2020年3月25日水曜日

IPO分析(コマースOneホールディングス )

【事業内容】
  ①株式会社フューチャーショップ
株式会社フューチャーショップでは、中小・中堅企業を中心としたECサイト運営事業者向けにSaaS型にてECサイト構築プラットフォーム「futureshop」の提供を行っており、2019年3月末現在、2,400以上の店舗での利用実績があります。当サービスは月額利用料22,000円をベースとして、多様化する消費者嗜好をとらえたECサイト構築ができるようにSaaS型プラットフォームでありながらECサイトの要素一つ一つを「パーツ」単位に分割し各パーツを組み合わせた表現を可能にし、デザインのカスタマイズ性、更新性を高めました。加えて導入後に、コンバージョン率(注3)やリピート率を高めるためのデータ解析やカスタマーサポートを通じたサイト改善提案を実施することで、ECサイトの流通額拡大に寄与しております。また、カスタマーサポートについては、16年にわたり、自社EC店舗をサポートしてきたノウハウが長年蓄積されており、経験豊富なECアドバイザーがEC運営事業者の抱えるデザインリニューアル、プロモーション、サイト運営などの悩み、問題の解決に向けてサポートします。加えて、サポートのフィードバックによる年複数回のバージョンアップやサービス導入後の契約店舗向けの無料の勉強会、セミナーを実施し、導入店舗様の売上拡大に寄与しております。
2018年9月に新CMS機能として「commerce creator」をリリースしております。当サービスではECサイトを構成する要素をより細かい「パーツ」に分割しており、パーツをドラッグ&ドロップすることでサイト構築に繋がる等のレイアウト機能により自由に配置変更を行うことができます。またパーツはシステムから提供するものとは別に、運営事業者独自に作成することができるため、よりオリジナリティを追求したECサイトの構築が可能であります。一般的なSaaS型のECサイトとは異なり、定型的なサイト構築ではなく、導入企業の独自デザインでのサイトカスタマイズが可能な面で他社サービスとの差別化を図っており、自由度の高いサイト構築の実現に寄与しております。なお、当社は「futureshop」及び「commerce creator」に加えて、導入企業の持つリアル店舗での在庫表示機能及び店舗間ポイント連携機能を持つ「futureshop omni-channel」、越境ECサイト構築用の「futureshop overseas」をそれぞれ提供しております。

 ②株式会社ソフテル
EC用の多店舗の受注在庫などを一元管理できるパッケージソフトウェア「通販する蔵」を中心に、「出店する蔵」「レジする蔵」「ロジする蔵」といったECサイト・POS・物流管理の各システム連携を備えたカスタマイズを、サーバー内に契約顧客専用のアクセス先を設定するプライベートクラウド型での提供を行っております。通常のバックヤードシステムでは事業運営者の既存システムとの連携が必要となるため、オープンクラウド型のSaaSでは必要に応じて自社システムの入替や改修を要することがあります。一方で顧客の自社サーバー内にシステムを組入れるオンプレミス型での開発の場合は、ソフトウェアから開発するため一般的に相当なコストが必要となります。その点、当サービスではプライベートクラウド型での提供とすることで、既存システムとの連動性の観点から初期的なカスタマイズは必要であるものの、SaaS型での提供であるためシステム利用時の負荷低減を実現しております。そのため同社の収益計上は、初期導入に係るカスタマイズ料と導入後の保守・運用並びに改修に伴う収入となります。 

 ③株式会社TradeSafe
トラストマークの認証業務の他、ECサイト構築における助言を行っております。なお株式会社TradeSafeは国際提携であるWorld Trustmark Allianceに加盟し、1999年のOECDのガイドラインに沿った「トラストマーク運営事業者のためのガイドライン」をもとに加盟企業共通審査を行っております。ECサイトの法令順守状況、運営事業者の実在性、サイト運営のクオリティ等を総合的に検証の上認証を付与しております。
また、2013年12月より自社開発のEC受注状況分析ツール「ECnote」をリリースして販売を開始いたしました。当グループの株式会社ソフテルをはじめ複数のECバックヤード管理システム供給業者により取り扱われております。

主なサービスの料金体系について
(株式会社フューチャーショップ)
futureshopの料金体系は、導入時の初期費用と利用期間に継続して支払われる基本料金(月契約)から構成されており、登録可能商品数に応じて初期費用及び基本料金が異なっております。なお、登録可能商品数とは、futureshopのサイト内で登録できる商品数であります。

(株式会社ソフテル)
パッケージソフトウェア(主に通販する蔵)の料金体系は、初期導入に係るカスタマイズ料と導入後の保守・運用並びに改修に伴う収入から構成されており、平均受注数、出店モール・カートに応じて初期費用及び月額保守金額が異なっております。

(株式会社TradeSafe)
(ⅰ)トラストマーク
トラストマークの料金体系は、登録料と月額使用料から構成されており、本店サイトについては、月間店舗売り上げに応じて月額利用料が異なっております。なお、本店サイトにおいての月間店舗売り上げと月額利用料の関係は以下の通りとなっております。
(ⅱ)ECnote
ECnoteの料金体系は、初期費用と月額利用料から構成されており、月額利用料については、店舗数に応じて月額利用料が異なっております。なお、店舗数と月額利用料の関係は以下の通りとなっております。

【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.3 1,665 271 280 232
(連結実績)2019.3 1,952 320 357 294
(連結予想)2020.3 2,144 289 361 252
(連結3Q累計実績)2020.3 1,604 275 338 234

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.3 65.51 312.51 -
調達資金使途 ソフトウエア開発、人材開発、借入金の返済

上場時発行済み株数 3,851,700株
公開株数 778,400株(公募240,000株、売り出し436,900株、オーバーアロットメント101,500株)

PER:20.6
PBR:
配当利回り:
公募時吸い上げ資金:10.5億
公募時時価:52億
    
【株主構成】 以下90日・1.5倍
岡本高彰 代表取締役、子会社の代表取締役 1,221,900 33.83
AsianAssetAcquisition Pte.,Ltd. ベンチャーキャピタル(ファンド)903,000 25.00
(株)フューチャースピリッツ 特別利害関係者など 541,500 14.99
(株)オプトホールディング 特別利害関係者など 429,000 11.88
星野裕子 取締役、子会社の代表取締役 196,200 5.43
越智哲生 特別利害関係者など 84,000 2.33
北川輝信 取締役、子会社の代表取締役 75,000 2.08
熊谷儀七 特別利害関係者など 68,100 1.89
NIFSMBC-V2006S3投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 36,000 1.00
オリックス(株) 特別利害関係者など 30,000 0.83

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ当社株主である株式会社フューチャースピリッツ、越智 哲生、岡本 高彰、星野 裕子(戸籍上の氏名:伏見 裕子)及び株式会社オプトホールディング、並びに当社株主であるAsian Asset Acquisition Pte., Ltd.、北川 輝信、熊谷 儀七、NIFSMBC-V2006S3投資事業有限責任組合(SMBC VC)、オリックス株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行及び株式会社三井住友銀行は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年7月7日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしに、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換もしくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得もしくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、グリーンシューオプション、株式分割及びストックオプションにかかわる発行等を除く。)を行わない旨合意しております。
ロックアップ期間終了後には上記取引が可能となりますが、当該取引が行われた場合には、当社普通株式の市場価格に影響が及ぶ可能性があります。
なお、上記のいずれの場合においても、主幹事会社は、その裁量で当該合意の内容を全部若しくは一部につき解除できる権限を有しております。

【代表者】
代表者生年月日 1968年08月26日生まれ
代表者略歴
1991年04月 (株)富士銀行(現(株)みずほ銀行)入行
2005年10月 (株)オプト入社
2006年08月 (株)TradeSafe(現(株)コマースOneホールディングス) 代表取締役就任(現任)
2010年03月 (株)フューチャーショップ 取締役(現任)  5月 エコシステムホールディングス(株) 代表取締役(現任)
2010年12月 ジャパンサイクル(株) 取締役(現任)
2011年09月 (株)ソフテル 取締役(現任)
2015年07月 エネサイクル(株) 取締役(現任)
2017年09月 (株)TradeSafe 代表取締役(現任)

【幹事団】
主幹事証券 大和 599,400(96.0)
引受証券 みずほ 6,200(1.0)
引受証券 いちよし 6,200(1.0)
引受証券 松井 6,200(1.0)
引受証券 SBI 6,200(1.0)

【私見】
 業種としてはECサイト関連で関通ほどではありませんが、地合いの影響が少ない業種だと思います。売上は伸びていて成長性がありそうですが、利益は横ばいと物足りません。需給は2位株主でVCはいますが、今の地合いでは1.5倍もいかないので影響は少なそうです。需給等を加味して今の地合いですと価額を下げても買いは大きく入らないと予想します。

想定価額:1690円
仮条件上限:1350円
初値予想:1500円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3.5

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