2025年3月6日木曜日

IPO分析(ミーク)

 【事業内容】

​ 当社では、モバイルIoT支援事業という単一セグメントのもと、IoTサービス事業者及びDXを推進する企業向けにIoT/DXプラットフォーム『MEEQ』を提供する「IoT/DXプラットフォームサービス」、及びMVNE事業者として、多くのMVNO事業者にネットワーク及び業務システム、業務支援等を提供する「MVNEサービス」を展開しております。

(1)事業の特徴

① 基幹サービスについて

 『MEEQ』は、SIMを活用したSaaS型IoTプラットフォームであり、Web上の画面から、簡単に1回線からSIMの購入・管理が可能となるサービスであります。通信やデータ処理のノウハウ不足でIoTやDXの取組みに苦戦している全領域の企業向けに開発しました。『MEEQ』を導入することで、多数の通信回線であっても管理が可能となり、ノーコードでシステム開発無くIoTシステムの実現が可能となるよう努めております。 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアに対応したMVNE事業者として、MVNO事業者に対してSIM調達(MNOとの交渉を含む)、事業者間精算の運用、サービス設計、その他各種サポート(新規MVNO事業への参入や収益拡大サポート)を実施しております。

 売上のほとんどはリカーリング売上となっております。また、IoT/DXプラットフォームサービスの契約回線数は順調に推移しています。MVNEの顧客は横ばいで推移しておりますが、特定顧客(楽天モバイル株式会社及びソフトバンク株式会社)がMNO化したことによる利用回線数減少の影響を受けてのものであるため、それ以外の顧客の利用は着実に増加しております。


② 3キャリアとのL2接続と閉域網について

 3キャリアすべてとL2接続を行っており、通信速度制限などの独自料金体系等の設定が可能となっております。3キャリアすべてとL2接続を行っているMVNE事業者は、日本では数少ないため、当社の強みと考えております。

 MVNE事業への参入は、ネットワーク設備の構築・運用のために必要な技術力や、MNOとの設備の接続や業務構築のために必要な通信事業に関する知見、設備投資等の固定費を回収できるだけの顧客獲得が必須となり、参入障壁が高いと考えております。


2.閉域網とは、インターネット接続と分離することで、セキュリティを確保したネットワークのことであります。不特定多数のユーザーが利用するインターネットとは別に関係者のみが接続できる通信回線を利用することで、企業の機密情報や顧客情報、個人情報などの重要情報の漏洩事故を未然に防止するために利用します。その上で、当社では、3キャリア混合の閉域網を構築することが可能であり、例えば、クレジットカード決済システム等のセキュアな回線網についても対応可能であります。


③ 2つの基幹サービス展開による帯域の有効活用・コスト競争力

 IoT/DXプラットフォーム『MEEQ』を提供する「IoT/DXプラットフォームサービス」、及びMVNE事業者として、多くのMVNO事業者にネットワーク及び業務システム、業務支援等を提供する「MVNEサービス」の2つの基幹サービスを展開しております。

 「IoT/DXプラットフォームサービス」の開始前、すなわち、「MVNEサービス」のみを事業として行っていた際には、スマートフォンによる動画ダウンロード等の下り回線を使用することが多く、アップロードの上り回線については空き帯域が多く生じている状況でした。

 「IoT/DXプラットフォームサービス」の展開後、IoTデバイス等から収集される各種データのアップロードが多く、上り回線の空き帯域の有効活用が可能となりました。「IoT/DXプラットフォームサービス」では、帯域確保のための追加コストが比較的かからず、コスト競争力に優位性が生じていると考えております。

 また、帯域が過剰に余ってしまうことは利益率の低下につながり、帯域の不足は品質の低下につながる恐れがありますが、当社は将来の通信量を予測して帯域を構え、割当を機動的に調整するノウハウを有しておりますため、ヒト、モノ、カネの資産を効果的に活用していると考えております。

 

(2)具体的な製品又はサービスの特徴

(IoT/DXプラットフォームサービス)

 『MEEQ』は、SIMを活用したSaaS型IoTプラットフォームであり、Web上の画面から、簡単に1回線からSIMの購入・管理が可能となるサービスであります。通信やデータ処理のノウハウ不足でIoTやDXの取組みに苦戦している全領域の企業向けに開発しました。『MEEQ』を導入することで、多数の通信回線であっても管理が可能となり、ノーコードでシステム開発無くIoTの導入、DXの実現が可能になると考えております。

 MVNEサービスにおける顧客属性は、2024年3月期時点で通信事業者がおよそ70%を占めております。しかし、非通信事業者(MVNO事業開始までは通信事業者ではなかった顧客)の参入が加速しており、非通信事業者の割合が急拡大しております。


【業績等】

決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益

2025/03 単独3Q累計実績 4,202 697 696 456

2025/03 単独会社予想 5,545 817 799 545

2024/03 単独実績 5,375 785 784 542

2023/03 単独実績 5,976 816 816 535


決算期 種別 EPS BPS 配当

2025/03 単独会社予想 55.81 - -


上場時発行済株数 11,388,000株(別に潜在株式2,020,000株)

公開株数 3,659,500株(公募1,668,000株、売り出し1,514,200株、オーバーアロットメント477,300株)

調達資金使途 人件費・採用費、ネットワーク増強費、開発費


PER:14.3

PBR:

配当利回り:

公募時吸い上げ資金:29.2億

公募時時価:91億

​   

【株主構成】 

ソニーネットワークコミュニケーションズ(株) その他の関係会社 3,342,700 28.47% 180日

ソニーセミコンダクタソリューションズ(株) その他の関係会社の子会社 1,277,300 10.88% 180日

峯村竜太 代表取締役執行役員社長 1,010,000 8.60% 180日

東京センチュリー(株) 資本提携先 1,000,000 8.52% 180日 売出222,700 180日

(株)ファミリーマート 資本提携先 668,100 5.69% 180日

SREホールディングス(株) 資本業務提携先 500,000 4.26% 売出500,000

MICイノベーション5号投組 投資業(ファンド) 500,000 4.26% 売出300,000 90日・1.5倍

大阪ガス(株) 資本提携先 500,000 4.26% 180日

SMBCベンチャーキャピタル7号投組 投資業(ファンド) 500,000 4.26% 売出350,000 90日・1.5倍 

細井邦俊 取締役執行役員副社長 400,200 3.41%

加賀電子(株) 資本提携先 300,000 2.56% 180日

TIS(株) 資本提携先 222,700 1.90% 90日・1.5倍

日本生命保険(相) 特別利害関係者など 222,700 1.90% 180日

ヤンマーベンチャーズ2号投組 投資業(ファンド) 222,700 1.90% 90日・1.5倍

みずほ成長支援第5号投組 投資業(ファンド) 222,700 1.90% 90日・1.5倍


 本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社、売出人である東京センチュリー株式会社及び大阪瓦斯株式会社、当社株主であるソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社、株式会社ファミリーマート、加賀電子株式会社、日本生命保険相互会社、あいホールディングス株式会社及び株式会社インバウンドプラットフォーム並びに当社新株予約権者である峯村竜太は、SMBC日興証券株式会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2025年9月16日までの期間中は、SMBC日興証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

 売出人であるMICイノベーション5号投資事業有限責任組合及びSMBCベンチャーキャピタル7号投資事業有限責任組合並びに当社株主であるTIS株式会社、ヤンマーベンチャーズ2号投資事業有限責任組合、みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合及び株式会社エアトリは、SMBC日興証券株式会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の2025年6月18日までの期間中は、SMBC日興証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出しにおける売出価格の1.5倍以上であって、SMBC日興証券株式会社を通して行う売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。


【代表者】

代表者名 峯村 竜太(上場時44歳1カ月)/1981年生

本店所在地 東京都渋谷区渋谷

設立年 2019年

従業員数 73人 (2025/01/31現在)(平均37.7歳、年収766.8万円)

事業内容 モバイルIoT(モノのインターネット)支援事業

URL https://www.meeq.com/

株主数 16人 (目論見書より)

資本金 10,000,000円 (2025/02/14現在)

代表者生年月日 1981年02月16日生まれ

代表者略歴

2006年04月 株式会社メディア(現アルテリア・ネットワークス株式会社) 入社

2011年05月 ソネットエンタテインメント株式会社(現ソニ ーネットワークコミュニケーションズ株式会社) 入社

2013年12月 株式会社テレコムフォース(現ライフエレメンツ株式会社) 取締役 就任

2019年03月 当社 代表取締役社長 就任

2021年09月 当社 代表取締役 執行役員社長 就任(現任)


【幹事団】

主幹事証券 SMBC日興 - -

主幹事証券 大和 - -

引受証券 あかつき - -

引受証券 マネックス - -

引受証券 楽天 - -

引受証券 岡三 - -

引受証券 極東 - -

引受証券 東海東京 - -

引受証券 松井 - -

引受証券 水戸 - -


【参考類似企業】今期予想PER(2/21)

147A ソラコム 177.7倍 (連結予想)

3727 APLIX - (単独予想)

3774 IIJ 22.1倍 (連結予想)

3843 フリービット 12.7倍 (連結予想)

4375 セーフィー - (連結予想)

4379 フォトシンス 17.2倍 (連結予想)

4431 スマレジ 35.5倍 (単独予想)

9424 日本通信 54.6倍 (連結予想)


【私見】

  IoT銘柄で、昨年のソラコムのような派手さはないものの、ソニー系列で安定感はあります。業績は、利益は安定的に出てはいるものの、売上の伸びは微増で成長性は高くなさそうです。PERからは割高感はないので、下値不安はないものの、成長性の観点から上値も追いずらい展開かもしれません。1.5倍のロック外れVCもおり、吸収金額もやや大きめであることからも初値は伸びないと予想します。時価総額はそこまで大きくないことから、中期ではもうひとサイズ大きくなるかもしれません。


想定価額:760円

仮条件上限:800円

初値予想:850円

ブック申し込み度・・・中立

セカンダリー期待度・・・中立

総合評価:3.5

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