2023年9月29日金曜日

IPO分析(成友興業)

 【事業内容】

​ 首都圏を中心に、環境事業として建設系産業廃棄物及び汚染土壌((以下、「廃棄物等」という。)の収集運搬及び中間処理並びに再資源化(以下、「廃棄物処理業」という。)、建設事業として都市インフラ等の道路舗装・土木・土地造成・上下水道工事を主な事業内容としております。

 特徴は、環境事業、建設事業及び環境エンジニアリング事業を兼ね備えていることにより、事業間または他企業との再資源化を経営戦略の中に取り込んでいることです。必ずしも当社内で完結したサイクルではありませんが、建設現場で発生する廃棄物等を環境事業で再資源化して再び建設事業で再利用し、さらに環境ソリューション機能を加えることで調査分析から収集運搬・中間処理・再利用までのワンストップ体制を整えております。こうした地球環境にやさしい事業運営システムを当社では「e Synergy System」と呼び、都市インフラの更新(以下、「都市更新」という。)に貢献できる事業を展開しております。

(1)環境事業

 2022年9月期において、当社グループの連結売上高の約54%を占めております。当社が中間処理を受託している主な取扱品目は、がれき類(、建設発生土、建設汚泥、汚染汚泥、工場系汚泥及び汚染土壌です。

 建設現場から当社または他社のダンプトラックにて収集運搬し、がれき類は破砕しふるい分けにより大きさを調整し再生砕石として、建築業者などに販売しております。汚染汚泥、汚染土壌等については、城南島第一工場もしくは城南島第二工場で受け入れています。城南島第一工場では、薬剤による含水率調整や異物除去(乾式処理)、城南島第二工場では水を用いたふるい分け(湿式処理)を行います。中間処理によって取り出された砂利や砂は、建設工事現場で埋戻し用の砕石や砂として販売し再利用されます。中間処理の最終過程で生じた残さ物は、セメント原料の粘土代替品として日本各地のセメント工場へ出荷し再資源化されます。粘土代替品は、当社が処理費用(運搬費を含む)を負担してセメント工場へ処理を委託しております。汚染のない建設汚泥は、あきる野工場で薬剤による含水率調整(乾式処理)を行い建設工事の埋戻し材(改良土)として利用されます。中間処理業については東京都内で、新規の施設建設には建設候補地が少ないため参入障壁が高く、かつ首都圏では都市更新は継続されるため、今後も安定した事業成長を見込んでおります。

 収集運搬に用いる車両を合計83台(2023年7月31日現在)保有し、主に東京都内の収集運搬を行っており、東京都内のほか、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県、静岡県、群馬県、栃木県、福島県、長野県、茨城県、新潟県と関東地方を中心に収集運搬許可エリアを拡大しております。中間処理施設は、東京都内に3ヶ所あります。(東京都多摩地域1ヶ所、東京都大田区2ヶ所)そのため、都内で排出される建設系廃棄物を全域に渡りカバーすることが可能です。当社は、これらの施設及び車両を活用して、東京都内を中心に収集運搬、中間処理のサービスを提供しております。一般的に、リサイクルが困難な廃棄物などは最終処分として埋め立てますが、当社では最終処分業の許可は有しておりません。


(2)建設事業

 2022年9月期において、当社グループの連結売上高の約40%を占めております。

首都圏における、国土交通省及び東京都をはじめとする、国及び地方公共団体発注の公共工事の元請、及び大手ゼネコン等が受注した公共工事等の下請を中心に事業展開しております。 

対象工事は幹線道路の整備等に関する舗装工事及び一般土木工事であります。工事受注後は、当社の現場代理人が合材メーカーや協力会社等より材料の発注及び労務・機械・外注を手配します。公共工事や民間工事を工期内に適切な品質で施工管理し、竣工検査の後、発注者への引き渡しを行います。

 過去5年間における東京都内での施工状況(下請工事を除く)です。現在都内3か所(多摩西事業所、多摩北事業所、城東事業所)に事業所を開設し、東京都の受注がメインとなっておりますが、今後は隣接する他県への事業拡大も検討しております。


(3)環境エンジニアリング事業

 事業は、土壌汚染対策工事業務、環境計量証明業務、指定調査機関業務を行っており、主に大手ゼネコン等から受注しております。

指定調査機関業務は、当社の技術者が調査計画の立案から調査を実施し調査結果を顧客に提出します。土壌汚染対策工事業務は、当社の技術者が指定調査機関業務に基づいて汚染土壌の掘削除去等の目的に応じた対策を行います。環境計量証明業務では、土壌や水を対象に濃度分析や自社製品の化学性状の品質管理等を行っております。

 これら3つの業務はそれぞれ個別受注の場合や複数業務を一括受注する場合があります。例えば、汚染土壌調査にてサンプリングした土壌等を環境計量証明業務にて分析を行う場合や指定調査機関業務後、土壌汚染対策工事を実施する場合があります。また、掘削除去工事において掘削した汚染土壌等を当社の工場に搬入して処理を実施する事業間連携もあります。


(4)その他

 成友セキュリティ㈱は、東京都西多摩地区を中心として、主に都内全域を対象として交通誘導警備と雑踏警備を行っております。

交通誘導警備では建築・土木・工事現場等で搬出入誘導、第三者安全確保を行い、雑踏警備では人が多く出入りする展示会やスポーツ大会、お祭りや祭礼行事等、各種イベント会場において、第三者の安全を円滑に確保しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2023/09 連結3Q累計実績 9,084 419 379 237

2023/09 連結会社予想 11,840 457 400 271

2022/09 連結実績 11,071 366 311 279

2021/09 連結実績 11,856 430 373 236


決算期 種別 EPS BPS 配当

2023/09 連結会社予想 215.84 3,101.79 40.00


上場時発行済株数 1,286,100株(別に潜在株式107,260株)

公開株数 149,500株(公募30,000株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント19,500株)

調達資金使途 工場設備の一部入れ替え


PER:11.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:3.6億

公募時時価:31億

​   

【株主構成】 以下180日

細沼順人 代表取締役社長 978,771 71.79%

細沼菜穂子 代表取締役の血族 233,138 17.10%

成友興業従業員持株会 特別利害関係者など 22,900 1.68%

細沼理恵 代表取締役の配偶者 16,791 1.23%

元石真祐美 取締役執行役員 9,060 0.66%

萩森孝紀 取締役副社長執行役員 5,700 0.42%

鈴木裕 取締役執行役員 5,220 0.38%

多摩信用金庫 特別利害関係者など 4,500 0.33%

新富明男 取締役常務執行役員 3,780 0.28%

藤盛諭 従業員 3,210 0.24%

 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である細沼菜穂子並びに当社株主かつ貸株人である細沼順人、当社株主である細沼理恵及び成友興業従業員持株会、当社新株予約権者である元石真祐美、萩森孝紀、鈴木裕、新富明男、藤盛諭、新井和史、塩浦智之、隅田貴広、小島祥樹、紺野勝、木下実、越田秀克、金子守、惟村宣治、青木泰三、石岡利美、髙橋伸治、清水寿敏、計良浩介、斉藤衛及び北垣栄一は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2024年4月9日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すことは除く。)は行わない旨合意しております。


【代表者】

代表者名 細沼 順人(上場時56歳4カ月)/1967年生

本店所在地 東京都あきる野市草花(東京本店:東京都中央区京橋)

設立年 1975年

従業員数 226人 (2023/07/31現在)(平均40.4歳、年収584.7万円)、連結245人

事業内容 汚染土壌処理業、建設系産業廃棄物の収集運搬および中間処理、建設業

URL http://seiyukogyo.co.jp/

株主数 5人 (目論見書より)

資本金 293,775,000円 (2023/09/08現在)

代表者略歴

1988年12月 当社 取締役

1991年04月 日建開発システム株式会社入社

1995年04月 当社入社 専務取締役

1996年10月 当社代表取締役

1997年06月 成友セキュリティ株式会社代表取締役

2016年07月 成友セキュリティ株式会社取締役会長

2019年12月 成友セキュリティ株式会社取締役会長退任、令友工業株式会社取締役退任

2020年12月 当社代表取締役社長(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SBI 117,100 90.08%

引受証券 東海東京 3,900 3.00%

引受証券 岡三 3,900 3.00%

引受証券 アイザワ 3,900 3.00%

引受証券 岩井コスモ 600 0.46%

引受証券 むさし 600 0.46%


【参考類似企業】今期予想PER(9/13)

1716 第一カッター 8.7倍 (連結予想)

1776 三住道路 13.4倍 (連結予想)

1807 佐藤渡辺 5.7倍 (連結予想)

1882 東亜道 12.0倍 (連結予想)

1884 日道路 65.0倍 (連結予想)

1898 世紀東 18.3倍 (連結予想)

2195 アミタHD 22.3倍 (連結予想)

5076 インフロニアHD 15.5倍 (連結予想)

5699 イボキン 11.2倍 (連結予想)

6564 ミダックHD 29.9倍 (連結予想)

6566 要興業 10.4倍 (連結予想)

9247 TREHD 11.8倍 (連結予想)

9336 大栄環境 20.2倍 (連結予想)

9793 ダイセキ 24.7倍 (連結予想)


【私見】

 産廃関連で環境銘柄といえばそうなのですが、東京の会社が名証上場で、SBI主幹事となると無理やり上場した感もあり印象は良くありません。 

売上・利益共に横ばいで、PERからも妥当な水準で公募価額が妥当と思います。規模は非常に小さく、完全ロックなので売り要素はありませんが、PBR1倍割れ銘柄が健闘しているとはいえ、名証上場では買い手不在で公募割れの可能性があるでしょう。


想定価額:2430円

仮条件上限:2430円

初値予想:2300円

ブック申し込み度・・・弱気

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:2

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