2019年12月11日水曜日

IPO分析(AI inside)

【事業内容】
 <サービスの内容>
(1) 「DX Suite」
当社は、人がルールを設計し、そのルールをプログラミングすることで開発する文字認識技術を一切排除し、文字画像データを学習し、コンピュータが自動的にルールを設計する、ディープラーニングによる手書き文字認識AIを開発しました。このAIを、日々の業務で誰もが使えるようにするため、ユーザインターフェースを備えたAI-OCRサービス「DX Suite」として開発し、ユーザへ提供しております。
 「DX Suite」は、その内部に「Intelligent OCR」「Elastic Sorter」「Multi Form」というアプリケーションを有しており、組み合わせて契約、利用することができます。
 「Intelligent OCR」:手書き文字認識技術をベースに、「定型帳票」を読取り、デジタルデータ化するサービスです。「定型帳票」とは、帳票レイアウトが統一されており、事前に読取り箇所を指定することができる帳票を指します。具体的には、各種申込書や受発注帳票、アンケートなどの帳票をデータ化できます。
料金体系としまして、リカーリング型モデルの月額固定費用、読取りごとに発生する月額従量費用と、セリング型モデルの初期費用により構成されております。
  「Elastic Sorter」:「Intelligent OCR」のオプションとして、複数種類の帳票を順不同にまとめてスキャンしてある場合に、同種類の帳票をAIが選び取り、仕分けるサービスです。具体的には、免許証や保険証、住民票など複数種類ある本人確認書類や各種申込書類を種類ごとに仕分け、仕分け後に「Intelligent OCR」で読取りを行うなどの業務に利用できます。
 料金体系としまして、セリング型モデルの初期費用は無く、リカーリング型モデルの月額固定費用、読取りごとに発生する月額従量費用により構成されております。

 「Multi Form」:「Intelligent OCR」のオプションとして、「定型帳票」以外の「非定型帳票」を読取り、データを構造化含めデジタルデータ化するサービスです。「非定型帳票」とは、記載される項目は同じでも、記載される場所、レイアウトが無数にあり、書類の種類数が限定的で無いため、「Elastic Sorter」では仕分けることのできない帳票を指します。具体的には請求書や領収書、住民票やレシートなどといった帳票を事前の準備・設定不要で、データの構造化含め、デジタルデータ化できます。
 料金体系としまして、セリング型モデルの初期費用は無く、リカーリング型モデルの読取りごとに発生する月額従量費用のみの構成となっております。<br>
  また、東日本電信電話株式会社との協業で、「DX Suite」のOEM製品“AIよみと〜る”を販売しております。”AIよみと〜る”は、MM総研大賞2019において、スマートソリューション部門 AI/IOT分野 で最優秀賞を受賞しました。
  これらサービスは、現在は主に大企業での導入実績割合が高く、当社顧客の内、第5期第2四半期末時点で売上高1,000億円以上の企業が26.0%、100億円~999億円の企業が26.6%を占めています。システム開発、銀行、証券、保険、小売、エネルギー、物流、製薬、不動産、製造、印刷等、業態を問わず導入されております。
 「Intelligent OCR」は、第5期第2四半期末時点で契約件数361契約となり、サービス開始から100契約獲得まで15カ月となっております。「Elastic Sorter」は、第5期第2四半期末時点で206契約となり、サービス開始から100契約獲得まで7カ月となっております。「Multi Form」は、第5期第2四半期末時点で238契約となっており、サービス開始から100契約の獲得まで15日となっております。また、2017年11月からこれらのサービスの累計リクエスト数が2億1,249万8,714回となっております。
  「DX Suite」は、ユーザ企業にて帳票をデータ化するリクエスト数を基に算出される月額従量費用や、オプション機能の月額固定費用といったリカーリング型モデルの収益と、初期費用等のセリング型モデルの収益で売上を構成しております。なお、「DX Suite」の初期費用についてはサービスの提供期間にわたり売上高を按分計上しております。

 (1-1)「AI inside Cube」
 当社の主力製品は「DX Suite」クラウド版ですが、官公庁・地方公共団体などではオンプレミス環境での利用ニーズがあります。しかしながらオンプレミス環境の構築は、機器選定、購入、システムインテグレーションなど様々な工程に時間と人的リソースを必要とするため、ユーザ企業、当社双方にスケールしにくい分野です。
 そこで当社は、クラウドにアクセスすることなくユーザの元でAI処理を行う、エッジコンピューティング用ハードウェア「AI inside Cube」を自社開発しました。ユーザは、「AI inside Cube」に「DX Suite」をインストールし、利用できます。特別なインテグレーションは必要なく、誰でも使えるよう、電源とデータ送信用のLANケーブルを差し込むだけで使える仕組みです。「AI inside Cube」は、月額定額のリカーリング型モデルで提供をしています。
  また、地方公共団体向けに、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとの協業により、地方公共団体の組織内ネットワーク端末を相互に接続した、行政専用の閉域ネットワーク “LGWAN”内データセンターに「AI inside Cube / DX Suite」を提供しています。
 
 (1-2)「AI inside Computing Engine」
 当社のAIは、クラウド環境、オンプレミス環境共にソフトウェアインフラ基盤「AI inside Computing Engine」の上で稼働しております。「AI inside Computing Engine」を使わない従来方式では、ソフトウェアやAIを動作させるためのサーバの構築は、各種設定を時間をかけて人が行う必要があります。そうして作り上げた環境を、別のサーバにも適用させる場合、同じように人が行う必要があり、コストと時間がかかります。
 「AI inside Computing Engine」を使うと、一度作り上げたサーバ環境をコンテナとしてコピーして立ち上げることができます。従来、人が行っていた作業を数十秒で自動実行できるため、コストと時間がほとんどかからず、例えば、大量のリクエストに対しても、自動でサーバを増減させることが可能になります。 コンテナの中に入れるソフトウェアやAIは、コンテナと依存関係に無く入れ替えることもできるので、一度作ったコンテナで多種類のソフトウェアやAIを最適に自動運用することができます。
 
 (1-3)「AI inside Learning Center」
 当社で提供しているAIは、下図のように、ユーザが日々の業務で使うほど、さらなる追加学習のためにデータフィードバックがなされ、精度が向上するという特徴を備えております。その学習部分を担う当社内部の仕組みが「AI inside Learning Center」です。そのため、ユーザが増加するほど加速度的に品質が高まる仕組みとなっております。
 同時に、大規模化による低コスト構造の実現と、AIを動作させるためのハードウェアを自社開発・自社利用することにより、ユーザへより低価格での提供が可能な構造となっております。当社は、この好循環サイクルにより契約数の拡大とユーザの継続利用、ビジネスの継続的強化を実現しています。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(単独実績)2018.3 279 -311 -311 -340
(単独実績)2019.3 445 -181 -182 -183
(単独予想)2020.3 1,335  - 193  191
(単独中間実績)2020.3 613 179 176 175

1株当たりの数値(円)EPS BPS 配当
(単独予想)2020.3 59.60 443.45  - 
調達資金使途 サーバー購入費、サーバー維持関連費、採用費・人件費

上場時発行済み株数 3,540,000株 (別に潜在株式389,900株)
公開株数 575,000株(公募300,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント75,000株)
PER:60.4
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:20.7億
公募時時価:127億
    
【株主構成】
渡久地択 代表取締役社長CEO 2,000,000 56.77 90
アクサ生命保険(株) 特別利害関係者など 250,000 7.10 90
UTEC4号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 221,000 6.27
(株)レオパレス21 特別利害関係者など 200,000 5.68 90
中沖勝明 取締役会長 148,000 4.20 90
日本郵政キャピタル(株) ベンチャーキャピタル(ファンド)147,000 4.17
大日本印刷(株) 特別利害関係者など 100,000 2.84 90
名井将元 従業員 98,000 2.78 90
レカム(株) 特別利害関係者など 58,000 1.65 90
第一生命保険(株) 特別利害関係者など 50,000 1.42 90

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である渡久地択並びに売出人である株式会社レオパレス21並びに当社株主であるアクサ生命保険株式会社、大日本印刷株式会社、中沖勝明、レカム株式会社及び第一生命保険株式会社並びに当社新株予約権者である名井将元、齋藤真織、檜田和毅、梅田祥太朗、中澤公貴、糸永有輝、野田明良、幸田桃香、谷槙太郎、堀部敦生、浦口純奈、西田茉由、藤崎泰幹、髙橋将太、及川智、胡為明、楠瀬丈生、飯田秀久、武田実樹、米窪泰志、柚口祐介及び保坂浩紀は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年3月23日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨合意しております。
また、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2020年6月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、2019年11月21日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)を行わない旨合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1984年04月29日生まれ
代表者略歴
2010年01月 socialwave(株)設立 代表取締
2011年05月 IQUE(株)設立 代表取締役CTO
2012年10月 SPACEBOY(株)設立 代表取締役
2013年12月 think apartment(株)設立 代表取締役
2014年03月 (一社)データサイエンス総合研究所設立 代表理事
2014年03月 Asia Post pvt.ltd CEO
2015年08月 LUZ-D(株)設立 代表取締役 Pulse Evolution Japan(株) 代表取締役CEO Toguchi Estate(株)設立 代表取締役(現任) 当社設立 代表取締役社長CEO(現任)

【幹事団】
主幹事証券 野村 440,000 88.00
引受証券 大和 12,500 2.50
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 12,500 2.50
引受証券 SMBC日興 12,500 2.50
引受証券 SBI 12,500 2.50
引受証券 岩井コスモ 2,500 0.50
引受証券 マネックス 2,500 0.50
引受証券 いちよし 2,500 0.50
引受証券 楽天 2,500 0.50

【参考類似企業】今期予想PER 11/29
3844  コムチュア 36.6倍(連結予想 )
6572  RPA 73.1倍(連結予想 )
6752  パナソニック 12.0倍(連結予想 )
7325  アイリック 29.5倍(連結予想 )
7911  凸版印 12.3倍(連結予想 )
8060  キヤノンMJ 15.2倍(連結予想 )


【私見】
 文字認識のAIでは業界1位の銘柄で、仮条件を大幅に上げたように今クールNO1の銘柄の銘柄です。RPAなどに関係し、時代にも乗っているでテーマ性も備えている銘柄です。業績は黒字見通で、レオパレス相手が気になるところでしたが、大手の契約も多く上場を機に知名度アップで更なる期待が持てます。この時期は高くても人気銘柄は上がるので、初値高騰かつセカンダリーも期待が出来そうな銘柄です。


想定価額:2660円
仮条件上限:3600円
初値予想:10000円
ブック申し込み度・・・強気
セカンダリー期待度・・・やや強気
総合評価4.5

2 件のコメント:

  1. 即金で寄り付きは26日になりそうですが、初値12000円くらいまでなら思い切って行くべきでしょうか。
    2017年の12月IPOの時は年末にピークつけましたが今年はどうでしょう。

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  2. 今の相場ならいくらでもという感じですが、いつ崩れるか分からないですからね。

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