2019年12月8日日曜日

IPO分析 (INCLUSIVE)

【事業内容】
 a.メディアマネジメントサービス  メディアマネジメントサービスでは、主にテレビ局や出版社などのメディア企業に対してウェブ上に展開するコンテンツの企画・制作や、インターネットサービスの事業規模成長に向けたコンサルティング、収益力強化に資するサービスを提供しております。メディアマネジメントサービスでは、コンサルティングサービスの提供のほか、コンテンツ制作やインターネットサービスの広告収益に応じたレベニューシェアにより収益を創出しています。 当社グループ独自の強みとして、コンテンツマトリクスの活用を始めとした論理的かつ定量データに基づいた計画的なコンサルティングならびにコンテンツ運用体制があげられます。ターゲットにしているユーザーのイメージを明確化させる事と、その結果として制作されたコンテンツのユーザーとのマッチング状況やサービスとしての質を、数値(ページビューやユニークユーザー数)を通して可視化する事ができるため、綿密なKPI管理ツールとして活用する事も可能な仕組みとなっています。結果として、効率的にページビューユーザー獲得にむけた改善活動を行う事が可能となっています。これらの運営を行う事により、PVの増大に伴い広告表示枠の確保やクリック数の増加が可能となり、広告収益の増加が見込まれることから、クライアント・当社共に新規事業モデルの構築に取り組める事業環境を整備していく事が出来るのが当社グループのサービスの特徴です。  
 また当社グループでは、メディア企業向けサービスで培ったノウハウを活用し、メディア企業に限らずインターネット上でのコミュニケーションニーズのある事業会社においても同様のサービスを提供しております。事業会社に対するサービスとしては、コンテンツの企画・制作支援に加え、当社グループが運営・支援するインターネットサービス上への広告掲載を行うことによるプロモーション支援も行っております。
  多くのクライアントにとって、インターネットサービスへの転換は、新しい収益機会の獲得やユーザーとの新しいコミュニケーション手法の確立などを目的として取り組む新規事業領域であり、インターネットサービスの運営を当社グループ独自のリソース・ノウハウを通して提供する事で、サービスの新規構築、既存大型サービスの支援など形態に関わらず成果を出し、サービス提供先の獲得を行ってまいりました。2019年9月時点では、24社、35のインターネットサービスの運営・支援を行っており、支援先としては雑誌・出版社のみならずテレビ局、事業会社等多岐にわたります。当社グループが運営・支援するインターネットサービス数の推移は、下記のとおりであります。 

b.広告運用サービス  広告運用サービスでは、アドネットワークや広告の運用支援、及びウェブ、SNS等配信プラットフォームに合わせたコンテンツマーケティングを行っております。当社グループではメディアマネジメントサービスで培った知見を活かし、当社グループ独自のサービスとしてContentmatic、ContentX、独自SSPであるPacific SSP等独自の広告配信ネットワークを提供する事で、差別化を図っております。また、事業会社に対してはコンテンツ制作やユーザー動態に対する知見を活かし、事業会社の事業目的に沿った運用型広告の企画、提案、実施や、コンテンツマーケティングの観点からECなどとの接続も意識したオウンドメディア、オウンドSNSの運用、企画、支援を行っております。

 c.プロモーション企画・PRサービス  プロモーション企画・PRサービスでは、クライアント向け広告企画の立案・実施や、戦略PRサービスの提供を主たるサービスとして提供しております。プロモーション企画においては、グループ内リソースを活用できる強みを活かし、企画のみならず広告運用施策やコンテンツ制作能力を提供する事で競合と差別化していく、ワンストップサービスを提供しております。また、PRサービスにおいては、クライアントに対して消費者とのコミュニケーションの設計からパブリシティ獲得計画の実行、イベントの企画運営など、設計から活動実施まで一気通貫で戦略PRサービスを提供しております。 当サービスにおいては、メディアマネジメントサービスで培ったコンテンツ制作ノウハウやメディア企業とのリレーションシップを活用し、インターネット上で受け入れられやすいコンテクストを作り提供していく事で、反響の高いプロモーションを展開できる事が強みです。現在はアドテクノロジーを活用した広告配信サービスや、SNS上での情報発信など戦略PRサービスのクロスセル商材の開発にも着手しており、事業を更に拡大させていく方針です。 

d.エンジニアリングサービス  エンジニアリングサービスでは主にアプリケーションやインターネットサービスの開発を行っております。当社グループでは、2017年5月に株式会社グルコースを買収しエンジニアリングサービス領域を新設いたしました。当サービス領域においては、ディープラーニングを活用したAIアルゴリズムやIoT領域等のアプリ・ウェブサービス開発を行うなど、最新技術ニーズにも対応できるエンジニアリングチームを保持しており、BtoB向け、BtoC向け問わず、幅広いアプリケーションを開発する事で、クライアントが持つ幅広いコミュニケーションニーズに応じたシステムを構築する事が出来ることが強みです。
 また、当社内の他のサービス提供機能と連携する事で、SaaSサービスの展開など、クラウドサービスへの展開も検討してまいります。

 【業績等】 
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
 (連結実績)2018.3 1,014 -24 -21 -35 
(連結実績)2019.3 1,669 308 307 154 
(連結予想)2020.3 1,652 323 320 208
 (連結中間実績)2020.3 769 178 176 114 

1株当たりの数値(円)EPS BPS 配当
 (連結予想)2020.3 93.74 517.59 0 
調達資金使途 オフィス移転および統合、人材採用および研修、システム開発 

上場時発行済み株数 2,356,700株 (別に潜在株式138,500株)
 公開株数 488,700株(公募200,000株、売り出し225,000株、オーバーアロットメント63,700株) 

PER:22.5 
PBR: 
配当利回り: 
公募時吸い上げ資金:10.3億 
公募時時価:50億    

 【株主構成】 以下180日 
藤田誠 代表取締役社長、子会社の代表取締役社長、子会社の取締役 1,625,300 70.81 
アーキタイプ(株) 役員らが議決権の過半数を所有する会社 222,700 9.70 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(株) 特別利害関係者など 100,000 4.36 
安達真 取締役、子会社の代表取締役社長 96,300 4.20 
(株)カヤック 特別利害関係者など 64,700 2.82 
大向一輝 子会社の取締役 22,700 0.99 
後藤健太郎 取締役、子会社の代表取締役社長 50,600 2.20 
(株)デルフィス 特別利害関係者など 20,000 0.87 
原直志 従業員 7,900 0.34 
渡辺淳一 従業員 6,100 0.27 

【代表者】 
代表者生年月日 1973年04月20日生まれ 
代表者略歴 
1997年04月 中央宣興(株)入社 
2001年10月 (株)エクサイド入社 
2002年10月 アトムショックウェーブ(株)入社 
2005年04月 (株)ライブドア入社 
2007年04月 当社設立 代表取締役社長就任(現任) 
2017年08月 (株)グルコース 取締役就任(現任) 
2018年12月 パシフィック・コミュニケーションズ(株) 代表取締役社長 就任(現任) Data Tailor(株) 代表取締役社長就任(現任) 
2019年07月 (株)Y&Iメディアソリューションズ 取締役就任(現任) 

【幹事団】 
主幹事証券 みずほ 361,500 85.06 
引受証券 SBI 42,500 10.00 
引受証券 岩井コスモ 4,200 0.99 
引受証券 いちよし 4,200 0.99 
引受証券 丸三 4,200 0.99 
引受証券 楽天 4,200 0.99 
引受証券 東海東京 2,100 0.49 
引受証券 マネックス 2,100 0.49 

【参考類似企業】今期予想PER 11/20 3688  
CARTAHD 16.3倍(連結予想 ) 6533  
オーケストラHD 27.7倍(連結予想 ) 6550  
Fringe81 -倍(連結予想 ) 6562  
ジーニー -倍(連結予想 ) 7067  
ブランディン 28.2倍(連結予想 ) 

【私見】 
 ネット広告である程度人気になる業種ですが、類似業種も多く特段の優位性はなさそうなのでそれほど人気にはなりそうもありません。業績も売上の伸びはあまり伸びておらず、PERからは大きな上値は現状なさそうです。需給は、小さめでロックもかかっているので、初値段階ではそれなり上がるかと思いますが、セカンダリーでは魅力は感じません。

想定価額:2290円 
仮条件上限:2110円 
初値予想:2800円 
ブック申し込み度・・・やや強気 
セカンダリー期待度・・・中立 
総合評価3.5

0 件のコメント:

コメントを投稿