2019年3月2日土曜日

IPO分析(KHC)

【事業内容】
   住宅建設用地の分譲及び仲介から当社グループ共通の建築部門での設計・施工による住宅建設までを、一次取得者層(20代から30代の若いファミリーや初めて住宅を購入する方、マンションからの住み替えの方等)を顧客ターゲットとしてワンストップで提供しております。

1.売上種類別事業の特徴
(1) 住宅請負
注文住宅及びリフォーム工事、中大規模木造建築の住宅請負を行っております。
メインの注文住宅では、各連結子会社ともに、完全自由設計型の家づくりを基本としており、株式会社Laboを除くグループ各事業会社では、株式会社勝美住宅にて仕入れた商品土地を含む豊富な土地情報を活用し、土地をセットにして注文住宅を提案することで他社との差別化を図っております。

a.注文住宅
 当社グループでは、建築材料や窓の種類に至るまでオーダーすることで、変形地や狭小地での建築も可能とする完全自由設計型の注文住宅を基本としております。

(a)株式会社勝美住宅
複数の商品ラインナップを揃え、幅広い顧客層に住宅供給を行っております。
・「快適Katsumi」
兵庫県の南部地域特有の気候風土に適した健康で快適に暮らせる家づくりをテーマにした完全自由設計型であり、環境や省エネに関心の強い顧客向けの住宅商品。

・「KARABERU Design(カラベルデザイン)」
省エネ等の性能面よりも、自由設計やコストの明瞭さを求める顧客向け。定額制のデザイン注文住宅をコンセプトとし、自由設計でありながら間取りによって価格が変動しない安心の定額制と、「快適Katsumi」では別途加算となるエアコン、カーテン、照明などの付帯工事や建築確認申請費、水道メーター分担金等の諸費用までを含んだ明瞭価格が特徴の規格型住宅商品。

・「konoie(コノイエ)」
「快適Katsumi」、「KARABERU Design(カラベルデザイン)」よりも低価格帯の住宅として、土地に合わせた設計企画プランを予め用意し、付帯工事費は別途加算となるものの「KARABERU Design(カラベルデザイン)」と同様に諸費用を含んだ価格で、安心して家づくりを進めることができるローコストの規格型商品。設備や内・外装のカラーセレクトも可能とし、低価格であっても満足いただける家づくりを提案。

(b)住宅の横綱大和建設株式会社
耐震等級3相当の耐震性能に加え、制震性能もある住宅に耐震保証と地盤補償を採用しており、構造・性能にこだわりのある顧客をターゲットに、家族を守る家づくりを完全自由設計で提案しております。これにより、機械設計者など、技術志向の強い顧客が好むブランドを構築しております。
(c)株式会社明石住建
IKU-REAR(イクリア)ブランドで展開しており、子育て世帯や子育てに伴う健康志向の強い顧客をターゲットに、無垢材や珪藻土入ボードなど人にやさしい素材と、子育てに配慮した建物設計により、家族を健やかに育む家づくりを完全自由設計で提案しており、木に触れ、木に親しむことで子供たちの感性を育む「木育」に、木の家づくりを行う企業として注目し、その「木育」を地域に広めるために「木育ひろめ隊」としても活動しております。

(d)パル建設株式会社
「パーペチュアル(永遠)」をコンセプトに、経年変化により愛着が生まれる自然素材やデザインを完全自由設計で提案し、いつまでも愛され続ける家を提案することで、ライフスタイルにこだわりをもった顧客の多いブランドを構築しており、ライフスタイル提案のイメージ訴求のために「輸入雑貨のある暮らし」「花のある癒しの住まい」など、企業とのコラボレーション企画も行っております。

(e)株式会社Labo
「分譲用土地」の商品土地による集客に頼らず、建物のみによる集客を実現するため、「住空間設計Labo」のブランドを独自に展開しております。
「住空間設計Labo」の注文住宅は、家づくりを設計事務所に依頼するような建物のデザインや構造にこだわりのある顧客層をターゲットにしております。そのため、自然素材にこだわる住宅や店舗併用住宅、坪単価100万円を超える邸宅など顧客のあらゆるニーズに応えるこだわりの家づくりを提案しております。

b.リフォーム工事
「住空間設計Labo」をブランドとしたリフォーム工事は、マンションのリノベーションを中心として、注文住宅の経験で培った知識や技術により、既存住宅の性能を見極め、顧客の価値観やライフスタイルに合わせた最適なリノベーションを提案しております。吸放湿効果や癒しの効果により毎日が心地よくなるよう、できるだけ本物の「木」の素材を使った提案を積極的に行い、経年変化に伴う味わいから生まれる愛着により、自分で手をかけ育てたくなる住まいへの生まれ変わりをサポートしております。

c.中大規模木造建築
アパート建築やサービス付き高齢者向け住宅などの中大規模木造建築は、土地オーナーや投資家に対して不動産活用の提案を行っている株式会社勝美住宅を中心に、グループ会社からの紹介により株式会社Laboにおいて受注しております。

(2) 分譲用土地
株式会社勝美住宅の開発部が、グループ全体の商品土地の仕入を担当しており、調査・査定、造成工事の手配から、グループ各事業会社への情報発信及び在庫の管理に至るまでを一貫して行っております。
商品土地の仕入情報に関しては、同社の開発部だけでなく、各店舗(営業担当者)、地場不動産業者、金融機関、取引会社からの情報によるものもあり、仕入ルートの多角化と安定化を図ることで、地域ごとに偏りのない土地仕入が行われるよう努めております。

(3) 分譲用建物
分譲用建物は、分譲用土地に住宅を建設し販売する、いわゆる建売住宅となります。

(4) その他
グループ各事業会社の注文住宅建設用地としての土地仲介業務、他社の新築建売住宅及び中古住宅の媒介業務に関する手数料と株式会社勝美住宅の所有物件の賃貸料となります。

2.グループの特徴
a. マルチブランドによる集客力
現代のライフスタイルは多岐にわたっており、顧客のニーズも多種多様なものとなっております。それら顧客のニーズを実現するため、顧客が求めるライフスタイル、感性や価値観並びに建物の性能に至るまで、当社グループではこだわりを持った企画・提案を行っております。具体的には、顧客の満足度向上を図るために、グループ事業会社5社が各社ごとに特徴を持った独自のブランドを構築し、コンセプトに沿った商品ラインナップの展開を行っております。これらのブランドそれぞれが自由設計のものづくりを行い、強みを活かした多方面からのプロモーションを実施することで、幅広い顧客層からの集客を確保しております。
b. ドミナントによる営業エリアでのシェア確保
 当社グループは、兵庫県明石市を中心とし、東は阪神間(西宮市、神戸市)、西は播磨地区(加古川市、姫路市)のエリアにて、連結子会社5社の12の店舗及び事務所を拠点としております。これらのエリアにおいてドミナント出店を行うことで、以下の「当社グループ住宅請負エリア別着工棟数」に記載のとおり、大阪・神戸のベッドタウンである兵庫県播磨地域周辺(神戸市西区、神戸市垂水区、明石市、加古郡、加古川市、姫路市)では一定のシェアを確保しております。

【業績等】
業績動向(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2017.3 12,064 781 723 465
(連結実績)2018.3 13,506 870 800 504
(連結予想)2019.3 13,217 801 716 467
(連結3Q累計実績)2019.3 9,557 539 494 325
1株当たりの数値(円) EPS BPS※ 配当
(連結予想)2019.3 125.79 - 36
調達資金使途 商品土地購入のための運転資金
上場時発行済み株数 3,906,550株
公開株数 1,764,000株(公募200,000株、売り出し1,334,000株、オーバーアロットメント230,000株) シンジケート 公開株数1,534,000株 (別に230,000株)
PER:6.8
PBR:
配当利回り:4.2%
公募時吸い上げ資金:15.0億
公募時時価:33億
    
【株主構成】
日本アジアグループ(株) 親会社 3,706,550 100.00  L90
 本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である日本アジアグループ株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成31年6月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1970年10月13日生まれ
代表者略歴
1993年04月 (株)タウン設計(現 (株)アクアス設計)入社
1999年06月 (株)戎工務店 入社
2002年01月 当社入社
2007年03月 (株)Labo代表取締役社長就任(現任)
2009年06月 当社専務取締役就任
2011年06月 当社代表取締役社長就任(現任) (株)勝美住宅代表取締役社長就任(現任) 住宅の横綱大和建設(株)代表取締役社長就任(現任)
2011年06月(株)明石住建代表取締役社長就任(現任) パル建設(株)代表取締役社長就任(現任)
2011年11月 国際ランド&ディベロップメント(株)(現 JAG国際エナジー(株))取締役就任
【幹事団】
主幹事証券 野村 1,411,400 92.01
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 76,700 5.00
引受証券 SBI 30,600 1.99
引受証券 藍沢 15,300 1.00

【参考類似企業】 今期予想PER(2/18)
1413  ヒノキヤG 8.7倍(連結予想 )
1419  タマホーム 8.9倍(連結予想 )
1431  LibWork 9.0倍(単独予想 )
1722  MISAWA 6.3倍(連結予想 )
1840  土屋HD 30.1倍(連結予想 )
1873  日ハウスHD 6.1倍(連結予想 )
1906  細田工 15.2倍(連結予想 )
8860  フジ住 7.2倍(連結予想 )
8917  ファースト住 5.9倍(連結予想 )
8995  誠建設 14.9倍(連結予想 )
8996  ハウスフリダム 7.9倍(連結予想 )

【私見】
 東証2部で兵庫を中心とした不動産業ということで人気になる可能性はほぼありません。業績は頭打ちで、成長性を考えるとPERからは妥当。時価総額は小さいものの吸収金額はそれなりにあり、配当利回りが良いくらいで苦戦が予想されます。

想定価額:850円
仮条件上限:880円
初値予想:850円
ブック申し込み度・・・弱気
セカンダリー期待度・・・やや弱気
総合評価2

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