2023年12月1日金曜日

IPO分析(魁力屋)

 【事業内容】

 ​『京都背脂醤油ラーメン』を主力商品とする「京都北白川ラーメン魁力屋」を運営する飲食事業を主に行っており、郊外ロードサイド及び商業施設内のフードコート等に2023年9月末現在130店舗(うち、直営店102店舗、独立店24店舗、FC加盟店4店舗)を出店しております。

 ・直営店

 当社が店舗設備投資を実施し、当社の従業員が店舗を運営する形態であります。


・独立店及びFC加盟店

 独立店は従業員のキャリアプランとして設けた社員独立支援制度に基づき、FC加盟店はFC加盟企業と締結するフランチャイズチェーン加盟契約に基づき、店舗設備投資及び店舗スタッフの人件費を含む店舗運営に関わる全ての費用を各法人・個人の負担により運営する形態であります。当社は、当社ブランドの商標使用許諾及び本部サービス提供に対する対価を収受しております。

 その他、ラーメン魁力屋以外に、から揚げ専門店等を10店舗出店しております。


・魁力屋

・京都北白川ラーメン魁力屋

(130店舗)

醤油と鶏ガラをベースにしたスープに豚の背脂を落とした「京都背脂醤油ラーメン」を主力商品に提供しております。郊外ロードサイドを中心に、商業施設内のフードコート等に出店しております。


その他

・「からたま屋」(3店舗)

・「とりサブロー」(6店舗)

・「KIBARU」(1店舗)

「からたま屋」と「とりサブロー」は、から揚げを主力商品とするテイクアウト専門であります。「KIBARU」はタンメンを主力商品としたラーメン店であります。



(1) 魁力屋事業部門

①商品の特徴

 当社の看板メニューである「特製醤油ラーメン」は醤油と鶏ガラスープをベースに、豚の背脂を落とした京都ラーメンと呼ばれる「背脂醤油ラーメン」で、「あっさりしていてコクがある、飽きのこない、ちょっと懐かしいラーメン」を商品コンセプトとしています。おすすめメニューとしまして、「特製醤油ラーメン」に、とろっとろの半熟玉子をトッピングした「特製醤油味玉ラーメン」、シャキシャキの九条ねぎをたっぷりトッピングした「特製醤油九条ねぎラーメン」、醤油の香りとキレが特徴のスープに背油と中細麺がよく絡み濃厚な味わいの「京都漆黒醤油ラーメン」に半熟玉子をトッピングした「京都漆黒醤油味玉ラーメン」等を取り揃えております。

 また、「焼きめし」「餃子」「唐揚げ」等の定食メニューや「お子様メニュー」を取り揃えることで、客層と利用動機の拡大を図っております。特に「焼きめし」は、店内調理にこだわり、マイスター制度(資格検定制度)を導入するなど、品質の安定と向上に努め、他社との差別化アイテムとして強化しております。


②接客サービスの特徴

 当社の従業員には「店舗理念」「基本コンセプト」等が記載された『クレド』を常に携帯するように指導し、本社は朝礼で、店舗は入店時に「店舗理念」「基本コンセプト」を唱和することで、その浸透を図っております。特に「基本コンセプト」の『私たちは「挨拶」と「掃除」を基本として、常に素直な心を持ち、物事をプラス発想で考え、お客様の笑顔のために、「笑顔」と「元気」と「気くばり」で地域一番店を目指します』を、従業員の行動指針とし、「接客の良いラーメン店」と評価していただけるよう取り組んでおります。


③店舗の特徴

 主力出店立地である郊外ロードサイド店舗は10台以上の駐車場を備え、150~300坪程度の敷地に建坪30坪、43席(カウンター13席・テーブル5卓(30席))を標準型とし、お一人様からファミリー層まで幅広いお客様に利用していただくとともに、コンパクトなレイアウトにより初期投資と賃料を抑えております。

 また、店舗レイアウトは従業員がお客様に意識を向けることができるよう、厨房と客席が一体となったオープンキッチン形式を基本レイアウトとしております。

 

(2) その他事業部門

新たな業態開発を目的に多様な飲食店を展開しております。


[店舗数推移]

2018年12月末 89店

2019年12月末 97店

2020年12月末 109店

2021年12月末 119店

2022年12月末 132店

2023年9月末 140店

2024年が3.4億 2025年8.6億の新規出店費用を見込んでいる。


① 国内魁力屋事業の成長加速

当社は「京都北白川ラーメン魁力屋」ブランドを関東、東海、関西など三大都市圏を中心に店舗展開しており、当社の主力商品「京都背脂醤油ラーメン」は、三大都市圏に加えて、東北地方や中国地方、沖縄県にも出店するなど、地域嗜好性にあまり左右されない特長をもちます。この特長により、地方都市も含め、国内市場をさらに深耕できるものと考えております。

 直営店は既存出店地域への出店を継続し、さらなるドミナント化を進めます。また、新商勢圏への出店はFC加盟店を中心に行い、その両輪で魁力屋事業の成長を加速してまいります。


② 魁力屋事業の海外進出

海外市場において「ラーメン」は日本を代表する食文化として、広く認知されております。加えて、日本の伝統的文化を象徴する「京都」を屋号に冠する当社の「京都北白川ラーメン魁力屋」は、2023年9月末現在国内に130店舗を展開しており、「京都」を代表するラーメンチェーンとして国内で高い知名度を有するとともに、海外展開においても優位性を発揮するものと考えております。中長期計画に則り、海外進出の時期及び地域を積極的に検討してまいります。

 

③ 商流機能の強化

魁力屋事業は店舗での「仕込み」「調理」にこだわり事業展開してまいりましたが、労働人口の減少や人件費コストの高騰、今後加速する国内フランチャイズ事業、海外事業においても、安定した品質の商品を提供し続けるために、店舗での「仕込み」作業の一部を外注化するとともに、「麺」や「スープ」「チャーシュー」など主力商材について、PB開発や製造機能の保有など、ノウハウの蓄積と収益力の強化に対して積極的に取り組んでまいります。また、これら商流機能の強化により、新たなBtoBビジネス(同業種への商材販売やコンサルティング)、BtoCビジネス(店頭や小売店、ECサイト等での自社製品の販売)の開発を検討し、中長期的ビジョンである「食の総合企業」への飛躍を目指してまいります。


④ 新規事業の開発

当社は、「京都北白川ラーメン魁力屋」ブランドによる長期的な国内店舗数の目標を700店舗としております。

当社が株式上場を果たした際には、社会的信用力の向上に伴い、優秀な人材を採用する機会や店舗不動産の情報を得る機会が増加し、出店が加速する可能性がある一方で、魁力屋事業に次ぐ新たな事業の開発は中長期的な経営戦略において重要な課題の一つであります。外食事業を取り巻く環境の変化に応じて、新規事業の開発に取り組んでまいります。


 【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/12 単独3Q累計実績 7,760 586 607 386

2023/12 単独会社予想 10,381 602 606 357

2022/12 単独実績 8,815 380 642 314 (うち2.6億はコロナ補助金)

2021/12 単独実績 7,085 -161 490 234


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/12 単独会社予想 81.44 771.47 13.00


上場時発行済株数 5,490,000株(別に潜在株式283,500株)

公開株数 1,667,500株(公募1,200,000株、売り出し250,000株、オーバーアロットメント217,500株)

調達資金使途 直営店の新規出店のための設備投資、借入金の返済


PER:17.2

PBR:

配当利回り:0.9%

公募時吸い上げ資金:23.3億

公募時時価:77億

【株主構成】 以下180日

(株)マルフジコーポレーション 役員らが議決権の過半数所有 2,948,100 64.46%

藤田宗 代表取締役社長 1,290,000 28.21%

丸本純平 専務取締役 48,000 1.05%

田口剛 取締役副社長 35,000 0.77%

河原智彦 元従業員 25,500 0.56%

赤松繁男 従業員 22,500 0.49%

(株)大垣書店 特別利害関係者など 21,200 0.46%

大和商工(株) 取引先 21,200 0.46%

松浦基之 従業員 21,000 0.46%

浜口孝之 従業員 19,000 0.42%

後山智 元従業員 19,000 0.42%


 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社の株主かつ売出人である株式会社マルフジコーポレーション、当社の株主、売出人かつ貸株人である藤田宗、並びに当社の株主である丸本純平、田口剛、株式会社大垣書店および大和商工株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目の日(2024年6月11日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

 また、当社新株予約権を保有する、丸本純平、田口剛、赤松繁男およびその他16名は主幹事に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしに、当社新株予約権および新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

【代表者】

代表者名 藤田 宗(上場時55歳4カ月)/1968年生

本店所在地 京都府中京区手洗水町

設立年 2003年

従業員数 283人 (2023/09/30現在)(平均36.5歳、年収418.1万円)

事業内容 ラーメンチェーン展開などの飲食事業

URL https://www.kairikiya.co.jp/

株主数 6人 (目論見書より)

資本金 100,000,000円 (2023/11/10現在)

代表者生年月日 1968年08月10日生まれ

代表者略歴

1989年11月 ㈱京都相互住宅入社

1990年12月 ㈱クリーニング丸藤(現㈱カーニバ ル)入社

2005年07月 当社設立 代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 大和 1,305,100 90.01%

引受証券 野村 72,500 5.00%

引受証券 SBI 29,000 2.00%

引受証券 みずほ 29,000 2.00%

引受証券 西村 7,200 0.50%

引受証券 楽天 7,200 0.50%


【参考類似企業】今期予想PER(11/15)

2882 イートアンドH 44.7倍 (連結予想)

3066 JB11 275.7倍 (連結予想)

3358 ワイエスフード 670.6倍 (単独予想)

3399 山岡家 27.9倍 (単独予想)   時価160億 売上245億 経常 10億 店舗110

             上方修正後 時価190億 売上255億 経常 18億 店舗110

3561 力の源HD 24.6倍 (連結予想)   時価470億 売上315億 経常 32億 店舗273

7554 幸楽苑HD - (連結予想)

7611 ハイデ日高 35.9倍 (単独予想)

8200 リンガハット 150.5倍 (連結予想)

9936 王将フード 22.5倍 (連結予想)

9950 ハチバン 35.8倍 (連結予想) 時価100億 売上75億 経常 4億 

9279 ギフトHD 29.0倍(連結予想)時価400億 売上205億 経常 21億 店舗210


【私見】

 京都のラーメンチェーン店で、個人的には知らないお店ですが、地域的には知名度はあり、全国展開、海外展開のビジョンがあり700店舗を目指すとのことで勢いのある会社です。インバウンド効果もあり、外国人からもラーメン需要は高く、海外展開を考えると、長期的には力の源HDやギフトHDの400億を目指すことになるでしょう。目先としては、ハチバン(100億)を超え、山岡家(160億)でしょうか。同時上場や吸収金額も中規模なので何倍になる銘柄ではありませんが、需給は良く、目玉の年末IPOも少ないことから中期で期待がもてる銘柄です。年末ということで初値は高くなる可能性もあるでしょう。


想定価額:1290円

仮条件上限:1400円

初値予想:2500円

ブック申し込み度・・・強気

セカンダリー期待度・・・中立~やや強気

総合評価:3.5

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