2021年9月8日水曜日

IPO分析(ROBOT PAYMENT)

 【事業内容】

(1)事業の種類

① ペイメント事業

 ペイメント事業では、主に消費者向けECをはじめとしたインターネット上で販売等を行う事業者、および企業間ビジネスを行う事業者向けに「インターネット決済代行サービス」を提供しております。加盟店に代わり、当社が一元して金融機関やカード会社といった各決済事業者との契約手続き、決済情報連携を行うため、加盟店がそういった手続きの手間や時間を割くことなく、クレジットカード決済・キャリア決済・コンビニ収納・口座振替・銀行決済等の様々な決済を利用できる決済サービスを提供しております。「インターネットペイメント」「サブスクリプションペイメント」の二つのブランド名を付して、様々なニーズを持つ加盟店よりお問い合わせを頂いております。当社のサービスの特徴としては、「サブスクリプションペイメント」として、毎月や毎週など継続的な課金を自動で行うエンジンを搭載している点が挙げられます。これは、特にサブスクリプションビジネスを支援する機能であり、これにより、加盟店のサブスクリプションビジネスにおける決済関連業務の効率化が実現され、継続的な課金に応じて生じる毎月の業務を削減することができます。また、多様な課金スケジュールを柔軟に設計でき、柔軟なサービス設計の一助となります。さらに、サブスクリプションビジネスに必要な顧客管理機能も搭載されており、加盟店は当社のセキュアな環境において決済に紐づいた様々な顧客データを管理することが可能になり、それらのデータを用いることで、会員の解約の防止やリピート促進などの施策を講じることができ、顧客価値の最大化が可能となります。アカウント数、及びARPA 


② フィナンシャルクラウド事業

 フィナンシャルクラウド事業では、主にBtoBビジネスを行う事業者をはじめ、BtoCビジネスを行う事業者などに対して「請求・集金・消込・催促」という請求に関する業務を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」を提供しております。サブスクリプションビジネスを営む事業者を中心に幅広い顧客に利用頂いております。サブスクリプションビジネスにおいては、定期定額課金のビジネスであるために毎月同じような請求業務を繰り返しミスなく行わなければいけないという課題を「請求管理ロボ」が解決します。事業者は、請求書の自動発行・送付、請求先の未収状況等の管理に加え、クレジットカード決済・キャリア決済・コンビニ収納・口座振替・銀行決済など幅広い決済情報の一元管理が可能となります。また、Salesforce®・Kintone等の顧客管理システムや、マネーフォワード・freee・PCA会計・弥生会計・勘定奉行等の会計システムなど、請求業務を起点とした周辺業務向けのシステムとの連携も可能であることから、顧客管理から会計までの一気通貫の業務フローの構築が可能となり、かつ事業者の様々なニーズ、業務フローに対応した商品設計となっております。


(2)各事業のビジネスフローについて

① ペイメント事業

 当社は加盟店に代わり、各決済事業者との決済処理を行うシステムの提供、包括した契約を行うため、一度当社に売上が入金され、その後当社が以下のサービス利用料を徴収したうえで、当社から加盟店へ送金します。

 当社は、サービス利用料として以下を加盟店から得ております。

・イニシャル:当社決済システムを利用するためのアカウント発行、各種初期設定、接続サポート等に対する初期導入費用、他社への顧客紹介の際に発生するフィー

・ストック:システム利用や利用期間中のカスタマーサポート等に対する月額固定費用

・スプレッド:加盟店の売上に対して料率で課金される、当社の精算処理に対する手数料、対面決済における手数料

・フィー:決済データ処理の件数に応じて課金される決済処理に対する費用


② フィナンシャルクラウド事業

 当社は利用企業に「請求管理ロボ」をSaaS型で提供しており、サービス利用料として以下の収益を得ております。

・イニシャル:「請求管理ロボ」のアカウント発行、各種初期設定(請求書フォーマットカスタマイズ等含む)などのサービス開始時における導入支援費用

・MRR:「請求管理ロボ」の利用や利用期間中のカスタマーサポート等に対する月額固定費用、請求書の郵送代行や各プランの上限を超過した請求件数の処理等に対する従量課金の費用

 なお、クラウド版の「請求管理ロボ」の他に、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するエンタープライズ企業向けのクラウドプラットフォームSalesforce®において、ビジネス用アプリケーションマーケットプレイスであるAppExchange上で「請求管理ロボ for Salesforce」を提供しており、この場合、株式会社セールスフォース・ドットコムからライセンスの付与を提供され、その対価としてライセンス利用料を支払うフローが入ります。


(3)各事業の収益構造について

① ペイメント事業

 ペイメント事業の「インターネット決済代行サービス」において、サービスの内容に従って「イニシャル」「ストック」「スプレッド」「フィー」の4つに売上を区分しております。顧客である加盟店数が増えると、主に初期費用である「イニシャル」が計上され、サービス利用期間中は、月額固定費用の「ストック」が計上される他、加盟店の取扱高や件数の増加に伴い、「スプレッド」「フィー」が増加し、一加盟店からの収益増加に寄与します。「イニシャル」のうち継続的に発生するフィー、「ストック」「スプレッド」「フィー」はサービス利用期間に渡って顧客から継続的に繰り返し当社の売上に寄与するものとして、「リカーリング収益」と定義しております。


② フィナンシャルクラウド事業

 フィナンシャルクラウド事業の「請求管理ロボ」はSaaS型で顧客へ提供されるサービスであり、サービスの内容に従って「イニシャル」「MRR」の2つに売上を区分しております。顧客企業数が増えると、主に初期費用・導入支援費用である「イニシャル」が計上され、サービス利用期間中は、月額固定費用を中心に、請求書の郵送費用や請求件数の超過件数等に応じた従量課金の費用も加えた「MRR」が増加し、一顧客企業からの収益増加に寄与します。「MRR」はペイメント事業と同じくその性質から、「リカーリング収益」と定義しております。

  上記の通り当社の安定的な収益基盤として、「リカーリング収益」というものを定義しております。リカーリング収益比率は2021年12月期第2四半期末時点で両事業においてそれぞれ96%以上となっており、当社の収益構造の特徴となっております。


【業績等】

業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益

(単独実績)2019.12 910 30 27 -153

(単独実績)2020.12 1,078 86 79 109

(単独予想)2021.12 1,333 150 124 102

(単独中間実績)2021.12 657 108 111 89


1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当

(単独予想)2021.12 28.22 - 0

調達資金使途 広告宣伝費、採用費・人件費、設備投資


上場時発行済み株数 3,728,566株 (別に潜在株式352,566株)

公開株数 253,000株(公募110,000株、売り出し110,000株、オーバーアロットメント33,000株)

 

PER:65.9

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:4.7億

公募時時価:69億

    

【株主構成】 

清久健也 代表取締役 1,699,864 42.81 180日

KKキャピタル(株) 代表取締役の資産管理会社 396,032 9.97 180日

GMCMVentureCapitalPartners I Inc ベンチャーキャピタル(ファンド)320,000 8.06 90日・2倍

(株)ベクトル 特別利害関係者など 165,000 4.15 90日・2倍

BSP第4号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 109,088 2.75 90日・2倍

(株)Orchestra Investment ベンチャーキャピタル(ファンド) 105,610 2.66 90日・2倍

小野進一 外部協力者 86,408 2.18 

(株)エアトリ 特別利害関係者など 82,500 2.08 90日・2倍 

100キャピタル1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 72,608 1.83 90日・2倍

菅下清広 特別利害関係者など 59,800 1.51 90日・2倍

川本圭祐 取締役 52,300 1.32 90日・2倍

(株)AMBITION 特別利害関係者など 49,602 1.25 90日・2倍


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である清久健也、並びに当社株主であるKKキャピタル株式会社、祖父江純、川本圭祐、清久長和、清久冨士子、森秀樹、小倉政人、清久里菜、森和子、田中敦、田中加奈子、森山泰史、塚越裕太及び石橋慶太は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2022年3月26日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 また、当社株主であるGMCM Venture Capital Partners Ⅰ Inc、株式会社ベクトル、BSP第4号投資事業有限責任組合、株式会社Orchestra Investment、株式会社エアトリ、100キャピタル1号投資事業有限責任組合、菅下清廣、株式会社AMBITION、宮前幸央、森田寛、株式会社エルテスキャピタル、白石徳生、有限会社オフィス高橋、合同会社YTCAPITAL、海老根智仁、榊原暢宏、株式会社丹羽キャピタル、西田祥、中西康浩、株式会社オークファン及び吉村ホールディングス株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2021年12月26日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の2倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。

 

【代表者】

代表者名 清久 健也(上場時51歳4カ月)/1970年生

本店所在地 東京都渋谷区神宮前

設立年 2000年

従業員数 75人 (7/31現在)(平均31歳、年収503.4万円)

株主数 40人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (8/24現在)

代表者生年月日 1970年05月07日生まれ

代表者略歴

1993年04月 (株)電通入社

2000年10月 当社代表取締役(現任)

2017年12月 KKキャピタル(株) 代表取締役(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI 187,000 85.00

引受証券 野村 8,800 4.00

引受証券 大和 8,800 4.00

引受証券 松井 4,400 2.00

引受証券 楽天 3,300 1.50

引受証券 岩井コスモ 2,200 1.00

引受証券 東海東京 2,200 1.00

引受証券 極東 1,100 0.50

引受証券 東洋 1,100 0.50

引受証券 あかつき 1,100 0.50


【参考類似企業】


【私見】

 請求書・ペイメントなどクラウドでの管理事業で業種妙味がありますが、同業も多く今後競争も激化しそうです。SBIのベクトル案件で規模的にも小さくしてロック基準は珍しく2倍にして株価を上げたい意図が見られます。2倍で売却しそうなVCがずらりと並んでおり、2倍以上のセカンダリーはリスクが高そうです。


想定価額:1760円

仮条件上限:1860円

初値予想:3600円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価3.5


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