2023年9月6日水曜日

IPO分析(揚羽)

 【事業内容】

​(1)リクルーティング支援領域

 当該領域は、採用コンセプト/メッセージの策定及び採用分野で使われる映像・WEBサイト・グラフィックなどのクリエイティブツールの制作などを行い、採用ターゲットに企業の魅力を伝え、採用に繋げるブランディング支援を提供しております。

 当社の売上の約4割を占めるリクルーティング支援領域では、クライアントの採用部門における「優秀な学生・求職者を採用したい」という目的達成を支援しております。採用コンセプトを策定するために、「ビズミル サーベイ」(注)を活用し、学生から自社のブランドイメージを調査することによって、競合他社と比較した自社の強みや魅力を明確にします。そのコンセプトを軸に、採用活動に使用するWEBサイト・映像・グラフィック(パンフレット等)などのデザイン及び制作を行い、採用説明会への集客や、WEBサイトへの来訪者を増やすコミュニケーション戦略を提案します。


「ビズミル サーベイ」とは

企業のブランドイメージの全体像や実態を把握するための調査ツールであり、調査結果をいつでも、何度でも、わかり易く可視化した当社独自のサービス。具体的には自社と採用競合の両方に対する、ブランドイメージを調査し、競合と比較した自社の強み、弱みを把握することができます。調査対象者は、ターゲットとなる学生・求職者やクライアントの社員。調査項目は、企業の魅力分解フレームであるブランド5項目「業界」「個社」「仕事」「報酬/スキル」「人/社風」を更にそれぞれ5分類し、全25項目。調査及び結果提供は、インターネットのブラウザーベースで行います。得られるアウトプットや成果及びその主な利用用途は、①魅力分解フレームに基づく調査 ②対象者・競合との差分分析 ③改善施策の検討・策定・提案であります。


(2)コーポレート支援領域

 当該領域は、コーポレートブランディング支援、サステナビリティブランディング支援、インナーブランディング支援から構成されています。

コーポレートブランディング支援は、ステークホルダーから支持を集め、ブランド力を上げるための支援活動です。企業のブランドアイデンティティ(強みや独自性)や商品・サービスの魅力を調査・分析し、ブランド力を上げるための活動(魅力が伝わるクリエイティブの制作、プロモーションの企画・広告運用、事業の実行など)を支援しております。

 サステナビリティブランディング支援は、SDGs経営・ESG経営・CSV(注)など、サステナブルな社会を実現したいと考える企業に対しての支援活動です。具体的には、SDGs特設サイトの構築や、SDGsの取り組みの映像等、社内外への浸透施策を提供しております。

 インナーブランディング支援は、企業理念や価値を定義し、自社の従業員に対して浸透と共感を促す支援活動です。今、社員がどのような心持ちで仕事に取り組んでいるかなどの客観的な調査を行い、データに基づいたインナーブランディングのプランニングを行っております。社員の調査から、不安や不満などを拾い上げ、自社の存在意義を言語化し、行動規範を見直し、クレドカード(理念や行動規範が記載されたカード)を作成し、会社のキックオフミーティングや納会などの発表会で、自社のミッションなどを映像などで伝え、コーポレートサイトのリニューアルなどを実施します。



〈当社の強み、ブランド(選ばれる必然性)〉

 当社のブランディング事業は、組織の集合体である「HR(人的資源による価値創造)」に立脚しており、一貫したブランドコミュニケーションに必要なサービスを提供しております。具体的には、サステナブルな企業として向かうべき方向性を定めるために必要となる企業の理念やパーパス・ミッション・ビジョン・バリュー・スローガン等の戦略策定から、それに必要とされるコミュニケーションサイト・映像やビジョンブック等のクリエイティブツール制作、研修、イベント、WEBマーケティング等を行います。

 また、これらのサービスは、それぞれを単独で顧客に提供するだけでなく、複合的にサービスを提供しております。例えば、採用ブランディングを提供した顧客に対し、採用した社員を定着させるためにエンゲージメント(企業への信頼や企業に対する貢献意欲)を高めるインナーブランディングを行い、また、その取組みを社外に発信するコーポレートブランディングへとつなげ、サステナブルな企業となるための社内外のあらゆるステークホルダーとコミュニケーションを築くなど、同一顧客内において様々な部門への横展開によるクロスセルを推進しています。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/09 単独3Q累計実績 1,091 67 66 43

2023/09 単独会社予想 1,672 135 109 70

2022/09 単独実績 1,398 113 110 79

2021/09 単独実績 1,167 44 49 31


2023/09 単独会社予想 69.30 - -


上場時発行済株数 1,350,000株(別に潜在株式102,600株)

公開株数 517,500株(公募350,000株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント67,500株)

調達資金使途 設備資金、運転資金、借入金の返済


PER:20.1

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:7.2億

公募時時価:19億

​   

【株主構成】 1以下80日

湊剛宏 代表取締役社長 700,000 63.49%

(株)ポルト 役員らが議決権の過半数所有 300,000 27.21%

忽滑谷勉 取締役 10,000 0.91%

松浦泰介 取締役 10,000 0.91%

大川成儀 取締役 10,000 0.91%

額田康利 取締役副社長 10,000 0.91%

佐々木翔一 従業員 3,000 0.27%

鈴木浩章 従業員 3,000 0.27%

松田雄一朗 従業員 3,000 0.27%

黒田天兵 従業員 2,000 0.18%

浜地孝之 従業員 2,000 0.18%

河西真太郎 従業員 2,000 0.18%

内野正喜 従業員 2,000 0.18%

西裕一郎 従業員 2,000 0.18%

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である湊剛宏、当社株主である株式会社ポルト、並びに当社役員かつ新株予約権者である額田康利、 忽滑谷勉、松浦泰介及び大川成儀は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2024年3月18日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨合意しております。

 

【代表者】

代表者名 湊 剛宏(上場時54歳8カ月)/1968年生

本店所在地 東京都中央区八丁堀

設立年 2001年

従業員数 135人 (2023/07/31現在)(平均33.4歳、年収483.1万円)

事業内容 ウェブサイト・映像・グラフィックの制作を中心に顧客のリクルーティングやコーポレートブランディング領域でのブランド浸透・構築を支援

URL https://www.ageha.tv

株主数 2人 (目論見書より)

資本金 10,000,000円 (2023/08/17現在)

者生年月日 1968年12月26日生まれ

代表者略歴

1992年04月 株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社

1999年05月 株式会社オフィスボウ入社

2001年08月 当社設立 代表取締役就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 岡三 - -

引受証券 野村 - -

引受証券 SBI - -

引受証券 SMBC日興 - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 松井 - -

引受証券 あかつき - -


【参考類似企業】今期予想PER(8/21)

2329 東北新社 13.7倍 (連結予想)

2402 アマナ - (連結予想)

5125 ファインズ 11.4倍 (単独予想)

6081 アライドアーキ 20.3倍 (連結予想)

7063 Birdman 30.2倍 (連結予想)

7067 ブランディン 13.9倍 (連結予想)

7370 Enjin 12.7倍 (連結予想)

9244 デジタリフト 26.0倍 (連結予想)


【私見】 

 業種としては悪くもなく特別良くもなくといったところです。業績もPERからは適度で、成長性もあるとは言い難い状況です。吸収金額・時価総額が小さく、ほぼロックがかかっているので売り要素が少ないことだけが魅力ではあります。さほど人気銘柄がないことから、需給重視で公募やや上の動きと予想します。


想定価額:1390円

仮条件上限:1400円

初値予想:1700円

ブック申し込み度・・・やや強気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3

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