2020年9月13日日曜日

IPO分析(アクシス)

 【事業内容】

 (1)システムインテグレーション事業

 金融機関、官公庁等の公共機関、一般事業会社及びそのグループ会社、もしくは一次請けとなるシステムインテグレーターを顧客として、各種業務アプリケーションの設計開発業務及び運用保守業務を請け負うサービス、インフラシステムの設計構築業務及び運用保守業務を請け負うサービスを提供しております。

 業務アプリケーション開発サービスは、主に金融機関のデリバティブ取引、外貨資金取引、債権管理、リスク管理、勘定データ移行、年金等のシステム開発・構築にこれまで携わってきました。これらの金融機関のシステム開発・構築にて培ったノウハウ、大規模プロジェクトの管理経験等をベースに、現在は官公庁分野(車両情報管理システム等)、電力分野(停電情報配信システム、配電設備点検システム等)、航空関連分野(予約システム等)等の公共性の高い業務アプリケーション開発等に対応可能な分野を広げております。

 インフラシステム構築サービスでは、業務アプリケーションを稼働させるための基盤となるインフラシステムを構成する各種サーバー、ネットワーク、ストレージ等の設計構築や、稼働後のインフラシステムの運用保守を行っております。運用保守においては、主に金融機関を対象として、当社技術者が日々のシステム稼働状況を監視し、適切なタイミングでの部品交換、ソフトウエア更新計画の策定・実行、次期システム構成に関する検討・提言を行っております。当社が行うインフラシステムの対象はメガバンクを始めとした金融機関、公共機関が中心となっております。インフラシステムでは安定稼働(処理量が多い場合でも処理速度が落ちないこと、インターネットからの一時的な利用増加にも対応可能であること)が求められておりますが、当社技術者は、そのために必要なサーバー仮想化に関する高度な設計構築能力を有していることが特徴です。更に、近年ニーズが高まっている、顧客にてサーバー機器を保有しないAWS等のIaaSをはじめ、PaaSやSaaSを活用したインフラ構築についても対応可能であることが強みであります。

 業務アプリケーション開発サービス及びインフラシステム構築サービスともに、当社の技術者だけでは人員が不足する場合には、技術者派遣や再委託先であるビジネスパートナーに協力頂き、顧客からの需要増に対応しております。


事業の特徴は以下のとおりです。

① 金融業務についての専門性

 当社は、金融機関をエンドユーザーとする売上割合が多いことが特徴です(当事業年度の売上比率は、金融69.0%(市場系36.5%、勘定系6.3%、その他26.2%)、公共18.6%、その他12.4%)。その理由として、銀行業における、金融商品取引管理、外貨資金取引等の市場系システム、融資ローン、預金為替等の勘定系システム、債権管理、リスク管理等のその他の金融系システムの開発において、銀行員と対等にコミュニケーションを図るために必要な深い業務知識を有していることが挙げられます。具体的には、有識者が少ない市場系業務において顧客と継続的な協力関係を築き、そのシステムに関わることにより、システム企画・設計段階で顧客がシステムに求める機能や使い勝手等を顧客目線で検討し提案を行うことができる有識者及び市場系業務で使われるパッケージ製品に関する有識者を育成することができております。これにより、市場系業務においてコンサルティング・情報分析からシステム企画・設計、システム開発、システム運用・保守までのトータルサポートを請負うことができることも強みとなります。銀行業以外の証券・クレジット・保険・その他の金融機関向けには、顧客管理、加盟店管理、契約・保全管理等についてのシステム開発の実績を有しております。

 インフラシステム構築サービスにおいては、金融機関向けシステムに求められる品質を満たす設計、構築に関する経験を持っており、特に、クレジット決済の業務知識を保有していることにより、多数の金融機関が相互に関わるクレジットカード決済プラットフォームの構築を手掛ける等、インフラシステム構築においても金融業務の専門性を有しております。


② 環境変化に適応する柔軟性

 現在、システムインテグレーションは、クラウドから始まったデジタル革命により、大きな変革の時を迎えており、アプリケーションやインフラシステムの構築技術は、従来のプログラムによるシステム開発からプログラムを必要としないプログラムレスやプラットフォームを活用した開発へのシフトが進展しており、これにより生産性が向上し、コストダウンが実現すると共にシステム投資全体の拡大が見込まれております。このクラウド技術の活用は、金融機関や公共機関にも広がり始めており、金融分野においては、総合金融へのシフトやネットバンク、流通系の銀行の増加、貸金業の台頭や決済の多様化が進む中で、新しいIT技術を活用したFintechが進展しており、システムインテグレーション事業を取り巻く環境は大きく変化しております。

 このような市場環境の中で、顧客の事業に対して新しい価値を作り出していくデジタルトランスフォーメーションを支援するために、当社は、システムをゼロからプログラムにより開発する従来型のシステムインテグレーションから、Salesforce、intra-mart、AWS、Google Cloud Platform、RPA、AI 等のプログラムレスやプラットフォームを活用したシステムインテグレーションに着手するとともに、金融分野で進展する業務システムクラウド化、ネットバンク、レンディング、決済サービス等のFintechにも取り組んでおります。

 プログラムレスやプラットフォームを活用したシステムインテグレーションについては、ワークフローシステムの構築、複雑なフローの追加や修正及び新たな機能の追加が簡易な操作で可能なintra-mart、営業支援システムを簡単に構築可能なSalesforce、業務自動化需要の高まりを受け注目されているRPAに着目し、当社でもスキル習得を行い多数の有識者を育成することで、業務効率化支援に積極的に取り組んでおります。業務自動化を有効に構築するには、RPAツールについての知見が重要となりますが、当社は「WinActor」と「UiPath」についての知見を有しております。国産RPAツールである「WinActor」については、構築実績を持っており、RPAツールで高いシェアを持つ「UiPath」については、UiPath株式会社が認定する「RPAディベロッパーFoundation」を取得し、UiPath株式会社のUiPathサービスパートナーに登録されております。RPAを活用した実績としては、複数の金融機関において、業務の自動化を通じた作業効率の大幅な削減を実現しております。

 Fintechについては、トランザクションレンディングシステムの開発、キャッシュレス化への対応を行うネット銀行向けの決済プラットフォームの構築、銀行の基幹業務システムや市場系システム等をAWS等のクラウドサービス上で構築する業務にも取り組んでおります。

 既存の領域にとらわれることなく、このような今後シフトしていくと見込まれているプログラムレスやプラットフォームを活用したシステムインテグレーション、Fintech及び主に後述のクラウドサービス事業にて取り組んでいるIoTサービスについても柔軟に取り入れており、既に実績を重ねていることが特徴になります。

 なお、当社では、金融業務システムのクラウド化、キャッシュレス決済のプラットフォーム開発等の新しいテクノロジーに対応した金融分野の開発、プログラムレスでのシステム導入、intra-martやSalesforceのようなプラットフォームを活用したシステム導入、RPAを活用した業務効率化、様々な業務システムのクラウド化のような新しい業務システムの導入や支援また、AWS IoTを活用したテレマティクスサービス等のIoT技術を活用したサービス提供を成長領域と当社では定義づけております。


③ 大手顧客との継続取引による安定性

 当社は、人材育成に力を入れてきたことから、金融業務に関する深い知識を有した人材、大規模プロジェクトを管理できる人材を有しております。また、金融機関向けのシステム開発に求められる高い品質要求を満たすための品質管理手法を習得してきたこと、ISO27001やプライバシーマークの認証を取得してきたこと、セキュリティ及び個人情報保護に対する意識を高める施策を継続して実施してきたこと等により、大手システムインテグレーターからは、継続的に取引頂いております。更に、当社は大手システムインテグレーター及びそのグループ会社だけではなく、メガバンクを含む銀行グループを顧客としております。当事業年度の売上に占める大手システムインテグレーター(富士通グループ、エヌ・ティ・ティ・データグループ、日本ユニシスグループ)の割合は59.0%、銀行グループ(三井住友フィナンシャルグループ、あおぞら銀行グループ、みずほフィナンシャルグループ)の割合は21.9%となります。また、各社との取引年数が長いこと、つまりリピートによる継続取引が多いことも特徴です(当事業年度の取引年数別の取引社数割合は、10年以上が57.7%、5年以上10年未満が19.4%)。 


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2018.12 3,213 268 275 192

(単独実績)2019.12 3,410 167 184 131

(単独予想)2020.12 3,679 264 274 193

(単独中間実績)2020.12 1,879 192 204 131


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2020.12 99.86 878.34  - 

調達資金使途 人材採用費、人材教育費、システム投資


上場時発行済み株数 2,050,000株 (別に潜在株式218,500株)

公開株数 595,700株(公募78,000株、売り出し440,000株、オーバーアロットメント77,700株)


PER:10.7

PBR:1.2

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:6.4憶

公募時時価:22億

    


【株主構成】 

小倉博文 代表取締役 1,270,000 59.33 180日

日向宏 取締役 270,000 12.61

山本浩史 従業員 260,000 12.15

横田佳和 取締役 120,000 5.61 180日

小泉彰宏 取締役 70,000 3.27

石川浩一 取締役 39,800 1.86 180日

白川雄一 執行役員 12,200 0.57 180日

水元真之介 従業員 5,000 0.23

駒井健太朗 従業員 5,000 0.23

小菅直哉 従業員 5,000 0.23

 

【代表者】

本事項 https://www.axis-net.co.jp/

代表者名 小倉 博文 (上場時58歳9カ月)/1961年生

本店所在地 東京都港区西新橋

設立年 1991年

従業員数 301人 (7/31現在)(平均32.5歳、年収472.9万円)

株主数 7人 (目論見書より)

資本金 50,000,000円 (8/27現在)


代表者略歴

1984年04月 (株)アクトリソース(現(株)フォーカスシステムズ)入社

1987年01月 (株)アイ・エス・エー入社

1991年06月 当社設立代表取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興  466,500 90.0

引受証券 SBI 10,300 2.0

引受証券 エース 10,300 2.0

引受証券 岡三  10,300 2.0

引受証券 極東  10,300 2.0

引受証券 楽天 10,300 2.0


【参考類似企業】今期予想PER 8/31現

2315  CAICA -倍(連結予想 )

2335  キューブシス 21.3倍(連結予想 )

3916  DIT 20.0倍(連結予想 )

3924  ランドコンピ 15.1倍(単独予想 )

3988  SYSHD 20.0倍(連結見込 )

3992  ニーズウェル 17.7倍(単独予想 )

3997  トレドワクス 26.9倍(単独予想 )

4284  ソルクシーズ 18.3倍(連結予想 )

4299  ハイマックス 23.9倍(連結予想 )

4333  東邦システム 18.1倍(単独予想 )

4421  DIシステム 33.1倍(連結予想 )

4430  東海ソフト 16.4倍(単独予想 )

4450  PSOL 33.5倍(単独予想 )

4491  Cマネージ 15.5倍(連結予想 )

4725  CACHD 15.4倍(連結予想 )

4762  XNET 15.8倍(単独予想 )


【私見】

 システムインテグレーション事業については大手を取引先とし安定性があるので評価はできます。更にAI insaideと同じように、AI 技術を使った OCR サービスを8月より開始し、成長性の面でも評価できます。吸収金額・時価総額も小さく、更にVCもいなく需給は非常に良いことからセカンダリーでも期待が持てます。


想定価額:1020円

仮条件上限:1070円

初値予想:4000円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・やや強気

総合評価4

2 件のコメント:

  1. ここも初値があまり高くならないで欲しいですね。ヘッドウォータースと両にらみでいく予定です。

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  2. ここも高いと思いますよ。
    高いところで買うかどうかですね。

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