2021年9月7日火曜日

IPO分析(ユミルリンク)

 【事業内容】

  自社で開発したソフトウエアをデータセンターに設置したサービス基盤上で稼働させ、クラウドサービスとして提供するSaaS形式と、顧客が指定するサーバ機材にソフトウエアを設置し利用環境を提供するソフトウエア形式の2形式で主に企業や自治体(以降「顧客」と記載します)にサービスを提供しております。 SaaSとは「Software as a Service」の略でソフトウエアをインターネット経由でサービスとして提供するビジネスモデルまたはその活用方式で、利用者はインターネットに接続可能な端末とブラウザ(インターネット閲覧ソフト)があれば目的とするサービスや機能を短期間で利用開始でき、利用期間中においては提供者からシステム保守やソフトウエア更新など専門性の高いサービスが提供されます。

 近年は、企業のICT投資がハードウエアからソフトウエアに移行し、SaaSをはじめとしたクラウドサービスを利用する企業が増加しており、当社「Cuenote」においても、2021年6月度の全取引に占めるSaaS利用顧客は96.7%(取引額基準)を占めております。

 SaaSの収益は、利用開始時の初期設定売上と毎月のサービス利用売上により構成され、顧客がサービスを利用し続ける限りサービス利用売上が計上されるサブスクリプション型収益であり、新規顧客獲得や既存顧客のプラン追加等によるサービス利用売上の増加額が解約やプラン変更による減少額を下回らない限り、毎月の収益が増加し安定的な収益基盤となることから、定期契約額(SaaSのサービス利用売上や買取型ソフトウエアの保守売上など、一定期間の役務や利用を定めた契約に基づく収益:月次経常収益)を重要な経営指標として定め、この指標に影響する期末の定期契約額(月次経常収益)とメールサービスの解約率の推移を管理しております。

 なお、当社がデータセンター事業者からデータセンターラック及びインターネット接続回線の供給を受けているデータセンターは、2021年7月31日現在において6箇所(東京都3箇所、大阪府2箇所、福岡県1箇所)となります。


 <「Cuenote」とは>

「Cuenote」は、顧客のマーケティング、コミュニケーション活動を支援するソフトウエアシリーズで、「安全・信頼性」「利便性」「経済的合理性」の向上を踏まえ、企画、設計、開発、運用、販売、保守を一気通貫でサービス提供できるノウハウを有する垂直統合型のビジネスモデルにより手掛けております。


「Cuenote」シリーズには、メールマガジンやニュース速報など数百万件~数千万件の宛先にもメールを高速配信する性能とマーケティングのための各種機能を搭載した「Cuenote FC」、ECサイトや会員サイトにおける通知や認証など即時性と確実性を求められるトランザクションメールに効果的な「Cuenote SR-S」、SMS(ショートメッセージサービス)による本人認証や通知、督促、プロモーションを実現する「Cuenote SMS」、マウスやキーボードの容易な操作でセキュリティに配慮されたWebアンケートやWebフォームを作成できる「Cuenote Survey」、地震・自然災害発生時に従業員やスタッフの安否確認や緊急参集をするための「Cuenote 安否確認サービス」などがあり、SaaSやソフトウエア形式で提供しております。


・「Cuenote FC」(メール配信システム)

「Cuenote FC」は、企業がメールを活用して、消費者との関係を構築したり、販売促進を通じ消費者の購買意欲を高めたりといったマーケティング活動を行うために用いるメール配信システムで、SaaS形式及びソフトウエア形式で提供しております。

主な用途としては、ECサイトや会員サイトなど、消費者に対してプロモーション情報や商品の情報を伝えるためのメールマガジン、自治体が災害や防災情報等を住民のスマートフォンや携帯電話に対して、メールで一斉に伝える緊急速報メール、法人が潜在顧客に対して、見込み顧客の購買意欲を高めるためのリードナーチャリングなど、大量のメール配信を行う場面に活用されております。

また、メールを「いつ・誰が開封・クリックしたか」、「メール経由で購入したか(コンバージョン)」といったメールマーケティング効果を測定・把握し、蓄積されたメールの行動データを次のマーケティング施策に活用することで、マーケティング活動を効果的、効率的に実施できると考えております。

さらに、メールの行動履歴(開封・クリックなど)やWebサイトでの行動、購入履歴データなどを利用したセグメントやシナリオメール、顧客属性に合わせたパーソナライズ配信に加え、メールの開封率やクリック率、コンバージョン率を高めるためのABテスト、お客様システムやマーケティングツールとのデータ連携を可能とするAPIを活用することで、より効果的なメールマーケティングを実現します。


・「Cuenote SR-S」(メールリレーシステム)

「Cuenote SR-S」は、既存のメール配信システムからSMTPリレー(注4)し、メールを代行して配信することで、メールの遅延や不達を解消するメールリレーシステムです。

メールをSMTPリレーして配信するだけではなく、APIによるメール配信も可能とし、企業側のシステムでMTAを用意しなくとも円滑なメール配信を実現することも可能です。

主な用途として、ECサイトや会員サイトにおける商品発送、登録完了、購入完了などの重要な通知メールなど、トランザクションメールを高速・確実に届けるために活用されております。

大量の宛先に一斉に送るマーケティングメールには「Cuenote FC」、通知メールなどのトランザクションメールには「Cuenote SR-S」を活用することができ、企業から消費者に送るメールに関する幅広いソリューションを提供しています。


・ 「Cuenote SMS」(SMS配信サービス)

「Cuenote SMS」は、企業から個人向けにSMSを配信するサービスです。SMSは、スマートフォンや携帯電話を所有する人に対して、個人が特定されている携帯電話番号へ送信することが可能であること、ナンバーポータビリティにより携帯電話番号自体の変更がされにくいことから、本人認証、重要な通知、業務連絡、督促通知、予約のリマインド、プロモーションなどの用途に利用されております。

 当社が提供するSMS配信サービスは、国内の4キャリアと直接接続し、携帯電話事業者が認める正規配信ルートを通じて配信することで、大量・確実にSMSを配信できます。

また、企業の利用用途に応じて、SMS配信サービスを管理画面から操作することで配信を行う手動配信、企業のシステムからAPIを通じて配信の指示を行う自動配信の双方で、SMSを配信できます。


・「Cuenote Survey」(Webアンケートシステム)

「Cuenote Survey」は、HTMLやプログラミングなどの知識が不要で、比較的容易なマウスとキーボード操作でスマートフォンやPCに対応し、セキュリティに配慮されたWebアンケートや問い合わせWebフォームを作成できるシステムです。

 主な用途として、消費者や企業に対する顧客満足度調査、消費者に対するアンケート、Webサイトで利用される問い合わせ・申し込みフォームなどで利用されております。


・「Cuenote 安否確認サービス」(安否確認サービス)

「Cuenote 安否確認サービス」は、地震・自然災害発生時に従業員やスタッフに対して、自動で安否確認や緊急参集が行えるサービスです。地震や津波などの気象災害時に気象データと連携して、自動で安否確認メールを配信します。従業員やスタッフが回答した安否状況に関する情報は、管理者がリアルタイムに確認でき、従業員の安否確認や緊急参集などの用途で利用されております。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.12 1,453 229 233 159

(単独実績)2020.12 1,629 322 326 224

(単独予想)2021.12 1,750 350 324 222

(単独中間実績)2021.12 912 179 177 121


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.12 60.94 413.01  - 

調達資金使途 設備資金、運転資金


上場時発行済み株数 3,892,600株

公開株数 1,467,400株(公募338,200株、売り出し937,800株、オーバーアロットメント191,400株)


PER:16.4

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:14.7億

公募時時価:39億

    

【株主構成】 

アイテック阪急阪神(株) 親会社 3,108,500 87.45 90日

清水亘 代表取締役社長 260,700 7.33 90日

及川英夫 従業員 169,200 4.76 90日

佐野拓 従業員 10,000 0.28 90日

市川卓也 従業員 6,000 0.17


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人であるアイテック阪急阪神株式会社並びに当社株主である清水 亘、及川 英夫及び佐野 拓は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2021年12月20日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨合意しております。

 

【代表者】

代表者名 清水 亘(上場時49歳9カ月)/1971年生

本店所在地 東京都渋谷区代々木

設立年 1999年

従業員数 111人 (7/31現在)(平均39.4歳、年収573.1万円)

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 118,281,000円 (8/17現在)

代表者生年月日 1971年12月01日生まれ

代表者略歴

1992年04月 (株)仏光堂入社

2000年03月 シノックス(株)入社

2001年04月 (株)パイプドビッツ入社

2002年07月 当社入社

2005年10月 Forcast事業部統括

2007年10月 開発本部長

2008年03月 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -


【参考類似企業】今期予想PER(8/20)

2323  fonfun 18.9倍(連結予想 )

3923  ラクス 562.9倍(連結予想 )

4020  ビートレンド 29.7倍(単独予想 )

4058  トヨクモ 76.8倍(単独予想 )

4193  ファブリカ 21.6倍(連結予想 )

4395  アクリート 39.4倍(単独予想 )

4476  AICROSS 20.3倍(単独予想 )


【私見】

 クラウド関連で業種としては悪くはありませんが、アイテック阪急阪神の子会社で優位性は感じず高い評価はできません。業績は緩やかな伸びで大きな成長性は感じず、需給としては親会社を含めロックはかかっているので問題はなく、規模も小さめなので初値段階で上がる可能性は高いでしょう。


想定価額:950円

仮条件上限:1000円

初値予想:2200円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5


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