など
7道府県(18市町)72
・弔家の灯
熊本県熊本市中央区(上水前寺ホール)、
宮崎県宮崎市(霧島ホール)など
2県(2市)4
・イマージュ
京都府相楽郡精華町(イマージュホール精華)、
京都府木津川市(イマージュホール木津川)
1府(2市町)2
・その他
京都府京都市伏見区(伏見メモリアルホール)
1府(1市)1
合計7道府県(20市町)79

都道府県別出店状況
北海道15 千葉県14 神奈川県1 愛知県12 京都府4 宮崎県19 熊本県14 合 計79
 
②委託モデル
 地価相場等が高いため初期投資がかさむ、あるいは家賃相場が高いため十分なキャッシュ・フローを得られない等の理由により、初期投資の回収期間が長期にわたり直営モデルでは十分な投資効率を得られない地域では、公営斎場等を活用して葬儀の施行を提携葬儀社に委託し、お客様に葬儀サービスを提供しております。これを「委託モデル」と呼びますが、委託モデルは、2019年12月31日時点において49社の業務委託先のもと4都県(千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県)で展開しております。
委託モデルにおいては、当社従業員や当社グループ所有のホールでないものの、葬儀関連備品、供花、料理等は当社で調達し直営ホールと変わらぬ基準でサービスを提供しております。
都道府県別業務委託契約社数
東京都18 千葉県17 神奈川県6 埼玉県8 合計49

(2)仲介手数料収入(株式会社家族葬のファミーユ、株式会社花駒)
仲介手数料収入はネット集客業と仏壇等アフター商材販売の収益で構成されており、このうちネット集客業は、インターネットを使ったプロモーションによりお客様から葬儀施行の依頼を頂き、提携葬儀社及び代理店に仲介しており、2019年12月31日時点において以下の29道府県で展開しております。
 ネット集客業においては当社グループの調達ルートが活かせない遠隔地であるため、当社グループが調達を行うのではなく紹介先の葬儀社にて各自調達を行い、サービスを提供しております。この調達における当社グループの関与度合いの差によって委託先への委託料・仲介料も金額が異なるため、売上収益の認識上、葬儀売上に該当し、顧客への請求額の総額を収益に計上する委託モデルと、仲介手数料収入に該当し、顧客への請求額から委託先への支払を控除した純額を収益に計上するネット集客業を区分しております。

(3)その他のサービス(株式会社家族葬のファミーユ)
その他のサービスは、「家族葬のファミーユ」ブランドを使用するフランチャイジー(FC)からのロイヤリティ収入等、葬儀売上と仲介手数料収入いずれにも属さないサービスの収益で構成されております。
 
【業績等】
業績動向(百万円)売上収益  営業利益 税引き前利益 純利益
(連結実績)2018.5 6,417 641 465 293
(連結実績)2019.5 7,193 813 616 406
(連結予想)2020.5 8,023 700 544 371
(連結中間実績)2020.5 3,829 380 303 196

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.5 108.92 1,084.86  - 
調達資金使途 新規出店費用

上場時発行済み株数 3,444,235株 (別に潜在株式82,050株)公開株数
2,009,200株(公募50,000株、売り出し1,697,200株、オーバーアロットメント262,000株)

PER:20.1
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:44.2億
公募時時価:76億
    
【株主構成】
投組アドバンテッジパートナーズV号 ベンチャーキャピタル(ファンド)2,325,195 66.89 90日・1.5
AP Cayman Partners III, L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド) 795,168 22.87 90日・1.5
Japan Fund V, L.P. ベンチャーキャピタル(ファンド)205,303 5.91  90日・1.5
アドバンテッジパートナーズ投組64号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 68,569 1.97 90日・1.5
中道康彰 代表取締役社長兼グループCEO、子会社の取締役 50,000 1.44
関本彰大 取締役兼CFO、子会社の取締役 25,000 0.72
岡崎仁美 取締役兼CSO、子会社の取締役 2,500 0.07
下田啓明 従業員 500 0.01
宮本和信 執行役員 500 0.01
高尾幸雄 執行役員 500 0.01
都筑武文 執行役員 500 0.01
萩原智秀 執行役員 500 0.01
内田一平 執行役員 500 0.01
手塚厚 執行役員 500 0.01
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人である投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号 、AP Cayman Partners III, L.P. 、Japan Fund V, L.P. 及びアドバンテッジパートナーズ投資組合64号は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年6月3日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く。)を行わない旨合意しております。
 また、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2020年9月1日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、株式分割及びストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)を行わない旨合意しております。
 なお、上記のいずれの場合においても、主幹事会社はその裁量で当該合意の内容を一部若しくは全部につき解除できる権限を有しております。

【代表者】
代表者生年月日 1967年02月02日生まれ
代表者略歴 
1990年04月 (株)リクルート(現(株)リクルートホールディングス)入社
2002年04月 (株)リクルートコンピュータパブリシング(現(株)リクルートメディアコミュニケーションズ)出向、同社関西事業部部長
2010年04月 同社代表取締役社長 (株)リクルートホールディングス転籍
2012年10月 (株)リクルートコミュニケーションズ代表取締役社長
2013年04月 (株)リクルートキャリア転籍、同社執行役員新卒事業本部長 (株)ジョブダイレクト取締役
2016年07月 (株)エポック・ジャパン(現 (株)家族葬のファミーユ)取締役COO 9月 同社 取締役副社長
2017年06月 同社 代表取締役社長(現任) 当社 代表取締役社長
2018年04月 (株)花駒 代表取締役会長(現任) 11月 当社 代表取締役社長兼グループCEO(最高経営責任者)(現任)

【幹事団】
主幹事証券 野村  1,537,600(88.0)
引受証券 みずほ 87,400(5.0)
引受証券 SBI 34,900(2.0)
引受証券 マネックス 34,900(2.0)
引受証券 楽天 34,900(2.0)
引受証券 いちよし 17,500(1.0)

【私見】
業種としては、葬儀関係の類似業種は多いのですが、家族葬中心ということはやや優位性があります。しかし、参入障壁は低いので業種評価はできません。業績は、売上はそこそこ伸びてはいますが、利益は減益で大きな成長性は感じません。PERも他社に比べても割安感はなく、成長性を加味しても公募前後が妥当かもしれません。1.5倍までロックはかかっているものの、吸収金額も大きいので上値が重い展開が予想されます。

想定価額:2200円
仮条件上限:2320円
初値予想:2400円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3

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