【事業内容】
(1)養殖事業
生食用のサーモントラウトを養殖し、国内外に向け販売する事業であります。
Musholm A/Sにおいては、毎年約3,500トンのサーモントラウトを生産しております。更にサーモン養殖の世界的なリーダーであるノルウェーの養殖との差別化を図るため、卵を持たせる養殖を行っています。その一部は当社向けに輸出され、以下で説明する国内加工事業に使われます。当社グループ以外へは、魚の身の部分はヨーロッパ諸国へスモークサーモンの加工用原料として、卵はいくらを生産しヨーロッパ各地へ、あるいはいくら加工用原料としてヨーロッパ各地へ販売しております。
日本国内におきましては、2017年6月に青森県西津軽郡深浦町に日本サーモンファーム株式会社を設立し、サーモントラウトを生産しております。サーモン養殖先進国であるデンマーク子会社Musholm A/Sの大規模生産のノウハウを活用し、孵化から養殖まで一気通貫した生産体制を構築しております。
サーモン養殖は自然と地域のバックアップを受けて行う事業です。サーモン養殖に適した青森の地で地元企業としての強みを生かし、地域と一体となって事業を進めています。例えば国内では、河川を利用した中間養殖を行うにあたっては水利権が、海面養殖を行うにあたっては区画漁業権の行使が必要です。当社グループは、地元漁協の組合員として区画漁業権を行使し、サーモン養殖を行っています。
なお、当社グループでは、養殖事業の一部においてASC認証を取得しております。 ASC認証とは、水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)が管理運営する養殖に関する国際認証制度で、養殖場が自然環境の汚染や資源の過剰利用を行っておらず、その養殖事業に持続可能性が認められることを認証するものです。近年はASC認証のある原料を使った製品を取扱いの中心に据える国内の大手スーパーマーケットなども増えて来ています。
(2)国内加工事業
国内加工事業及び後述の海外加工事業は、魚卵・成魚を原料として顧客の要望にそって加工し、販売を行う事業です。
国内加工事業における加工拠点は青森県青森市に所在する当社青森本社併設の第一工場と第二工場です。第一工場では数の子及びたらこと、当社グループ日本サーモンファーム株式会社の養殖サーモンを主に加工しております。第二工場ではイクラと筋子の加工をしております。国内のスーパーマーケットや外食向けの販売が主ですが、最近ではアジア圏の大手回転寿司チェーンへの輸出も増えております。
(3)海外加工事業
海外の加工拠点において水産加工品を製造する事業です。国内加工事業と同様に、当社養殖事業からの原料仕入れに加え、自社仕入れチームが自身で良質な原料を世界中から調達し加工販売まで行います。海外加工事業における拠点は以下の3つです。
①当社東京事業本部
当社の東京事業本部では、貿易実務、海外加工場の生産管理、国内外への販売活動を行っております。
②ミャンマーの自社グループ工場(Okamura Trading Myanmar Co., Ltd.)
2017年9月、ミャンマーのティラワ経済特区内に子会社Okamura Trading Myanmar Co.,Ltd.を設立しました。同経済特区内は日本企業の進出が進んでおり、日本水準のインフラが整っております。主にサーモン原料の寿司ネタ加工を行っております。
③ベトナムのパートナー工場
当社とは20年来の関係があるベトナムの大手水産加工工場(Trung Son Corp.、Trung Son Long An Co., Ltd.、Trung Son Hungyen Foodstuff Corporation)とパートナー契約を結んでおります。契約の内容は「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」をご参照ください。同工場では、サーモン原料の寿司ネタ加工の他、サバ原料を始めとした焼成済みの焼き魚・煮魚製品(自社ブランド「オカムラkitchen」シリーズを含む)の加工も行っております。当工場内には当社子会社Okamura Trading Vietnam Co., Ltd.の事務所を設置し、現地ワーカーの教育や生産管理を行っております。生産された製品は日本国内消費向けに輸出される他、後述のシンガポールやマレーシアの現地販売拠点に向けても出荷されます。
(4) 海外卸売事業
シンガポール(Okamura Trading Singapore Pte., Ltd.)、マレーシア(Xenka Trading (M) Sdn. Bhd.)、台湾(Okamura Trading Taiwan Co.,Ltd.)及びタイ(Okamura Trading (Thailand) Co., Ltd.)に拠点を有しており、現地の日系スーパーマーケットや日本食レストランに、日本から輸入した日本食材を販売しております。顧客のニーズに応じて他社から幅広く商材を調達しておりますが、自社グループ内で養殖・加工した商材も当事業を通じて海外市場に販売されております。顧客のニーズに合わせた製品をタイムリーに、そして日本基準のきめ細やかなサービスを持って提供しております。
【業績等】
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2024/06 連結会社予想 32,598 1,949 1,775 1,234
2023/06 連結実績 28,939 3,187 3,544 2,389
2022/06 連結実績 24,100 2,961 3,341 2,249
2021/06 連結実績 20,214 1,496 1,593 992
決算期 種別 EPS BPS 配当
2024/06 連結会社予想 163.78 1,646.80 34.00
上場時発行済株数 7,785,210株(別に潜在株式592,860株)
公開株数 1,207,500株(公募1,050,000株、オーバーアロットメント157,500株)
調達資金使途 養殖設備の増強のための投資、工場設備資金
PER:10.3
PBR:1.01
配当利回り:2.0%
公募時吸い上げ資金:20.3億
公募時時価:131億
【株主構成】 以下90日
(株)オカムラ 役員らが議決権の過半数所有 2,964,000 40.45%
岡村恒一 代表取締役社長兼CEO 1,574,280 21.48%
Steelhead Aps 子会社の代表取締役の資産管理会社 445,860 6.08%
岡村直子 代表取締役の配偶者 294,000 4.01%
八木康次 代表取締役副社長兼COO 277,560 3.79%
岡村祥平 代表取締役の血族 150,000 2.05%
岡村大祐 代表取締役の血族、子会社の取締役 132,000 1.80%
岡村麻里 代表取締役の血族 132,000 1.80%
岡村英樹 代表取締役の従兄弟 120,000 1.64%
岡村亮治 代表取締役の従兄弟 120,000 1.64%
小嶋京子 取締役(監査等委員)、代表取締役の従妹 120,000 1.64%
本募集に関連して、貸株人である岡村恒一並びに当社株主である株式会社オカムラ、Steelhead Aps、岡村直子、八木康次、岡村祥平、岡村大祐、岡村麻里、岡村英樹、岡村亮治、小嶋京子、秋田直哉、奥村新太郎、神里貴紀、永田史、大場翔、葉山相基、Chua Choon Leng、松村優也、Kristina Lund、Velfaerdsfisken Aps、鈴木宏介、新岡清高、坂本美樹子、千葉哲也、Thorbjoern Harkamp、Rudi Ole Petersen、Lennart Mφrk Attrup、Klaus Kristensen、Chow Chee Kong、原田洋子、山田恵子、平山宣子は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2023年12月25日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。
【代表者】
代表者名 岡村 恒一(上場時62歳7カ月)/1961年生
本店所在地 青森県青森市八重田(東京本社:中央区日本橋小伝馬町)
設立年 1971年
従業員数 81人 (2023/07/31現在)(平均39.38歳、年収588万円)、連結804人
事業内容 サーモンの養殖、水産品の加工・販売
URL https://www.okamurashokuhin.co.jp
株主数 38人 (目論見書より)
資本金 90,000,000円 (2023/08/24現在)
代表者生年月日 1961年02月11日生まれ
1985年04月 鍋林株式会社入社
1987年04月 当社入社
1989年03月 当社取締役
1999年10月 当社代表取締役
2017年06月 日本サーモンファーム株式会社代表取締役社長
2019年03月 酸ヶ湯温泉株式会社社外監査役、5月:当社代表取締役兼CEO(現任)
2021年09月 日本サーモンファーム株式会社取締役会長(現任)
2023年03月 酸ヶ湯温泉株式会社社外取締役(現任)
【幹事団】
主幹事証券 野村 966,000 92.00%
引受証券 大和 21,000 2.00%
引受証券 みずほ 21,000 2.00%
引受証券 SMBC日興 21,000 2.00%
引受証券 SBI 10,500 1.00%
引受証券 楽天 10,500 1.00%
【参考類似企業】今期予想PER(8/29)
1301 極洋 6.8倍 (連結予想)
1332 ニッスイ 11.2倍 (連結予想)
1333 マルハニチロ 6.9倍 (連結予想)
2904 一正蒲 15.5倍 (連結予想)
2907 あじかん 18.0倍 (連結予想)
2932 STIフードH 19.7倍 (連結予想)
2933 紀文食品 13.4倍 (連結予想)
【私見】
養殖事業ということで、地味業種で業種妙味はありません。成長性は業種からなさそうに見えましたが、直近の売り上げの伸びは良く一概にはないとは言えません。PERからはやや割安感はあり、今後の成長性次第では上値もありそうです。吸収金額は適度にありますが、完全ロックなので需給面では問題なく、公募やや上の動きと予想します。
想定価額:1660円
仮条件上限:1660円
初値予想:1800円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価:3
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