2020年3月5日木曜日

IPO分析(日本インシュレーション)

【事業内容】
 (1) 建築関連
a) 建材
 ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材として、以下のような建材等を提供しています。
ⅰ)耐火被覆材:熱に弱い鉄骨のはり・柱、免震装置といった建物の構造部材を被覆して、火災時に、構造部材を火炎や熱から護り、建物の倒壊を抑制することで人命や財産を護る役割を担う耐火材として、建築基準法に基づく認定を取得した製品を提供しています。
ⅱ)内装建材:建築基準法では特定条件の建築物やその部位に対し、火災時の延焼抑制のために、燃えない建材(不燃建材)を使用することが義務付けられており、けい酸カルシウム板を、デザイン加工できる不燃の内装材として供給しています。他にも、非常用発電機等の煙突用断熱材や文化財等を保管する展示ケース・収蔵庫の湿度環境を整える調湿建材としても供給しています。
ⅲ)多機能材:当社のけい酸カルシウム材は、加工性・吸水性等の機能を併せ持っており、建材以外の用途に、加工しやすさを活かした彫刻・刻字向け工芸用ボードや洗剤に使用するための吸油性の高い無機粉体等を販売しています。

b) 完成工事
 耐火被覆材の販売にとどまらず、施工請負までを一貫して行っています。耐火被覆材は建築物の火災安全性を担保するものであり、自社工事の場合は責任施工となり協力会社に施工を依頼しますが、監理業務は当社の社員が行い、要求事項が充足されているか責任を持ちます。万一、瑕疵担保期間内の不具合は全て当社の責任で修復します。
また、建物に施工された吹付けアスベストやアスベスト含有建材の除去工事も請け負っています。
c) その他
顧客の要求に応じて、要求に関連する商品を仕入れて提供する事業も行っております。主要なものとして、建物の鉄骨はりにスリーブ管等を設置するための貫通孔用の耐火被覆材があります。高性能熱膨張性耐火ゴムシートを利用した商品となっております。

(2) プラント関連
a) 保温材
 ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材として、以下のような保温材等を提供しています。
ⅰ)プラント保温材:プラントのボイラーや反応器などの熱設備や高圧蒸気用の温熱配管等は、内部が高温になるため、熱を逃がさないようにする保温を行う必要があります。種々の保温材のうちでも、1000℃の高い耐熱性を持つ、けい酸カルシウム保温材は、これらの熱設備等に対して適性が高い保温材として採用されています。
また、東南アジア・東アジアを中心とした海外プラントでの保温材需要に対応して、ジェイ アイ シーベトナムの工場で、バイオマスを原燃料とした、けい酸カルシウム保温材を製造し、供給しています。
ⅱ) 工業用断熱材:高い耐熱性が要求される工業炉の断熱材や蓄熱暖房機やスチームオーブンレンジ等の断熱材等に、けい酸カルシウム断熱材を供給しています。
また、顧客からの要求に応じて、他材料との複合材の開発等も行っています。
b) 鉄骨耐火被覆材
当社は、建築の耐火被覆材のノウハウを応用して、ゾノトライト系けい酸カルシウム材を基材としたプラントにおける鉄骨部材の耐火被覆向け耐火材を提供しています。
c) 完成工事
当社では、けい酸カルシウム保温材の販売にとどまらず、その施工請負までを一貫して行っており、高性能断熱材を製造し、それを用いて断熱工事をすることで、省エネ効果やCO2排出を削減し、より高いレベルの品質管理を実現しています。また、自社製保温材以外の耐熱性の低い他種の保温材を用いての施工も行い、プラント全体の保温工事を一括して行う体制を整えています。
また、断熱工事や施工されたアスベスト含有建材の除去工事も請け負っています。
d) その他
顧客の要求に応じて、要求に関連する商品を仕入れて提供する事業も行っております。主要なものとして、上記a)に記載したジェイ アイ シーベトナムの製品であるけい酸カルシウム保温材があります。当社のけい酸カルシウム保温材との違いは、もみ殻を燃料とし、燃え残った殻を保温材の材料として利用した商品となっていることであります。


【業績等】
業績動向(百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
(連結実績)2018.3 11,386 1,675 1,626 1,457
(連結実績)2019.3 11,766 1,564 1,510 980
(連結予想)2020.3 12,696 1,648 1,603 1,108
(連結3Q累計実績)2020.3 10,141 1,400 1,407 956

1株当たりの数値(円) EPS BPS 配当
(連結予想)2020.3 144.33  -  35
調達資金使途 設備投資、借入金返済
上場時発行済み株数 8,707,200株
公開株数 1,207,500株(公募1,050,000株、オーバーアロットメント157,500株)

PER:6.4
PBR:
配当利回り:3.8%
公募時吸い上げ資金:11.1億
公募時時価:80億
    
【株主構成】 以下180日
大橋ゆふみ 代表取締役会長の配偶者 1,282,959 16.79
大阪中小企業投資育成(株) ベンチャーキャピタル(ファンド)872,400 11.42
大橋健一 代表取締役会長 704,531 9.22
(株)日本政策投資銀行 特別利害関係者など 500,000 6.54
(株)大垣共立銀行 特別利害関係者など 349,000 4.57
(株)三菱UFJ銀行 特別利害関係者など 349,000 4.57
社員持株会 特別利害関係者など 284,154 3.72
三菱UFJキャピタル(株) ベンチャーキャピタル(ファンド)170,000 2.23
共友リース(株) 特別利害関係者など 151,000 1.98
三菱UFJ信託銀行(株) 特別利害関係者など 134,000 1.75

 本募集に関連して、当社の株主かつ貸株人である大橋健一、並びに当社の株主である大橋ゆふみ、大阪中小企業投資育成株式会社、株式会社日本政策投資銀行、株式会社大垣共立銀行、株式会社三菱UFJ銀行、日本インシュレーション社員持株会、共友リース株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社、日本冷熱工産株式会社、大橋睦、鈴木可奈子、富永純、村中俊哉、日本生命保険相互会社、株式会社商工組合中央金庫、柴原数雄、久保蓉子、垣内正充、住友生命保険相互会社、株式会社東京エネシス、吉井智彦、森脇道子、株式会社関西みらい銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社もみじ銀行、AIG損害保険株式会社、遠藤榮一、種子田稔、イソライト工業株式会社、大橋一真、大和ハウス工業株式会社、山本寿幸、山上和史、元岡忠昭、森本勝広、藤田実、三宅節生、高島株式会社、中部急送株式会社、高橋輝、加藤就一、中野英雄、株式会社OKBキャピタル、ハートランス株式会社、久保裕美子、久保和英、出雲治昭、森脇健人、日石工業株式会社及び他79名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年9月14日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。
また、当社株主である三菱UFJキャピタル株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年6月16日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

【代表者】
代表者生年月日 1956年07月06日生まれ
代表者略歴 
1979年04月 当社入社
2005年04月 執行役員営業本部営業推進統括
2006年06月 取締役営業本部副本部長
2007年04月 取締役営業本部本部長
2011年04月 取締役プラント事業部事業部長
2012年06月 常務取締役プラント事業部事業部長
2016年10月 専務取締役プラント事業部事業部長  10月 専務取締役
2017年04月 代表取締役社長(現任)

【幹事団】
主幹事証券 大和 966,000 92.00
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 31,500 3.00
引受証券 SBI 31,500 3.00
引受証券 岩井コスモ 21,000 2.00

【参考類似企業】今期予想PER 2/26
4628  エスケー化研 14.8倍(連結予想 )
5358  イソライト 6.2倍(連結予想 )
5387  チヨダウーテ -140.3倍(連結予想 )
5391  A&AM 5.2倍(連結予想 )
5393  ニチアス 11.3倍(連結予想 )

【私見】
 業種として2部の地味な業種で人気になるような業種ではありません。業績は横ばいで成長性は感じません。PERは低く下値不安はありませんが、類似業種も低いので妥当かもしれません。需給は2部としては適度で、売り要素もないので良好です。静かなスタートになると思いますが、配当利回りも良いので急に上がることがあるかもしれません。

想定価額:920円
仮条件上限:940円
初値予想:1000円
ブック申し込み度・・・中立
セカンダリー期待度・・・中立
総合評価3

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