2020年9月11日金曜日

IPO分析(ヘッドウォータース)

 【事業内容】

 (1) 事業サービス

当社が提供するAIソリューション事業は、企業の経営課題をITやAIのシステム開発を通して解決するインテグレーションサービス及び、インテグレーションサービスで開発したシステムの改善、保守を行うOPSサービスで構成されております。


① インテグレーションサービス

a.AIインテグレーションサービス

顧客の業務を分析し、AIの活用部分を抽出し、概念実証を行った後に選定したAIを既存の業務に組み込み運用するところまでをワンストップで行うサービスです。

 当社はAIを業務で活用する為に必要な業務ノウハウや業務システムの開発経験を幅広く積んでおります。AIのアルゴリズムを研究し、予測や認識精度の向上を目指す企業や研究所は増えてまいりましたが、研究されたAIが様々な業務システムやロボットなどのデバイスに組み込まれて活用されなければ価値が生まれません。

 当社では、顧客が所有するデータをAIに学習させることで、高度な予測機能やリコメンド機能を顧客のサービスに付加したり、スマートスピーカーやドローンにAIを組み込む事で高度な作業を人の代わりに行わせるなど、顧客の事業で活用できる様に、AIの学習モデル及びAIと連携する管理画面やWEBアプリケーションなどの周辺システムについても開発を行います。当社では、AIのアルゴリズム自体はMicrosoftやGoogleの様なAIプラットフォーマーが提供するサービスを活用することで開発期間やコストを抑え、AIプラットフォーマーが提供しているアルゴリズムを活用した学習モデルの生成や、提供された顔認識機能や自然言語解析機能などを組み込んだソリューション開発を、顧客の要望に合わせて行います。

 当社は公開されている既存技術や、当社が過去に生成した学習モデルなどを組み合わせて開発するので、顧客の業種範囲に関わらず広い分野でのサービス提供が可能です。


b.DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス

 顧客企業のIT化を支援し、企業のデジタル化を推進しております。顧客企業のAI化のファーストステップとして、アナログからデジタルへの業務・サービス変換への対応や、オンプレミスからクラウドサービスへの移行なども行っております。

 今後国内企業が高い成長を目指すには、各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は必須と考えられております。さらに新型コロナウイルスの影響によりデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは緊急性を増しております。また、今後AIの活用は普及期に入り、デジタルトランスフォーメーション(DX)からAI化への流れも加速するものと考えております。

 当社は顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)をワンストップで支援します。部分的なデジタル化ではなく、顧客の業務全体のデジタル化を目指し、計画的にシステムの開発・導入やデータの蓄積を行います。具体的には、業務分析、デジタルトランスフォーメーション計画の策定、システム開発、AI活用を見越したデータの蓄積及び解析、これらのサービスを顧客の必要に応じて提供します。


c.プロダクトサービス

 当社が有するAIプロダクト「SyncLect」や「Pocket Work Mate」等を顧客に提供、もしくはカスタマイズすることによって顧客の経営課題を解決するサービスです。

 当社はAIソリューションの開発を短納期、低コストで行うためのAIプラットフォーム「Synclect」を有するほか、業務マニュアルのデジタル化や業務ノウハウの共有を行う「Pocket Work Mate」をプロダクトとして有しております。システム開発時に「Synclect」を通して提供したAIの機能は、実装後にライセンス提供することもでき月額課金の安定した収益基盤となるサービスとして注力しております。

 また、「Pocket Work Mate」は、業務マニュアルのデジタル化や業務ノウハウの共有を行うツールになります。現在は小売業の顧客からの利用が中心ですが、医療分野や飲食分野での使用も開始されており、将来の安定した収益基盤として注力しております。


② OPSサービス

 主にインテグレーションサービスで開発したシステムの改善、保守を行っております。

当社のOPSサービスは、DXサービスのシステム運用に加えて、AIインテグレーションサービスでは常に学習を続けていく必要があるAIの機械学習サポートを行っております。どちらのサービスに対してもログの学習機能によりシステムの障害予測、障害時の自動対応機能を提供しており、当社で開発したシステムをより有効的に活用するための運用サービスとなります。


(2) 事業の特徴

① 営業フェーズでのコンサルティングによる課題解決提案

 顧客の経営課題を解決するために、営業フェーズからコンサルティングを行います。顧客の状況に合わせて、経営全般に関わるDXロードマップを作成するケースと、AIの導入に絞って適切なAIの選択や導入に関するイメージの共有を行うケースがあります。

 DXのロードマップを作成する場合は、顧客業務を分析・把握した後に課題・改善点の抽出を行い、理想的な業務フローを検討します。具体的には、属人化の排除、業務効率の向上、AI導入を目論んだデータの蓄積などの施策を計画します。

 AIの導入計画を支援する場合は、顧客の有するデータが機械学習に適しているか、どの様なAIを使用するのが適切か、実証実験から実業務に組み込み稼働させるまでにどの程度の期間とコストがかかるかの概要を計画します。また、当社では実証実験の数値的なレポートを顧客に提出するだけではなく、実際に顧客自身がAIを触って検証できる状態にして納品するので、AI導入へのイメージを顧客と共有することが可能です。

 当社では、創業期よりビジネスを意識した事業展開やエンジニアに対する教育を行っておりました。当社のエンジニアは技術に長けているだけではなく、技術をどのようにビジネスに役立てるかを考えることができ、顧客が望んでいる成果を達成するために、どのような施策が必要かを提案できることが特徴となっております。

 通常はインテグレーションサービスの営業の一環として上記のコンサルティングを行っておりますが、より詳細な分析が必要な場合には、別途業務分析のための契約を締結することもあります。


② 生産性向上を実現するワンストップのAI導入支援

 AIソリューション事業の提供に際しては、AIによって何を解決するか顧客と共通認識を持つことが全ての始まりになります。そのためには顧客業務分析やデジタル環境分析を行うことで、当該顧客の業務を理解し、適切な課題の抽出を行うことが重要です。当社は業務分析を行うチームを有しており、適切なAI導入の提案を行うことが可能となっております。その後、顧客の課題解決のために最適であろうデータ整備とAIの選定を行います。期待した効果が得られるかどうか範囲を限定したうえで実証実験を行い、方針の是非を確かめます。確証が得られれば、周辺のシステム開発を含めて、AIを実業務に実装します。この一連のAI導入の流れを前提に、各パートを実行することで顧客が納得できる成果を得ることが可能になります。また、AIの精度を向上させるためには継続的な学習が必要ですが、その事を顧客に予め伝え了承を得ることが重要です。

 当社では納品したシステムに対する継続的な運用保守の他、IoTデバイスとのデータ連携、顧客との契約に基づき、AIの精度を向上させるための継続的な学習を前提としたプラットフォーム構築の提供も行っております。早期からAIに携わり、創業以来培ってきたシステム開発のノウハウに、AI導入を組み込むことによって、様々な顧客にAIを導入する支援を行ってまいりました。この経験により、AI導入の提案、システムの開発、データ連携、追加学習、マルチデバイスという一連のプロセスを提供できるようになり、このプロセスをワンストップで提供できるのが、当社の特徴の一つになっております。


 (3) 経営戦略

 当社は、顧客の事業を変革し成長させるコアの技術をAIと定めて、あらゆる企業に対してワンストップでAIソリューション提供を行っております。多くの企業にAIを活用したソリューションを使ってもらうためには、使いやすく、適切な金額でAI機能を提供することが必要となります。すなわち「AIの民主化」が当社の経営戦略上のテーマになります。また、当社は長期的に利用されるAI活用を目的として、そのファーストステップとなる顧客各社のデジタルトランスフォーメーションを支援いたします。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2018.12 933 45 51 43

(単独実績)2019.12 1,067 120 121 100

(単独予想)2020.12 1,134 184 172 138

(単独中間実績)2020.12 588 134 131 110


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2020.12 163.79 779.88 0

調達資金使途 人材採用費および人件費

上場時発行済み株数 922,800株 (別に潜在株式125,400株)

公開株数 115,000株(公募100,000株、オーバーアロットメント15,000株)


PER:13.6

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:2.6億

公募時時価:21億

    

【株主構成】 

篠田庸介 代表取締役 568,800 59.98 180日

プライムロック2号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 91,000 9.60 90日・1.5日

プライムロック1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 80,000 8.44 90日・1.5日

(株)ベクトル 特別利害関係者など 64,000 6.75 90日・1.5日

トリプルワン投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 21,600 2.28 90日・1.5日

(株)チェンジ 資本業務提携先 16,400 1.73 180日

疋田正人 従業員 15,000 1.58

萱沼武広 従業員 15,000 1.58

(株)IBJ 特別利害関係者など 10,600 1.12 90日・1.5日

畠山奨二 取締役 9,000 0.95

BCホールディングス(株) 資本業務提携先 8,200 0.86

(株)AMBITION 資本業務提携先 8,200 0.86

(株)ROBOT PAYMENT 特別利害関係者など 8,000 0.84

(株)オークファン 特別利害関係者など 8,000 0.84

菅下清広 特別利害関係者など 8,000 0.84


【代表者】

基本事項 https://www.headwaters.co.jp/

代表者名 篠田 庸介(上場時52歳5カ月)/1968年生

本店所在地 東京都新宿区新宿

設立年 2005年

従業員数 74人 (7/31現在)(平均32歳、年収432.8万円)

株主数 12人 (目論見書より)

資本金 243,866,000円 (8/24現在)


代表者略歴年月 概要

1989年06月 (株)プレステージジャパングループ入社

1993年09月 (株)アーティック21入社

1997年09月 ジャパンエデュケーションキャピタル(株)(現(株)スマートビジョン)設立、代表取締役会長

1999年09月 (株)ネットマーク(現(株)アイソルート)設立、代表取締役社長

1999年09月 (株)日本サービス企画設立、取締役

2004年03月 ジャパンエデュケーションキャピタル(株)(現(株)スマートビジョン)入社

2005年11月 (株)スマートビジョンテクノロジー(現当社)設立、代表取締役(現任)

2006年09月 (株)スマートビジョン取締役就任


【幹事団】

主幹事証券 みずほ 90,000 90.00

引受証券 SBI 3,000 3.00

引受証券 大和 2,000 2.00

引受証券 楽天 1,000 1.00

引受証券 松井 1,000 1.00

引受証券 東海東京 1,000 1.00

引受証券 極東 1,000 1.00

引受証券 あかつき 1,000 1.00


【参考類似企業】 今期予想PER 8/28

2335  キューブシス 21.1倍(連結予想 )

2349  エヌアイデイ 30.4倍(連結予想 )

3817  SRAHD 9.2倍(連結予想 )

3844  コムチュア 33.5倍(連結予想 )

3916  DIT 19.7倍(連結予想 )

3988  SYSHD 17.9倍(連結見込 )

3992  ニーズウェル 17.3倍(単独予想 )

4055  ティアンドエス 133.2倍(単独予想 )

4709  IDHD 12.9倍(連結予想 )


【私見】

 AI関連で何が凄いのかと言われると答えるのに難しいのですが、目論見書を見るところAIという言葉が乱発され、ベクトルやチェンジなどが株主でSBI主幹事でもおかしくない銘柄です。業績はそこまで良くはないですが、業績判断することは無意味で、需給とイメージだけの短期投資で良いかと思います。超小型でVCも気にならない程度なので売り圧力はなく、3日目にに突入することはほぼ間違いないと思います。そこまで中身がある銘柄だとは思いませんが、10倍になっても200億強なので高い位置でのマネーゲームの可能性があります。 


想定価額:2240円

仮条件上限:2400円

初値予想:21000円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価4.5

2 件のコメント:

  1. 200万超え予想ですね。そこまでいくと、資金面で厳しい上にリスク高いかもしれません。
    アクシスを複数購入も検討中。

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  2. 200マン超えはリスク高いですね。
    他も高い可能性ありますが。

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