2021年9月13日月曜日

IPO分析(セーフイー)

 【事業内容】

 当社は「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げ、家から街まであらゆるビジネスシーンの映像をデータ化することで、人々の意思決定を支援していきたいと考え、クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を開発・運営しております。「Safie」はサブスクリプション型で提供される録画サービスであると同時に、録画以外に様々な映像分析サービスや連携サービスを追加することができるプラットフォームとなっており、直販及び様々な販売パートナー経由で展開されております。

「Safie」の特徴は、高画質・安価・安全で、誰でも簡単にスマホやパソコンで使えることであり、監視カメラサービスとして、小売・外食・不動産・建設・警備・自治体などの幅広い業界で活用いただいております。

 監視カメラや防犯という用途にとどまらず、今までは人手不足でチェックできなかった作業工程や僻地の施設の状況を見える化したり、遠隔地の現場や複数の現場を俯瞰してみるなど、生産性向上や業務改善のための導入が広がっております。お客様が見たい場所に適切に使えるように、対応機種は毎年増加し続け、屋外型の「Safie GO」やウェアラブル型の「Safie Pocket」等の新機種を導入して、様々なシーンの映像を保存・視聴できるようになっております。

 さらに多様な顧客課題を解決するために、当社が開発した画像解析サービスを追加したり、他社のサービスや機器と連携することができる「映像プラットフォーム」として進化し続けております。

 具体的には、顔認証技術による年齢性別属性分析サービス「Safie Visitors」や、顔認証によりオフィスの鍵の開閉や勤怠管理システムとの連携が可能な「Safie Entrance」、店舗のPOSレジ情報と連携した「Safie POSジャーナル連携オプション」、来店人数を把握する人数カウントサービス「Safie AI People Count」、YouTubeに録画映像を配信する「YouTube Live連携オプション」、自動で定点撮影した画像を保存・配信する「オートスナップショット」などのサービスを展開しております。また、2020年7月に遠隔業務を変革するウェアラブルカメラ「Safie Pocket2」、2021年4月に建設現場向けに重機取付型セーフティカメラシステム「ドボレコJK」、クレーンカメラと「Safie」の連携サービスをリリースしました。

 今後も、これまで保存された様々な場面の映像データを活かして、様々な業種業界の現場ごとに最適な機種や画像解析アプリケーションやIoT機器連携ソリューションをリリースし、様々な業界の現場DXを推進してまいります。

「Safie」は自社で組み込みソフトウェアの開発も行っており、映像などのデータをクラウドにアップロードするだけではなく、クラウドからの制御に従ったデバイスの制御や、デバイスでの画像処理もできる柔軟なシステムとなっております。具体的には、対応デバイスによってクラウドからの制御によりカメラの首振りやズームの制御、高精細な静止画の取得、GPS情報の取得や、カメラにプッシュボタンなど接続された外部デバイスの情報取得も可能となっております。一部のタブレット型デバイスにおいては、顔認証の際に、デバイス側で顔の検知、顔画像の抽出、特徴点の抽出する処理などを行い、クラウドにアップロードして照合するようなことも可能です。またSafieのソフトウェアモジュールはカメラにとどまらず、ドライブレコーダーやドアホンなど多様なハードウェアに組み込むことができ、それぞれのハードウェアメーカーに対してモノ売りから脱却し、サブスクリプション型のビジネスモデルへの選択肢を提供できるプラットフォームとなっております。

 当社は2021年2月に、APIを公開し、様々な開発パートナーが当社のサービスとデータ連携を行うためのアプリケーション開発を行うことができるようにしました。API公開により広範な開発技術をもつ企業とエコシステムを構築し、「見るだけでなく、聞く、記憶する、話す、考える」ソリューションを提供する手段と位置付けております。

 販売面については、自社の直販販売網による販売のほかに、「Safie」サービスをより迅速に拡大するために、大手企業を中心に100社以上の販売パートナー網を構築しております。特にNTTグループ、Canonグループ、SECOMグループ、関西電力グループなどの企業グループと資本・業務提携を行い、販売パートナーとして当社サービスをOEM提供することで先方のブランド力を生かした「Safie」サービスの拡大を担っていただいております。2021年6月末時点でOEM提供パートナーは8社あり、残りの販売パートナーはSafieブランドのまま再販する販売パートナーとなっており、両社を合わせて販売パートナーと称しております。

 「Safie」はサブスクリプション型のサービスとして提供されており、2021年6月末時点で、課金カメラ台数が12.9万台となっております。なお、2020年のクラウドモニタリング・録画サービス市場において稼働台数ベースで約47.5%のシェアを獲得しております。  


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.12 1,957 -486 -495 -495

(単独実績)2020.12 5,047 -119 -97 -99

(単独予想)2021.12 8,020 -454 -509 -510

(単独中間実績)2021.12 3,808 95 88 86


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.12 -10.86 - 0

調達資金使途 人件費、オフィス増床費、広告宣伝費、借入金の返済、海外展開準備資金


上場時発行済み株数 49,147,700株 (別に潜在株式6,682,500株)

公開株数 10,360,000株(公募3,297,700株、売り出し5,711,000株、オーバーアロットメント1,351,300株)


・募集を行う地域

欧州及びアジアを中心とする海外市場(ただし、米国及びカナダを除く。)


PER:

PSR:14.8

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:252億

公募時時価:1194億

    


【株主構成】 

佐渡島隆平 代表取締役社長CEO 15,376,000 29.27 180日

下崎守朗 取締役 6,542,000 12.45 180日

ソニーネットワ-クコミュニケーションズ(株) 取引先 5,800,000 11.04 180日・1.5倍

森本数馬 取締役CTO 4,562,000 8.68 180日

オリックス(株) 資本業務提携先 3,250,000 6.19 180日・1.5倍

キヤノンマーケティングジャパン(株) 資本業務提携先 3,250,000 6.19 180日・1.5倍

31VENTURES-グローバル・ブレインー(同) ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,600,000 4.95 180日・1.5倍

関西電力(株) 資本業務提携先 2,400,000 4.57 180日・1.5倍

古田哲晴 取締役CFO 714,000 1.36

NTTインベストメント・パートナーズF3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 500,000 0.95 90日・1.5倍

小室秀明 従業員 410,000 0.78 180日

岩田耕一 特別利害関係者など 400,000 0.76 180日

須田将啓 特別利害関係者など 400,000 0.76 180日

藤井真人 特別利害関係者など 400,000 0.76 180日

(株)ティーガイア 資本業務提携先 400,000 0.76 180日


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である佐渡島隆平、売出人である下崎守朗、森本数馬、岩田耕一、宍戸幹央、佐渡島庸平、林数馬、三宅圭一、梶原正輝、近江昌彦及び岸田雄一、当社株主である古田哲晴、小室秀明、須田将啓、藤井真人、鈴木竜太、大重俊輔、横堀雅之、藤木麻那、池田和志、加藤史子、岩田彰一郎、杉澤奈津紀、冨田直紀、大場悠介及び廣崎圭祐並びに当社新株予約権者である株式会社MBS、菊池諒平、鈴木貴裕、加藤剛章、南喬公他2社、72名は、共同主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2022年3月27日までの期間中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。


 売出人であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社、オリックス株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI合同会社、関西電力株式会社及び株式会社ティーガイア並びに当社株主であるセコム株式会社は、共同主幹事会社に対して、180日目の2022年3月27日までの期間中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、SMBC日興証券株式会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。

 売出人であるNTTインベストメント・パートナーズファンド3号投資事業有限責任組合、価値共創ベンチャー有限責任事業組合、SMBCベンチャーキャピタル産学連携1号投資事業有限責任組合及び関西イノベーションネットワーク投資事業有限責任組合は、共同主幹事会社に対して、90日目の2021年12月27日までの期間中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、SMBC日興証券株式会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。

 

【代表者】

代表者名 佐渡島 隆平(上場時41歳11カ月)/1979年生

本店所在地 東京都品川区西五反田

設立年 2014年

従業員数 193人 (7/31現在)(平均34.7歳、年収609.5万円)

株主数 51人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (8/25現在)

代表者生年月日 1979年10月23日生まれ

代表者略歴

1999年12月 Daigakunote.com 創業

2002年04月 ソネット(株)(現 ソニーネットワークコミュニケーションズ(株)) 入社

2010年10月 モーションポートレート(株) 入社

2014年10月 当社設立 代表取締役社長CEO(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

主幹事証券 みずほ - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 大和 - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 いちよし - -

引受証券 丸三 - -


【参考類似企業】 今期予想PER(9/7)

3681  ブイキューブ 22.7倍(連結予想 )

3694  オプティム 163.1倍(連結予想 )

4308  Jストリーム 20.5倍(連結予想 )

6750  エレコム 15.7倍(連結予想 )

6752  パナソニック 15.7倍(連結予想 )

6771  池上通 14.6倍(連結予想 )

7758  セコニック 19.2倍(連結予想 )


【私見】

 ソニー色の強い映像関連のスタートアップで業種としては良さそうな銘柄ですが、赤字の1000憶規模の上場で地合いにもより判断が難しい銘柄です。業種は違いますが、比較企業としてはプレイドで時価総額比では1200憶弱でほぼ同一、PSRで判断するとプレイドが割高ラインぎりぎりの20なので、こちらは1600憶の3250円が上限。需給海外売出しもあり、VCのロックも1.5倍なので、年末のような地合いであれば3000円超えも可能性はありますが、大型上場なども多く今の地合いではそこまで上がらない可能性が高いと予想します。


想定価額:2280円

仮条件上限:2430円

初値予想:2600円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5


0 件のコメント:

コメントを投稿