2019年12月7日土曜日

IPO分析(カクヤス)

【事業内容】
 (1)株式会社カクヤス
 当社が現在のビジネスモデルを作るきっかけは、平成10年に酒類免許規制の緩和が決定されたことでした。新たな販売モデルとして、「お客様の利便性を中心としたお届け販売事業」を経営の中心とすることとし、東京都23区内において、1店舗の商圏を半径1.2kmとモデル設定し、「23区内どこでもビール1本から2時間以内(当時)で無料配達」する体制作りをスタートし、受注からお届けまで一貫して自社で提供するワンストップのサービスを作り上げてまいりました。
 当社グループの事業の核は、業務用向と個人向のお客様に対する酒類の販売になります。一般的な酒類販売業者は、業務用向販売と個人向販売の手法の違いから、業務用向販売に特化又は個人向販売に特化する形で事業運営を行っておりますが、当社は両方のお客様に対し販売を展開することで、商圏エリアの配達量を増加させ、短時間でお届けできるよう効率的な配達サービスの実現を目指しております。当社ではブランド毎に以下のサービスを展開しております。

①なんでも酒やカクヤス
 ピンクの看板で、東京都23区を中心に横浜や大阪等にドミナント展開しており、個人向けにおいては、店頭での販売の他に、東京都23区及び横浜市・川崎市・大阪市・東京都下の一部のエリアにおいて、お客様のご自宅をはじめとしたお客様が指定する場所に「1時間枠」で無料で配達を行っております。また、各店舗からは、業務用向けの配達もしており、業務用センターからの出荷機能を補完する役割も果たしております。近年は、ワイン類の販売をメインとする店舗として「KAKUYASU class」という看板にて出店もしております。業務用向けにおいては、店頭での販売を行わない出荷拠点もあり、小型倉庫の役割を果たしながら、料飲店等向けに販売を行い、「なんでも酒やカクヤス」の看板を掲示しない店舗もあります。店舗網の構築にあたっては、お客様の配達時間の短縮や配達効率向上のため、店頭での販売を行わない小型倉庫等の拠点も含めて、出店を検討しております。
 宅配の受注は、コールセンター及びWEBサイトで行っております。WEBサイトは自社サイトの他に外部サイトへも出店を行い、WEBセンターを拠点とした全国向けの出荷にも取り組むなど、お客様との接点の拡大に努めております。「なんでも酒やカクヤス」の拠点は、令和元年10月末現在、店舗・小型倉庫及びWEBセンターで、173箇所となっております。

②KYリカー
 神奈川県を中心に東京都下や埼玉県の川口市などの郊外に酒の大型専門店として出店しております。「お酒の楽しさ販売」をコンセプトに、来店されたお客様を中心に、接客方法を創意工夫しながら営業活動を行っており、豊富な品揃えのもと、飲み方提案や独自イベント等を企画しております。「KYリカー」の店舗は、令和元年10月末現在、29店になります。

③CORK
 個人向けギフト花需要にお応えするために、お酒とお花をセットで販売しているセレクトショップ(コンセプトに合った商品を選定して販売しているお店)です。ワインソムリエやフラワーアートディレクターを店舗に配置し、パーティ需要やギフト需要に対応した品揃えで、酒屋から脱却した新しいスタイルの事業展開を行っています。「CORK」の店舗は、令和元年10月末現在、新宿店1店舗となっております。

(2)株式会社検校(子会社)
 日本各地から和酒(日本酒・焼酎)を取寄せて販売しております。また、小容量から和酒をお楽しみいただける有料試飲を店舗にて行っている和酒専門業態であります。「検校」の店舗は、令和元年10月末現在、銀座店1店舗となっております。

(3)株式会社NSK(子会社)
 取引先等への投資及び投資管理を行っております。

(4)株式会社KYマネジメント(子会社)
 社員向け社宅等の運営・管理を行っております。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.3 110,044 927 1,071 434
(連結実績)2019.3 108,715 1,779 1,806 745
(連結予想)2020.3 110,460 1,820 1,842 946
(連結中間実績)2020.3 55,198 799 805 510

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.3 129.31 775.50 49.8
調達資金使途 EC(電子商取引)サイトの開発など、販売時点情報管理(POS)レジスター更新、倉庫作業効率化投資、店舗新設および改修、借入金の返済
上場時発行済み株数 7,525,000株 (別に潜在株式770,800株)
公開株数 2,348,300株(公募285,000株、売り出し1,757,000株、オーバーアロットメント306,300株)

PER:12.3
PBR:
配当利回り:3.1%
公募時吸い上げ資金:37.5億
公募時時価:120億
    
【株主構成】
(株)SKYグループホールディングス 親会社 6,982,000 87.16 90
従業員持ち株会 特別利害関係者など 216,000 2.70 180
佐藤順一 代表取締役社長 20,000 0.25 
田島安希彦 代表取締役副社長 16,000 0.20  90
並木吉彦 取締役、子会社の取締役 10,000 0.12 90
赤坂敏明 取締役 10,000 0.12 90
関口信彦 取締役 10,000 0.12 90
森山雅司 執行役員、子会社の取締役 5,800 0.07
新里正 執行役員 5,800 0.07
川口雅博 執行役員 5,800 0.07
小山隆弘 執行役員 5,800 0.07

【代表者】
代表者生年月日 1959年01月26日生まれ
代表者略歴
1981年03月 当社 入社
1993年07月 当社代表取締役社長 就任(現任)
2000年06月 (株)サマーソールト 取締役 就任
2016年01月 (株)SKYグループホールディングス 代表取締役社長 就任
2016年06月 同社 退任
2017年06月 同社 代表取締役社長 就任
2018年06月 同社 退任

【幹事団】
主幹事証券 野村 - -
引受証券 みずほ - -
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー - -
引受証券 SMBC日興 - -
引受証券 マネックス - -
引受証券 SBI - -
引受証券 岩井コスモ - -

【参考類似企業】今期予想PER 11/25
9994  やまや 12.0倍(連結予想 )

【私見】
 都内では有名なビジネスモデルで面白みはありますが、酒に関しては限界に近づき、新たなビシネスモデルがないと成長性に関しては厳しいかと思います。2部案件で、PERは高くなく、需給はVCがなくロックもかかっており、配当も悪くないので下値不安はありません。吸収金額は適度に大きいので初値段階で高騰することは考えにくいですが、初値が低ければ意外とセカンダリーもあるかもしれません。


想定価額:1520円
仮条件上限:1600円
初値予想:1700円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立〜やや強気
総合評価3

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